JPH04323403A - 斜張橋架設工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は斜張橋の架設工法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図８に従来の斜張橋の架設状況を示す。 図において、１は主桁、２は主塔、３はケーブル、４は
仮支点、５は本構造支点である。斜張橋架設時に設けら
れる仮支点４は、単に桁架設のためのステージングとし
てのみに用いられており、これを構造各部の応力や変形
の調整には利用していない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術には、
次のような問題点がある。従来は、斜張橋架設時に設け
られる仮支点は単に桁架設のためのステージングとして
のみ用いられており、架設工法検討の際、その高さは架
設時における構造各部の応力や変形状態に着目して決定
されたものではなく、むしろ、仮支点の高さを適当に決
定した後、構造各部の応力や変形の検討を行っていた。

【０００４】そのため、ケーブル張力や構造のある箇所
の応力が許容値を上回り、架設のために補強が必要とな
る、あるいは、張出先端の主桁変位が大きく主桁閉合の
ために大きな力が必要となるなどの事態が生じることが
多かった。本発明は、上記の従来技術における問題点を
解消し、斜張橋架設時に設けられる仮支点を、単に桁架
設のためのステージングとして用いるだけでなく、構造
各部の応力や変位が、構造強度上あるいは架設施工上有
利となるように、仮支点を構造各部の応力又は変位の調
整機構として利用する斜張橋架設工法を提案することを
目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】斜張橋架設時に設けられ
る仮支点を、単に桁架設のためのステージングとしてみ
用いるだけでなく、構造各部の応力や変形が構造強度上
あるいは架設施工上有利となるように、仮支点の高さを
決定し、仮支点を構造の応力あるいは変位の調整機構と
して利用する。

【０００６】

【作用】仮支点を構造体の各部の応力又は変形の調整機
構として利用することにより、構造強度上あるいは架設
施工上好ましいように斜張橋の桁架設を行うことができ
る。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例を図１乃至図７について説明
する。図において、１は主桁、２は主塔、３はケーブル
、４は仮支点、５は本構造支点である。図１は本発明の
仮支点４の高さによる主桁１の変位調整を実施しない場
合の変形状態を示す。この例では仮支点４の高さを主桁
１の完成状態のものとしている。主桁１の張出先端では
下向きの変位δ０　が生じており、この点を本構造の支
点上に設置するためには、この変位を無くすための引き
上げ力、従ってそのための設備が必要となる。次に、図
２乃至図７は本発明の仮支点４の高さによる主桁１の変
位調整を実施した場合の変形状態を示す。仮支点４の高
さを図８のｈ０からｈに低くすると、主桁１の張出先端
の変位を零にでき、この点を本構造の支点上に設置する
ための特別な設備は不要となる。

【０００８】図２、図３は仮支点４の一般的構造を示す
もので、主桁１は仮設の構台１２上の架台１３またはジ
ヤツキ１４にて支持されている。上記のような仮支点に
おける高さ調整法を図４〜図７に示す。図４は主桁１が
架台１３にて支持されている通常の状態を示す。この状
態よりΔｈ高さを増す場合、まず図５に示すように、主
桁１をジヤツキアツプし、次に図６に示すように架台１
３を所要の高さΔｈだけ積増し、最後に図７に示すよう
にジヤツキダウンし、主桁１を架台１３にて支持する。 高さを減ずる場合も、この手順と同様である。

【０００９】次に、本発明の原理について説明する。一
般に斜張橋は架設時においても高次の不静定構造物であ
るから、仮支点の高さによってその反力は変化し、従っ
て構造各部の応力や変位も変化する。即ち、いま、架設
において問題となる応力あるいは変位をＸとすると、こ
れは仮支点の高さｈの関数Ｘ（ｈ）となる。このＸ（ｈ
）に関し、構造強度上あるいは架設施工上制限が加えら
れる。即ち、上限をＸＵ　、下限をＸＬ　とするとＸＬ
　≦Ｘ（ｈ）≦ＸＵ　　　…………（１）となる。

【００１０】基本的には不等式（１）を満たすｈが斜張
橋架設時の構造強度上あるいは架設施工上有利な仮支点
高さを与える。一般には、着目量Ｘ（ｈ）は架設段階ご
と変化し、また、着目量そのものもいくつかの項目が必
要となる。このようなＸ（ｈ）の個数をｎ個とする。さ
らに、仮支点の数も複数個となる場合も考えられる。そ
の個数をｍとする。このような一般的な場合には、式（
１）は次の連立不等式となる。 ＸＬｉ≦Ｘｉ　（ｈ１　，…，ｈｍ　）≦ＸＵｉ　　　
　（ｉ＝１，…，ｎ）………（２）この連立不等式を満
たすｈ１　，…，ｈｍ　が、本発明による斜張橋架設構
造系の応力あるいは変位の調整を実現する仮支点高さを
支える。連立不等式は数理計画法、例えばゴールプログ
ラミング等によって解くことができる。

【００１１】次に、応力、変位の計測方法について説明
する。まず応力については、歪ゲージ等で直接測ること
はなく、所要の（計算どおりの）ケーブル張力が導入さ
れていれば主桁の応力も正規の状態になっているはずで
あるという考えに基づき、ケーブル張力の計測でこれに
代えることができる。ケーブル張力は、例えば振動法（
振動数と張力との間に関数関係があることを利用して振
動数からケーブル張力を間接的に求める方法）により求
める。また、変位はレベル等の測量機器によるか、水連
通管による水位計測により測っていることが多い。ケー
ブルの張力は主桁の応力、変位に影響する。従って、ケ
ーブル張力は構造各部の応力の１項目として制御の対象
となる。即ち、ケーブル張力が強度上の制約を超えない
ように仮支点高さを決定する。また、これと同時に、ケ
ーブル張力は主桁の応力、変位の制約も間接的に受ける
ことになる。

【００１２】

【発明の効果】本発明による斜張橋架設工法は、斜張橋
構造各部の応力及び変位が、構造強度上あるいは架設施
工上有利な状態となるように、斜張橋架設時に設置する
仮支点の高さを調整することにより、次の効果を有する
。架設のための断面補強や閉合のための設備が軽減また
は不要になり、斜張橋の経済的な架設が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した斜張橋架設時の変形状態図で
ある。

【図２】主桁と仮支点の正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視図である。

【図４】仮支点の高さ調整の第１段階を示す図である。

【図５】仮支点の高さ調整の第２段階を示す図である。

【図６】仮支点の高さ調整の第３段階を示す図である。

【図７】仮支点の高さ調整の第４段階を示す図である。

【図８】従来技術による斜張橋架設時の変形状態図であ
る。

【符号の説明】

１　　主桁 ２　　主塔 ３　　ケーブル ４　　仮支点

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　斜張橋の架設に際し、斜張橋構造各部
   の応力及び変位が、構造強度上あるいは架設施工上有利
   な状態となるように、斜張橋架設時に設置する仮支点の
   高さを調整することを特徴とする斜張橋架設工法。