JPH04327307A - 零位調整用プリロードブロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、圧延ロールの零位調整
用プリロードブロック装置に係わり、特に平ロールを使
用する場合の条鋼圧延機における零位調整用プリロード
ブロック装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、棒鋼や線材等の条鋼を圧延するに
は圧延ロールの胴部に複数の孔型を刻設した、いわゆる
孔型ロールを用いて条鋼圧延機により圧延する。この場
合、被圧延材は複数の孔型を順次通過することにより、
例えば素材のブルームから製品である棒鋼に仕上げられ
る。このように孔型ロールを使用する場合は、被圧延材
の加工量に応じて孔型寸法が決定されているため、条鋼
圧延機における圧下装置の圧下調整代は、対向する孔型
ロールの孔型を所定の形状（ロール間隙）に調整するの
みのわずかなものでよく、一般的にその最大圧下ストロ
ークは孔型ロールの最大改削量から決定されている。

【０００３】また、全ての圧延機においては圧下装置を
含む機械系に微小なガタがあり、このガタにより製品の
寸法精度が影響を受けることから、圧延に先立ってロー
ル間隙設定のための基準点を定める、通常零調といわれ
る零位調整を行っている。この零位調整は、例えば特開
昭５７−９４４１１号公報に示されるように、圧下装置
により上下圧延ロールを圧接させて、負荷初期の不安定
な領域を制御範囲から除いてロール間隙制御の基準点を
設定するものである。

【０００４】さらに近年は、本発明の出願人が特開昭５
８−２３５０２号公報等で開示したように、条鋼圧延の
粗、中間段階では孔型ロールを使用せずに、孔型のない
単なる平ロールによって方形断面素材を減面する技術が
実施され、孔型加工費用の削減や、ロール組替作業の廃
止等、多大な効果をもたらせている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、条鋼圧延機
の場合は前述したように圧下装置の最大圧下ストローク
が小さく、孔型ロールに代えて平ロールを使用する場合
、この平ロールの外径は孔型ロールにおける孔型底に相
当する外径程度のものとなり、零位調整に際して対向す
る平ロール同志を圧接することができない。

【０００６】従って、このように平ロールを使用する場
合の零位調整に際しては、平ロール間にプリロードブロ
ックを挿入して行っていたが、２名の作業者が圧延機内
に入り、ロール胴両端部のロール間にプリロードブロッ
クをそれぞれセットする必要があり、危険で作業時間も
長く要し、圧延作業中には実施不可能なことから製品寸
法精度にも影響を及ぼす等、大きな問題とされていた。

【０００７】この問題は、圧延機を新設する場合には圧
下ストロークを大きくすれば解決できるが、そのように
すれば圧下ストロークの増大分や、圧下装置ならびにミ
ルハウジングの剛性の確保等のために圧延機全体が大型
となって高価になるのみならず、広い設置スペースを要
する等他の問題が発生する。本発明は上述の課題を解決
し、従来通りの条鋼圧延機により平ロールを使用しても
、また圧延の途中でも危険を伴わず、簡単に十分な零位
調整ができるプリロードブロック装置を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、平ロールを使
用する場合の条鋼圧延機における零位調整用プリロード
ブロック装置であって、平ロール胴両端部のロール間に
それぞれ介装されたプリロードブロックを、対向する平
ロールのいずれか一方のロール軸心との相対位置が不動
な部材に取付けられた弾性支持手段を用いて支持すると
ともに、この弾性支持手段を零位調整時には平ロールの
圧下力により前記プリロードブロックが挟圧され、圧延
中には対向する平ロールとプリロードブロックが非接触
状態を維持可能に構成することにより前述課題を解決し
、さらに前記プリロードブロックを、平ロールと接する
面がロール外周に沿う半径の凹面である鼓形状として一
層の効果を上げることができた。

【０００９】

【作　　用】平ロール胴両端部のロール間にそれぞれ介
装されたプリロードブロックを、対向する平ロールのい
ずれか一方のロール軸心との相対位置が不動な部材、例
えばロールチョックに取付けた弾性支持手段を用いて支
持する。そして、零位調整をするときは弾性支持手段の
弾発力に抗して平ロールの圧下力によりプリロードブロ
ックを挟圧して零位調整を行う。零位調整時以外、つま
り圧延中は前記弾性支持手段の弾発力によりプリロード
ブロックが対向する平ロール間でロールとは非接触な状
態を維持できるようにし、零位調整時の互いの接触面を
保護している。

【００１０】このように零位調整用プリロードブロック
装置を構成することにより、平ロールの回転を停止させ
ればいつでも零位調整を行うことができる。また、プリ
ロードブロックは平ロールと接する面がロール外周に沿
う半径の凹面になっているため、平ロールに挟圧された
ときに面圧が分散され、精度の良い零位調整が可能とな
るとともに接触面に平ロールによる圧痕が発生すること
がない。

【００１１】

【実施例】図は本発明の実施例を示し、図１は零位調整
中の説明図で、図２は圧延中の状態の説明図であり、図
３は図１のＡ−Ａ矢視図を示し、図４は平ロールのロー
ル胴両端部形状の説明図である。図１において上側平ロ
ール１は、図示省略した圧下装置の圧下ねじ５、５によ
り図示省略したミルハウジング内を上下に摺動するロー
ルチョック３、３に支持されてロール間隙が調整可能に
なっている。一方下側平ロール２は、ミルハウジング内
で上下左右方向の位置不動に配置されたロールチョック
４、４に支持されている。

【００１２】このように平ロール１、２を組込んだ条鋼
圧延機において、本発明のプリロードブロック装置１０
は上下平ロール１、２のロール胴両端部の間にプリロー
ドブロック１１をそれぞれ介装してあり、この例のプリ
ロードブロック１１は、下ロールチョック４、４にボル
ト１３により取付けられた弾性支持手段である板バネ１
２の先端に溶接により固着支持されている。

【００１３】そして、圧下ねじ５、５により上側平ロー
ル１を下降させて上下平ロール１、２のロール間で図１
に示す如くプリロードブロック１１、１１を挟圧するこ
とにより、零位調整を行うことができる。零位調整が終
了すれば圧下ねじ５、５を操作して上側平ロール１を上
昇させ、その後は通常の如く上下平ロール１、２による
圧延を行うが、このときには図２に示す如くプリロード
ブロック１１、１１は上下平ロール１、２とは接触しな
いよう、前記板バネ１２の弾発力と撓み量を決めてある
。

【００１４】ここでプリロードブロック１１の高さＹは
、この平ロール１、２で圧延する被圧延材６の最小厚さ
Ｙａ　より、少なくとも圧延中の振動によって平ロール
と接触しない程度に小さくする必要があり、その寸法は
この条鋼圧延機の最大圧下ストロークと平ロール径、お
よび被圧延材の最小寸法により決定される。図３はプリ
ロードブロック１１の形状を示しているが、この例では
その上下を平ロール１、２の外周半径Ｒと等しい凹面の
鼓形状にしてある。従って零位調整時には上下平ロール
１、２と広い面での面接触となり、上下平ロール１、２
による挟圧力を分散させることができる利点があるが、
必ずしもこの形状ではなくてもよい。

【００１５】ところで、圧延ロールは圧延により摩耗し
たり、表面に傷等の欠陥が発生することがあり、その都
度損傷ロールは改削されるため、圧延に使用するロール
径は常に変化する。そこで、図４に示すように上下平ロ
ール１、２のロール胴両端部にプリロードブロック１１
との接触用小径面１ａ、２ａを設けておくと便利である
。 この場合この小径面１ａ、２ａの径ｄは、平ロール１、
２の最小径（最終改削後の径）Ｄと等しいかまたは少し
小さい径とする。そして、図に示すプリロードブロック
１１の高さＹ′は図１に示すＹと同様な条件で決めれば
よい。

【００１６】なお、以上の説明はプリロードブロック１
１を、下側平ロール２のロールチョック４、４に取付け
た弾性支持手段である板バネ１２を介して支持させた場
合について行ったが、これは上側平ロール１のロールチ
ョック１にこの例と同様な弾性支持手段を取付けてもよ
く、また下側平ロールを基準にしてミルハウジングの邪
魔にならない位置に取付け、この弾性支持手段を退避可
能な構造にしておけば通常の孔型ロールを使用するとき
には退避させてそのまま圧延することができる。

【００１７】また、弾性支持手段についても板バネにこ
だわるものではなく、図１に示す零位調整時の位置から
図２に示す圧延中の位置にプリロードブロックが弾性的
に自動復帰可能なものであれば手段は問わない。この実
施例では水平ロールを使用する場合について説明したが
、本発明は竪ロール圧延機についても同様に実施できる
ものである。

【００１８】本発明の零位調整用プリロードブロックを
使用した場合、零位調整のための作業時間を従来の作業
員による所要時間の１／５以下に短縮することができた
。

【００１９】

【発明の効果】本発明による零位調整用プリロードブロ
ック装置は、平ロールを使用して通常の条鋼圧延機によ
り条鋼の圧延を行う場合、零位調整にあたってプリロー
ドブロックのセットに何ら人手を要さないため、その作
業に全く危険が伴わず、また圧延作業の途中でも適宜零
位調整が実施できることから、ロール間隙設定の誤差に
起因した製品寸法精度悪化のうれいは全くなくなる。

【００２０】さらにプリロードブロックを平ロール間に
装着、脱するための手間は全く不要であり、省力化と稼
働率向上のためにも多くの利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す正面図で、平ロールの零
位調整を行っている状態を示す説明図である。

【図２】本発明によるプリロードブロック装置の平ロー
ル圧延中の状態を示す説明図である。

【図３】本発明に使用するプリロードブロックの形状説
明図で、図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図４】本発明のプリロードブロック装置を使用するの
に好適な平ロール胴両端部形状の説明図である。

【符号の説明】 １　　上側平ロール ２　　下側平ロール ３　　上側ロールチョック ４　　下側ロールチョック ５　　圧下ねじ ６　　被圧延材 １０　　プリロードブロック装置 １１　　プリロードブロック １２　　弾性支持手段 １３　　ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　平ロールを使用する場合の条鋼圧延機
   における零位調整用プリロードブロック装置であって、
   平ロール胴両端部のロール間にそれぞれ介装されたプリ
   ロードブロックを、対向する平ロールのいずれか一方の
   ロール軸心との相対位置が不動な部材に取付けられた弾
   性支持手段を用いて支持するとともに、この弾性支持手
   段を零位調整時には平ロールの圧下力により前記プリロ
   ードブロックが挟圧され、圧延中には対向する平ロール
   とプリロードブロックが非接触状態を維持可能なように
   構成したことを特徴とする零位調整用プリロードブロッ
   ク装置。
2. 【請求項２】　　前記プリロードブロックを、平ロール
   と接する面がロール外周に沿う半径の凹面である鼓形状
   としたことを特徴とする請求項１記載の零位調整用プリ
   ロードブロック装置。