JPH04324507A - 駆動装置の加減速制御方法及びロボットシステム - Google Patents

駆動装置の加減速制御方法及びロボットシステム

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JPH04324507A
JPH04324507A JP9514991A JP9514991A JPH04324507A JP H04324507 A JPH04324507 A JP H04324507A JP 9514991 A JP9514991 A JP 9514991A JP 9514991 A JP9514991 A JP 9514991A JP H04324507 A JPH04324507 A JP H04324507A
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JP
Japan
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acceleration
deceleration
drive device
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speed
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JP9514991A
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English (en)
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Toshio Ogiso
敏夫 小木曽
Fujio Tajima
不二夫 田島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモ−タにより駆動される
ロボット等多軸機構において所望の動作をモ−タのトル
ク不足を起こすことなく最短時間で実現するモ−タのト
ルク−速度特性及び機構特性を考慮した最適なモ−タの
加減速制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多軸機構の代表例であるロボット
の各関節に配置されている駆動装置の加減速制御方法に
ついては、1)特開昭62−80706号公報において
、動作姿勢における動作方向への所要トルク倍率係数を
もとに軸加速度を求め、速度パタ−ンを生成する方法が
述べられていた。
【0003】また、2)特開昭61−114317号公
報において、定められた速度パタ−ンで動力学式より求
めたモ−タ所要トルクが動作軸速度でモ−タの発生可能
トルクを越えた場合は加速度を下げる方法が述べられて
いた。
【0004】また、3)特開昭62−3311号公報に
おいて、ロボットの動作開始位置と動作距離に対してテ
−ブル化された加減速パラメ−タを基に、テ−ブル化さ
れていない動作条件に対しては内挿補間して加減速パラ
メ−タを求め、速度パタ−ン計画を行う方式が述べられ
ていた。
【0005】また、4)特開昭60−201408号及
び特開昭61−271501号公報において、ロボット
の動作停止時の残留振動を低減するために、停止時及び
起動時にサイクロイド速度パタ−ンを用いる方法が述べ
られていた。
【0006】また、5)特開平2−106284号公報
に記載のように台形速度パタ−ンをベ−スに、ロボット
各関節の制限速度、制限加速度を考慮して動作時間を最
短とする方法が述べられていた。
【0007】また、6)機械設計第33巻第3号平成元
年第64ペ−ジから第92ペ−ジに記載のように、カム
により動かされる従節の運動曲線選定にフレキシビリテ
ィをもたせるため、各々正弦曲線,余弦曲線,及び直線
よりなる7区間の時間幅を任意に設定可能なユニバ−サ
ルカム曲線が述べられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術は、多
軸機構においてモ−タトルクを表現する動力学式におけ
る非線形項(遠心・コリオリ成分)を無視しているため
、高速動作時に非線形項の影響が顕著となる質量配分を
有する多軸機構の高速動作時の加減速パタ−ンを最適と
できない問題がある。
【0009】また、第2の従来技術は速度パタ−ンを一
定とし、最高速度,加減速時間を変化させて最適パタ−
ンを見い出そうとしているため、用いる速度パタ−ンが
不適切な場合、加減速時間が長くなる欠点がある。
【0010】また、第3の従来技術は、動作条件パラメ
−タ,加減速パラメ−タとも少数の場合を対象として扱
っているため、移動体の動作時間を最短とできる動作が
得られないという問題がある。
【0011】また、第4の従来技術は、加減速時中央速
度における加速度が著しく大きいため、高加減速時はモ
−タがトルク不足を起こす可能性があり、最適な加減速
パタ−ンが得られないという問題がある。
【0012】また、第5の従来技術は台形速度パタ−ン
を用いているため、停止時の加速度が零でないため、残
留振動の振幅が大きく、長く持続するという問題がある
【0013】また、第6の従来技術は、加減速時間,最
高速度,各区間の時間幅を可変パラメ−タとして速度パ
タ−ン設定を行っているため、7区間の各時間幅の設定
は変数が多く非常に難しいという問題がある。
【0014】本発明の目的は、駆動装置及びそれにより
駆動される多軸機構の高加減速動作時の動作時間を最短
とできる速度パタ−ン生成方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は(I)速度パタ−ン生成にフレキシビリテ
ィを持たせられる加減速曲線を用いる,(II)動作時
間の最短化,モ−タのトルク余裕の最小化,動作停止時
の小さい残留振動,を同時に実現する速度パタ−ンを生
成する,(III)動作条件パラメ−タと最適加減速パ
ラメ−タを簡易な手法により関係づけ、任意の動作条件
に対する最適加減速パラメ−タを簡易に計算可能である
,の3手段を講ずるものである。以下各々につき具体的
に説明する。
【0016】(I)速度パタ−ン生成にフレキシビリテ
ィを持たせられる加減速曲線を得るに当っては、数2で
示される指数乗正弦波曲線を用いた。
【0017】
【数2】
【0018】ここで、θ:軸速度,θm:最高速度,m
:指数,th:加減速周期,t:時間,であり、θm,
m,thの3ケが加減速パラメ−タである。これは従来
知られているサイクロイド曲線がm=2の場合,単弦曲
線がm=1の場合に対応しており既存の正弦波系加減速
曲線は加減速パラメ−タがθm,thのみであるのと比
してmが追加され、フレキシビリティを増したものであ
る。
【0019】(II)速度パタ−ン生成時には、前述の
指数乗正弦波加減速曲線を用いて、加速区間,等速区間
,減速区間の軸速度を数1のように定めた。
【0020】ここで、移動体の動作距離をΔθとすると
、加速距離αΔθ,減速距離βΔθは数3のように示さ
れ、加減速パラメ−タのうち、加速周期th1,減速周
期th2は、比加速距離α,比減速距離βを定めると一
意に決まるため、加減速パラメ−タとして、m1,m2
,θm,α,βを用いた。
【0021】
【数3】
【0022】ここで、Γはガンマ関数を示す。
【0023】また、モ−タにより負荷を高速駆動する場
合、モ−タがトルク不足を起こさぬ範囲において、でき
るだけ動作時間を最短とすることが望ましいため、非線
形計画法を用いて与えられた動作条件(負荷慣性モ−メ
ント,動作距離等)に対して最適な加減速パラメ−タを
求め、使用した。
【0024】(III)動作条件パラメ−タと最適加減
速パラメ−タの関係付けに当っては、多変数間の関係付
けのため、(i)テ−ブルデ−タ利用方式,(ii)テ
−ブルデ−タ補間方式,(iii)最小二乗法多項式近
似方式,(iv)ニュ−ラルネットワ−ク学習方式,を
用いた。
【0025】
【作用】ロボットア−ム等高速移動体は、その駆動モ−
タに電気エネルギを印加することにより機械エネルギに
変換されて駆動される。駆動モ−タ制御装置に、速度指
令を与えると、駆動モ−タの速度検出器より得られる速
度検出量との偏差に基づきモ−タトルク指令が生成され
、増幅されて、モ−タに通電される。
【0026】高速移動体に要求される動作は、図26に
示すように動作開始位置から、動作終了位置まで、でき
るだけ速く位置決めすることであり、図27に示すよう
にできるだけ残留振動振幅及びその減衰時間を短縮する
ことである。
【0027】以下、このような動作を実現するための手
段につき、図1及び図28〜図38を用いて説明する。 図1は、指数乗正弦波加減速曲線を用いた速度パタ−ン
を示し、図28は指数乗正弦波曲線を示し、図29は、
指数乗正弦波曲線の無次元パラメ−タの時間変化を示し
、図30は、指数乗正弦波加減速曲線無次元パラメ−タ
最大値と指数の関係を示し、図31は、指数乗正弦波加
減速曲線の最大加速度をとる無次元時間と指数の関係を
示し、図32は、多軸機構の外観図を示し、図33は、
モ−タの発生トルク−速度特性を示し、図34は、最適
駆動条件における所要トルクの時間変化を示し、図35
は、ニュ−ラルネットワ−クの構成を示し、図36は、
加減速パラメ−タ誤差の収束特性を示している。
【0028】まず、指数乗正弦波曲線の特性について図
1及び図28〜図31を用いて説明する。数1で示した
速度パタ−ンを図1に示した。このパタ−ンにおける加
速区間及び減速区間に用いられている指数乗正弦波曲線
(数2,図28参照)の加減速曲線としての特徴を調べ
るため、従来カム曲線の評価に用いられてきた無次元速
度V,無次元加速度A,無次元跳躍Jを求めると数4の
ように示される。
【0029】
【数4】
【0030】ここで、Vm=√πΓ((m+2)/2)
/Γ((m+1)/2),無次元時間τ=2t/th 
 である。この無次元パラメ−タは、平均値で無次元化
された量を示しているため、最大値が小さい程変化の少
ない衝撃の小さい特性を有する。
【0031】V,A,Jの時間変化特性を図29に示し
た。この特性は、大きい指数依存性がある。V,A,J
の最大値Vm,Am,Jmと指数の関係を図30に示し
た。また、加速度が最大値をとる無次元時間τA(数5
参照)は、図31で示され、τAが0.5に近い程高速
時に最大駆動力が要求されることを示す。
【0032】
【数5】
【0033】上記の特性から、指数乗正弦波加減速曲線
の指数mと加減速曲線としての好適さとの間には下記の
関係がある。
【0034】(i)m<1:動作開始時(τ=0)及び
動作終了時(τ=1)に加速度が無限大となり、無限大
のモ−タ駆動力が要求されるため、加減速曲線として好
ましくはない。
【0035】(ii)m=1:動作開始時(τ=0,速
度零)に加速度が有限の最大値をとり、最大駆動力がモ
−タに要求されるため、通常モ−タは速度零において最
大駆動力を発生可能である点を考慮すると、加速曲線と
して好適であり、また、Vmが小さいため、加速時間を
短くできる。
【0036】(iii)1<m<2:動作開始時及び動
作終了時の加速度Aは零であり、跳躍Jは無限大である
。 加速度最大となる速度が低速部にあることから、加速曲
線として好適であり、また、モ−タは通常低速域で発生
駆動力不足を起こしにくいことから減速曲線としても好
適である。
【0037】(iv)m≧2:動作開始時及び動作終了
時の加速度A及び跳躍Jが零であることから、減速曲線
として好適である。しかし、最大加速度時間τAが0.
5に近い値をとり、高速部で最大駆動力が要求されるた
め、高速動作時にモ−タがトルク不足を起こさぬために
は減速周期th2を長くとらねばならず、動作時間が長
くなる問題がある。
【0038】以上から、加速指数としては、m1≧1,
減速指数としては、m2>1と選ぶのが望ましい。
【0039】次に、高速移動体の速度パタ−ンの決定方
法について図32〜図34を用いて述べる。
【0040】図32は、n軸ロボットの外観図であり、
各関節(各軸)に回転型駆動モ−タが装着されている。 各関節の駆動モ−タの変位θの合成により先端の位置が
定まる。ここで、n軸ロボットの剛体モデルに基づくj
軸の運動方程式は一般に数6で示される。
【0041】
【数6】
【0042】ここで、rj:減速機減速比,Tj:モ−
タトルク,θj:モ−タ軸速度,θj:モ−タ軸加速度
,Hji:慣性モ−メント,Bjkl:遠心・コリオリ
係数,Cj:重力モ−メント,であり、Hji,Bjk
l,Cjはいずれも軸位置θjの関数である。数6を減
速機出力軸換算の定数(例えばTj=rjTj,…)で
記述すると、数7のように示される。
【0043】
【数7】
【0044】ここで、モ−タの最大電流通電時の発生ト
ルク−速度特性は、減速機出力軸換算で、図33のよう
に示され、数8のように記述される。
【0045】
【数8】
【0046】また、j軸の速度パタ−ンは数9のように
記述される。
【0047】
【数9】
【0048】ここで、n軸ロボットがA点(=
【Xa,
Ya,Za】)からB点(=
【Xb,Yb,Zb】)まで最短時間で移動し、かつ動
作後著しい振動を生じることのない各軸の速度パタ−ン
を求める。
【0049】(工程1)A点とB点の各軸分解座標(逆
運動学解)を求める。
【0050】(工程2)各軸動作時間を定式化する。
【0051】各軸動作距離Δθjabに対して、比加速
距離αj,比減速距離βjとすると、数10が成り立つ
ことから、全動作時間tj3は数11で示される。
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】
【0054】(工程3)トルク不足を起こさぬように動
作時間を最短化する加減速パラメ−タの決定。
【0055】全軸の動作時間の合計f(数12参照)を
最小化評価関数とする。
【0056】
【数12】
【0057】ここで、下記の制約条件を設ける。
【0058】■トルク不足を起こさぬ条件(図34,数
13参照)
【0059】
【数13】
【0060】■加減速距離の条件 1−αj−βj≧0 0<αj<1,0<βj<1 ■指数選定に関する指針 mj1≧1,mj2≧1.2(mj2>1の中から選ん
だ) ■軸最大速度の制約条件 0≦θjm≦θjm0 この問題を制約条件を考慮した評価関数を最小化するよ
うに解くことにより、最適加減速パラメ−タ(mj1,
mj2,θjm0,αj,βj)を得る。
【0061】次に、前述の工程1〜3により求められた
動作条件パラメ−タ〔Hji,Bjkl,Cj,rj,
θj(t=0),Δθj,Pj(θj)〕と最適加減速
パラメ−タ〔mj1,mj2,θjm0,αj,βj〕
の簡易な関係付けを図るために用いる手段につき図35
〜図38を用いて説明する。なお、以下の説明では、簡
略化するため、動作条件パラメ−タ(x1〜xs),最
適加減速パラメ−タ(y1〜ym)と記す。
【0062】(I)テ−ブルデ−タ利用方式上記の最適
加減速パラメ−タ(y1〜ym)と動作条件パラメ−タ
(x1〜xs)の関係付けに当り、駆動装置制御装置内
のテ−ブルに(x,y)のペアデ−タを用意し、ある動
作条件(xq)が与えられたとき、テ−ブルデ−タ(x
t)の中から最も近接するものをさがす。テ−ブルには
、yデ−タが記入されているため、ほぼ最適な加減速パ
ラメ−タを簡易に求められる。テ−ブルデ−タを細かく
用意することにより高精度の補間値を得ることが可能に
なる。
【0063】(II)テ−ブルデ−タ補間方式上記の最
適加減速パラメ−タ(y1〜ym)と動作条件パラメ−
タ(x1〜xs)の関係付けに当り、数14に示す関係
を用いる。
【0064】
【数14】
【0065】ここで、あらかじめ、駆動装置制御装置内
のテ−ブルに(x,y,dy/dx)のペアデ−タを用
意し、ある動作条件(xq)が与えられた時、テ−ブル
デ−タ(xt)の中から最も近接するものをさがす。テ
−ブルには、y,dy/dxデ−タが記入されているた
め、数14にそれらの値を代入することにより、最適加
減速パラメ−タyを求めることができる。テ−ブルデ−
タを細かく用意することにより高精度の補間値を得るこ
とが可能になる。
【0066】(III)最小二乗多項式近似方式上記の
最適加減速パラメ−タ(y1〜ym)と動作条件パラメ
−タ(x1〜xs)を数15に示す多項式により関係付
ける。
【0067】
【数15】
【0068】多項式係数aiをr個の点において最適値
yとの数16に示す最小二乗誤差Δ2が最小となるよう
に選ぶ。
【0069】
【数16】
【0070】多項式係数が求まった後は、数15に基づ
き任意の動作条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ
−タを簡易に算出することができる。
【0071】また、動作条件パラメ−タを複数の領域に
分けて各領域について近似多項式を導くことにより、よ
り高精度の加減速パラメ−タ算出が可能となる。
【0072】(IV)ニュ−ラルネットワ−ク学習方式
上記の最適加減速パラメ−タ(y1〜ym)と動作条件
パラメ−タ(x1〜xs)を図35に示す階層型ニュ−
ラルネットワ−クを用いて関係付けることを考える。階
層型ニュ−ラルネットワ−クは入力層4,隠れ層5,出
力層6の3層構造となっており、学習ステップ8におい
て、各層間の関係付けを学習的に行い、再生ステップ9
において、学習ステップで得られた関係に基づき任意の
動作条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ−タを求
める。入力層4から隠れ層5へ、と隠れ層5から出力層
6への計算は、前述の工程1〜3であらかじめ求まって
いる教師デ−タ10と出力11の偏差より数17に示す
重み係数修正アルゴリズムに基づき求められた重み係数
に対して数18に示す計算が行われる構成となっている
【0073】
【数17】
【0074】
【数18】
【0075】ここで、関数fは数19で示されるシグモ
イド関数である。
【0076】
【数19】
【0077】図36は上記アルゴリズムに基づく学習に
おいて重み係数の修正に伴う出力パラメ−タ誤差の収束
状況を示したものである。
【0078】これから、ニュ−ラルネットワ−クを用い
ることにより、簡素な手法で、多変数入出力パラメ−タ
間の関係付けを行うことができる。また、動作条件パラ
メ−タを複数の領域に分割し、各々につき上記の学習を
行うことにより、より高精度の近似を行うことができる
【0079】なお、上記(I)〜(IV)の方式ともに
、入出力間の関係付け誤差を伴うため、その誤差分の余
裕を考慮して、前述の工程3において最適加減速パラメ
−タを求めることにより、あらゆる動作条件において、
モ−タがトルク不足を起こさぬ最適加減速パラメ−タの
簡易設定が可能となる。
【0080】また、上述の過程を実行する前に、モ−タ
の基準動作を行い、その所要トルクを測定し、負荷慣性
モ−メントの同定ステップを設けることにより、より正
確な最適加減速パラメ−タの決定が可能となる。
【0081】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1〜図9を用いて
説明する。本実施例は、単軸機構を対象に動作条件パラ
メ−タと最適加減速パラメ−タの関係について述べる。 図1は本発明の速度パタ−ンを示し、図2は、速度パタ
−ンの最適化手順を示し、図3は、単軸機構及びその制
御装置の外観を示し、図4は、動作時間の収束特性を示
し、図5は、加減速指数の収束特性を示し、図6は、最
高速度の収束特性を示し、図7は、比加減速距離の収束
特性を示し、図8は、従来知られている加減速曲線を用
いた場合との動作時間の比較を示し、図9は、与えられ
た動作条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ−タを
求める流れ図を示している。
【0082】ここでは、扱う単軸機構として、図3に示
すように、慣性負荷体1をダイレクト・ドライブ・モ−
タ(D・Dモ−タ)2により回転駆動する機構を扱う。 モ−タ制御装置3は、外部から、位置指令もしくは速度
指令を与えることによりそれに沿う動作を実現するよう
な電気エネルギを生成し、モ−タに印加する機能を有す
る。本発明で述べるモ−タの速度パタ−ンとは、モ−タ
制御装置3に速度指令として与えるもしくはその積分量
を位置指令として与える元となるデ−タのことを示し、
慣性負荷体1の加減速制御を司る重要な技術である。こ
こでは、駆動系の減速比r=1である。本機構の運動方
程式,モ−タ特性(ハイブリッド型D・Dモ−タの例)
,及び加減速パタ−ン(図1参照)は数20,数21,
及び数22で示される。
【0083】
【数20】
【0084】
【数21】
【0085】
【数22】
【0086】ここで、慣性体慣性モ−メントH(動作位
置θに依存せず一定値をとる),動作距離Δθが与えら
れて、加減速パラメ−タ(加速指数m1,減速指数m2
,最高速度θm,比加速距離α,比減速距離β)を最適
化する。ここで、(m1,m2,θm,α,β)=(x
1,x2,x3,x4,x5)とおき、数23で示す動
作時間(最小化評価関数)fを数24で示す制約条件式
の下で、最小化する。
【0087】
【数23】
【0088】
【数24】
【0089】数24で示す制約条件式の第1式,第2式
は、加速部,減速部のモ−タトルク不足とモ−タトルク
余裕に対応する変数x6,x7の釣合いを示し、第3式
は、比等速距離x8と比加速距離x4,比減速距離x5
の釣合いを示し、第4式,第5式は、加速部,減速部で
トルク余裕最小となる位相x9,x10を求める等式制
約条件式を示している。各変数のとり得る範囲は次のと
おりである。
【0090】   x1≧1,x2≧1.2,0<x3≦θm0,0<
x4<1,0<x5<1  x6≧0,x7≧0,0<
x8<1,0≦x9≦π/2,π/2≦x10≦πここ
で、動作距離Δθ,慣性体慣性モ−メントHが与えられ
た時、最適加減速パラメ−タを決定する手順を図2に示
した。図2に示した各手順の詳細を次に示す。(I)パ
ラメ−タ初期値の算出 加減速パラメ−タの仮の初期値x10〜x50を決め、
数24における第4及び第5の制約条件式をみたすx9
0,x100を求める。次に加速部・減速部のトルク余
裕x6,x7を零とするように数25で示すパラメ−タ
修正を行い、収束するまで繰り返し計算を行うことによ
り初期値を決定する。
【0091】
【数25】
【0092】なお、変数x1〜x10が前述のとり得る
範囲を越えないようにパラメ−タ更新を行う。
【0093】(II)評価関数最小化パラメ−タ更新数
26に基づきパラメ−タ更新を行う。
【0094】
【数26】
【0095】(III)モ−タトルク余裕最小化パラメ
−タ修正 手順(II)で得られた加減速パラメ−タは、数24で
示した制約条件式を満足していない。そこで、手順(I
)で述べたのと同じ手順でパラメ−タ修正を行う。(I
V)パラメ−タ収束 手順(II),(III)を繰り返し、得られる加減速
パラメ−タ変化量|Δxj|<εとなり(但し、ε:微
小量)、パラメ−タ収束するまで繰り返す。
【0096】次に上記最適化手法を用いた計算例を示す
。動作条件パラメ−タとして、モ−タ特性(η=60.
63(Nm√s/rad),γ=10.88(rad/
s))負荷慣性モ−メントH=5(kgm2),動作距
離Δθ=2π(rad)を選んだ場合の動作時間の収束
特性を図4に示した。これから、前述の手順(I),手
順(IV)ともに3回程度の繰り返し回数で収束する。 また、加減速指数,最高速度,比加減速距離の収束特性
を各々図5,図6,及び図7に示した。更に初期パラメ
−タを変えた検討から最適加減速パラメ−タは次のよう
に与えられる。
【0097】(1)加減速指数:m1,m2の禁止境界
線の交点にあたるm1=1.0,m2=1.2が最良で
ある。
【0098】(2)最高速度:トルク不足を起こさない
程度に大きくとる。
【0099】(3)比加減速距離:(α,β)=(0.
5,0.5)近傍で、他のパラメ−タを決めることによ
り、一意に定まる。
【0100】本手法により求めた速度パタ−ンが従来知
られている速度パタ−ンと比して動作時間を短縮できる
ことを図8,及び表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】これから、本発明の速度パタ−ンを用いる
ことにより、従来よく用いられてきたサイクロイド速度
パタ−ンを用い加減速パラメ−タを最適化した場合と比
して、17%の動作時間の短縮を図れる。
【0103】次に、本手法を用いた動作条件パラメ−タ
と最適加減速パラメ−タの関係付け方法について、図9
に示す流れ図を用いて説明する。関係付けの工程として
は、上記の手法をそのまま用いたものである。この方法
をとることにより、動作条件パラメ−タによらず常に正
確な最適加減速パラメ−タを求められる。しかし、駆動
装置の制御装置に搭載するには演算量が多く多大の時間
を要する、もしくは高速な演算プロセッサを必要とする
という問題がある。
【0104】次に第2の実施例について図10及び図1
1を用いて説明する。本実施例は、第1の実施例で述べ
た手法により得られた動作条件パラメ−タと最適加減速
パラメ−タの関係付けをテ−ブルデ−タ利用方式に基づ
いて行う方法である。本手法は第1の実施例で述べた計
算を逐次行うのではなく、デ−タテ−ブル化して利用す
ることにより、処理時間の著しい短縮を図ったものであ
る。本実施例では、単軸機構を例にとり説明する。
【0105】図10は、テ−ブルデ−タ利用方式の流れ
図を示し、図11は、動作条件パラメ−タと最適加減速
パラメ−タを関係付けるテ−ブルを示している。
【0106】図10に示した流れ図の各工程について説
明する。
【0107】(工程1)テ−ブル化されている最も近接
する動作条件パラメ−タの探索 デ−ブル化されるデ−タ数は有限個であるため、与えら
れた動作条件パラメ−タ(Hq,Δθq)に対しては、
最も近接したデ−タ(Ht,Δθt)を選ぶ。
【0108】最も近接した動作条件パラメ−タの探索に
当っては、数27で示す二乗誤差Δ2が最小となるもの
を選ぶ。
【0109】
【数27】
【0110】ここで、w1,w2は動作条件パラメ−タ
H,Δθのスケ−ル調整のための重み係数である。テ−
ブルは図11に示すように作られている。
【0111】(工程2)最適加減速パラメ−タの抽出工
程1において、テ−ブル中の参照する縦軸と横軸が決ま
ったので、テ−ブルに書かれている最適加減速パラメ−
タデ−タを抽出する。
【0112】(工程3)速度パタ−ンデ−タの生成工程
2で得られた最適加減速パラメ−タに基づく時刻歴速度
デ−タもしくは位置デ−タを生成し、駆動装置へ速度指
令もしくは位置指令として送信する。
【0113】以上、本実施例で述べた方法を用いること
により、テ−ブルデ−タを参照するだけの簡易な方法に
よる駆動装置の加減速制御が可能となる。
【0114】但し、詳細なテ−ブルを用意しないと高い
精度は得られない。
【0115】次に、本発明の第3の実施例について、図
12及び図13を用いて説明する。本実施例は、第1の
実施例で述べた手法により得られた動作条件パラメ−タ
と加減速パラメ−タの関係付けをテ−ブルデ−タ補間方
式に基づいて行う方法である。本方法は、テ−ブルデ−
タ利用方式が詳細なテ−ブルを必要とするのに対して、
より粗いテ−ブルを用いることにより同等以上の精度を
実現するために考案したものである。本実施例では、単
軸機構を対象に述べる。
【0116】図12は、テ−ブルデ−タ補間方式の流れ
図を示し、図13は、動作条件パラメ−タと最適加減速
パラメ−タ及び最適加減速パラメ−タの動作条件パラメ
−タ微分値を関係付けるテ−ブルを示す。
【0117】図12で示した流れ図の各工程について説
明する。
【0118】(工程1)テ−ブル化されている最も近接
する動作条件パラメ−タの探索 第2の実施例と同じ方法を用いる。テ−ブルは、図13
に示すように作られている。
【0119】(工程2)近接する最適加減速パラメ−タ
,同微分値の抽出 工程1において、テ−ブル中の参照する縦軸と横軸が決
まったので、テ−ブルに書かれている近接する最適加減
速パラメ−タ及び最適加減速パラメ−タの動作条件パラ
メ−タ微分値デ−タを抽出する。
【0120】(工程3)最適加減速パラメ−タ補間値の
算出 与えられた動作条件に対する最適加減速パラメ−タを求
めるために、工程2で得られた近接する動作条件におけ
る最適加減速パラメ−タy,最適加減速パラメ−タの動
作条件パラメ−タ微分値dy/dx及び、動作条件パラ
メ−タ誤差Δxを用いて数28から求める。
【0121】
【数28】
【0122】(工程4)速度パタ−ンデ−タの生成工程
3で得られた最適加減速パラメ−タに基づく時刻歴速度
デ−タもしくは位置デ−タを生成し、駆動装置へ速度指
令もしくは位置指令として送信する。
【0123】以上、本実施例で述べた方法を用いること
により、テ−ブルデ−タの参照及び加算,減算,及び乗
算を行うことにより、簡易な手法による駆動装置の加減
速制御が可能となる。第2の実施例で述べたテ−ブルデ
−タ利用方式と比べると、より粗いテ−ブルを用意する
ことにより、同等以上の精度が得られる利点がある。
【0124】次に、本発明の第4の実施例について、図
14及び図15を用いて説明する。本実施例は、第1の
実施例で述べた手法により得られた動作条件パラメ−タ
と加減速パラメ−タの関係付けを最小二乗多項式近似方
式に基づいて行う方式である。本実施例では、単軸機構
を対象に述べる。図14は、最小二乗近似多項式の導出
手順を示し、図15は最小二乗多項式近似方式の流れ図
を示している。
【0125】図14で示した流れ図の各手順について説
明する。
【0126】(手順1)多項式の決定 動作条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ−タの関
係付けを数29に示すような多項式を用いて行い、何次
の項までとるかを決める。
【0127】
【数29】
【0128】(手順2)多項式係数の決定多項式係数を
数30に示す最小二乗誤差を最小とするように決める。
【0129】
【数30】
【0130】本手法を用いた駆動装置の速度パタ−ン生
成の流れ図を図15に示した。
【0131】その各工程を説明する。
【0132】(工程1)近似多項式に基づく最適加減速
パラメ−タの計算 与えられた動作条件パラメ−タに対して、あらかじめ演
算・記憶されている多項式係数を有する数29を用いて
最適加減速パラメ−タを計算する。
【0133】(工程2)速度パタ−ンデ−タの生成工程
1で得られた最適加減速パラメ−タに基づく時刻歴速度
デ−タもしくは位置デ−タを生成し、駆動装置へ速度指
令もしくは位置指令として送信する。
【0134】以上、本実施例で述べた方法を用いること
により、数29に示す多項式演算のみの簡易な方法によ
る駆動装置の加減速制御が可能となる。
【0135】本手法は、テ−ブルデ−タ利用方式,テ−
ブルデ−タ補間方式と比して高精度の加減速パラメ−タ
算出を可能とする。しかるに、数29で示した多項式の
項数選択にやや試行錯誤を要することと、,数30で示
した多項式係数算出式の誘導が項数が多くなるとやや複
雑になるという問題がある。
【0136】次に本発明の第5の実施例について、図1
6〜図18を用いて説明する。
【0137】本実施例は、第1の実施例で述べた手法に
より得られた動作条件パラメ−タと加減速パラメ−タの
関係付けをニュ−ラルネットワ−ク学習方式に基づいて
行う方法である。本実施例は、第4の実施例で述べた最
小二乗多項式近似方式と比して式の誘導を伴わない簡易
な学習的手法を用いるものである。本実施例は単軸機構
を対象とする。
【0138】図16は、ニュ−ラルネットワ−クの構造
を示し、図17は、ニュ−ラルネットワ−ク学習方式の
流れ図を示し、図18は、学習時の加減速パラメ−タ誤
差の収束状況を示している。
【0139】学習段階においては、図16に示すニュ−
ラルネットワ−クの入力層と出力層に、第1の実施例で
述べた手法により得られたペアデ−タを教師デ−タとし
て与え、各層間の重み係数を決定する。ここで、加減速
パラメ−タのうちで、加速指数と減速指数は、それぞれ
1.0,1.2が最適であることがわかっているため、
その他の3ケの加減速パラメ−タについて出力パラメ−
タとして扱う。層間の重み係数を決定した後は、図17
に示す流れ図に従い速度パタ−ン生成を行う。各工程の
説明を次に行う。
【0140】(工程1)学習で得られた重み係数を用い
た最適加減速パラメ−タの計算 学習段階で得られた各層間の重み係数を用いて、数31
を用いて、与えられた動作条件パラメ−タに対する最適
加減速パラメ−タを決定する。
【0141】
【数31】
【0142】fはシグモイド関数である。
【0143】(工程2)速度パタ−ンデ−タの生成工程
1で得られた最適加減速パラメ−タに基づく時刻歴速度
デ−タもしくは位置デ−タを生成し、駆動装置へ速度指
令もしくは位置指令として送信する。
【0144】次に、計算結果を示す。まず、第1の実施
例で用いた単軸機構に16ケの学習デ−タを与えて学習
を行った場合の加減速パラメ−タ誤差の収束状況を図1
8に示した。これから、各パラメ−タとも10000回
程度の学習回数で十分な収束がみられる。
【0145】次に、種々の動作条件について、図17の
流れ図に沿った加減速パタ−ンの決定を行った結果を表
2に示した。
【0146】
【表2】
【0147】これから、ニュ−ラルネットワ−クを用い
て動作条件パラメ−タと最適加減速パラメ−タを関係付
ける場合、上記の結果では、最大10%程度の誤差がみ
られる。また、トルク余裕が負となる場合もみられ、こ
の関係付け誤差が利用に当ってネックとなる。これは、
学習点数の増加,ニュ−ラルネットワ−クの隠れ層の素
子数の増加,層数の増加等により改良が可能である。
【0148】次に、本発明の第6の実施例を図19を用
いて説明する。本実施例は、第4の実施例で述べた最小
二乗多項式近似方式及び第5の実施例で述べたニュ−ラ
ルネットワ−ク学習方式の高精度化を図るものである。 図19は近似及び学習を行う複数の細分化された領域を
示している。
【0149】最小二乗多項式近似方式及びニュ−ラルネ
ットワ−ク学習方式を用いて、広い動作条件パラメ−タ
範囲において、高精度の最適加減速パラメ−タを得るた
めには、全体の動作条件パラメ−タ範囲を図19の領域
Aに示すように1ケに選ぶと十分な精度が得られない。 そこで、領域A1,A2,A3に示すように複数に分割
することにより、各領域毎の近似及び学習精度が上がり
、全体としての高精度化を図ることができる。
【0150】次に、本発明の第7の実施例を図20を用
いて説明する。本実施例は、第2,第3,第4,及び第
5の実施例で述べた動作条件パラメ−タと最適加減速パ
ラメ−タの関係付け誤差により駆動装置がトルク不足を
発生しないように改良したものである。図20は、動作
条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ−タを求める
手順を示す図である。
【0151】本実施例は、表2でみられたようなパラメ
−タ間の関係付け誤差により駆動装置がトルク不足を起
こすのを防ぐため、その余裕分を考慮した最適加減速パ
ラメ−タの決定を行う方式である。図7はその手順を示
しており、第1の実施例の図2に相当する手順を示して
いる。
【0152】次に、本発明の第8の実施例を図21を用
いて説明する。本実施例は、最適加減速パラメ−タ決定
に用いる動作条件パラメ−タのうち、特に負荷慣性モ−
メントHを正確に同定することにより、得られる最適加
減速パラメ−タの高精度化を図る方法である。図21は
、駆動装置のトルク検出手段を含む駆動装置の制御装置
の構成を示している。図21において、トルク検出手段
7は、電流検出用のシャント抵抗等により構成されてい
る。駆動装置に基準動作をさせた時の所要トルクをトル
ク検出手段7により検出し、その結果をもとに運動方程
式を用いることにより負荷慣性モ−メントを実動作条件
で求めることができる。
【0153】次に、本発明の駆動装置の加減速制御方法
の適用例について図22〜図25を用いて説明する。上
述の第1〜第8の実施例が単軸機構を対象として説明し
てきたが、ここでは、本方法が適用可能なロボット等多
軸機構の構造とロボットシステムについて述べるもので
ある。
【0154】図22は、水平多関節型ロボットの外観図
を示し、図23は、2軸機構のパラメ−タ間の関係を示
し、図24は、垂直多関節型ロボットの外観図を示し、
図25は、3軸機構のパラメ−タ間の関係を示す。
【0155】水平多関節型ロボット(図22参照)は、
ベ−スに設置された第1の駆動装置12により回転駆動
される第1ア−ム13と、第1ア−ム先端に装着された
第2の駆動装置14により回転駆動される第2ア−ム1
5と、第3及び第4の駆動装置16,17により動力伝
達部材を介して上下方向及び回転方向に駆動される第2
ア−ム先端に設けられた手首軸18により構成されてい
る。手首軸18先端に設けられた工具19の水平面内の
位置決めは、第1及び第2の駆動装置により実現され、
垂直方向の位置決めは、第3の駆動装置により実現され
る。また、第4の駆動装置は手首軸の姿勢決めを行う。
【0156】組立作業等水平作業面内での高速動作の要
求される作業実現には、第1及び第2の駆動装置からな
る2軸機構の各軸加減速パタ−ン(合計10ケ)の最適
化が要求される(図23参照)。図23中の関係付けフ
ァンクション部をニュ−ラルネットワ−ク等で実現する
ことにより、動作時間を最短化できる。
【0157】垂直多関節型ロボット(図24参照)は、
ベ−スに設置された旋回軸駆動装置20により回転駆動
される旋回台21と、旋回台21に旋回軸と直交する方
向に上腕ア−ム22を回転駆動する上腕軸駆動装置23
と、上腕ア−ム先端に設けられた前腕ア−ム24を回転
駆動する前腕軸駆動装置25と、第4,第5,及び第6
の駆動装置により回転・曲げ・ひねり方向に駆動される
前腕ア−ムの先端に設けられた手首部26から構成され
ている。垂直多関節型ロボットでは、手首部の3次元平
面内の2点間の移動は、旋回軸・上腕軸・前腕軸駆動装
置により実現され、手首部の姿勢決めは、第4,第5,
及び第6の駆動装置により行われる。従って、高速動作
の要求される作業実現には、3軸機構の各軸の加減速パ
ラメ−タ(15ケ)の最適化が要求される(図25参照
)。
【0158】上述のロボット本体と関係付けファンクシ
ョン部付き制御装置からなるロボットシステムは高速動
作を実現できる。
【0159】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので以下に記載されるような効果を奏する。
【0160】(1)加減速パラメ−タ数の多いフレキシ
ビリティの大きい加減速曲線である指数乗正弦波曲線を
用いて駆動装置の速度パタ−ンを生成するため、任意の
動作条件に対して最適な速度パタ−ンを得ることが可能
になる。
【0161】(2)移動体の動力学的特性と、駆動モ−
タの最大発生駆動力−速度特性を考慮して駆動力余裕が
最小となるように最適加減速パラメ−タを決定している
ため、駆動装置の性能をフルに使った加減速制御が可能
になる。
【0162】(3)動作条件パラメ−タ(動作距離,負
荷体慣性モ−メント等)と最適加減速パラメ−タ(加減
速指数,最高速度,比加減速距離)の関係付けを、(i
)テ−ブルデ−タ利用方式,(ii)テ−ブルデ−タ補
間方式,(iii)最小二乗多項式近似方式,(iv)
ニュ−ラルネットワ−ク学習方式,を用いて行っている
ため、与えられた動作条件に対して簡易に最適加減速パ
ラメ−タを抽出することができる。(4)動作条件パラ
メ−タの同定プロセスを設けているため、高精度の最適
加減速パラメ−タ算出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置の速度パタ−ンを示す図であ
る。
【図2】速度パタ−ンの最適化手順図である。
【図3】単軸機構及びその制御装置の外観図である。
【図4】動作時間の収束特性である。
【図5】加減速指数の収束特性である。
【図6】最高速度の収束特性である。
【図7】比加減速距離の収束特性である。
【図8】従来の加減速曲線との動作時間の比較である。
【図9】最適加減速パラメ−タを求める流れ図である。
【図10】テ−ブルデ−タ利用方式の流れ図である。
【図11】テ−ブルデ−タ利用方式のテ−ブルである。
【図12】テ−ブルデ−タ補間方式の流れ図である。
【図13】テ−ブルデ−タ補間方式のテ−ブルである。
【図14】最小二乗近似多項式の導出手順である。
【図15】最小二乗多項式近似方式の流れ図である。
【図16】ニュ−ラルネットワ−クの構造である。
【図17】ニュ−ラルネットワ−ク学習方式の流れ図で
ある。
【図18】学習時のパラメ−タ誤差の収束特性である。
【図19】動作条件パラメ−タの近似・学習領域図であ
る。
【図20】モ−タトルク余裕考慮最適加減速パラメ−タ
算出手順である。
【図21】トルク検出手段を有する駆動装置の制御装置
である。
【図22】水平多関節型ロボットの外観図である。
【図23】2軸機構のパラメ−タ間の関係である。
【図24】垂直多関節型ロボットの外観図である。
【図25】3軸機構のパラメ−タ間の関係である。
【図26】高速移動体の動作である。
【図27】高速移動体の速度パタ−ンである。
【図28】指数乗正弦波曲線である。
【図29】無次元パラメ−タの時間変化である。
【図30】無次元パラメ−タ最大値と指数の関係である
【図31】最大加速度時間と指数の関係である。
【図32】多軸機構の外観図である。
【図33】モ−タの発生トルク−速度特性である。
【図34】最適駆動条件における所要トルクの時間変化
である。
【図35】ニュ−ラルネットワ−クの構成である。
【図36】パラメ−タ誤差の収束特性である。
【符号の説明】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動装置の加減速制御方法において、移動
    動作時の駆動軸の速度パタ−ンθを指数乗正弦波曲線を
    用いて数1のように選び、 【数1】 ■加速指数m1,■減速指数m2,■最高速度θm,■
    比加速距離α(動作距離に対する加速距離の比),■比
    減速距離β(動作距離に対する減速距離の比)を(可変
    )加減速パラメ−タとして速度パタ−ン計画を行い、駆
    動装置制御装置に速度指令として与えることを特徴とす
    る駆動装置の加減速制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の駆動装置の加減速制御方法
    において、加速指数をm1≧1,減速指数をm2>1と
    なるように選んだことを特徴とする駆動装置の加減速制
    御方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の駆動装置の加減速
    制御方法において、与えられた動作条件(■駆動装置の
    発生駆動力と速度の関係,■駆動装置に連結された負荷
    の慣性モ−メントもしくは質量,■駆動装置の動作距離
    (及び初期位置),■モ−タ減速機の減速比)に対して
    、加速区間,等速区間,及び減速区間における駆動装置
    の駆動力余裕が最小となるように加減速パラメ−タを定
    めたことを特徴とする駆動装置の加減速制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の駆動装置の加減速
    制御方法において、請求項3記載の方法により得られた
    複数個の動作条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ
    −タの関係をテ−ブル化し、与えられた動作条件に近接
    するテ−ブルデ−タを用いて任意の動作条件に対する最
    適加減速パラメ−タを求めることを特徴とする駆動装置
    の加減速制御方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の駆動装置の加減速
    制御方法において、請求項3記載の方法によりえられた
    動作条件パラメ−タに対する最適加減速パラメ−タ及び
    最適加減速パラメ−タの動作条件パラメ−タ微分値の関
    係をテ−ブル化し、与えられた動作条件に近接するテ−
    ブルデ−タから補間式を用いて任意の動作条件に対する
    最適加減速パラメ−タを求めることを特徴とする駆動装
    置の加減速制御方法。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の駆動装置の加減速
    制御方法において、請求項3記載の方法により得られた
    複数の(動作条件パラメ−タ,最適加減速パラメ−タ)
    のデ−タをニュ−ラルネットワ−クの入出力層に教師デ
    −タとして与え、学習させることにより、入力層・隠れ
    層,隠れ層・出力層間の重み係数を決定し、その重み係
    数を有するニュ−ラルネットワ−クに基づき、任意の動
    作条件に対する最適加減速パラメ−タを求め、速度パタ
    −ン生成を行うことを特徴とする駆動装置の加減速制御
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載の駆動装置の加減速
    制御方法において、請求項3記載の方法により得られた
    複数の(動作条件パラメ−タ,最適加減速パラメ−タ)
    のデ−タを近似多項式を用いて関係づけ、その係数を最
    小二乗法により求めたことを特徴とする駆動装置の加減
    速制御方法。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の駆動装置の加減速
    制御方法において、動作条件を複数の領域に分割し、関
    係付けを行ったことを特徴とする駆動装置の加減速制御
    方法。
  9. 【請求項9】請求項1記載の駆動装置の加減速制御方法
    において、第3項記載の最適加減速パラメ−タ決定に当
    り、テ−ブルデ−タ補間誤差もしくは最小二乗多項式近
    似誤差もしくはニュ−ラルネットワ−ク学習誤差相当の
    駆動装置駆動力余裕を持つように定めることを特徴とす
    る駆動装置の加減速制御方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれか記載の駆動
    装置の加減速制御方法において、駆動装置の負荷慣性モ
    −メント同定工程を有することを特徴とする駆動装置の
    加減速制御方法。
  11. 【請求項11】先端に作業部を有する移動体を駆動装置
    により発生する動力を利用して移動させ、位置決め動作
    を行うロボットシステムにおいて、前記駆動装置の制御
    装置に請求項1ないし10記載の加減速制御方法を用い
    て生成される速度パタ−ンもしくはその積分量である位
    置パタ−ンを速度指令もしくは位置指令として与え、駆
    動することを特徴とするロボットシステム。
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