JPH0433812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液状化粧料、特に液状口紅の塗布容
器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より口紅は、練状の化粧料であり、棒状に
固めたり、皿体に充填したりした形態で利用され
ていた。従つて口紅は、棒状に固めたり、皿体に
充填したりするのに充分な粘度が必要であるた
め、口紅内の含有物が限られてしまつていた。従
つて、口紅を塗布した場合、口紅の伸びが悪かつ
たり、コツプ等に色移りしてしまつたりする欠点
を有していた。

そこで最近、液状にした口紅が注目されてきて
いる。この種の液状口紅は、粘度が自由であるた
め、含有物もあまり制限されず、口紅の伸びの悪
さ、色移り等の欠点もないものであつた。この液
状口紅は、マニキユア、マスカラ、アイライナー
等で周知の、キヤツプに塗布棒が植設された容器
に収容され、利用されていた。

また、フアンデーシヨン等の液状化粧料を収容
する容器には、容器内にポンプ機構等の液体移送
手段を内装して、使用時に適量の液状化粧料を外
部に吐出させて塗布する構成がすでに数多く提案
されている。この構成の場合、化粧料は必要量し
か外部に吐出されないため、化粧料の乾燥を防ぐ
事ができた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、液状口紅を収容する容器に、キヤツプ
に塗布棒が植設された容器を容器を利用した場
合、容器に収容された液状口紅を塗布する時、キ
ヤツプを抜脱してキヤツプに植設された塗布棒に
付着した化粧料を直接唇に塗布していた。そして
塗布後、キヤツプを容器に被嵌するようになつて
いた。従つて唇に直接触れた塗布棒は、化粧料中
に浸漬されており、大変不潔であつた。また、化
粧料内に雑菌が繁殖する恐れもあつた。

上記の問題点は、容器内に化粧料を収容し、液
体移送手段によつて適量を外部に吐出させる構成
を利用する事によつて、化粧料と塗布具を分離し
て収納できるようになり、解消できるのである
が、これを液状口紅容器に利用する場合、化粧品
のイメージ上、容器自体の大きさを従来品よりも
あまり大きくする事ができなかつた。従つて、限
られたスペースに液状化粧料、その吐出手段、及
び塗布具を使いやすい形態で、有効に配置する必
要があつた。

〔課題を解決する為の手段〕

本体Ｂは、略半円柱形状をしており、内部に化
粧料１６が収容され、化粧料１６を外部に一定量
移送するポンプＣを内装する。この本体Ｂの平面
部８ｂには、本体Ｂ内のポンプＣを操作する押し
ボタン１３及び、化粧料１６が吐出される受皿部
１１を設ける。

この本体Ｂと開閉自在に蝶着する蓋体Ａは、略
半円柱形状をしており、内部に塗布具３３を収納
している。また下面部には、閉じた時受皿部１１
を密閉するパツキン３５を貼着した仕切板３２を
設ける。

〔作用〕

蓋体Ａが閉じている場合、本体Ｂの受皿部１１
がパツキン３５によつて密閉され、且つ塗布具３
３が蓋体Ａに収納されている為、塗布具３３と化
粧料１６が完全に隔離されている。

使用時には、蓋体Ａを開き、蓋体Ａ内の塗布具
３３を取り出した後、本体Ｂの押しボタン１３を
押圧してポンプＣを作動させ、受皿部１１に化粧
料１６を噴出される。この化粧料１６を塗布具３
３に付着させて塗布すれば良い。

〔実施例〕

本考案第１実施例を第１図、第２図及び第３図
によつて説明する。

蓋体Ａと本体Ｂは、断面トラツク形状の柱状体
を長手方向に切断して二分割した形状をしてお
り、それぞれの一端が蝶番１によつて開閉自在に
連結している。また、蓋体Ａの他端にはフツク２
が垂下しており、本体Ｂの先端には、蓋体Ａのフ
ツク２と係合する係合部３が設けられ、蓋体Ａを
閉じた状態で係止させる係止機構４を構成してい
る。この係止機構４は、周知の係止機構が利用可
能である。

本体Ｂは、両端に開口した中空部５を有してお
り、この中空部５の両端にメクラ蓋６を圧入し
て、内部のポンプ収納室７を構成している。ま
た、本体Ｂの平面部８ｂには、鏡９が貼着され、
底面にポンプ収納室７へ貫通した注出孔１０を有
する受皿部１１が皿状に刻設され、更にポンプ収
納室７へ貫通した貫通孔１２が穿設されている。
この鏡９、受皿部１１、貫通孔１２は、本体Ｂの
蝶番１側より、受皿部１１、鏡９、貫通孔１２の
順に配置されている。この貫通孔１２には、押し
ボタン１３が上下摺動自在に挿入されている。こ
の押しボタン１３の下端、つまりポンプ収納室７
内に浸入した先端部分は、蝶番方向に傾斜した傾
斜面部１４となつたくさび形状をしている。ま
た、この押しボタン１３の下端には、蝶番方向へ
突部１５が突出している。

次に、本体Ｂのポンプ収納室７に収納されるポ
ンプＣについて説明する。このポンプは、周知の
ポンプが利用可能であるが、ここではその一実施
例を説明する。ポンプＣは、液状の化粧料１６が
収容された内容器１７、シリンダ１８、シリンダ
１８内の化粧料１６を圧縮するピストン１９を有
した先筒２０及び内容器１７を弾発するスプリン
グ２１とより成つている。内容器１７は、筒状を
しており、ポンプ収納室７の押しボタン１３側に
摺動自在に内装されている。この内容器１７の一
端には、押しボタン１３の傾斜面部１４に当接す
る当接部２２を有し、更に押しボタン１３の突部
１５が係合し、押しボタン１３を脱落不能にする
凹部２３が設けられた尾栓２４を止着している。
内容器１７内には、内壁に水密に密着して摺動す
る摺動尾栓２５が内装されている。また、内容器
１７の他端には、シリンダ１８が止着され、シリ
ンダ１８と摺動尾栓２５との間に化粧料１６を充
填している。シリンダ１８は、筒状をしており内
容器１７に止着された側の端部に、シリンダ１８
側へ開く開閉弁２６を設けている。先筒２０は、
本体Ｂのポンプ収納室７の受皿部１１側内に止着
されており、内容器１７及びシリンダ１８との間
にスプリング２１を挾持して内容器１７及びシリ
ンダ１８を押しボタン１３の方向に弾発してい
る。この先筒２０には、シリンダ１８内に遊挿さ
れるピストン１９が立設している。このピストン
１９の先端付近の側壁には、シリンダ１８内壁に
摺動可能に密接したピストンリング２７が嵌入す
る受け溝２８が設けられている。このピストンリ
ング２７は、たわみ可能なシリコンゴム等の材質
で成形されている。また、ピストン１９内には、
受皿部１１の注出孔１０まで連結する導液管２９
が穿設されており、受け溝２８の底面に開孔して
いる。この導液管２９の開孔部３０は、通常ピス
トンリング２７によつて閉鎖されている。

本考案実施例のポンプＣは以上構成の為、本体
Ｂの押しボタン１３を押圧すると、傾斜面部１４
に沿つて内容器１７がピストン１９の方向に摺動
する。その結果、内容器１７の先端に止着された
シリンダ１８内のピストン１９が摺動する。シリ
ンダ１８の開閉弁２６は閉じている為、シリンダ
１８内の化粧料１６の液圧が上昇する。シリンダ
１８のピストンリング２７は、シリンダ１８の内
圧上昇によつて先筒２０の方向にたわみ、導液管
２９の開孔部３０の閉鎖が解除され、シリンダ１
８内の化粧料１６は、導液管２９を通つて注出孔
１０より受皿部１１に移送される。化粧料１６の
放出によつて内圧が減少すると、ピストンリング
２７が復元して導液管２９の開孔部３０を閉鎖す
る。押しボタン１３の押圧をやめると、スプリン
グ２１によつて内容器１７が後退する。その結
果、シリンダ１８内のピストン１９も後退する
為、開閉弁２６が開き、内容器１７の化粧料１６
がシリンダ１８内に吸収される。内容器１７内
は、シリンダ１８内に化粧料１６が吸入された
為、内圧が減少し、摺動尾栓２５が摺動して内圧
のバランスをとる。以上の操作を繰り返せば、受
皿部１１に一定量の化粧料１６が毎回取り出せる
様になつている。このポンプＣは、液体が移送で
きるポンプＣであれば、どの様な構成であつても
利用可能である。また、本体Ｂの平面部８ｂの鏡
９、受皿部１１、押しボタン１３の配置も任意で
ある。

蓋体Ａの裏面の平面部８ａには、凹所３１が刻
設されており、開口部の蝶番１側には、凹所３１
の長さの約1/3程度の長さを有した仕切板３２を
止着して、蓋体Ａ内部に紅筆等の塗布具３３が収
納される塗布具収納室３４を構成している。この
仕切板３２の裏面には、蓋体Ａを閉じた時、本体
Ｂの受皿部１１を密閉するパツキン３５が貼着さ
れている。

また、本考案第２実施例として４図に示す様
に、仕切板３２を蓋体Ａに止着せず、蓋体Ａと本
体Ｂの蝶番１あるいは蓋体Ａに開閉自在に蝶着し
て、塗布具３３を取り出し易くする事も可能であ
る。この場合、蓋体Ａを閉じた時、本体Ｂの受皿
部１１を密閉する為に、凹所３１の内壁に仕切板
３２が当接する段部３６を設けておく必要があ
る。

また、本考案第３実施例として、第５図及び第
６図に示す様に、塗布具３３の柄３７を蓋体Ａの
一部に利用する事も可能である。以下、構成を説
明する。蓋体Ａは、全長の約1/3程度の長さとな
つており、本体Ｂに開閉自在に蝶着している。こ
の蓋耐Ａの平面部８ａには、受皿部１１を密閉す
るパツキン３５が貼着されている。塗布具３３
は、容器全長の約2/3程度の長さで蓋体Ａと断面
が同形状の柄３７を有しており、先端に塗布部３
８を設けた塗布棒３９が柄３７の一端に植設され
ている。また、柄３７の他端には、フツク２が垂
下している。塗布具３３は、蓋体Ａの先端面に穿
設された挿入孔４０に塗布部３８及び塗布棒３９
が挿入された状態で、柄３７のフツク２が本体Ｂ
の係合部３と係合して、蓋体Ａとともに本体Ｂの
平面部８ｂを被つている。使用時には、本体Ｂと
蓋体Ａの係合を解除すれば、速やかに塗布具３３
が使用可能となるものである。

尚、本考案は液状の口紅塗布容器に対して提案
されたものであるが、その他の液状化粧料容器、
例えばマニキユア、マスカラ、アイライナー等の
容器に対しても実施可能である事は言うまでもな
い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、化粧料１６は使用時に必
要量のみ外部に吐出する為、ポンプＣ内の化粧料
１６は、塗布具３３ばかりでなく外気にも触れ
ず、ポンプＣ内に雑菌が繁殖する恐れが全くない
ものとなつている。従つて、使用者に対しても清
潔感を与える事ができる。更に、塗布具３３が化
粧料１６内に浸漬されず、使用時のみ塗布具３３
に化粧料１６を付着させれば良い為、塗布具３３
の周囲に化粧料１６が付着して手などを汚してし
まつたり、不潔感を与えてしまつたりする事もな
い。

また携帯時等、蓋体Ａが閉じている場合には、
押しボタン１３が蓋体Ａに被われており、尚かつ
受皿部１１がパツキン３５によつて密閉されてい
る為、ハンドバツク中等で不意に化粧料１６が吐
出され、周囲を汚してしまう心配もない。

加えて、本考案の液状化粧料容器は、外形状が
従来よりある口紅等の棒状化粧料繰り出し容器と
大差がない形状をしているため、使用者が違和感
なく称する事ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案第１実施例の側断
面図。第３図は、斜視図。第４図は、本考案第２
実施例の斜視図。第５図及び第６図は、本考案第
３実施例の側断面図。 Ａ……蓋体、Ｂ……本体、Ｃ……ポンプ、１…
…蝶番、２……フツク、７……係合部、４……係
止機構、５……中空部、６……メクラ蓋、７……
ポンプ収納室、８ａ，８ｂ……平面部、９……
鏡、１０……注出孔、１１……受皿部、１２……
貫通孔、１３……押しボタン、１４……傾斜面
部、１５……突部、１６……化粧料、１７……内
容器、１８……シリンダ、１９……ピストン、２
０……先筒、２１……スプリング、２２……当接
部、２３……凹部、２４……尾栓、２５……摺動
尾栓、２６……開閉弁、２７……ピストンリン
グ、２８……受け溝、２９……導液管、３０……
開孔部、３１……凹所、３２……仕切板、３３…
…塗布具、３４……塗布具収納室、３５……パツ
キン、３６……段部、３７……柄、３８……塗布
部、３９……塗布棒、４０……挿入孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ［１］ 略半円柱形状で、平面部８ｂに受皿部１
   １及び押しボタン１３を設け、内部に化粧料１
   ６を収容し、押しボタン１３を押圧する事によ
   つて化粧料１６を受皿部１１へ一定量移送する
   周知のポンプＣを内装した本体Ｂと、 略半円柱形状で、該本体Ｂと後端で開閉自在
   に蝶着し、閉じた時受皿部１１を密閉するパツ
   キン３５を貼着した仕切板３２を設け、塗布具
   ３３を収納する蓋体Ａと、 より構成される事を特徴とする液状化粧料容
   器。 ［２］ 蓋体Ａの平面部８ａに凹所３１を刻設
   し、塗布具３３を収納する塗布具収納室３４を
   構成した事を特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の液状化粧料容器。 ［３］ 仕切板３２が蓋体Ａの平面部８ａに止着
   されている事を特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第２項記載の液状化粧料容器。 ［４］ 仕切板３２が蓋体Ａあるいは蝶番１に蝶
   着し、蓋体Ａに仕切板３２が当接する段部３６
   を設けた事を特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第２項記載の液状化粧料容器。 ［５］ 蓋体Ａの全長を本体Ｂより短く構成し、
   その端面に挿入孔４０を穿設し、 前記塗布具３３は、前記挿入孔４０に挿入さ
   れ収納される塗布部３８及び塗布棒３９と、半
   円柱形状で蓋体Ａに装着した時本体Ｂと同じ全
   長になり、本体Ｂに蓋体Ａとともに閉じた状態
   で係止する係止機構４を設けた柄３７とより構
   成する事を特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の液状化粧料容器。