JPH0432978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、カバン等に配した止具に一端部を挿
通し係止して、肩掛ベルト等の長さを調節可能に
した止具用ベルトに関するものである。

（従来の技術） 従来、カバンの肩掛ベルト等には、帯布が使用
されているが、その長さ調整が不便なものであつ
た。

又、係止段部を一体的に設けた合成樹脂製のバ
ンドを、カバンに取付けた止具本体に係脱自在に
嵌合係止し、該バンドの嵌合係止と長さ調整を可
能とした止具が使用されているが、該バンドが合
成樹脂製であるため、屈曲性が悪く肩掛ベルトに
は不向であつた。

また、実開昭60−187621号には、帯布に、係止
段部を一体的に設けた合成樹脂製のバンドを逢着
した肩掛ベルトとし、このベルトをカバンに取付
けた止具本体に嵌合係止し、長さ調整を簡単にし
たものが開示されている。

しかし、帯布に比べて、合成樹脂製のバンドの
方が硬いため、帯布の持つ柔らかさや屈曲性が低
下し、使用感が悪くなつたり、該帯布の耐久性が
低下したりする欠点を有していた。

（考案が解決しようとする問題点） ベルトと長さ調整が簡単で、帯布の持つ柔軟性
や屈曲性が低下せず、使用感が良く、耐久性に優
れた止具用ベルトを提供する点にある。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る止具用ベルトは、以下の様な構成
である。

帯布ａにその周囲を取り巻いて係止段部３を形
成した合成樹脂製の突条ｂを、帯布ａの長手方向
一定間隔に多数設けたことを特徴とする止具用ベ
ルトである。

（実施例） 本考案に係る止具用ベルトは、第１図乃至第３
図に示したように、帯布ａの幅方向の周囲を一定
の幅で包み、係止段部３を有する合成樹脂製の突
条ｂを、帯布ａの長手方向に一定間隔に多数並設
した固着したものである。

帯布ａは、引つ張り強度が強く、柔軟性があり
屈曲性に優れた帯状布であればよく、合成繊維
製、天然繊維製の何れでもよい。

突条ｂは、第１図乃至第３図に示したように、
帯布ａの幅方向の周囲を一定の幅で合成樹脂によ
り包むように形成したので、帯布ａの裏面に半円
柱状の裏条１を設け、帯布ａの表面から略垂直に
きりたつた係止段部３を有し、この係止段部３の
端部から下方に向つて切込だ傾斜面４を有する表
条２を、帯布ａの表面に設け、この表条２と裏条
１とを、帯布ａの側縁６を包む左右両側条５で一
体的に連設したものである。

ここで、突条ｂを帯布ａに形成するには、突条
ｂ成形用の金型間に帯布ａを配置し、金型内に合
成樹脂を注入固化させて、裏条１、表条２及び左
右側条５，５からなる突条ｂを、帯布ａの周囲に
合成樹脂を直接一体形成する公知の製造法により
固着させて成形する。

次に本考案に係る止具用ベルトの使用方法につ
いて、カバンの肩掛ベルトＡ（以下単に、ベルト
Ａと記す。）として使用する場合で説明する。

第１図、第２図及び第４図に示したように、カ
バンＣの側部に止具本体Ｂの台座ｄを取付け、他
端をカバンＣの他の側部に固着したベルトＡの一
端を、止具本体Ｂの操作体ｅと台座ｄとの間に挿
通し、下方に引つ張る。

すると、ベルトＡの突条ｂがバネｆの力に抗し
て操作体ｅの係止端１１を押し上げ、ベルトＡの
突条ｂの裏条１が止具本体Ｂま台座ｄに接当し、
突条ｂの表条２が操作体ｅの係止端１１に接当し
ながら、ベルトＡが操作体ｅと台座ｄとの間を通
過する。

そして、適当な長さになつた所で、ベルトＡを
引つ張るのを止めると、ベルトＡの突条ｂの係止
段部３に、止具本体Ｂの操作体ｅの係止端１１が
接当係止し、第４図に示したように、ベルトＡを
カバンＣに適当な長さで取付けて使用するもので
ある。

ここで、本考案に使用する止具本体Ｂは、第１
図及び第２図に示したように、台座ｄの左右両側
に設けた両側壁８間に、係止端１１が常に台座ｄ
を押圧するようにバネｆで付勢した操作体ｅを軸
杆ｇで軸支したものである。

すなわち、台座ｄは金属製で、上下の各中央に
取付孔９を穿設し、左右両側中央に側壁８を設
け、この両側壁８の略中央に軸孔を穿設し、右側
壁８の上部を少許切欠いた取付部９を設けたもの
である。

操作体ｅは、金属製で、上部表面に押圧部１０
を設け、下端に係止端１１を設け、左右両側部の
略中央に軸孔を穿設したものである。

そして、操作体ｅの押圧部１０の裏面に一端を
係止させ、他端を台座ｄの右側壁８の取付部９に
係止させたバネｆを操作体ｅの右方裏面に配し、
この操作体ｅを台座ｄの両側壁８間に配した後、
右側壁８の軸孔、バネｆ、操作体ｅの軸孔、左側
壁８の軸孔に軸杆ｇを挿通し、操作体ｅを台座ｄ
に回動自在に取付けて止具本体Ｂとするものであ
る。

なお、前記実施例では、カバンＣの肩掛ベルト
Ａとして使用した例で説明したが、ナツプザツク
の口を絞るベルトＡとしたり、ボストンバツグに
配設したフアスナーの引金に当該ベルトＡを取付
け、カバンＣの側部に止具本体Ｂを取付けて使用
してもよく、さらに、靴の重合部、ズボンやスカ
ートの重合部、ズボン吊りベルト等に使用するベ
ルトＡとして使用してもよく、当該ベルトＡの用
途は、特に限定するものではない。

前記実施例では、半円柱状の裏条１と、略垂直
にきりたつ係止段部３を有する表条２とを、両側
条５で連設した突条ｂの例てせ説明したが、止具
本体Ｂの操作体ｅの係止端１１が当接係止する係
止段部３を有する突条ｂであけばよく、裏条１、
表条２及び側条５の形状は、特に限定するもので
はない。

また、突条ｂは、帯布ａ全体に設けても、帯布
ａの端付近等の一部に設けてもよい。

前記実施例では、金属製の台座ｄや操作体ｅか
らなる止具本体Ｂの例で説明したが、係止端１１
が、常に台座ｄを押圧するようにバネｆ等で付勢
した操作体ｅを台座ｄに軸支したものであればよ
く、止具本体Ｂの形状、構造及び材質等は、特に
限定するものではない。

（考案の作用効果） 本願考案に係る止具用ベルトによれば、係止段
部３が帯布ａの周囲を取巻いて固着され、係止段
部３を有する合成樹脂製の突条ｂを、帯布ａの長
手方向に一定間隔に並設する構成であるので、止
具を係止するに必要な突条ｂの強度は合成樹脂の
材質で調整でき、帯布ａの柔軟性、屈曲性および
引つ張り強度は、帯布ａの材質で調整でき、この
物性の異なる二部材の相互作用により、ベルト本
来の柔軟性、屈曲性、引つ張り強度を失うことな
く、理想のベルトが提供でき、しかも使用に際し
ベルトに抵抗がなく、使用感の優れた製品が提供
できる。

また、帯布ａに形成する合成樹脂製の突条ｂの
間隔巾を変更することにより止具の係止を微調整
することが出来る。

合成樹脂製の突条ｂが各独立に並設しているの
で、帯布ａの色彩と突条ｂの色彩を異色にすれ
ば、色調の異なる製品が自由に選択できて、汎用
性と装飾性とに富んだ種々の止具用ベルトが得ら
れる。

また、帯布ａの周囲を取巻いて多数並設された
突条ｂが帯布ａの表面から突出していることによ
り、使用に際し、特に帯布ａの両側縁が止具本体
Ｂと接触しないので、帯布ａを損傷することがな
く、帯布ａの保護作用を発揮して、耐久性に優れ
たベルトが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る止具用ベルトに止具本体
を取付けた正面図、第２図は第１図の−線に
おける断面図、第３図は第１図の−線におけ
る断面図、第４図は本考案に係る止具用ベルトの
使用状態を示す説明図である。 Ａ……ベルト、Ｂ……止具本体、Ｃ……カバ
ン、ａ……帯布、ｂ……突条、ｄ……台座、ｅ…
…操作体、ｆ……バネ、ｇ……軸杆、１……裏
条、２……表条、３……係止段部、４……傾斜
面、５……側条、６……側縁、７……取付孔、８
……側壁、９……取付部、１０……押圧部、１１
……係止端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯布ａにその周囲を取り巻いて係止段部３を形
   成した合成樹脂製の突条ｂを、帯布ａの長手方向
   一定間隔に並設したことを特徴とする止具用ベル
   ト。