JPH0434028B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、弁体を90°回動することにより弁を
開閉するバタフライ弁であり、管路の途中に設け
られ、流体の流れの開閉を含めた制御に利用され
るものであつて、特に小型のバタフライ弁に関す
る。

（従来の技術） 従来よりバタフライ弁は、２インチ以上（外国
製で１ 1/2インチもある。）の口径に適し、大口
径の方が製作上、コスト上、他の汎用弁である玉
形弁、仕切弁等に比べて有利であり、近年多く用
いられている。これも、特にシール部分に合成ゴ
ム等の弾性体を使用することにより、完全シール
が可能になつたからである。

これに反し、小型のバラフライ弁は、従来より
汎用玉形弁、仕切弁及びボール弁、コツク等があ
るため、余り小口径の分野にまで進出する傾向が
なかつた。しかし各種プラントの中では、運転方
式がバタフライ弁と同様な90°回動により弁の開
閉ができるような弁への要望も多く、そのためい
ろいろ研究されて来た。

他方、バタフライ弁は、第７図にも示すよう
に、弁本体にフランジを設けないフランジレス
（ウエハー形）のものが多く、配管時に、管に設
けられたフランジとフランジの間に弁本体を挿入
して両側より締付ける方式が多く用いられてい
た。

（発明が解決しようとする問題点） 上記したように、バタフライ弁は大口径のもの
が多く用いられ、またこれらの大口径のもので
は、配管系路に組立てる際、フランジとフランジ
の間に挿入して両側より締付けるフランジレス方
式が多かつたが、特に小型バタフライ弁の場合、
このようなフランジ接合によつて管路の途中に取
付けると、プラント装置自身が大きくなつて不向
きとなる欠点があつた。

また、バタフライ弁では、弁体が全開した場合
でも、弁本体内部に弁体が存在するので、開弁時
に流体損失（圧力損失）を生じる欠点があり、特
に小口径のものについては顕著であつた。

本発明は、上記した問題点を解決し、弁全開
時、弁室内の流通路に圧力損失がなく、且つ弁体
の小形化が可能なバタフライ弁を提供することを
目的としている。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本発明は、弁室
の両側に位置する弁口に接続された開口部に、流
入及び流出用の管をねじ込んで取付けるためのね
じ部を形成し、上記弁室内に、上記弁口を開閉す
る円筒の一部からなる側面部を具え且つ円体の
中央部をくり抜いて形成した弁体を、弁軸によつ
て回動自在に装入したバタフライ弁において、弁
本体内部に形成される弁室を弁軸を中心とした円
筒形に形成し、該円筒形弁室内に装入される円
状の弁体の中央部を、軸方向の縦断面がコの字形
をなすように上記側面部と上下の円部とを残し
てくり抜いて形成し、該弁体側面部の外周面に弾
性体からなるライニングを施こし、弁体を90°回
動することによつて弁を全開又は全閉させるよう
にし、全開時、上記弁体側面部のライニング部を
両側弁口の中間に位置する弁室内面内に細〓を保
つて位置させるようにし、全閉時、前記円筒の一
部からなる弁体側面部を着座させる弁座部を、弁
本体の角形をした弁口の周囲に***して設け、該
弁座部の周縁部に勾配を設けたことを特徴として
いる。

（作用） 本発明は、上記のように構成されているので、
流入及び流出用配管を、弁本体の両ねじ開口部に
ねじ込むことによつて連結される。なおこの連結
時には、テフロン（商標名）テープ又はボンド等
によりシールされる。

そして第１Ａ図に示された全開状態では、円筒
の一部からなる弁体側面部が、弁本体の両弁口の
縁を結ぶ面の外側に収納位置されており、弁室内
の流通路には、弁体によつて遮られるものが全く
存在しないので、開弁時における流体損失（圧力
損失）は極めて小さい。

次いで、弁軸を90°回動することにより、上記
円筒の一部からなる弁体側面部は、弁本体内の上
記収納位置から、弁室内の円筒状内面に沿つて
90°変位し、第４Ａ図に示す弁口を閉鎖する全閉
位置まで回動される。このとき、上記円筒の一部
からなる弁体側面部の外周面に施こされた弾性ラ
イニング材は、弁口の周りに形成された弁座部に
着座されるので、弁口は密閉され、全閉状態が維
持される。

また上記閉鎖状態より開口する場合は、弁軸を
上記と逆の方向に90°回動すればよい。

なお、弁本体に管が連結されたときの流体の流
れ方向は、弁体の閉止状態より一方通行（第４Ａ
図において左→右）が望ましい。また弁体の回転
方向は上部ハンドルに指示され、ストツパにより
90°回動できるようになつている。

（実施例） 次に、本発明の実施例を図面と共に説明する。

第１Ａ図は本発明の一実施例を示す小型バタフ
ライ弁の第２図の−線による弁軸直角方向の
横断面図、第１Ｂ図は第１Ａ図の側面図、第２図
は第１Ａ図の−線による弁軸方向の縦断面図
である。図において、弁箱１の両端開口部には、
流入及び流出用パイプとのそれぞれの接合のため
にねじ１ａ，１ａが切られており、円筒内面を有
する弁室１ｃ内には、第３図に示すように、弁軸
方向の縦断面がコの字形になるように、円筒の一
部からなる側面部２ａと上下の円部２ｂ，２ｂ
とを残して円体の中央部２ｃをくり抜いて形成
した弁体２が、弁軸３により回動自在に装入され
ており、上記円筒の一部からなる弁体側面部２ａ
の周面には、第４Ａ図に示すように、弾性体から
なるライニング材１１が張設されている。

また弁軸３の両端は、スラスト受８及び７によ
り上下動を調整しながら、蓋４の中央をグランド
パツキン５及びダストシール６を通つて上方向に
延びており、90°回動用ハンドル９に連結されて
いる。そして上記弁箱１と蓋４によつて弁本体を
構成している。図中、１０はシール材を示す。

一方、弁箱１の弁口１ｂの周りには、第４Ｂ図
に示すように、弁口閉鎖時、前記弁体側面部２ａ
の弾性ライニング材１１を着座される僅かに***
した弁座部１５が環状に形成されており、該***
して形成された弁座部１５の両側面には、上記弁
体側面部２ａが接する時、弾性ライニング材１１
を損傷させないように勾配１５ａ，１５ａがつけ
てあり、これにより、弁体２の回動を自由にして
いる。

なお、上記した弁体側面部２ａと弁座１５との
接触面は、実際は、弁座部１５の当りの部分のみ
弾性体をライニングすればよいのであるが、前記
のように、回動に伴う剥離、損傷を防ぐため、全
面ライニングが施されている。

第５Ａ図は、弁箱の弁口１ｂの平面図で、該弁
口は幅Ａと高さＢを有する長方形をなしており、
その幅Ａと高さＢは、それぞれ第１Ａ図と第２図
に図示されたＡとＢに対応している。また第５Ｂ
図は弁体側面部２ａの円筒周面に張設される弾性
ライニング部材１１の平面図である。上記のよう
に弁口が長方形をなしているので、弁本体の流体
通過断面積は100％確保できる。従つて上記弁本
体の長方形断面を、縦断面コ字形の弁体で開閉す
ることになる。

次に作用について説明すると、弁全開時には、
第１Ａ図に示すように、弁体側面部２ａの内側の
平面部２ｄが、両弁口１ｂ，１ｂの縁を結んだ面
と一致する位置に収納位置されているので、弁室
１ｃ内には、長方形をなした弁口１ｂ，１ｂを遮
るものが存在せず、従つて弁開時における流体損
失（圧力損失）を極めて小さくすることができ
る。

また、ハンドル９によつて弁軸３を、該ハンド
ルに指示された方向に従つてストツパに当るまで
90°回動することにより、円筒の一部からなる弁
体側面部２ａは、第１Ａ図に示す収納位置から、
弁室１ｃ内の円筒状内面に沿つて90°変位し、第
４Ａ図に示す弁口１ｂの閉鎖位置まで回動され
る。このとき、上記弁体側面部２ａ周面に張設さ
れたライニング層１１は、弁口の周りに形成され
た弁座１５に着座されるので、弁口は密閉され、
全閉状態が維持される。なお、閉鎖状態により開
口する場合は、弁軸を上記と逆の方向に90°回動
すればよい。

この実施例によれば、通常のコツク類は、弁座
と弁体の材質をメタル−メタルの組合せとするこ
とが多く、完全シールさせるために摺合せとい
う、現物合せにより共に研磨することが常識とさ
れており、従つて弁体の形状は円錐状にやや勾配
がついていて、上方から強力に押し付けて締込ん
で閉止するようにされているのに対し、本実施例
では一方が弾性体であるため、上記従来のように
現物合せ及び強力に締付けるなどの必要はなくな
る。

また、流通時の流体損失が極めて小さいので特
に小型のバタフライ弁に有効である。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、次のよ
うな効果が奏される。

() 軸方向の縦断面がコの字形をなす弁体と角
形弁口とを組合わせて構成したことにより、弁
全開時、弁室内の流通路には弁体によつて遮ら
れるものがないので、流体の圧力損失は極めて
小さくすることができ、且つ角形弁口を縦長に
することにより弁体の小形化が可能となる。

() 弁体側面部に弾性ライニングを張設し、弁
全開時、該弾性ライニング部を両側弁口の中間
に位置する弁室内面内に細〓を保つて収納位置
させるようにしているので、該弾性ライニング
部は開弁時流通部に露出せず、従つて流速によ
り剥離したり損傷する恐れはなく、また全閉
時、弁体の該弾性ライニング部は弁本体の角形
弁口の周囲に***して設けられた弁座部に着座
するので、弁口は密閉され、従来のメタル対メ
タルよりシール性を大きくして完全シールが可
能となる。

() 流れ方向によりシール性をより一層大きく
することができるばかりでなく、従来の円錐形
をなしたコツクやボール弁の球形弁体よりも、
コの字形断面の弁体を使用するため、特殊な工
作機械を必要とせず製作が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図は本発明の一実施例を示す小型バタフ
ライ弁の第２図−線による弁軸直角方向の横
断面図、第１Ｂ図は第１Ａ図の側面図、第２図は
第１Ａ図−線による弁軸方向の縦断面図、第
３図は弁体の斜視図、第４Ａ図及び第４Ｂ図は弁
体及び弁本体の着座部の拡大説明図、第５Ａ図及
び第５Ｂは弁本体の弁口及び弁体のライニング部
の平面図、第６図は配管された状態を示す全体側
面図、第７図は従来のバタフライ弁の斜視図であ
る。 １……弁箱、１ａ……ねじ部、１ｂ……弁口、
１ｃ……弁室、２……弁体、２ａ……弁体側面
部、２ｂ……薄い円部、３……弁軸、１１……
ライニング部材、１５……弁座部、１５ａ……勾
配。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 弁室の両側に位置する弁口に接続された開口
   部に、流入及び流出用の管をねじ込んで取付ける
   ためのねじ部を形成し、上記弁室内に、上記弁口
   を開閉する円筒の一部からなる側面部を具え且つ
   円体の中央部をくり抜いて形成した弁体を、弁
   軸によつて回動自在に装入したバタフライ弁にお
   いて、弁本体内部に形成される弁室を弁軸を中心
   とした円筒形に形成し、該円筒形弁室内に装入さ
   れる円状の弁体の中央部を、軸方向の縦断面が
   コの字形をなすように上記側面部と上下の円部
   とを残してくり抜いて形成し、該弁体側面部の外
   周面に弾性体からなるライニングを施こし、弁体
   を90°回動することによつて弁を全開又は全閉さ
   せるようにし、全開時、上記弁体側面部のライニ
   ング部を両側弁口の中間に位置する弁室内面内に
   細〓を保つて収納位置させるようにし、全閉時、
   前記円筒の一部からなる弁体側面部を着座させる
   弁座部を、弁本体の角形をした弁口の周囲に***
   して設け、該弁座部の周縁部に勾配を設けたこと
   を特徴とする小型バタフライ弁。