JPH04316690A - リグノセルロース材料の漂白方法 - Google Patents

リグノセルロース材料の漂白方法

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JPH04316690A
JPH04316690A JP8025591A JP8025591A JPH04316690A JP H04316690 A JPH04316690 A JP H04316690A JP 8025591 A JP8025591 A JP 8025591A JP 8025591 A JP8025591 A JP 8025591A JP H04316690 A JPH04316690 A JP H04316690A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リグノセルロース材料
の漂白方法に関するものであり、さらに詳しくは、酸素
漂白処理における脱リグニンをさらに進め、且つパルプ
の粘度の低下が少ないリグノセルロース材料の漂白方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リグノセルロース材料をアルカリで蒸解
したパルプには、クラフトパルプ、ポリスルフィドパル
プ、ソーダパルプ等が挙げられる。これらのパルプを多
くの用途、例えば製紙原料とするためには、これを漂白
する必要がある。例えば未漂白のクラフトパルプの漂白
では、着色原因物質である残存リグニンを除去するため
に、まず酸素漂白によって残存リグニンを40〜60%
程度除去し、続いて塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸塩、
酸素、過酸化水素、水酸化ナトリウム等の漂白剤および
漂白助剤によってさらに残存リグニンを除去することが
行われている。製紙原料として強度の高い漂白クラフト
パルプを製造する場合には、パルプ繊維自体の強度を高
く保つために、パルプの粘度の低下を最小限にするよう
な漂白方法が行われている。このような漂白処理方法と
しては、酸素漂白処理を(O)、塩素および二酸化塩素
処理を(C+D)、アルカリ抽出処理を(E)、酸素強
化アルカリ抽出処理を(Eo)、次亜塩素酸塩処理を(
H)、二酸化塩素処理を(D)、過酸化水素処理を(P
)として表すと、 O→(C+D)→E→H→D、O→(C+D)→Eo→
D→E→D、またはO→(C+D)→Eo→H→P→D
等の処理順序で行われている。酸素漂白処理の漂白排液
は、通常、蒸解後のパルプの洗浄液に循環使用されてお
り、最終的には、蒸解排液とともに燃焼され、灰分を回
収し、例えば水酸化ナトリウム等の無機薬品に再生され
る。しかし、塩素系の処理段から排出される漂白排液は
、塩素イオンを含むために、上記の酸素漂白排液のよう
に、燃焼回収することができず、従って凝集沈殿法や活
性汚泥法で処理されている。このようなことから、塩素
系の処理段から排出される漂白排液中の塩素イオンや有
機塩素化合物の量を削減するためには、塩素系薬品の使
用量を低減することが必要である。この対策として、塩
素系処理の前段に行われる酸素漂白処理において、パル
プの脱リグニンをさらに進めることにより、塩素系薬品
の使用量を低減する方法が考えられるが、酸素漂白にお
けるアルカリ添加率、酸素圧、処理温度等を強化して脱
リグニンをさらに進めようとすると、パルプ繊維の強度
とパルプの粘度が低下してしまう。なお、パルプ繊維の
強度と粘度とは正の相関があるため、パルプの粘度はパ
ルプの繊維の強度の指標として広く採用されている。
【0003】そこで、酸素漂白において、脱リグニンを
促進すると同時に、パルプの粘度の低下を抑制するため
に、酸素漂白を行う前にパルプを前処理する、いわゆる
前処理酸素漂白法がいくつか提案されている。例えば、
サムエルソン(Samuelson)は、リグノセルロ
ース材料から製造されたパルプを二酸化窒素で前処理し
、続いて酸素漂白する方法を提案している(特公昭63
−50464、特公昭63−50465、特公昭63−
50466、特公昭63−50467、特公昭63−6
0158、特公昭64−2715)。サムエルソンの方
法は、前処理として高濃度あるいは中濃度のパルプをま
ず二酸化窒素(気体)で気相処理して残存リグニンを酸
化し、さらにニトロ化することにより改質し、続いて、
硝酸ナトリウムを加えて二酸化窒素を再生させ、上記の
反応を再び行わせた後に酸素漂白を行うものである(ジ
ャーナル・オブ・パルプ・アンド・ペーパーサイエンス
(J. Pulp Sci.)13巻、5号、J150
(1989年)、タッピージャーナル(Tappi J
. 73巻、2号、141頁(1990年))。また、
高濃度のパルプを上記のサムエルソンの方法と同様に二
酸化窒素で前処理するプレノックス(Prenox)と
いう名のパイロットプラントもある。さらに、リグノセ
ルロース材料から製造されたパルプを硫酸、塩酸、酢酸
等の酸で前処理し、続いて水で洗浄し、パルプの粘度を
促進する原因物質の金属イオンを除去し、これを酸素漂
白によって脱リグニンする方法もある(紙パ技協誌、3
8巻、12号、1179頁(1984年)、パルプ・ア
ンド・ペーパー(Pulp& Paper)、43巻、
9号、148頁(1969年)、パルプ・アンド・ペー
パー・マガジン・オブ・カナダ(Pulp & Pap
er Mag. Can.)、73巻、12号、102
頁(1972年))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サムエ
ルソンの二酸化窒素でパルプを前処理する方法は、気相
での処理のために、パルプに対する反応を均一に行うこ
とが難しく、前処理としての効果が小さいという問題が
ある。とくにプレノックスのパイロットプラントのよう
に高濃度パルプを気体の二酸化窒素で処理するためには
、パルプを圧搾する装置や粉砕する(毛羽立てる)装置
が必要となり、これらはいずれも工業的に実用化されて
いないのが現状である。また、前記のようなパルプを硫
酸、塩酸、酢酸等の酸で前処理する方法でも、その効果
は小さく、酸素漂白において脱リグニンを進行させると
、パルプの粘度の低下が著しくなるため、この方法も普
及していない。本発明は、上記のような従来の課題を解
決し、パルプの漂白処理において、塩素系薬品の使用量
を削減するために、酸素漂白処理における脱リグニンを
さらに進め、且つパルプの粘度が低下しないリグノセル
ロース材料の漂白方法を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができた
。すなわち本発明は、リグノセルロース材料から製造さ
れたパルプを、酸素漂白によって脱リグニンする方法に
おいて、まず、パルプに亜硝酸塩および酸を添加してパ
ルプを前処理し、続いて酸素漂白を行うことを特徴とす
る、リグノセルロース材料の漂白方法を提供するもので
ある。
【0006】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明の漂白方法は、リグノセルロース材料から製造さ
れたパルプに前処理として亜硝酸塩および酸を添加する
ことが特徴であり、続いて酸素漂白を行うものである。 従来の方法のように気体の二酸化窒素を用いて前処理を
行うものではない。ここでリグノセルロース材料とは、
複合セルロースの1つで、セルロースとリグニンとが物
理的あるいは化学的に堅く結合したもので、代表例とし
て木材、その他、竹、麻、ワラ、バガス等を意味するも
のである。 (前処理に使用できる薬品)前処理に用いることのでき
るパルプは、例えばリグノセルロース材料からアルカリ
で蒸解したパルプ等を挙げることができる。本発明方法
に使用できる亜硝酸塩は、とくに制限はない。例えば市
販の亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等を挙げること
ができる。また、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム水
溶液にNO2やNOを吸収させて調製した亜硝酸塩水溶
液も用いることができる。これは、パルプ漂白工場内の
ボイラー等の排ガス中や漂白排液を燃焼することにより
発生するNO2やNOを有効に利用することができるの
で好ましい。これらの亜硝酸塩をパルプに添加する際に
は、パルプと均一に混合されるように、通常、水溶液と
して添加される。
【0007】酸としては、無機酸および有機酸いずれも
使用できるが、その例としては硝酸、硫酸、塩酸、酢酸
等を挙げることができる。この組み合わせとしては、亜
硝酸ナトリウムと硝酸、硫酸および酢酸、亜硝酸カリウ
ムと硝酸、硫酸、および酢酸が後の燃焼回収にとって好
ましい。また、上記の異なる無機酸や有機酸を同時に用
いることもできる。
【0008】(薬品の添加量)亜硝酸塩の添加量は、処
理するパルプの乾燥重量に対して、亜硝酸イオン(NO
2−)として0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜
5重量%、さらに好ましくは1.5〜3重量%である。 酸の添加量は、処理するパルプの乾燥重量に対して、0
.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、さら
に好ましくは2〜4重量%である。酸は、濃度10%程
度の希酸として添加するのがよい。この場合の酸の重量
とは、その希酸中の塩酸や硫酸等の重量を意味するもの
である。
【0009】(前処理)上記のような、薬品および添加
量で前処理を行う。前処理時のパルプの濃度、すなわち
含水パルプの全体重量に対するパルプの乾燥重量として
は、中濃度、例えば5〜17%、好ましくは8〜14%
、がよい。パルプ濃度が5%よりも低いと、処理量が増
加して処理効率が低下し、また17%よりも高いと反応
が不均一になるので好ましくない。前処理における反応
を均一に行い、この効果を最大にするためには、亜硝酸
塩水溶液と酸とは、2段に分けて別々に添加し、パルプ
と混合するのが好ましい。亜硝酸塩と酸の添加順序はど
ちらが先でもよい。すなわち、■  亜硝酸塩水溶液お
よび/またはNO2やNOのような窒素酸化物をアルカ
リに溶解した水溶液を予め調製し、これをパルプに添加
して混合し、続いて、別に調製した酸をパルプに添加し
て混合する。これとは逆に、■  調製した酸をパルプ
に添加して混合し、続いて、予め調製した亜硝酸塩水溶
液および/またはNO2やNOのような窒素酸化物をア
ルカリに溶解した水溶液をパルプに添加して混合する方
法のいずれであってもよい。このようにすると、亜硝酸
塩を酸に添加した溶液や、亜硝酸塩水溶液と酸とを混合
した溶液を用いるよりもよい結果が得られる。また、予
め酸性の亜硝酸塩溶液を調製すると、前処理に有効な成
分であるNO2−が分解されるので好ましくない。亜硝
酸塩水溶液または酸のいずれか一方が添加されたパルプ
は続いて混合されるが、その混合方法としては、例えば
カミヤ社製MCミキサー等の中濃度パルプ処理用のミキ
サー等を用いて混合する。次に、他の一方の薬品を添加
し、前記のように混合し、40〜95℃、好ましくは6
0〜90℃で、20分間〜5時間、好ましくは30分間
〜3時間保持して、水等でパルプを洗浄する。以上のよ
うにして、前処理が完了する。
【0010】この前処理において、酸素を添加するとよ
い結果が得られる。酸素の添加時期は、前処理のどの段
階に添加してもよい。添加方法としては、いかなる方法
であってもよいが、酸素または酸素富化空気をパルプ混
合用ミキサーに圧入する方法等が挙げられる。添加量は
、0.1〜6%である。
【0011】また、前処理が完了した後、パルプを搾液
や洗浄を行うことなくアルカリを添加して引き続いて酸
素漂白を行うこともできる。このようにすると、パルプ
の搾液や洗浄に用いる装置が不必要となるため好ましい
。この場合のアルカリは、様々なアルカリを用いること
ができ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等
である。添加量は、前処理完了時のパルプの乾燥重量に
対し、0.1〜15重量%、好ましくは1〜5重量%で
ある。
【0012】(酸素漂白)以上のように、パルプの前処
理を行った後、酸素漂白を行う。酸素漂白は、従来から
の方法で行うことができる。例えば、工業的に実用化さ
れている方法である、中濃度酸素漂白法および高濃度酸
素漂白法で行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。以
下に示す実施例において、パルプのカッパー価の測定は
、TAPPI試験法T236cm−85およびパルプの
粘度の測定は、TAPPI試験法T230om−89に
従って行った。脱リグニン度D(%)は、未処理のパル
プのカッパー価をKu、酸素漂白後のパルプのカッパー
価をKoとすると、
【0014】
【数1】D(%)=100×(Ku−Ko)÷Ku
【0
015】と定義した。なお、未処理のブナ材クラフトパ
ルプのカッパー価は20.9、粘度は54.8であり、
未処理のエゾマツ材クラフトパルプのカッパー価は30
.9、粘度は、32.6であった。
【0016】実施例1 (前処理) ブナ材クラフトパルプ20g(乾燥重量)に、合わせて
134mlの水を加え、パルプ濃度を13%としたもの
をテフロン袋に入れ、これにNO2−イオンがパルプ乾
燥重量に対して1.5重量%となるように、3mlの1
5重量%亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、パルプと混
合した。さらに、これに硝酸がパルプ乾燥重量に対して
2重量%となるように、4mlの10%硝酸水溶液を添
加し、パルプと混合した。パルプ濃度は最終的に12%
とした。テフロン袋に入ったパルプを恒温槽内で60℃
に加温し、30分間保持して前処理を行った。前処理後
、パルプを水で洗浄した。 (酸素漂白)前処理パルプ4gをパルプ濃度を30%に
調製し、パルプの乾燥重量に対して水酸化ナトリウムを
2、3および5重量%および硫酸マグネシウムを1重量
%となるように、それぞれ2規定水酸化ナトリウム水溶
液を1、1.5および2.5mlおよび10%硫酸マグ
ネシウム水溶液を0.4ml添加して、パルプと混合し
た。最終的にパルプ濃度を22%とした。パルプは酸素
圧3.5kg/cm2の反応容器内で120℃に加温し
、反応容器をゆっくりと回転(15回/分)させて30
分間保持して酸素漂白を行った。酸素漂白後、パルプを
水で洗浄し、そのカッパー価と粘度を測定した。その結
果を表1に示す。
【0017】比較例1 前処理を行わないブナ材クラフトパルプを実施例1と同
じ方法で酸素漂白し、パルプのカッパー価と粘度を測定
した。その結果を表1に示す。
【0018】比較例2 ブナ材クラフトパルプ20g(乾燥重量)に、合わせて
60mlの水を加え、パルプ濃度を25%としたものを
回転羽根を用いて毛羽立て、容量2lの反応容器内に入
れて中の空気を脱気した。この中にパルプの乾燥重量の
2%に匹敵する0.28mlの液体二酸化窒素をすべて
気化させたものを添加して、パルプを振盪し、5分後に
空気を容器内に入れ、さらに5分間パルプを振盪して前
処理を行った。前処理温度は、25℃とした。前処理終
了後、パルプを水で洗浄し、実施例1と同様の方法で酸
素漂白を行い、パルプのカッパー価と粘度を測定した。 その結果を表1に示す。
【0019】比較例3 ブナ材クラフトパルプ20g(乾燥重量)に、合わせて
143mlの水、およびこれに硝酸がパルプ乾燥重量に
対して2重量%となるように、4mlの10%硝酸水溶
液を添加し、パルプと混合した。パルプ濃度は最終的に
12%とした。テフロン袋に入ったパルプを恒温槽内で
60℃に加温し、30分間保持して前処理を行った。前
処理終了後、パルプを水で洗浄し、実施例1と同様の方
法で酸素漂白を行い、パルプのカッパー価と粘度を測定
した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 (前処理)エゾマツ材クラフトパルプ20g(乾燥重量
)に、合わせて134mlの水を加え、パルプ濃度を1
3%としたものをテフロン袋に入れ、これにNO2−イ
オンがパルプ乾燥重量に対して3重量%となるように、
6mlの15重量%亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、
パルプと混合した。さらに、これに硝酸がパルプ乾燥重
量に対して4重量%となるように、8mlの10%硝酸
水溶液を添加し、パルプと混合した。パルプ濃度は最終
的に12%とした。テフロン袋に入ったパルプを恒温槽
内で90℃に加温し、3時間保持して前処理を行った。 前処理後、パルプを水で洗浄し、実施例1と同様の方法
で酸素漂白を行い、パルプのカッパー価と粘度を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0022】実施例3 エゾマツ材クラフトパルプ20g(乾燥重量)に、合わ
せて134mlの水を加え、パルプ濃度を13%とした
ものをテフロン袋に入れ、これにNO2−イオンがパル
プ乾燥重量に対して3重量%となるように、6mlの1
5重量%亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、パルプと混
合した。さらに、これに硝酸がパルプ乾燥重量に対して
4重量%となるように、8mlの10%硝酸水溶液を添
加し、パルプと混合した。パルプ濃度は最終的に12%
とした。続いて、テフロン袋内に25℃、1気圧で80
0mlの酸素を封入した。さらにこれを恒温槽内で90
℃に加温し、3時間保持して前処理を行った。前処理後
、パルプを水で洗浄し、実施例1と同様の方法で酸素漂
白を行い、パルプのカッパー価と粘度を測定した。その
結果を表2に示す。
【0023】実施例4 エゾマツ材クラフトパルプ20g(乾燥重量)に、合わ
せて134mlの水を加え、パルプ濃度を13%とした
ものをテフロン袋に入れ、これにNO2−イオンがパル
プ乾燥重量に対して3重量%となるように、6mlの1
5重量%亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、パルプと混
合した。さらに、これに硝酸がパルプ乾燥重量に対して
4重量%となるように、8mlの10%硝酸水溶液を添
加し、パルプと混合した。パルプ濃度は最終的に12%
とした。続いて、テフロン袋内に25℃、1気圧で80
0mlの酸素を封入した。さらにこれを恒温槽内で90
℃に加温し、3時間保持して前処理を行った。前処理後
、直ちにテフロン袋内のパルプに、パルプの乾燥重量に
対して水酸化ナトリウムを3または5重量%および硫酸
マグネシウムを1重量%となるように、それぞれ2規定
水酸化ナトリウム水溶液を7.5または12.5mlお
よび10%硫酸マグネシウム水溶液を2ml添加して、
パルプと混合した。最終的にパルプ濃度を11%とした
。パルプは酸素圧3.5kg/cm2の反応容器内で1
20℃に加温し、30分間保持して酸素漂白を行った。 酸素漂白後、パルプを水で洗浄し、そのカッパー価と粘
度を測定した。その結果を表2に示す。
【0024】比較例4 前処理を行わないエゾマツ材クラフトパルプを、実施例
1と同じ方法で酸素漂白し、パルプのカッパー価と粘度
を測定した。その結果を表2に示す。
【0025】比較例5 エゾマツ材クラフトパルプ20g(乾燥重量)に、合わ
せて60mlの水を加え、パルプ濃度を25%としたも
のを回転羽根を用いて毛羽立て、容量2lの反応容器内
に入れて中の空気を脱気した。この中にパルプの乾燥重
量の2%に匹敵する0.28mlの液体二酸化窒素をす
べて気化させたものを添加して、パルプを振盪し、5分
後に空気を容器内に入れ、さらに5分間パルプを振盪し
て前処理を行った。前処理温度は、25℃とした。前処
理終了後、パルプを水で洗浄し、実施例1と同様の方法
で酸素漂白を行い、パルプのカッパー価と粘度を測定し
た。 その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】表1および表2から判るように、本発明方
法は、広葉樹および針葉樹材パルプいずれにおいても適
用することができる。また、本発明方法は、従来の二酸
化窒素で処理する方法や酸で洗浄処理する方法よりも優
れていることが明確に示されている。また、表2から判
るように、前処理に酸素を添加したほうが優れた結果を
示していることが判る。さらに、前処理したパルプの搾
液および洗浄を行わないほうが優れた結果を示している
ことが判る。
【0028】
【発明の効果】本発明方法では、とくに、脱リグニン薬
品として液体を用いているため、従来の気体の二酸化窒
素を用いる方法よりも、均一にパルプと薬品が反応する
ことができるため、リグノセルロース材料から製造され
たパルプに含まれるリグニンを効果的に除去することが
できる。その結果、塩素系漂白薬品の使用量を低減する
ことができ、白色度が高く、さらに強度の高いパルプ繊
維を製造することができる。さらに、本発明方法におい
て使用される亜硝酸塩と酸は、酸素漂白処理の排液や蒸
解排液とともに燃焼回収することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  リグノセルロース材料から製造された
    パルプを、酸素漂白によって脱リグニンする方法におい
    て、まず、パルプに亜硝酸塩および酸を添加してパルプ
    を前処理し、続いて酸素漂白を行うことを特徴とする、
    リグノセルロース材料の漂白方法。
  2. 【請求項2】  亜硝酸塩と酸とを2段に分けて別々に
    パルプに添加する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】  パルプの前処理に酸素を添加する、請
    求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】  パルプの前処理後に、パルプを搾液お
    よび/または洗浄せずにこれにアルカリを添加して酸素
    漂白を行う、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】  パルプの乾燥重量に対して、亜硝酸塩
    の添加量が、亜硝酸イオン(NO2−)として0.1〜
    10重量%、且つ酸の添加量が、0.1〜10重量%、
    処理温度が40〜95℃、処理時間が20分〜5時間、
    パルプ濃度が5〜17%で前処理を行う、請求項1ない
    し4のいずれか1項に記載の方法。
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