JPH04336294A - 画像記録体 - Google Patents

画像記録体

Info

Publication number
JPH04336294A
JPH04336294A JP3109316A JP10931691A JPH04336294A JP H04336294 A JPH04336294 A JP H04336294A JP 3109316 A JP3109316 A JP 3109316A JP 10931691 A JP10931691 A JP 10931691A JP H04336294 A JPH04336294 A JP H04336294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
layer
heat
protective layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3109316A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Nakajima
厚志 仲島
Tomonori Kawamura
朋紀 河村
Shigehiro Kitamura
繁寛 北村
Kunihiro Koshizuka
国博 腰塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP3109316A priority Critical patent/JPH04336294A/ja
Publication of JPH04336294A publication Critical patent/JPH04336294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像記録体に関し、さら
に詳しくは、鮮明な階調画像を有すると共に高い画像耐
久性を有し、偽造や変造のおそれがなく、かつ他のカ−
ドと識別の容易な情報記録体、例えば免許証、IDカー
ドなどに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、身
分証明書、運転免許証、会員証等の多くのIDカード等
の画像記録体が使用されている。IDカードには通常、
カード所持者を確認するための人物画像と、各種の記載
事項とがある。人物画像は、通常、階調画像で形成され
ているので、階調情報含有画像と称される。各種の記載
事項とは、例えば身分証明書においては、例えば本人の
住所、氏名、生年月日、所属部署、有効年月日等であり
、運転免許証においては、例えば本人の生年月日、氏名
、免許証番号、免許種別等である。これらの記載事項は
、通常文字、数字あるいは記号等で記載されているので
、文字情報含有画像と称される。
【0003】近年、美麗な画像が簡易に形成することが
できるという理由から、昇華型熱転写方式により階調情
報含有画像を形成してなるIDカードが出現している。 この昇華型熱転写方式とは、一般に、支持体上に受像層
を形成してなる受像シートの受像層と、昇華性色素を含
有するインク層を支持体上に有するインクシートのイン
ク層とを重ね合わせ、イメージワイズに加熱することに
より、前記受像層に昇華性色素を拡散移動させ、もって
受像層中に、たとえば人物顔画像等の階調情報含有画像
を形成する方法を言う。
【0004】ところで、IDカードにおいて重要なこと
は、IDカードの偽造・変造が絶対的に防止されねばな
らないことである。IDカードにつき、何故に偽造変造
がなされてはならないのかその理由は説明を要しない程
明らかである。そこで、IDカードにおいては、記録情
報を何らかの方法により、偽造・変造を防止しなければ
ならない。
【0005】IDカードにおける階調情報含有画像を保
護し、その偽造変造を防止するためには、従来では、I
Dカードの表面に透明シートをラミネートする方法(特
開平1−180391号公報参照)が、提案されている
。しかしながら、昇華型熱転写方式で受像層に形成され
た階調情報含有画像を有するIDカードに透明シートを
ラミネートしても、受像層自体が例えば熱可塑性樹脂シ
ートであり、また透明シートも熱可塑性樹脂シートであ
るから、受像層と透明シートとが容易に剥離することが
でき、透明シートを剥離した後に画像情報あるいは文字
情報含有領域を切り取り、偽造した画像または文字情報
を、切り取った後に嵌め込み、次いで再び透明シートで
ラミネートすることにより、容易にIDカードの偽造が
行われてしまう。したがって、透明シートをラミネート
するのでは、偽造変造を完全に防止することができない
【0006】IDカードの性質上、画像情報及び文字情
報は絶対に変造されてはならないものである。また、自
動車免許証は一定の公的機関のみから発行されるもので
あって、決して前記公的機関以外によって自由に作成さ
れたり、偽造されてはならないものである。このような
事情から、自動車免許証に対してその偽造および変造の
防止が絶対的に要求されているのである。こうしたID
カードを初めとする各種画像記録体については、偽造・
変造を完全に防止することのできる技術の開発が、今や
重要な課題の一つとなっている。本発明は上記事情を改
善するためになされたものである。
【0007】本発明の目的は、IDカ−ド等の画像記録
体においてその性質上重要な課題である記録情報画像の
偽造や変造を未然に防止する画像記録体を提供すること
にある。本発明者らは、画像記録体に紫外線硬化保護層
を設けることが偽造防止に効果的であるとともに、この
紫外線硬化保護層に特徴を付与することによって、さら
に高度の偽造防止効果が得られることを見出すことがで
きた。
【0008】
【前記課題を解決するための手段】前記目的を達成する
ための請求項1に記載の発明は、支持体と、文字情報含
有画像および階調情報含有画像の形成された受像層と、
透明保護層と、微粒子を含有する紫外線硬化保護層とを
この順に積層してなることを特徴とする画像記録体であ
り、請求項2に記載の発明は、支持体と、文字情報含有
画像および階調情報含有画像の形成された受像層と、透
明保護層と、着色剤を含有する紫外線硬化保護層とをこ
の順に積層してなることを特徴とする画像記録体であり
、請求項3に記載の発明は、支持体と、文字情報含有画
像および階調情報含有画像の形成された受像層と、透明
保護層と、凹凸表面を有する紫外線硬化保護層とをこの
順に積層してなることを特徴とする画像記録体である。
【0009】以下、本発明について図面を参照しながら
説明する。図1は、本発明の画像記録体の好ましい一実
施態様を示したものである。なお、本発明の画像記録体
は図1に示す一実施態様に限定されるものではない。図
1において、画像記録体は、支持体1aの片面に受像層
1bを設けることにより形成された基材1を有する。そ
して、その受像層1bの所定表面に、昇華型熱転写方式
により形成された階調情報含有画像情報3および溶融型
熱転写方式により形成された文字情報含有画像2が形成
されており、画像情報含有画像3の表面には透明保護層
4が形成されており、さらに、透明保護層4の表面とこ
の透明保護層4を除く受像層1bの表面に紫外線硬化保
護層5が形成され、基材1の反対側の面には筆記層6が
設けられている。
【0010】そして、紫外線硬化保護層5は、その表面
が凸凹に形成されているか、あるいは層内に微粒子また
は着色剤を含有している。以下、各構成要件について述
べる。 A.基材 本発明における基材としては、画像記録体を製造するに
際して、少なくとも昇華型熱転写方式による階調情報含
有画像と溶融型熱転写方式または昇華型熱転写方式によ
る文字情報含有画像とを共に形成することができ、そし
てたとえばカードとして使用するに耐える一定の強度、
剛性等の機械的強度を有する限り、特に制限はない。
【0011】カードとして使用する場合、その機械的強
度を維持するために同種あるいは異種の素材で形成され
たシートを積層してなる基材を使用することもできる。 さらには、視認可能な層に、同種の他のカードに共通の
情報を印刷してなる基材を使用することもでき、また、
カードそのものの偽造・変造を防止する対策として、透
かしを入れるなどの、物理的手段による確認可能な偽造
防止用特殊加工を施してなる基材を使用することもでき
る。
【0012】基材の一般的な構成としては、支持体上に
受像層を積層してなる基材を挙げることができる。この
場合、受像層を支持体の片面あるいは両面に設けてもよ
く、また支持体の全面に設けてもよく、あるいは所望の
部分のみに設けてもよい。また、この受像層はたとえば
図2に示すように階調情報含有画像3および文字情報含
有画像2を形成する場合に、熱拡散性色素を良好に受容
することができるように調製された第1の受像層1cと
、熱溶融性インクを良好に接着することのできるように
調製された第2の受像層1dとを、支持体1aの所定の
面上にそれぞれ区別して設けてもよい。
【0013】本発明における基材のその他の態様として
、熱拡散性色素を受容することはできないが熱溶融性イ
ンクを良好に接着することのできる支持体のみで形成す
ることもできる。この場合、基材表面に文字情報含有画
像を形成するには、受像層を有する転写体に昇華性熱転
写方式で熱拡散性色素による文字情報含有画像を形成し
、次いでこの転写体に記録された文字情報含有画像を転
写体における受像層ごと支持体表面に転写するのである
【0014】なお、前記基材には、必要に応じて、エン
ボス、サイン、ICメモリ−、光メモリ−、磁気記録層
、他の印刷等が設けられていてもよい。これらは、本発
明の画像記録体の製造工程のいずれかの時点(たとえば
、前記透明保護層を形成後など)において、さらには製
造後に設けることが可能である。また、白抜け防止、感
度向上のために例えば特開昭60−236794号公報
、特開昭61−258793号公報に記載されたように
、支持体の表面にクッション層あるいは断熱材層を設け
ても良い。
【0015】(1) 支持体 支持体としては、たとえば紙、コート紙、および合成紙
(ポリプロピレン、ポリスチレンもしくは、それらを紙
とはり合せた複合材料)等の各種紙類、白色の塩化ビニ
ル系樹脂シート、白色のポリエチレンテレフタレートベ
ースフィルム、透明のポリエチレンテレフタレートベー
スフィルム、ポリエチレンナフタレート、ABSベース
フィルム、ASベースフィルム、ポリプロピレンベース
フィルム、ポリスチレンベースフィルム等の各種プラス
チックフィルムないしシート、各種の金属で形成された
フィルムないしシート、各種のセラミックス類で形成さ
れたフィルムないしシート等を挙げることができる。
【0016】支持体中には、後の工程で形成される画像
の鮮明性を高めるために、白色顔料たとえばチタンホワ
イト、炭酸マグネシウム、サンカ亜鉛、硫酸バリウム、
シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が添加され
ているのが好ましい。さらにまた、画像記録体を自動車
免許証等のIDカードとするのであれば、支持体を、前
記白色顔料と後述する塩化ビニル系樹脂との組成物から
なるシートもしくはフィルムで構成するのが一般的であ
る。
【0017】層との積層体として形成するときには、そ
の支持体の厚みは通常100〜1,000μm、好まし
くは100〜800μmである。支持体の厚みは通常1
00〜1,000μm、好ましくは200〜800μm
である。前記支持体には必要に応じてエンボス、サイン
、ICメモリ−、光メモリ−、磁気記録層、他の印刷等
を設けることができる。
【0018】(2) 受像層 前記支持体の表面に形成する受像層は、バインダーと必
要に応じて添加される金属イオン含有化合物あるいは各
種の添加剤とで形成することができる。また、場合によ
っては受像層をバインダーのみから形成することもでき
る。 ■バインダー 受像層のバインダーとしては、通常に知られている昇華
型感熱転写記録用のバインダーを適宜に用いることがで
きる。主なバインダーとしては、塩化ビニル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル
系樹脂、各種の耐熱性樹脂などさまざまのバインダーを
使用することができる。
【0019】ただし、本発明によって形成される画像に
つき、実際的要求(たとえば発行されるIDカードに所
定の耐熱性が要求されるなど)が存在するのであれば、
そのような要求項目を満たすようにバインダーの種類あ
るいは組み合わせを考慮することが必要になる。画像の
耐熱性を例にすると、60℃以上の耐熱性が要求される
のであれば、熱拡散性色素のにじみを考慮して、Tgが
60℃以上であるバインダーを使用するのが好ましい。
【0020】バインダーの種類の選択は任意であるが、
画像保存性などの点において、塩化ビニル系樹脂が好ま
しい。ポリ塩化ビニル単体は自己支持性の受像層とする
ことができ、非常に実用的である。また前記塩化ビニル
系樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂のほかに塩化ビニ
ル共重合体とを挙げることができる。この塩化ビニル共
重合体としては、塩化ビニルをモノマーユニットとして
50モル%以上の割合で含有する塩化ビニルと他のコモ
ノマーとの共重合体を挙げることができる。
【0021】前記他のコモノマーとしては、たとえば酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、や酢酸ビニル、牛脂酸
ビニルなどの脂肪酸のビニルエステル類、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタアクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリ
ル酸もしくはメタアクリル酸およびそのアルキルエステ
ル類、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ
ブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸および
そのアルキルアルキルエステル類、メチルビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニ
ルエーテル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビ
ニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル等を挙げる
ことができる。さらに、前記コモノマーとして、エチレ
ン、プロピレン、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、スチレン、クロロスチレン、イタコン酸およびそ
のアルキルエステル類、クロトン酸およびそのアルキル
エステル類、ジクロロエチレン、トリフロロエチレンな
どの他ハロゲン化オレフィン類、シクロペンテン等のシ
クロオレフィン類、アコニット酸エステル類、ビニルベ
ンゾエート、ベンゾイルビニルエーテル等を挙げること
ができる。
【0022】塩化ビニル共重合体は、ブロック共重合体
、グラフト共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体
の何れであっても良い。また、場合によっては、シリコ
ン化合物などの剥離機能を有するものとの共重合体であ
っても良い。前記塩化ビニル系樹脂の他に、ポリエステ
ル系樹脂も昇華型感熱転写用の受像層として好適に用い
ることができる。本発明に使用することのできるポリエ
ステル系樹脂としては、特開昭58−188695号公
報、特開昭62−244696号公報に記載されている
化合物を挙げることができる。また、ポリカーボネート
系樹脂もバインダーとして使用することができ、たとえ
ば、特開昭62−169694号公報に記載の各種の化
合物を使用することができる。
【0023】■金属イオン含有化合物 階調情報含有画像を形成するための熱拡散性色素が後述
するように金属イオンとキレートを形成する化合物であ
ると、受像層中に金属イオン含有化合物を含有させてお
くことにより定着性の良好な階調情報含有画像を形成す
ることができる。受像層に前記金属イオン含有化合物を
含有させる場合、この金属イオン含有化合物を構成する
金属イオンとしては、周期律表の第I〜第VIII族に
属する2価および多価の金属が挙げられるが、中でもA
l、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni
、Sn、TiおよびZnが好ましく、特にNi、Cu、
Co、CrおよびZnが好ましい。
【0024】これらの金属イオンを含有する化合物とし
ては、該金属の無機または有機の塩および該金属の錯体
が好ましい。具体例を挙げると、Ni2+、Cu2+、
Co2+、Cr2+およびZn2+を含有した下記一般
式で表される錯体が好ましく用いられる。
【0025】 [M(Q1 )k (Q2 )m (Q3 )n ]p
+p(L− )ただし、式中Mは金属イオンを表し、Q
1 、Q2 、Q3 は各々Mで表される金属イオンと
配位結合可能な配位化合物を表し、これらの配位化合物
としては例えば「キレート化学(5)(南江堂)」に記
載されている配位化合物から選択することができる。特
に好ましくは、金属と配位結合する少なくとも一個のア
ミノ基を有する配位化合物を挙げることができ、更に具
体的には、エチレンジアミンおよびその誘導体、グリシ
ンアミドおよびその誘導体、ピコリンアミドおよびその
誘導体が挙げられる。
【0026】Lは錯体を形成しうる対アニオンであり、
Cr、SO4、ClO4 等の無機化合物アニオンやベ
ンゼンスルホン酸誘導体、アルキルスルホン酸誘導体等
の有機化合物アニオンが挙げられるが、特に好ましくは
テトラフェニルホウ素アニオンおよびその誘導体、なら
びにアルキルベンゼンスルホン酸アニオンおよびその誘
導体である。kは1、2または3の整数を表し、mは1
、2または0を表し、nは1または0を表すが、これら
は前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位か
によって決定されるか、あるいはQ1 、Q2 、Q3
 の配位子の数によって決定される。pは1、2または
3を表す。
【0027】この種の金属イオン含有化合物としては、
米国特許第4,987,049号明細書に例示されたも
のを挙げることができる。金属イオン含有化合物の添加
量は、受像層に対して、0.5〜20g/m2 が好ま
しく、1〜10g/m2 がより好ましい。
【0028】■添加剤 受像層には、剥離剤、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定
剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、顔料を添
加しても良い。また増感剤として可塑剤、熱溶剤などを
添加しても良い。剥離剤は、後述する昇華型感熱転写用
インクシートと受像層との剥離性を向上させることがで
きる。このような剥離剤としては、シリコーンオイル(
シリコーン樹脂と称されるものも含む。);ポリエチレ
ンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固
型ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤等
が挙げられ、中でも変性シリコーンポリマーが好ましい
【0029】変性シリコンポリマーとしては、ポリエス
テル変性シリコン樹脂(もしくは、シリコン変性ポリエ
ステル樹脂)、アクリル変性シリコン樹脂(もしくは、
シリコン変性アクリル樹脂)、ウレタン変性シリコン樹
脂(もしくは、シリコン変性ウレタン樹脂)、セルロー
ス変性シリコン樹脂(もしくは、シリコン変性セルロー
ス樹脂)、アルキッド変性シリコン樹脂(もしくは、シ
リコン変性アルキッド樹脂)、エポキシ変性シリコン樹
脂(もしくは、シリコン変性エポキシ樹脂)などを挙げ
ることができる。
【0030】また、受像層の表面の一部に、上記剥離剤
を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾
燥させる等によって剥離剤層を設けることもできる。な
お、シリコーンなどの剥離剤は保護層との接着性を考慮
し、全然使用しないかあるいはできるだけ少量添加する
ことが好ましい。次に前記酸化防止剤としては、特開昭
59−182785号、同60−130735号、特開
平1−127387号公報等に記載の酸化防止剤、およ
び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善
するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0031】前記UV吸収剤および光安定剤としては、
特開昭59−158287号、同63−74686号、
同63−145089号、同59−196292号、同
62−229594号、63−122596号、同61
−283595号、特開平1−204788号などの公
報に記載の化合物、および写真その他の画像記録材料に
おける画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を
挙げることができる。
【0032】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子として
はシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土
、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒
子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アク
リル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げる
ことができる。これらの無機・有機樹脂粒子は比重によ
り異なるが、0.1〜70重量%の添加が好ましい。
【0033】前記顔料としては、代表例としてチタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土
などを挙げることができる。前記可塑剤としてはフタル
酸エステル類(例えばフタル酸ジメチル、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシルなど)、
トリメリット酸エステル類(例えばトリメリット酸オク
チルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、ト
リメリット酸イソデソルエステルなど)、ピロメリット
酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステル類、
アジピン酸エステル類(アジピン酸ジオクチル、アジピ
ン酸メチルラウリル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、アジピン酸エチルラウリルなど)、その他オレイン
酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステ
ル類、セバチン酸エステル類、クエン酸エステル類、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステア
リン酸エポキシ類、さらには、リン酸トリフェニル、リ
ン酸トリクレジルなどの正リン酸エステル類、トリフェ
ニルホスファイト、トリス・トリデシルホスファイト、
ジブチル・ハイドロジエン・ホスファイトなどの亜燐酸
エステル類、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレートなどのグリコールエステ
ル類などが挙げられる。なお、可塑剤の過度の添加は画
像の保存性を劣化させるので、可塑剤の添加量は、通常
、受像層におけるバインダーに対して0.1〜30重量
%の範囲である。
【0034】(3) 受像層の形成 本発明における受像層は、その形成成分を溶媒に分散あ
るいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像
層用塗工液を前記支持体の表面に塗布し、乾燥する塗工
法によって製造することができる。また、前記受像層を
形成する成分を有する混合物を溶融押出し、支持体の表
面にラミネートするラミネート法等によっても製造する
ことができる。
【0035】支持体の表面に形成される受像層の厚みは
、一般に2〜50μm、好ましくは3〜20μm程度で
ある。
【0036】一方、受像層が自己支持性であるが故に受
像層そのものが支持体である場合には、受像層の厚みは
60〜200μm、好ましくは90μm〜150μm程
度である。また、本発明においては、支持体と受像層と
の間にクッション層あるいはバリヤー層を設けることも
できる。
【0037】クッション層を設けると、ノイズが少なく
て、画像情報に対応した画像を再現性良く転写記録する
ことができる。クッション層を構成する材質としては例
えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ブ
タジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられる。クッシ
ョン層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜3
0umである。
【0038】B.階調情報含有画像および文字情報含有
画像の形成 階調情報含有画像は、熱拡散性色素を有する昇華型熱転
写記録用インクシートを用いて昇華型熱転写方式により
前記受像層に形成することができる。また、文字情報含
有画像は、前記受像層における階調情報含有画像の形成
されていない領域に、熱溶融型感熱転写記録用インクシ
ートまたは昇華型熱転写記録用インクシートを使用する
ことにより形成することができる。
【0039】(1) 昇華型熱転写記録用インクシート
昇華型熱転写記録用インクシートは、公知の構成により
形成することができる。すなわち、昇華型熱転写記録用
インクシートは、通常、支持体上に熱拡散性色素含有イ
ンク層を形成してなる。 ■熱拡散性色素含有インク層 上記熱拡散性色素含有インク層は、基本的に熱拡散性色
素とバインダーとを含有する。
【0040】−熱拡散性色素− 熱拡散性色素としては、従来から公知の熱拡散性色素を
用いることができる。この熱拡散性色素としては、たと
えばシアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素を挙げる
ことができる。前記シアン色素としては、特開昭59−
78896号、同59−227948号、同60−24
966号、同60−53563号、同60−13073
5号、同60−131292号、同60−239289
号、同61−19396号、同61−22993号、同
61−31292号、同61−31467号、同61−
35994号、同61−49893号、同61−148
269号、同62−191191号、同63−9128
8号、同63−91287号、同63−290793号
等の各公報に記載されているナフトキノン系色素、アン
トラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0041】前記マゼンタ色素としては、特開昭59−
78896号、特開昭60−30392号、特開昭60
−30394号、特開昭60−253595号、特開昭
61−262190号、特開昭63−5992号、特開
昭63−205288号、特開昭64−159号、特開
昭64−63194号等の各公報に記載されているアン
トラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙
げられる。イエロー色素としては、特開昭59−788
96号、特開昭60−27594号、特開昭60−31
560号、特開昭60−53565号、特開昭61−1
2394号、特開昭63−122594号等の各公報に
記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタロ
ン系色素、アントライソチアゾール系色素が挙げられる
【0042】また、熱拡散性色素として特に好ましいの
は、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合
物とp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−
アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応
により得られるアゾメチン色素、およびフェノールまた
はナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導
体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体
のとのカップリング反応により得られるインドアニリン
色素である。
【0043】インク層に含有される熱拡散性色素は、形
成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素
、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良
い。また、形成しようとする画像の色調によっては、前
記三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の熱拡散性
色素を含んでいても良い。本発明において、受像層が金
属イオン含有化合物を含有する場合は、この金属イオン
含有化合物と反応して少なくとも2座のキレートを形成
することができる熱拡散性色素を用いることが好ましく
、特に化1で示される熱拡散性色素を用いることが好ま
しい。
【0044】
【化1】
【0045】式中、X1 は少なくとも一つの環が5〜
7個の原子から構成される芳香族の炭素環または複素環
を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、かつアゾ
結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つは窒
素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である
。 また、X2 は少なくとも一つの環が5〜7個の原子か
ら構成される芳香族複素環または芳香族炭素環を表わし
、Gはキレート化基を表わす。このような色素の具体例
としては、たとえば特開昭59−78893号、同59
−109349号等に記載されている。前記熱拡散性色
素の使用量は、通常、支持体1m2 当たり0.2〜1
0g、好ましくは0.3〜3gである。
【0046】−バインダー− 熱拡散性色素含有インク層用のバインダーとしてはエチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セル
ロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルアセトアセタール、スチレ
ン樹脂、スチレン共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体などのビニル
系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系
樹脂等が挙げられる。
【0047】これらの樹脂のうちでも耐酸性の優れたポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールある
いはセルロース系樹脂が好ましい。前記各種のバインダ
ーは、その一種を単独で使用することもできるし、また
その二種以上を併用することもできる。バインダーと前
記熱拡散性色素との重量比は、1:10〜10:1が好
ましく、2:8〜8:2の範囲が特に好ましい。
【0048】−その他の任意成分− さらに前記熱拡散性色素含有インク層には、本発明の目
的を阻害しない範囲で、各種の添加剤を添加することが
できる。その添加剤としては、シリコン樹脂、シリコン
オイル(反応硬化タイプも可)、シリコン変性樹脂、フ
ッ素樹脂、界面活性剤、およびワックス類等の剥離性化
合物、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化物、カーボン
ブラック、および樹脂微粉末等のフィラー、バインダー
成分と反応可能な硬化剤(たとえばイソシアネート類や
アクリル類やエポキシ類等の放射線活性化合物)などを
挙げることができる。
【0049】さらにまた、添加剤として転写を促進する
ための熱溶融性物質、たとえばワックスや高級脂肪酸エ
ステルなどの、特開昭59−106997号公報に記載
の化合物を挙げることができる。 ■その他の層 なお、昇華型感熱転写記録用インクシートは、支持体と
熱拡散性色素含有インク層とからなる二層構成に限られ
ず、その他の層が形成されていてもよい。例えば、前記
基材における受像層との融着や熱拡散性色素の裏移り(
ブロッキング)を防止する目的で、熱拡散性色素含有イ
ンク層の表面にオーバーコート層を設けてもよい。
【0050】また支持体にはバインダーとの接着性の改
良や熱拡散性色素の支持体側への転写、染着を防止する
目的で下引層を有していてもよい。さらに支持体の裏面
(熱拡散性色素含有インク層とは反対側)には、サーマ
ルヘッドの支持体に対する融着やスティッキング、昇華
型感熱転写記録用インクシートのシワが発生するのを防
止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上
記のオーバーコート層、下引層およびスティッキング防
止層の厚みは通常、0.1〜1μmである。
【0051】■支持体 昇華型熱転写記録用インクシートの支持体としては、寸
法安定性がよく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐える
ものならば、何でもよく、具体的には、特開昭63−1
93886号公報の第2頁左下欄第12行から18行に
記載のフィルムないしシートを使用することができる。
【0052】支持体の厚さは、2〜10μmが好ましく
、また支持体にはバインダーとの接着性の改良や色素の
支持体側への転写、染着を防止する目的で下引層を有し
ていてもよい。さらに支持体の裏面(熱拡散性色素含有
インク層と反対側の面)には、ヘッドが支持体に融着や
スティッキング、シワの発生するのを防止する目的でス
ティッキング防止層を設けてもよい。
【0053】このスティッキング防止層の厚みは通常、
0.1〜1μmである。 ■昇華型熱転写記録用インクシートの製造昇華型熱転写
記録用インクシートは、熱拡散性色素含有インク層を形
成する前記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解して熱拡
散性色素含有インク層形成用塗工液を調製し、これを支
持体の表面に塗工し、乾燥することにより製造すること
ができる。
【0054】(2) 熱溶融型感熱転写記録用インクシ
ート熱溶融型感熱転写記録用インクシートは、支持体上
に熱溶融性インク層を積層することにより形成すること
ができる。なお、この熱溶融型感熱転写記録用インクシ
ートは、その特性を損なわない範囲内で他の層を有して
いても良い。たとえば、前記熱溶融性インク層と支持体
との間に剥離層が設けられていても良く、またこの剥離
層と支持体との間に中間層などが積層されていてもよく
、また、最外層にインク保護層を設けるなど前記熱溶融
性インク層の上に他の層が積層されていても良い。さら
に、前記剥離層や熱溶融性インク層は、必要に応じて、
多層構造にされていてもよい。
【0055】■インクシート用支持体 熱溶融型感熱転写記録用インクシートにおけるインクシ
ート用支持体は、良好な耐熱強度を有するとともに寸法
安定性の高いことが望ましい。その材料としては、たと
えば、特開昭63−193886号公報の第2頁左下欄
第12行から18行に記載のフィルムないしシートを使
用することができる。インクシート用支持体の厚みは、
通常、30μm以下、好ましくは2〜30μmの範囲内
である。支持体の厚みが30μmを超えると、熱伝導性
が劣化して、印字品質の低下を招くことがある。なお、
この熱溶融型感熱転写記録用インクシートにおいて、イ
ンクシート用支持体の裏面側の構成については任意であ
り、たとえば走行安定性、帯電防止、耐熱性等の目的の
ためにのバッキング層を設けても良い。
【0056】■熱溶融性インク層 熱溶融性インク層は、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂お
よび着色剤等から構成される。 −熱溶融性化合物− 前記熱溶融性化合物としては、通常この種の熱溶融型感
熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用さ
れるものを任意に使用することができ、具体的には、た
とえば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等
の熱可塑性樹脂の低分子量物、特開昭63−19388
6号公報の第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行
までに例示の物質を挙げることができ、さらにこれらの
他に、ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジン変性グ
リセリン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性ポリ
エステル樹脂、ロジン変性フェノ−ル樹脂およびエステ
ルガム等のロジン誘導体、ならびにフェノ−ル樹脂、テ
ルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペンタジエン樹脂およ
び芳香族炭化水素樹脂などを挙げることができる。
【0057】なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量
が通常、10,000以下、特に、5,000以下で、
融点もしくは軟化点が50〜150℃の範囲にあるもの
が好ましい。前記熱溶融性化合物は、一種単独で使用し
てもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。
【0058】−熱可塑性樹脂− 前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記熱可
塑性樹脂としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録
用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものな
ど各種のものが使用可能であり、たとえば、特開昭63
−193886号公報の第4頁右上欄第5頁左上欄第1
8行に例示の物質を挙げることができる。
【0059】−着色剤− 前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記着色
剤としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用イン
クシートの熱溶融性インク層に使用されるものを制限な
く使用することができ、たとえば、特開昭63−193
886号公報第5頁右上欄第3行から第15行に記載の
無機顔料、有機顔料等の顔料、ならびに有機染料等の染
料を挙げることができる。これら各種の着色剤は、一種
単独で使用してもよいし、必要に応じて、二種以上を併
用してもよい。 −添加成分− 前記熱溶融性インク層には、必要に応じてこの発明の目
的を阻害しない範囲で、上記以外の他の添加成分を適宜
添加することができる。
【0060】たとえば、この熱溶融性インク層には、フ
ッ素系界面活性剤を含有させても良い。フッ素系界面活
性剤の含有により、前記熱溶融性インク層のブロッキン
グ現象を防止することができる。また、転写した文字情
報含有画像の先鋭性すなわち、文字境界部の切れを良く
するために有機微粒子、無機微粒子、非相溶性樹脂を添
加するのも効果的である。
【0061】−熱溶融性インク層の厚みおよびその形成
法− 前記熱溶融性インク層の膜厚は、通常、0.6〜5.0
μmであり、特に1.0〜4.0μmであるのが好まし
い。
【0062】この熱溶融性インク層は、形成成分を有機
溶媒に分散あるいは溶解して塗布する方法(有機溶剤法
)、加熱により熱可塑性樹脂などを軟化あるいは溶融状
態にして塗布する方法(ホットメルト塗布法)などを採
用して塗設されていても良いが、形成成分を水や有機溶
媒に分散もしくは溶解させたエマルジョン、もしくは溶
液などを用いて塗工されてなるのが好ましい。前記熱溶
融性インク層の塗設に用いる塗工液中の層形成成分の合
計の含有率は、通常は、5〜50重量%の範囲内に設定
される。
【0063】塗布方法は、通常の方法を利用して行なう
ことができる。塗布方法の例としては、ワイヤーバーを
用いた方法、スクイズコート法およびグラビアコート法
などを挙げることができる。また、熱溶融性インク層は
、少なくとも一層で設けられていることが必要であるが
、たとえば着色剤の種類および含有率、あるいは熱可塑
性樹脂と熱溶融性化合物との配合比率などの異なる二層
以上の熱溶融性インク層を積層して構成してもよい。
【0064】■剥離層 前記剥離層は、画像形成時にサーマルヘッド等の画像転
写のための加熱機構によって加熱された際に、少なくと
も該剥離層の上に設けられている層[この層のうち少な
くとも1層には着色剤が含有されている。]を十分に速
やかに剥離・転写することを主たる目的として設けられ
ているものであり、この目的の達成にふさわしい熱溶融
性化合物を含有させて熱溶融性化合物の属性が支配的な
層、特に剥離性に優れた層として構成される。
【0065】該剥離層は、前記熱溶融性化合物それ自体
で構成することもできるが、通常は、その熱溶融性化合
物および/または熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂など
から構成することが好ましい。前記剥離層の主成分とし
て使用する前記熱溶融性化合物は、公知のものなど各種
のものを適宜に選択して使用すればよく、その具体例と
しては、たとえば、特開昭63−193886号公報の
第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行までに例示
の物質を使用することができる。
【0066】前記熱可塑性樹脂の具体例としては、たと
えば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエチレン系共重
合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂
およびセルロース系樹脂などを挙げることができる。こ
のほか、たとえば、塩化ビニル系樹脂、ロジン系樹脂、
石油系樹脂およびアイオノマー樹脂などの樹脂、天然ゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴムおよびク
ロロプレンゴムなどのエラストマー類、エステルガム、
ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂および水
添ロジン等のロジン誘導体、ならびにフェノール樹脂、
テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹脂および芳香族系
樹脂等も場合に応じて使用可能である。
【0067】本発明において、前記剥離層の成分として
使用する熱可塑性樹脂は、前記例示の各種の熱可塑性樹
脂の中でも、その融点もしくは軟化点が、通常、50〜
150℃、特に60〜120℃の範囲にあるもの、ある
いは二種以上の混合によってその範囲になるものが好適
に使用される。前記剥離層には、場合により適宜、着色
剤を含有させてもよい。前記剥離層に着色剤を含有させ
る場合、その含量は、その剥離層を構成する全成分に対
して、通常、30重量%以下、好ましくは、20重量%
以下の割合に設定するのが適当である。
【0068】前記剥離層の層厚は、通常は、0.2〜4
μmの範囲、好ましくは0.5〜2.5μmの範囲にす
るのが適当である。 ■熱溶融型感熱転写記録用インクシートの製造熱溶融型
感熱転写記録用インクシートは基本的にはインクシート
用支持体の表面に、熱溶融性インク層を形成する各成分
を分散ないし溶解した熱溶融性インク層形成用塗工液を
塗布し、乾燥することにより形成することができる。
【0069】(3) 階調情報含有画像および文字情報
含有画像の形成 ■階調情報含有画像の形成 階調情報含有画像を形成するには、昇華型感熱転写記録
用インクシートの熱拡散性色素含有インク層と基材にお
ける受像層とを重ねあわせ、熱拡散性色素含有インク層
と受像層とにイメージワイズに熱エネルギーを与える。 すると、熱拡散性色素含有インク層中の熱拡散性色素は
、この画像形成時に加えられた熱エネルギーに応じた量
だけ気化あるいは昇華し、受像層側に移行し、受容され
る結果、受像層に階調情報含有画像が形成される。
【0070】基材における受像層中に前記金属イオン含
有化合物が存在するときには、熱拡散性色素と金属イオ
ン含有化合物とがキレートを形成することにより定着性
の良好な画像が形成される。熱エネルギーを与える熱源
としては、サーマルヘッドが一般的であるが、このほか
にレーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知の
ものを使用することができる。
【0071】熱エネルギーを与える熱源としてサーマル
ヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに印加する電圧
あるいはパルス巾を変調することにより、与える熱エネ
ルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることがで
きる。熱エネルギーを与える熱源としてレーザー光を用
いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化させる
ことにより与える熱エネルギーを変化させることができ
る。この場合、レーザー光を吸収し易くするため、レー
ザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場合、カー
ボンブラックや近赤外線吸収物質など)をインク層中、
もしくはインク層近傍に存在せしめるとよい。なお、レ
ーザー光を用いるときは昇華型感熱転写記録用インクシ
ートと基材における受像層とを充分に密着させて行うと
よい。
【0072】音響光学素子を内蔵したドットジェネレー
ターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与え
ることもできる。熱エネルギーを与える熱源として赤外
線フラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用い
る場合と同様に、加熱を黒色などの着色層を介して行う
とよい。あるいは黒色などの、画像の濃淡を連続的に表
現したパターンあるいは網点パターンを介して加熱を行
なってもよいし、また一面の黒色などの着色層と前記の
パターンのネガに相当するネガパターンを組み合わせて
加熱を行なってもよい。熱エネルギーの与え方としては
昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なっても、
感熱転写記録用受像シート側から行なっても、あるいは
両側から行なってもよいが、熱エネルギーの有効利用を
優先させるなら、昇華型感熱転写記録用インクシート側
から行なうのが望ましい。
【0073】以上の熱転写記録により、感熱転写記録用
受像シートの受像層に一色の画像を記録することができ
るが、下記の方法によると、各色の掛け合せからなるカ
ラー写真調のカラー画像を得ることもできる。たとえば
イエロー、マゼンタ、シアンおよび必要に応じて黒色の
感熱転写記録用感熱シートを順次取り換えて、各色に応
じた熱転写を行なうと、各色のかけあわせからなるカラ
ー写真調のカラー画像を得ることもできる。
【0074】それから、次の方法も有効である。すなわ
ち、上記のように各色の昇華型感熱転写記録用インクシ
ートを用いるかわりに、予め各色に塗り分けて形成した
区域を有する昇華型感熱転写記録用インクシートを用い
るのである。そして、まずイエローの区域を用いてイエ
ローの分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用い
てマゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り返
すことによりイエロー、マゼンタ、シアン、及び必要に
より黒色の分色画像と順に熱転写する方法を採る。
【0075】さらに上記記載の方法で画像を形成した後
に、画像保存性の向上の目的で、上記記載の方法で加熱
処理を施してもよい。たとえば、画像形成面全面にわた
って、サーマルヘッドで昇華型感熱転写記録用インクシ
ートの熱拡散性色素含有インク層を設けていない部分を
用いて、加熱処理したり、あるいは新たにヒートロール
等の加熱処理を行ってもよい。また、近赤外線吸収剤を
含有している場合には、赤外線フラッシュランプを用い
て画像形成面を露光させてもよい。いずれの場合も、加
熱手段は問わないが、受像層内部に色素をさらに拡散さ
せるのが目的であるので、加熱方向は受像層の支持体側
から加熱するのが効果的で好ましい。
【0076】■文字情報含有画像の形成前記熱溶融型感
熱転写記録用インクシートを用いる熱溶融型転写方法は
、通常の感熱転写記録方法と異なるものではないが、熱
源として最も典型的な熱ヘッドを使用する場合を例にし
て説明する。まず、熱溶融型感熱転写記録用インクシー
トの熱溶融性インク層と基材の受像層面とを密着させ、
必要に応じてさらに熱溶融性インク層に熱ヘッドによっ
て熱パルスを与え、所望の印字ないし転写パターンに対
応する熱溶融性インク層を局部的に加熱する。
【0077】熱溶融性インク層の被加熱部は、その温度
が上昇し、速やかに軟化して基材の受像面に転写される
。なお、この文字、図形、記号あるいは罫線等の階調性
を必要としない非階調情報含有画像の形成は、前記した
階調情報含有画像の形成に先立って行われても良く、ま
た、階調情報含有画像が形成されてからこの非階調情報
含有画像の形成が行われてもよい。また、この文字情報
含有画像は、前記昇華型感熱転写記録用インクシートを
使用することによっても形成することができる。
【0078】C.透明保護層 本発明の画像記録体においては、昇華型熱転写方式によ
り形成された画像情報を有する受像層上に紫外線硬化性
樹脂層を形成し、その紫外線硬化性樹脂層を硬化する際
、画像情報を保護する目的で透明保護層が設けられる。 すなわち、紫外線硬化性樹脂層中に存在する紫外線硬化
性のプレポリマーやモノマーの作用によって、昇華性色
素による階調情報含有画像が滲んだり変色したりするな
どの支障をきたし、鮮明な画像が得られないからである
【0079】また、前記硬化保護層形成時における前記
紫外線照射による昇華性色素の変質(分解や他の物質と
の反応を伴うことによる変質と推定される。)や変色を
も効果的に防止する為にも、透明保護層を設ける必要が
ある。この透明保護層に要求される性質としては、実質
的に透明であること、紫外線照射時に昇華性色素に対す
る紫外線の干渉をできるだけ小さくすることができるこ
と、コーティング剤を塗布する際にコーティング剤が昇
華性色素に接触しないようにすることができること等が
要求される。
【0080】この透明保護層により被覆される領域は、
画像情報部分のみであっても良いし、また受像層全面に
渡っても良い。この透明保護層はホットスタンプまたは
感熱転写方式などによって画像記録体上に形成すること
ができる。このような要求を満たす透明保護層としては
、特開昭63−183881号公報の第9頁左下欄第9
行から第10頁左上欄第15行に記載の熱溶融性化合物
と同公報の第10頁左上欄第16行から第11頁左下欄
第9行に例示の熱可塑性樹脂とで形成することができる
【0081】透明保護層中には紫外線吸収剤を含有させ
ておくこともできる。紫外線吸収剤は紫外線硬化性プレ
ポリマー含有のコーティング剤に紫外線を照射して、こ
れを硬化する際の紫外線あるいは長期保存時の日光など
から、画像情報を保護するのに有効である。この紫外線
吸収剤は紫外線硬化樹脂層に入れることが困難な場合が
あるので(紫外線硬化性樹脂の硬化を阻害する)本透明
保護層に添加することが有効となる。紫外線吸収剤とし
ては、前記受像層の説明において例示された化合物を挙
げることができる。紫外線吸収剤の添加量はその種類に
もよるが、0.6g/m2 以上、より好ましくは1g
/m2 以上が好ましい。
【0082】透明保護層の厚みは、紫外線硬化性樹脂の
均一な塗布性を考慮して、通常0.5〜20.0μmで
あり、好ましくは1.0〜10.0μmである。画像情
報に透明保護層を形成するための保護層形成用ホットス
タンプシート、感熱転写シートは支持体上に、剥離層と
、透明保護層と、必要に応じて設けられた接着層とをこ
の順に積層する一般的にな構成により形成することがで
きる。
【0083】透明保護層を形成する保護層形成用感熱転
写シートは文字情報形成用感熱転写シートと兼用し、同
一シート上に形成することも、装置の簡便化、プロセス
の簡便化において有効である。 D.紫外線硬化保護層 本発明の画像記録体においては、紫外線照射によって硬
化してなる実質的に透明な紫外線硬化保護層を、前記透
明保護層およびこの透明保護層以外の受像層の表面に形
成している。
【0084】本発明における一つの形態としては、紫外
線硬化保護層に微粒子を含有させる。これにより保護層
に視認可能な特徴が付与され、微粒子を含まない場合に
比べて、これを偽造、変造することが困難となる。また
、他のカードとの識別も容易となる。微粒子の材料とし
ては特に制約はないが、通常、無機微粒子、有機微粒子
を用いることができる。無機微粒子としては、チタンホ
ワイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
シリカ、タルク、クレー、真ちゅうおよびアルミなどの
粉体、箔などが挙げられる。有機微粒子としては、紫外
線硬化性樹脂モノマーなどに溶解しないものが好ましい
【0085】本発明におけるほかの形態においては、紫
外線硬化保護層に着色剤を含有させる。この着色剤とし
ては、染料、顔料、蛍光色素、赤外吸収色素などを挙げ
ることができる。このような紫外線硬化保護層を最外層
として有する画像記録体は、紫外線硬化保護層内の着色
剤によって特有の色調を帯びるという特徴が付与される
ので、着色剤を含まない場合に比べて、変造、偽造され
る恐れがない。また、他のカ−ドとの識別も容易になる
【0086】上記着色剤としては、合成樹脂の分野で一
般に知られている顔料や染料、赤外線吸収剤などを用い
ることができる。着色剤の添加量に特に制限は無く、記
録情報の視認に障害が無ければ問題無い。本発明におけ
るもう一つの形態においては、紫外線硬化保護層に一定
パターンの凸凹を形成する。紫外線硬化護層表面に特定
パターンの凹凸、例えばある種のマーク、細紋あるいは
地紋などの紋様、などを表面に形成することにより、偽
造物、変造物との識別を可能とするものである。
【0087】紫外線硬化保護層の表面を凸凹にするには
、紫外線硬化保護層を、ある特定パターンのグラビヤ目
を持つ版によってコーティングする方法。紫外線硬化性
樹脂が半硬化した時点で型押しす方法などをとることが
できる。紫外線硬化性樹脂コーティング剤は、紫外線硬
化性のプレポリマー及び/又はモノマーと重合開始剤と
を主成分とする組成物によって形成することができる。 紫外線硬化性のプレポリマー、モノマーとしては、ラジ
カル重合によって高分子化の起こるタイプ(主にアクリ
レートタイプ)や、カチオン重合により高分子化の起こ
るタイプ(主にエポキシタイプ)があり、本発明の目的
においてはどちらを用いても構わない。
【0088】ここではエポキシタイプの紫外線硬化性プ
レポリマー、モノマーを記載する。エポキシ系のプレポ
リマー、モノマーとしては1分子内にエポキシ基を2個
以上含有するプレポリマーを挙げることができる。この
ようなプレポリマーとしては、たとえば、脂環式ポリエ
ポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多
価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシ
アルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳
香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポ
リオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物
類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポ
リブタジエン類等が挙げられる。これらのプレポリマー
は、その一種を単独で使用することもできるし、また、
その二種以上を混合して使用することもできる。
【0089】コーティング剤中の、エポキシ基を1分子
内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%
以上であるのが好ましい。前記重合開始剤としては、カ
チオン重合開始剤が好ましく、具体的には芳香族オニウ
ム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩とし
て、周期表第Va族元素の塩たとえばホスホニウム塩(
たとえばヘキサフルオロリン酸トリフェニルフェナシル
ホスホニウムなど)、第VIa族元素の塩たとえばスル
ホニウム塩(たとえばテトラフルオロホウ酸トリフェニ
ルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルス
ルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメ
トキシフェニル)、スルホニウムおよびヘキシサフルオ
ロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムなど)、およ
び第VIIa族元素の塩たとえばヨードニウム塩(たと
えば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙げることが
できる。
【0090】このような芳香族オニウム塩をエポキシ化
合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用する
ことは、米国特許第4,058,401号、同第4,0
69,055号、同第4,101,513号および同第
4,161,478号公報に詳述されている。好ましい
カチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホ
ニウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫
外線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘ
キサフルオロアンチモン酸トリアリールスホニウムが好
ましい。
【0091】コーティング剤中には、更に油類(特にシ
リコーン油)、シリコーン−アルキレンオキシド共重合
体(たとえばユニオンカーバイド社から市販されている
L−5410)のような界面活性剤、シリコーン油含有
脂肪族エポキシド類、3M社から市販されているFO−
171および3M社から市販されているFO−430、
大日本インキ株式会社から市販されているMegafa
c F−141のようなフルオロカーボン界面活性剤等
を含有させてもよい。
【0092】このコーティング剤中には、さらに、たと
えば、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロ
ース系、熱可塑性ポリエステル、フェニルグリシジルエ
ーテル、ケイ素含有モノエポキシド、ブチルグリシジル
エーテル等のモノエポキシド等が、この発明の効果を阻
害しない範囲で含有されていてもよい。
【0093】また、このコーティング剤中には、不活性
性成分として染料、顔料、増粘剤、可塑剤、安定剤、レ
ベリング剤、カップリング剤、粘着付与剤、シリコーン
基含有活性剤、フルオロカーボン基含有表面活性剤等の
濡れ向上剤、その他の各種添加剤、さらにコーティング
剤の塗布中における流動性を改良することを目的として
、前記カチオン重合開始剤とほとんど反応しないアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルクロライド等の少量の
溶剤を含有させても良い。
【0094】紫外線硬化における紫外線とは紫外領域の
光を意味し、また、紫外領域の光を含む光線をも含む意
味である。したがって、紫外線の照射として、太陽光線
の照射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超高圧
水銀灯の照射、カーボンア−ク等の照射、メタルハライ
ドランプによる照射、キセノンランプの照射等を挙げる
ことができる。また場合によって、電子線などの高エネ
ルギー線を用いても良い。  なお、硬化に際しては、
紫外線の照射時または照射の前後において、コーティン
グ剤の塗布膜を加熱すると、硬化時間の短縮を図ること
ができる。
【0095】
【実施例】次に本発明の実施例について具体的に詳述す
る。なお、以下において「部」とあるのは「重量部」を
示す。 (実施例1) (1)次のようにしてカードサイズの受像シートを製造
した。すなわち、厚み450μmの硬質白色塩化ビニル
樹脂シートの両面に厚み150μm硬質透明塩化ビニル
樹脂シートを熱溶着することによって得られたところの
、厚みが750μmである幅広の白色塩化ビニル樹脂シ
ートに、下記組成を有する受像層用塗工液をワイヤーバ
ー法により塗工し、溶剤を乾燥除去することにより厚み
4.0μmの受像層を形成した。
【0096】                   受像層用塗工液
:  塩化ビニル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・9.9部  [信越化学工業(株)製、
TK−600]  溶剤・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・90.0部  (メチルエチ
ルケトン/シクロヘキサノン=8/2)  シリコン樹
脂(離型剤)・・・・・・・・・・・・・・・・・・0
.1部  [信越化学工業(株)製、X24  830
0]。
【0097】次いで、受像層とは反対側の支持体表面に
下記の組成を有する筆記層用塗工液を塗布し、乾燥する
ことにより、厚み40μmの筆記層を形成した。かくし
て得られた幅広の受像シートを裁断することにより縦横
54.0mm×85.5mmのカードサイズの受像シー
トが得られた。
【0098】             筆記層用塗工液:  コロイ
ダルシリカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.5部  ゼラチン・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・7.0部  硬膜剤(化2参照)・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部  水
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・90.0部。
【0099】
【化2】
【0100】(2)昇華型熱転写記録用インクシートを
以下のようにして製造した。
【0101】支持体として厚み6μmのポリエチレンテ
レフタレートシートのコロナ放電処理された表面に、下
記組成の三種のインク層形成用塗工液をワイヤーバーコ
ーティング法により、乾燥後の厚みが1μmになるよう
に、ポリエチレンテレフタレートシートの長手方向に沿
ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)に
塗り分けられるように塗布し、その後に乾燥するととも
に、コロナ処理されていない裏面にシリコーンオイル(
X−41,403A,信越シリコーン社製)をスポイト
で1、2滴たらして全面に広げ、背面処理コートを行っ
てY,M,C3色の感熱転写記録用インクシートを得た
【0102】           イエローインク層形成用塗工液:
    イエロー分散染料・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・3.0部    [三井東圧染料(株)
製、MS  Yellow]    ポリビニルブラチ
ール・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 
   [重合度1700、Tg85.5℃、アセタール
化度64モル%、      アセチル基3モル%以下
、積水化学工業(株)社製、BX−1]    ポリエ
ステル変性シリコーン・・・・・・・・・・・・・・・
0.4部    [信越化学工業(株)製、X−24−
8310]    トルエン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・40.0部    メチルエチ
ルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.
0部    ジオキサン・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・10.0部。
【0103】           マゼンタインク層形成用塗工液 
   マゼンタ分散染料・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・5.0部    [三井東圧染料(株)製
、MS  Magenta]    ポリビニルブラチ
ール・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 
   [重合度1700、Tg85.5℃、アセタール
化度64モル%、      アセチル基3モル%以下
、積水化学工業(株)製、BX−1]    ポリエス
テル変性シリコーン・・・・・・・・・・・・・・・0
.4部    [信越化学工業(株)製:商品名X−2
4−8310]    トルエン・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・40.0部    メチル
エチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
0.0部    ジオキサン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・10.0部。
【0104】           シアンインク層形成用塗工液: 
   シアン分散染料・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・4.0部    [日本化薬(株)、カヤ
セットブルー136]    ポリビニルブラチール・
・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部    
[重合度1700、Tg85.5℃、アセタール化度6
4モル%、      アセチル基3モル%以下、積水
化学工業(株)製、BX−1]    ポリエステル変
性シリコーン・・・・・・・・・・・・・・・0.4部
    [信越化学工業(株)製、X−24−8310
]    トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・40.0部    メチルエチルケトン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.0部  
  ジオキサン・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・10.0部。
【0105】(3)熱溶融性インク層と透明保護層とを
有するシートを以下のようにして製造した。すなわち、
厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートシートの
表面における片側に熱溶融性インク層用塗工液をワイヤ
ーバー法により塗工し、乾燥することにより厚み1.2
μmの熱溶融性インク層を形成した。また、前記のよう
にして熱溶融性インク層を形成したシートの表面におけ
る未塗工部分に、下記の組成を有する透明保護層用塗工
液をワイヤーバー法により塗工し、乾燥することにより
厚み3.0μmの透明保護層を形成した。
【0106】すなわち、前記ポリエチレンテレフタレー
トシートの片面に熱溶融性インク層と透明保護層とが区
分けして形成された。このポリエチレンテレフタレート
シートの前記熱溶融性インク層とは反対側の面に、以下
の組成を有するアンチスティッキング層用塗工液を塗布
することにより、厚み0.6μmのアンチスティッキン
グ層を形成した。
【0107】           熱溶融性インク層用塗工液:  
カルナバワックス・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・1.0部  エチレン−酢酸ビニル共重合体・
・・・・・・・・・・・・・・1.0部  (三井デュ
ポンケミカル社製、EV−40Y)  カーボンブラッ
ク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0
部  フェノール樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・12.0部  (荒川化学社製、タマノル
526)  メチルエチルケトン・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・80.0部。
【0108】           透明保護層用塗工液:  ポリエ
ステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・6.5部  [東洋紡績(株)製、バイロン200]
  紫外線吸収剤・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・3.5部  (2,4−ジヒドロオキシベ
ンゾフェノン)  メチルエチルケトン(溶剤)・・・
・・・・・・・・・・・・90.0部。
【0109】           アンチスティッキング層用塗工剤
:  ニトロセルロース・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・3.0部  アクリルシリコン樹脂・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・7.0部  [東
亜合成化学工業(株)製、サイマックUS−270] 
 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・90.0部。
【0110】(4)紫外線硬化性樹脂含有塗工液の調製
以下の組成を有する紫外線硬化性樹脂含有塗工液を調製
した。           紫外線硬化性樹脂含有塗工液: 
 [ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)    アジペート]・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・70.0部  (UCC社製、
ERL  4299)  ビスフェノールAグリシジル
エーテル・・・・・・・・・・・10.0部  1,4
−ブタンジオールグリシジルエーテル・・・・・・・・
13.0部  トリアリールスルホニウムフルオロアン
チモン・・・・・・・・7.0部  真ちゅう粉   
                         
    ・・・・・・・・5.0部。
【0111】(5)次のようにして画像記録体を製造し
た。すなわち、受像シートにおける受像層と昇華型熱転
写記録用インクシートの昇華性色素含有層とを重ね合わ
せ、昇華型熱転写記録用インクシート側からサーマルヘ
ッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3
〜4.5msec、ドット密度16ドット/mmの条件
で加熱することにより、受像層に階調性のある人物顔画
像を形成した。
【0112】次いで、この人物顔画像の表面に透明保護
層が位置するように人物顔画像よりやや大きめに、受像
シートの受像層に透明保護層を以下の方法で転写したの
ち、熱溶融性インク層を重ね、熱溶融性インク層にはサ
ーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅
1.0msec、ドット密度16ドット/mmの条件で
加熱することにより、文字情報を転写した。また、透明
保護層はヒートローラーを用いて120℃、1.2秒間
熱をかけてから支持体を剥離することにより容易に受像
層に転写された。
【0113】次に、透明保護層の表面と該保護層以外の
受像層の表面に、紫外線硬化性樹脂含有塗工液を塗布量
10g/m2 となるようにワイヤーバー法によって塗
布し、下記の硬化条件にて紫外線硬化性樹脂含有塗工液
を硬化させて紫外線硬化保護層を形成した。 硬化条件: 光照射源・・・60W/cm2 の高圧水銀ランプ照射
距離・・・10cm 照射モード・・3cm/分で光走査。
【0114】(実施例2)実施例1における紫外線硬化
性樹脂含有塗工液中の微粒子の代わりに、着色剤(カヤ
セットブルー136)を0.1部用いたこと以外は、実
施例1と同様にして画像記録体を製造した。 (実施例3)以下の組成を有する紫外線硬化性樹脂含有
塗工液を調製した。
【0115】           紫外線硬化性樹脂含有塗工液: 
 [ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)    アジペート]・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・70.0部  (UCC社製、
ERL  4299)  ビスフェノールAグリシジル
エーテル・・・・・・・・・・・10.0部  1,4
−ブタンジオールグリシジルエーテル・・・・・・・・
13.0部  トリアリールスルホニウムフルオロアン
チモン・・・・・・・・7.0部。
【0116】実施例1、2と同様に画像を形成したのち
、透明保護層の表面と該保護層以外の受像層の表面に、
上記紫外線硬化性樹脂含有塗工液を塗布量10g/m2
 となるように、特定の地模様を持つグラビヤによって
塗布し、下記の硬化条件にて紫外線硬化性樹脂含有塗工
液を硬化させて紫外線硬化保護層を形成した。
【0117】
【発明の効果】本発明の画像記録体は、画像を有する受
像層と透明保護層と紫外線硬化保護層とが支持体上に分
離不可能に一体に積層され、しかも紫外線硬化保護層に
は微粒子または着色剤が含有されるかあるいは紫外線硬
化保護層の表面に凸凹が形成されているので、偽造物ま
たは変造物との識別が可能で、しかも偽造や改変される
恐れがない。したがって、本発明の画像記録体は特に信
頼性の高いIDカ−ドとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す画像記録体の断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例である画像記録体の製造に用
いられる受像シートを示す断面図である。
【符号の説明】
1a  支持体 1b  受像層 2    文字情報含有画像 3    階調情報含有画像 4    透明保護層 5    紫外線硬化保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体と、文字情報含有画像および階
    調情報含有画像の形成された受像層と、透明保護層と、
    微粒子を含有する紫外線硬化保護層とをこの順に積層し
    てなることを特徴とする画像記録体。
  2. 【請求項2】  支持体と、文字情報含有画像および階
    調情報含有画像の形成された受像層と、透明保護層と、
    着色剤を含有する紫外線硬化保護層とをこの順に積層し
    てなることを特徴とする画像記録体。
  3. 【請求項3】  支持体と、文字情報含有画像および階
    調情報含有画像の形成された受像層と、透明保護層と、
    凹凸表面を有する紫外線硬化保護層とをこの順に積層し
    てなることを特徴とする画像記録体。
JP3109316A 1991-05-14 1991-05-14 画像記録体 Pending JPH04336294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3109316A JPH04336294A (ja) 1991-05-14 1991-05-14 画像記録体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3109316A JPH04336294A (ja) 1991-05-14 1991-05-14 画像記録体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04336294A true JPH04336294A (ja) 1992-11-24

Family

ID=14507127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3109316A Pending JPH04336294A (ja) 1991-05-14 1991-05-14 画像記録体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04336294A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020073404A (ja) * 2019-09-30 2020-05-14 日立化成株式会社 異方導電フィルム用リール及び異方導電フィルム巻

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020073404A (ja) * 2019-09-30 2020-05-14 日立化成株式会社 異方導電フィルム用リール及び異方導電フィルム巻

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3040716B2 (ja) 画像記録体およびその製造方法
JP2605185B2 (ja) 画像記録体およびその製造方法
JP3004104B2 (ja) 画像記録方法および画像記録装置
US5614289A (en) ID card
US5358582A (en) ID card and method of its production
JP3707741B2 (ja) Idカードおよびその作成方法
JP3205017B2 (ja) 画像記録体の製造方法
JPH0761172A (ja) Idカード
JP3572485B2 (ja) 画像保護用転写箔
JPH04344289A (ja) 画像記録体および画像記録体作成方法並びに画像記録体作成装置
JP3127163B2 (ja) 溶融型感熱転写記録用インクシ−トおよび画像記録体
JPH05595A (ja) 画像記録体
JPH04338593A (ja) 画像記録体
JPH04336294A (ja) 画像記録体
JPH07299976A (ja) 認証識別カードの製造方法及びそれによる認証識別カード
JP3273273B2 (ja) 画像受像体
JPH0732774A (ja) 画像記録体および認証識別カード
JPH0542773A (ja) 感熱転写記録用受像シートの製造方法
JPH07117381A (ja) Idカード
JPH0624183A (ja) Idカード
JP3121127B2 (ja) Idカード
JPH06286350A (ja) 受像シート、受像シートの製造方法、画像の保護方法、画像記録体および画像記録体の製造方法
JPH05221160A (ja) 感熱転写記録用インクシートおよび画像記録方法
JPH04327999A (ja) Idカード用基材
JPH0740689A (ja) Idカード及びidカード作成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010507