JPH0431750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シールドケーブルの端部に、コネク
タのシールドケースを、電気的および機械的に、
簡単かつ確実に接続する装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、シールドケーブルの端部に、シールドケ
ースを取り付けるには、シールドケーブルの端部
を埋め込んだ合成樹脂製のベンドを、シールドケ
ースの底壁に穿設した通孔に挿通し、シールドケ
ーブルの外皮の端部を、シールドケーブルの内面
に半田付けするか、シールドケーブルの外皮の端
部に半田付けした端子をシールドケースにビス止
めして、電気的に接続するとともに、シールドケ
ースの通孔の周囲に設けたベンドを囲む可撓性の
２枚の挾持片を、ビスで螺締して、機械的に接続
していた。

この場合、シールドケースが２つ割りである
と、シールドケーブルの外皮の接続をシールドケ
ース内で行なうことができるが、シールドケース
が筒形であると、シールドケーブルの外皮の接続
を、シールドケースの外側で行わなければならな
い。

ベンドを使用しないケーブルの場合も同様であ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の従来の手段によると、シールドケースの
取り付けに、手間がかかるとともに面倒であり、
またシールドケースの外面に、挾持片やビス等が
突出するので見苦しく、かつシールドケースを取
り扱う際に、他物に引つ掛かることがある。

また、筒型のシールドケースの場合、シールド
ケーブルの外皮の接続は、その外側で行われるた
め、埋め込み成形によるベンドの使用が困難であ
り、かつ、シールドケーブルの外皮をシールドケ
ースの外側で接続すると、シールド効果が減少す
るとともに、埋め込み形のベンドを使用した意味
がなくなる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によると、シールドケーブルの端部に、
内端方向に次第に拡径した後、環状段部を介して
小径部を形成した絶縁性のベンドを設け、このベ
ンドの小径部に、側端部に外方を向く接触片を有
する抜け止め板の中央部を取付けるとともに、シ
ールドケーブルの外皮を抜け止め板に電気的に接
続し、かつ前記シールドケーブルを、開口部を内
方としたシールドケースの底壁に設けた通孔に、
内方より挿通して、前記ベンドの拡径部および環
状段部を、強制的に通孔を通過させることによ
り、環状段部を通孔の外面周縁部に係止させ、か
つ、前記抜け止め板の側端の接触片を、シールド
ケースの底壁の内面に弾圧させることにより、上
述の問題点が解決される。

〔作用〕

本考案によると、埋め込み成形されたベンドに
設けた環状段部と、シールドケーブルの外皮に半
田付けされた抜け止め板の両端の接触片が、シー
ルドケースの底壁を挾持することにより、シール
ドケースとシールドケーブルは機械的に接続さ
れ、かつシールドケースとシールドケーブルの外
皮は、抜け止め板を介して、電気的に接続され
る。

〔実施例〕

図面は、本考案の一実施例を示すもので、シー
ルドコネクタにおける金属製のシールドケース１
は、その開口部を内方へ向けており、かつシール
ドケース１の底壁の中央には、円形の通孔２が穿
設されている。

３は、弾性屈撓しうる金属製の抜け止め板で、
第２図に示すように、上下縁の中央部に切欠溝
８，８を有するとともに、上下の切欠溝８，８間
の中央に保持孔４が穿設され、かつ保持孔４より
両側に延びる脚部５の先端に、外方（第１図下
方、第２図後方）を向き、かつ割溝７を介して分
割された上下の接触片６，６が連設されている。

第３図に示すように、抜け止め板３の保持孔４
には、シールドケーブル９の端部の外皮を切除し
て露出させた外皮１０と、多数の心線１１とが挿
通され、外皮１０の端部は、抜け止め板３の内面
に半田１２付けされている。

第４図に示すように、シールドケーブル９の端
部に続いて、やや軟質の合成樹脂からなるベンド
１３が、シールドケーブル９および抜け止め板３
の中央部とともに一体的に成形される。

この際、抜け止め板３は、その上下縁の切欠溝
８，８を含めて、ベンド１３に埋設される。

ベンド１３は、内方に向かつて次第に拡径され
て、シールドケース１の通孔２より若干大径とな
つた後、環状段部１４を介して、やや小径の筒部
となつている。

環状段部１４から拡径部に亘つて、軸線と平行
をなす複数の切欠溝１５が設けられている。

このようにして、抜け止め板３を取り付けたシ
ールドケーブル９を、シールドケース１の通孔２
に内方より挿通し、ベンド１３の環状段部１４
を、通孔２に強制的に通過させることにより、シ
ールドケース１はシールドケーブル９に取り付け
られる。

この際、抜け止め板３の腕部の先端における接
触片６が、シールドケース１の底壁の内面に圧接
するように各部寸法は定められている。

しかして、接触片６は、割溝７により分割され
ているので、シールドケース１の底壁の内面に、
容易に圧接することができる。

ベンド１３における切欠溝１５は、ベンド１３
を、弾性変形によつて縮径させることにより、ベ
ンド１３が、シールドケース１の通孔２を容易に
通過しうるようにするためのものである。

〔考案の効果〕

(a) シールドケースの通孔にシールドケーブルを
挿通して、ベンドの環状段部を強制的に通過さ
せるという甚だ簡単な操作で、シールドケース
とシールドケーブルを、電気的および機械的に
接続することができる。

(b) 抜け止め板における各接触片ガ、多数の点で
シールドケースの底壁の内面に圧接しているの
で、シールドケースとシールドケーブルの電気
的および機械的な接続が確実である。

(c) シールドケースの外面には突出物がないの
で、外観がよく、またコネクタを取り扱う際
に、他物に引つ掛かることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の一実施例の中央横断平
面図、第２図は、本考案装置における抜け止め板
を内方より見た斜視図、第３図は、抜け止め板に
シールドケーブルの外皮を半田付けした状態を示
す内方斜視図、第４図は、シールドケーブルにシ
ールドケースを取り付ける要領を示す内方斜視図
である。 １……シールドケース、２……通孔、３……抜
け止め板、４……保持孔、５……腕部、６……接
触片、７……割溝、８……切欠溝、９……シール
ドケーブル、１０……外皮、１１……心線、１２
……半田、１３……ベンド、１４……環状段部、
１５……切欠溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールドケーブルの端部に、内端方向に次第に
   拡径した誤、環状段部を介して小径部を形成した
   絶縁性のベンドを設け、このベンドの小径部に、
   側端部に外方を向く接触片を有する抜け止め板の
   中央部を取付けるとともに、シールドケーブルの
   外皮を抜け止め板に電気的に接続し、かつ前記シ
   ールドケーブルを、開口部を内方としたシールド
   ケースの底壁に設けた通孔に、内方より挿通し
   て、前記ベンドの拡径部および環状段部を、強制
   的に通孔を通過させることにより、環状段部を通
   孔の外面周縁部に係止させ、かつ、前記抜け止め
   板の側端の接触片を、シールドケースの底壁の内
   面に弾圧させてなる、埋め込み成形されたベンド
   を有するシールドケーブルとシールドケースの接
   続装置。