JPH0431427A - 球状エポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

球状エポキシ樹脂用硬化剤

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JPH0431427A
JPH0431427A JP13817690A JP13817690A JPH0431427A JP H0431427 A JPH0431427 A JP H0431427A JP 13817690 A JP13817690 A JP 13817690A JP 13817690 A JP13817690 A JP 13817690A JP H0431427 A JPH0431427 A JP H0431427A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明上の利用分野] 本発明はエポキシ樹脂用硬化剤に関するものである。さ
ら多こ詳しくはアミン化合物とエポキシ化合物から合成
される室温で固形のアニオン重合硬化型硬化剤にして、
粉末状態でかさばらず、易分散性で粘度上昇が少なく、
かつ貯蔵安定性に優れた硬化組成物を与える球状のエポ
キシ樹脂用硬化剤粒子に関わるものである。
[従来の技術] エポキシ樹脂硬化体は接着性、機械的性質、熱的性質、
耐薬品性および電気的性質に優れていることから、塗料
、接着剤、電気・電子用絶縁材料として、幅広く工業的
に利用されている。これらの用途に用いられるエポキシ
樹脂配合物は、大きく1成分系と2成分系に分けられる
2成分系はエポキシ樹脂配合物と硬化剤またはその配合
物からなり、それらは別々に保管されて、必要に応じて
ユーザーにおいて両者を計量、混合して使用に供される
が、計量ミスを避けて常に均質な硬化組成物とすること
は実用上困難なことが多い。エポキシ樹脂と硬化剤との
反応は混合と同時に始まる。エポキシ樹脂硬化組成物の
一般的な形態は液状であるが、この形態の硬化組成物に
ついていえば、系の粘度は次第に上昇し、ゲル化を経て
硬化にいたる。ゲル化して使用に供し得なくなるまでの
時間は可使時間と呼ばれる。可使時間はエポキシ樹脂と
硬化剤の化学構造および配合によって定まる。−船釣に
硬化速度の速い系はど、可使時間は短くなる。硬化速度
に主眼をおいた硬化剤を用いれば室温あるいは低温硬化
配合も可能となるが、必然的に可使時間が短くなり、少
量を頻繁に配合する必要が生ずるなど作業効率の大幅な
低下は免れ難い。
これに対して1成分系ではエポキシ樹脂に予め硬化剤が
配合されているために、2成分系に飼随する問題はすべ
て解消される。このような目的に供される硬化剤は潜在
性硬化剤と呼ばれる。もつとも単純な1成分系は、高温
硬化型の硬化剤、例えばジシアンジアミド、フェノール
ノボラック、アジピン酸ジヒドラジド、ジアリルメラミ
ン、ジアミノマレオニトリル、BF3−アミン錯体、ア
ミン塩、変性イミダゾール化合物などの配合で得られる
。これらの高温硬化型硬化剤は硬化速度が遅く、室温に
おける反応が遅々として進まないために、見掛は上ある
程度の期間室温またはそれ以下の温度での安定な貯蔵が
可能で、高温加熱で硬化する1成分配合を可能とする。
これが室温ではエポキシ樹脂に溶解しない高温硬化型硬
化剤で、粒子として分散されていると、貯蔵安定性は格
段に改良される。これは明らかにエポキシ樹脂との接触
面積が極端に小さくなるためである。この場合、硬化剤
粒子のサイズが重要であり、それが小さくなるほど硬化
速度が速くなり、硬化体の硬化構造も均一になることが
文献[J、 Appl、 PolymerSci、、 
32.5095(198B))で明らかにされている。
このような分散型硬化剤もまた一種の潜在性硬化剤とい
える。
本格的な1成分系エポキシ樹脂硬化組成物は、そのまま
の状態では本質的にエポキシ樹脂とは反応しないが、刺
激により活性化する潜在性硬化剤の配合を必要とする。
熱分解により活性化されるアミンイミド化合物、水分と
の接触により活性化されるケチミン化合物、光照射によ
り活性化される芳香族ジアゾニウム塩化合物、ジアリル
ヨードニウム塩化合物、トリアリルスルホニウム塩また
はセレニウム塩化合物、機械的圧力または熱で破壊され
る材料でマイクロカプセル化された硬化剤などが挙げら
れるが、性能上およびコスト上の問題からまだそれほど
一般化されず、現時点ではそれが本格化するまでのつな
ぎとして、さきに述べた分散型の潜在性硬化剤が重要で
ある。
この種の硬化剤として実用的に優れているのは、アミン
化合物とエポキシ化合物の反応で得られる付加体、いわ
ゆる変性アミン硬化剤である。エポキシ化合物の付加に
よる変性で、アミン化合物硬化剤の欠点、例えば取り扱
い上問題となる揮発性ならびに硬化性に大きな影響を及
ぼす吸湿性やエポキシ樹脂との相溶性などが大幅に改良
されるばかりか、融点の制御も可能になる。エポキシ樹
脂は硬化剤との重付加反応、またはイオン重合で硬化に
導かれるが、どうしてもコスト高になるこのような2次
加工型の硬化剤においては、当量比添加にこだわること
なく、少量の添加でも硬化が可能なイオン重合型硬化剤
が有利となる。性能面がらは、金属腐食のおそれのない
アニオン重合型硬化剤(3級アミン付加体)が好まれる
。実用−Fこの目的に適するのがイミダゾール/エポキ
シ樹脂付加体であり、Pr#J昭58−13623およ
び特開昭81−268721にその技術が詳しく開示さ
れている。
このアミン化合物とエポキシ樹脂から合成される固形付
加体は、従来溶媒中でアミン化合物とエポキシ樹脂を反
応させた後、系から溶媒を除去して−先ず塊状として得
られる。次いで粉砕し、さらに分級して目的とするサイ
ズの硬化剤粒子が取り出される。粉砕には限度があり、
ストークス径で3虜以下の微細な粒子を製造することは
工業的にきわめて困難である。
[本発明が解決しようとする課題] 上述の製造方法は工程が長くて煩雑なために、製造コス
トが非常に高くつくばかりでなく、製造される硬化剤粒
子にも、粉砕による粒子化の限界とその破砕状の形態に
起因して次のような欠点がある。
a、かさ高で、包装および輸送に不都合である。
b0強固に凝結しやすく、使用に際してエポキシ樹脂中
への分散に要する手間が多大である。
仁エポキシ樹脂への配合に際して大きな粘度上昇が起こ
る。
d3粒子サイズを小さ(することによる硬化速度改良に
限界がある。
e、配合した硬化組成物の安定貯蔵期間が比較的短い。
このために、アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子
は硬化剤として折角優れたさまざまな利点をもちながら
も、それが1成分系硬化組成物においてはそれが十分に
生かされるにはいたっていない。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは従来の技術におけるアミン化合物/エポキ
シ化合物付加体粒子がもつ課題を克服し、1成分系エポ
キシ樹脂硬化組成物の利点が十分に生かせる硬化剤を開
発すべく鋭意研究を重ねて、本発明をなすにいたった。
すなわち本発明は: 従来技術における有機溶媒中でのアミン化合物とエポキ
シ化合物との付加反応に際して、有機溶媒として、アミ
ン化合物とエポキシ化合物は溶解するが付加体は溶解し
ないものを選び、さらに適当な分散安定剤を共存させ、
生成する球状付加体粒子を凝集させることなく安定に分
散させることによって、制御された球状のアミン化合物
/エポキシ化合物付加体粒子を一段階で得るものである
こうして生成した分散液から球状付加体粒子が分離され
、乾燥して粉末状として得られる。本発明の方法により
、従来技術によるアミン化合物/エポキシ化合物付加体
粒子の製造プロセスが著しく簡略化されるばかりか、原
料としてのアミン化合物とエポキシ化合物原料の濃度、
分散安定剤の種類と濃度、反応温度、撹拌条件および反
応率によって、生成する付加体粒子は、直径で0.1〜
2゜−の範囲内で、目的とするサイズに容易に制御され
る。従来達成困難であった3ta以下の微細粒子が容易
に得られることと、おそらく使用した分散安定剤の一部
が粒子に固定されることに起因するものと考えられるが
、硬化反応性が低下することなく著しく貯蔵安定性に優
れた硬化組成物を与える硬化剤粒子が得られることが、
従来技術に対する本発明の大きな特色である。また従来
技術の付加体粒子は形状が第1図の写真に示すように破
砕状であるのに対して、本発明のそれは第2図の写真に
示すようにほぼ完全な球状である。これにより、従来技
術の付加体粒子に関わる前記の欠点はすべて改良される
本発明の実施態様は以下の通りである。
1、アミン化合物とエポキシ化合物から合成される付加
体で、形状が球状のエポキシ樹脂用硬化剤。
2.50℃以りの融点を有する上記第1項記載のエポキ
シ樹脂用硬化剤。
3、アミン化合物が、分子内に少なくとも1個の2級ア
ミノ基を含むアミ≠化合物である上記第1項又は第2項
記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
4、エポキシ化合物が、1000以下のエポキシ当量を
有するものである上記第1項〜第3項のいずれか1項に
記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
5、0.1〜20!inの粒子径を有する上記第1項〜
第4項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
6、アミン化合物とエポキシ化合物とを分散剤の存在下
において、そのアミン化合物及びそのエポキシ化合物を
ともに溶解するが、両者から生成する付加体は溶解しな
い有機溶媒中で反応させて、上記第1項記載の球状のエ
ポキシ樹脂用硬化剤を製造する方法。
7、生成するエポキシ樹脂用硬化剤が50℃以上の融点
を有する」二記第6項記載の方法。
8、アミン化合物が、分子内に少なくとも1個のン 2級アミ≠基を含むアミノ化合物である上記第6項又は
第7項記載の方法。
9、エポキシ化合物が、1000以下のエポキシ当量を
有するものである上記第6項〜第8項のいずれか1項に
記載の方法。
10、生成するエポキシ樹脂用硬化剤が0.1〜20I
inの粒子径を有する上記第6項〜第9項のいずれか1
項に記載の方法。
11、分散剤が、分子量が1000以上の両親媒性化合
物である上記第6項〜第10項のいずれか1項に記載の
方法。
12、有機溶媒が、溶解度パラメーターが8〜11の範
囲の単独又は混合有機溶媒である上記第6項〜第11項
のいずれか1項に記載の方法。
13、上記第1項〜第5項のいずれか1項に記載の球状
エポキシ樹脂用硬化剤とエポキシ樹脂を主たる構成成分
とする熱硬化性組成物。
14、上記第6項〜第12項のいずれか1項に記載の方
法で製造された球状エポキシ樹脂用硬化剤とエポキシ樹
脂を主たる構成成分とする熱硬化性組成物。
15、エポキシ樹脂と高温硬化型硬化剤を主たる構成成
分とし、これに上記第1項〜第5項のいずれか1項に記
載の球状エポキシ樹脂用硬化剤を促進剤として加えてな
る熱硬化性組成物。
16、エポキシ樹脂と高温硬化型硬化剤を主たる構成成
分とし、これに上記第6項〜第12項のいずれか1項に
記載の方法で製造された球状エポキシ樹脂用硬化剤を促
進剤として加えてなる熱硬化性組成物。
以下本発明に関してさらに詳細に説明する。まず原料と
してのアミン化合物とエポキシ化合物であるが、これら
は硬化剤としての付加体の性質を考慮して選択される。
重要なのはアニオン重合硬化を推進する化学構造、融点
、溶融状態で硬化対象となる配合エポキシ樹脂に対する
優れた相溶性、速い硬化性および添加効果(少ない添加
量での高い硬化反応性)である。ただしここでいう融点
と義する。
この目的に供されるアミン化合物としてはすべての種類
が対象たりうるが、それに組み合わせるエポキシ化合物
の種類による制約を受ける。なぜならば本発明において
は、重合を避けて付加反応にとどめねばならないからで
ある。1官能性工ポキシ化合物に対してはすべての種類
のアミン化合物を組み合わせることが可能であるが、多
官能性エポキシ化合物に組み合わせうるのはエポキシ基
との反応に寄与する活性水素を1個しかもたないアミン
化合物だけとなる。いずれの場合においても活性水素を
もたない3級アミノ基が含まれることは一向に差し支え
ない。むしろ付加体の硬化反応に寄与するアミノ基濃度
を高める、すなわち硬化剤としての添加効果を高めるう
えにおいてその存在は好ましい。後で述べるようにエポ
キシ化合物としては2官能性のビスフェノールAジグリ
シジルエーテルがもっとも一般的であるが、この化合物
を例にとって、それに組合せるのに適したアミン化合物
の例を挙げれば、2−メチルイミダゾールや2.4−ジ
メチルイミダゾールを代表とするイミダゾール化合物、
N−メチルピペラジンやN−ヒドロキシエチルピペラジ
ンを代表とするピペラジン化合物、アナバシンを代表と
するアナバシン化合物、3,5−ジメチルピラゾールを
代表とするピラゾール化合物、テトラメチルグアニジン
やプリンを代表とするプリン化合物、ピラゾールを代表
とするピラゾール化合物、1.2.4− トリアゾール
を代表とするトリアゾール化合物などである。
もう一方の原料であるエポキシ化合物としてもすべての
種類が対象たりうる。例を挙げれば1官能性化合物とし
てはn−プチルグリンジルエーテル、スチレンオキシド
、フェニルグリシジルエーテル、2官能性化合物として
はビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリ
シジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、3官
能性化合物としてはトリグリシジルイソシアヌレート、
トリグリシジルバラアミノフェノール、4官能性化合物
としてはテトラグリシジルメタキシレンジアミン、テト
ラグリシジルジアミノジフェニルメタン、それ以上の官
能基をもつ化合物としてはクレゾールノボラックポリグ
リシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジ
ルエーテルなどがある。ただし組み合わせるアミン化合
物の種類によって制約を受けることはアミン化合物につ
いて述べたと同様である。すなわち活性水素を1個しか
もたないアミン化合物についてはすべての種類のエポキ
シ化合物の組み合わせが可能であるが、2個以上の活性
水素をもつアミン化合物に組み合わせうるのは1官能性
のエポキシ化合物だけである。
エポキシ化合物は、生成する付加体の融点と溶融状態で
の(硬化対象であるエポキシ樹脂に対する)相溶性を考
慮して選ばれる。硬化対象となるエポキシ樹脂としては
圧倒的な量がビスフェノールAジグリシジルエーテルで
占められているから、付加体原料としてのエポキシ化合
物としては、それに対する相溶性に優れかつコスト的に
も有利なこの化合物が一般的に用いられうる。エポキシ
化合物において、エポキシ基の濃度はエポキシ当量で表
わされる。エポキシ当世が低くなるほどエポキシ基濃度
が高くなるが、f4加体の3級アミノ基濃度を可及的に
低下させないために、高いエポキシ基濃度が望ましい。
したがってエポキシ化合物のエポキシ当量としては、で
きるかぎり小さいことが望まれる。通常は1,000以
下、好ましくは500以下のエポキシ化合物が用いられ
る。
アミン化合物/エポキシ化合物付加体の融点は、アミン
化合物とエポキシ樹脂の化学構造、ならびに付加の方式
、付加体の構造およびアミン化合物に対するエポキシ樹
脂の付加比率によって決定される。それらの適切な選択
により、目的に応じて低融点から高融点の付加体を合成
することが可能となる。零融点が高くなるほど取り扱い
やすくなるが、反対に配合物の硬化反応開始温度が高く
なる。
したがって硬化性からみれば融点は低いにこしたことは
ないが、取り扱い性、とくに夏期における取り扱いを考
慮すると、最低50℃の融点を必要とする。
原料としてのアミン化合物とエポキシ化合物を溶解する
が、その付加生成体は溶解せず粒子として沈殿させる溶
媒の選択は重要である。−船釣にいって物質はその極性
が近似した溶媒に溶解する。
溶媒の極性の高さは溶解度パラメーター(単位=(ca
l、/ca) 1/2)で表わされるが、この表示方法
にしたがって一般的な溶解範囲を示せば、エポキシ化合
物:8〜11.アミ≠化合物:8以上、アミン化合物/
エポキシ化合物付加体=11〜16となる。したがって
目的とする本発明の沈殿反応を実施するためには、溶解
度パラメーターが8〜11の溶媒が適当である。本発明
の実施に用いられる溶媒の例を挙げれば、メチルイソブ
チルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルエチル
ケトン、アセトン、酢酸、n−ブチルアセテート、イソ
ブチルアセテート、エチルアセテート、メチルアセテー
ト、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、セロソ
ルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、アニソール、トルエ
ン、p−キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホ
ルム、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ピリジン
などがある。単独あるいは2種以上の組み合わせで使用
に供される。溶解度パラメーターが8〜11の範囲外の
溶媒であっても、2種以上の組み合わせで特定した範囲
内の溶解度パラメーターに調節して使用に供することも
可能である。ただし適合する溶媒の正確な溶解度パラメ
ーターは当然アミン化合物とエポキシ化合物の化学構造
によって多少異なるので、個々の場合に応じて厳密に選
択することが肝要である。選択が厳密でないと、確かに
沈殿反応は円滑に進行したとしても、溶媒に対する生成
付加体の溶解度が高くて収率が低くなるということもあ
りうる。
分散安定剤は沈殿反応において析出する付加体粒子を安
定に溶媒中に分散する。それが存在しないと、生成した
付加体粒子が反応中に凝固して、目的とする球状粒子が
得られなくなる。この目的に供される分散安定剤として
は、生成した付加体と有機溶媒の両方に対してともに高
い親和性をもつ両親媒性の高分子化合物が適する。化学
構造的にはグラフト共重合体、ブロック共重合体、ラン
ダム共重合体およびその他の重合体のいずれもが資格用
件をそなえている。グラフト共重合体の例を挙げれば:
スチレンをグラフト共重合したメチルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート共重合体、ポリ2−ヒド
ロキシメタクリレート、ポリ 2.3−ジヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ポリアクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢
酸ビニル、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンオキシドおよびポリ4−ビニルーエチルピリ
ジウムブロミド、メチルメタクリレートをグラフト共重
合したメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、
グリシジルメタクリレート/スチレン共重合体およびメ
チルメタクリレート/フルオロアルキルアクリレート共
重合体、メタクリル酸をグラフト共重合したポリブタジ
ェンおよびメチルメタクリレート/グリシジルメタクリ
レート共重合体、N−メチロールアクリルアミドをグラ
フト共重合したポリメチルメタクリレートおよび2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート共重合体、12〜ヒドロ
キシステアリン酸をグラフト共重合したポリメチルメタ
クリレート、エチルアクリレート/メタクリル酸共重合
体、メチルアクリレート/メタクリル酸共重合体および
スチレン/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートをグラフト共重合したポリメチルメタ
クリレートならびにエチレンオキシドをグラフト共重合
したポリ塩化ビニルなどがある。
ブロック共重合体の例を挙げれば:ポリラウリルメタク
リレート/ポリメタクリル酸ブロック共重合体、ポリス
チレン/ポリメタクリル酸ブロック共重合体、ポリエチ
レンキシド/ポリスチレン/ポリエチレンオキシドブロ
ック共重合体およびポリ12−ヒドロキシステアリン酸
/ポリエチレングリコール/ポリ12−ヒドロキシステ
アリン酸などがある。またランダム共重合体の例を挙げ
れば:酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、酢酸ビ
ニル/N−ビニルピロリドン共重合体、N−ビニルピロ
リドン/メチルメタクリレートなどがある。
またその他の重合体の例としてはカチオン化したアミン
変性ポリエステルなどが挙げられる。分散安定剤の分子
量が高くなるほど安定化効果は増大するが、限度をこえ
て分子量を高くすると、反対に凝集効果が次第に強くな
るので逆効果となる。
したがって本発明の目的に叶う分散安定剤の分子量とし
てはi、oooから200,000、好ましくは2.0
00から1.00,000の範囲が適する。分散安定剤
としては上述のように多種類のものが存在するが、その
効果は当然アミン化合物/エポキシ化合物の化学構造に
よって異なる。実用的には試行錯誤的な選択を必要とす
る。
選ばれた溶媒に選ばれたアミン化合物とエポキシ化合物
を溶解し、さらに選ばれた分散安定剤を溶解して、撹拌
しながら加熱すると、当初透明であった溶液は付加体の
生成に伴って不透明になる。
反応の進行に伴って系の不透明度はしだいに増し、分散
液特有の白濁状を呈するようになる。適当なところで撹
拌を止めて冷却すると、反応は停止する。得られたアミ
ン化合物/エポキシ化合物付加体粒子分散液から粒子だ
けを濾別し、新しい溶媒で粒子に付着した未反応原料を
洗い落して乾燥すれば、目的とする球状の硬化剤粒子が
得られる。
この付加体粒子の生成反応において、重要なのは凝固体
が生成しない円滑な反応の進行と生成する粒子サイズの
制御である。まず安定な反応であるが、これを支配する
のは原料濃度、反応温度、分散安定剤濃度、撹拌条件お
よび反応率である。
重要なのは分散安定剤であり、安定な分散液を生成させ
るためには、添加量としては通常、アミン化合物とエポ
キシ化合物の合計に対して5〜40%、好ましくは10
〜30%必要とする。十分な分散安定剤が存在していて
も、反応温度と原料濃度が高くなると凝固物が生成しや
すくなる。したがって反応温度としては通常、40〜9
0℃、好ましくは50〜70 ℃を用いる。また原料濃
度は、溶媒中で通常2〜40%、好ましくは5〜30%
とする。
凝固物の生成にはさらに撹拌条件と反応率が関係する。
適当する撹拌速度は配合、反応条件および撹拌翼の形状
によってそれぞれ異なるので、概に述べることはできな
いが、速すぎる撹拌は凝置物の生成を促し、遅すぎる撹
拌は球状粒子をうるのに適さない。個々の系に対応して
試行錯誤的な決定を必要とする。反応条件にもよるが、
一般的に凝固物は反応率が高くなるにつれて生成しゃす
くなる。傾向的にはさきに述べたように、反応温度と原
料濃度が高くなるほど、分散安定剤濃度が低いほど、ま
た生成させる付加体粒子のサイズが小さいほど低い反応
率で凝固物が生成し始める。
条件をととのえることによって100%の反応率を望む
ことも不可能ではないが、一般的にはそれ以下の反応率
で反応を停止させたほうが効率的である。
アミン化合物とエポキシ化合物の比率は、アミン化合物
の活性水素濃度とエポキシ基濃度を当量比とするのが基
本であるが、反応率が100%に達しない系の場合にお
いてはかならずしも当量比にこだわる必要はない。なぜ
ならば反応系から回収された原料はそのまま再使用に供
することができるからである。濾液と洗浄液を合せ、そ
の中に含まれるアミン化合物、エポキシ化合物および分
散安定剤の濃度を正羅に測定し、余剰の溶媒を取り除い
て当初の配合に対して不足する原料を充足すれば、最初
とほぼ同じ反応結果が得られる。したがって原料の回収
、再使用を前提とすれば、付加体の構造との関わりでい
ずれかの原料を過剰に使用することも可能である。
生成する付加体粒子のサイズは原料の種類、反応条件お
よび分散安定剤の種類と添加量によって決定される。こ
れらの因子のうち決定的なのは分散安定剤の種類である
。例えば2−メチルイミダゾールとビスフェノールAジ
グリシジルエーテルとのメチルイソブチルケトン中での
沈殿反応において、スチレンまたはメチルメタクリレー
トをグラフト共重合したメチルアクリレート/メタクリ
ル酸共重合体分散剤はミクロンサイズの粒子径を与える
のに対して、カチオン化したアミン変性ポリエステルは
サブミクロンの微粒子を与える。次に大きな影響を及ぼ
すのは反応条件であり、一般的にいって原料濃度、分散
安定剤濃度、反応温度および反応率が高くなるほど、ま
た撹拌速度が遅くなるほど生成する粒子は大きくなる。
これらの因子に比べて原料の種類の影響は相対的に小さ
い。
以下比較例および実施例によりさらに詳細に説明する。
比較例 1 温度計、還流冷却器およびステンレス鋼製プロペラ−型
撹拌装置をそなえた内容積3,000m1の丸底三つロ
フラスコに、キシレン600gと2−メチルイミダゾー
ル300gを仕込み、撹拌しながら120℃に加熱して
、2−メチルイミダゾール(2Mz)を完全に溶解させ
た。次いで撹拌をつづけながら、300gのキシレンに
680gのエポキシ当J118BのビスフェノールAジ
グリシジルエーテル(油化シェル株式会社製、エピコー
ト828)を溶解した溶液を、温度を120℃に保ちな
がら90分間にわたって添加した。生成した付加体はキ
シレンに不溶のために、反応の進行に伴って粘稠な飴状
体として析出した。さらに2時間にわたって反応を続け
、実施例4で述べるエポキシ基の分析法により、反応率
が98%以上に到達したことを確認してから、温度を室
温まで下げた。
撹拌を停止し、上層のキシレンを傾斜法で除去してから
、フラスコの内容物を140℃に加熱し、残留キシレン
を110mm1(の減圧下で留去した。次いで溶融して
いる付加体を浅皿に流し込み、冷却して赤褐色の付加体
塊を得た。これをジェットミルで繰り返し粉砕し、最後
に分級してストークス径で2.9如の粒子を得た。粒子
形状を第1図に電子顕微鏡写真で示す。
こうして従来法(粉砕法)で製造された2Mz/エポキ
シ樹脂付加体硬化剤粒子をエピコート828に配合し、
硬化組成物としての性質を測定した。硬化組成物は以下
の手順で調整した=100重量部エピコート828に1
0重量部(10phr)の2Mz/エピコート828付
加体粒子を加え、簡単に粗練りしてから3本ロールミル
で硬化剤粒子を完全に分散させた。周知のように微細粒
子は、乾燥状態では本来の一次粒子が凝結して二次粒子
を形成しているので、完全な分散にはかなり大きな機械
的摩砕を必要とする。分散状態は3本ロールミルを通す
たびにつぶゲージでチエツクした。120g/分の速度
でロールミルを通したが、この摩砕条件下で硬化剤粒子
を完全に分散させるのに3回の通過を必要とした。
調製した硬化組成物については、粘度と硬化速度の目安
としてのゲル化時間(ストロークキュア法による測定)
を測定した。また別に120℃で30分間キュアして硬
化体を作成し、耐熱性の目安としてのTg、引張特性お
よび耐水性(沸騰水に6時間浸漬したときの吸水性率)
を測定した。結果を表1に実施例と比較して示す。
実施例 1 温度計、還流冷却器およびガラス製半月型撹拌装置を備
えた内容積5,000m1の丸底三つロフラスコに、2
.750gのメチルイソブチルケトン(MIBK)を仕
込み、これに160gの2Mz(1,94当量)を加え
、温度を60℃に上げて完全に溶解した。次いで分散安
定剤としてメチルメタクリレートをグラフト共重合した
メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体分散安定
剤の30%MIBK溶液(東亜合成株式会社製、GC−
10M)425gを加えてから、エピコート828の5
0%MIBK溶液700g (1,88当量)を加えた
。付加体原料濃度812.6%、全原料濃度: 15.
8%、付加体原料に対する分散安定剤添加量=25%。
内容物を40Orpmの速度で撹拌しながら、60℃で
8時間反応させた。当初透明な反応系は次第に青味がか
った半透明状を呈するようになるが、反応終期において
は乳白色不透明状に変化した。所定時間の反応の後室温
に冷却し、−昼夜放置して生成した粒子を沈殿させた。
−上澄液を傾斜法で除去してから、粒子を濾過分離し、
MIBKで十分に洗浄した。さらに40℃で24時間真
空乾燥して、268gの白色の硬化剤粒子を得た。粒子
径は反応終了直後のMIBK分散液について、人尿電子
製のレーザー粒子径解析装置、L P A 3000/
3100で測定した。平均粒子径で2.5μsであった
実施例4で述べる未反応原料の回収、再使用の実施例で
明らかにされるように、粒子生成に使用した分散安定剤
の一部は粒子に固定され、回収されない。一部はおそら
くエポキシ基と反応して粒子に化学的に固定され、一部
は吸着固定されるのであろうが、実施例4における4回
の粒子生成実験についてその量を求めると、消費された
付加体原料に対して、平均して40%である。この値を
ベースにすれば、本実施例で得られた268g−の硬化
剤粒子のうち、生成した付加体は190g、固定された
分散安定剤は78gとなる。したがって反応率は37%
、分散安定剤も生成した粒子の原料と見なせば粒子収率
は42%となる。
この実施例においては、反応率37%で反応を停止して
いるが、予備的にこれ以上反応を進めると凝固物が生成
することが確認されている。またここで使用された40
0rpmという撹拌速度も予備実験で定められたもので
あり、これ以上速い撹拌速度では反応率が37%に到達
する以前に凝固物が生成し、これ以下の速度では完全に
球状の付加体粒子が生成しないことが確認されている。
粒子の形状は電子顕微鏡写真で第2図に示すが、はぼ完
全な球状である。表1にかさ密度をほぼ同じサイズの従
来法による破砕状粒子のそれと比較しであるが、球状粒
子はコンパクトな充填が可能となるため、かさ密度は破
砕状粒子のそれのほぼ2倍にも達している。このことは
コンパクトな包装と輸送の便利さを約束する。
こうして製造された球状粒子硬化剤を、比較例で述べた
とまったく同様にしてエピコート828に配合して硬化
組成物を調製した。ただし3本ロールミルによる硬化剤
粒子の分散は比較例の場合に比べてはるかに容易であり
、比較例において必要とする3回通過に対してわずか1
回の通過で完全な分散状態が達成された。硬化組成物の
性質を表1に示す。
往側粒子はわずか1Ophrの配合でも、20℃で13
.800cpsのエピコート828の粘度を42.00
0cpsまで上昇させるのに対して、実施例1の球状硬
化剤粒子は27 、000cpsまで上昇させるにしか
すぎない。ゲル化速度および貯蔵安定性にも違いが見ら
れる。本発明の硬化剤粒子は従来法の硬化剤粒子に比べ
て、多少硬化速度は遅くなるが、貯蔵安定性は格段にま
さり、比較例1の1週間の安定貯蔵期間に対して8週間
と比較にならないほど長い。
従来法の硬化剤粒子は化学的に純粋であるのに対して、
本発明の硬化剤粒子においてはおそらくその界面に分散
安定剤が固定され、そのはたらきで上述したような違い
が生ずるのであろう。硬化体の色、物理的性質および耐
水性(吸水性)には格別の違いは見られない。
分散安定剤の固定が貯蔵安定性の向上に寄与することは
推測されるが、その見返りとして硬化性、ならびに硬化
体の物理的性質、耐熱性、耐水性の低下が懸念されると
ころである。しかしこの実施例はそのような懸念を完全
に一掃する。
実施例 2 実施例1におけると同じ反応装置に、3.400gのM
IBKを仕込み、これに115gの2Mz(lJg当量
)を加え、温度を50°Cに上げて完全に溶解した。
次いで分散安定剤としてメチルメタクリレートをグラフ
ト共重合メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
分散安定剤の25gメチルエチルケトン/酢酸ブチル溶
液(東亜合成株式会社、G C−10)  146gを
加えてから、エピコート828の50%MIBK溶液5
00g (IJ4当量)を加えた。
付加体原料濃度=8.8%、全原料濃[:9.7%、付
加体原料に対する分散安定剤の添加量: 10.0%。
これを撹拌下50℃で24時間反応させた。反応終了後
、実施例1と同様な手順で81gの白色乾燥硬化剤粒子
を得た。得られた粒子は完全に球状で、直径は0.21
μmであった。実施例]と同様の基準で計算すると、反
応率:16%、粒子収率:20%となる。
得られた硬化剤粒子は、サイズが小さ(なった分かさ密
度が表1に示したように大幅に低下したが、エピコート
828に10phr配合しての硬化組成物の調製におい
ては、とくに分散性が低下するような傾向はうかがえず
、1回の3本ロールミル通過で完全な分散状態が得られ
た。
硬化組成物の諸性質を表1に比較例および他の実施例と
比較して示す。実施例1に比べると、粒子サイズが小さ
くなったことにより、硬化組成物の粘度は上昇し、硬化
速度はかなり速くなる。その反面、硬化速度が速くなっ
た分だけ分貯蔵安定性が低下するが、比較例に比べれば
水準は格段に高い。また硬化体の性質にも硬化剤粒子が
小さくなった影響が見られる。硬化体の色は実施例1と
同じ(赤褐色半透明であったが、耐熱性、引張り強さと
伸びおよび耐水性はわずかではあるが改良される。
実施例 3 実施例1で述べた反応装置に、2.750gのMIBK
を仕込み、これに195gのN−メチルビペラジン(N
MPz)(1,94当量)を加え、温度を60℃に上げ
て完全に溶解した。次いで分散安定剤としてG C−1
0Mを425gを加えてから、エピコート828の50
%MIBK溶液700g (1,88当fIk)を加え
た。付加体原料濃度: 13.4%、全原料濃度:16
.5%、付加体原料に対する分散安定剤の添加量:23
.4%。これを400rpmの撹拌下、60℃で14時
間反応させた。反応終了後、実施例1におけると同様の
手順で生成した球状硬化剤粒子を回収し、白色乾燥粒子
として得た。得られた粒子は174gで、粒子径は0.
551Xn、かさ比重は0.26であった。実施例1と
同様の基準で計算すると、反応率:23%、粒子収率:
26%となる。
ここで得られた硬化剤粒子を比較例におけると同様にし
て、エピコート828にl0phr配合して硬化組成物
を調製した。分散性は実施例1および2と変わらず、1
回の3本ロールミル通過で完全な分散状態が得られた。
硬化組成物の諸性質を表コに比較例および他の実施例と
比較して示す。
2Mz/エピコート828付加体硬化剤に比べると、1
20℃における硬化速度は速< 140℃における硬化
速度は遅い。他方貯蔵安定は2Mz/エピコート828
付加体硬化剤に比べてかなり優れている。
硬化体の性質を2Mz/エピコート828付加体硬化剤
と比較すると、もっとも大きな違いはその外観に見られ
る。後者の赤褐色半透明と異なり、NMPz/エピコー
ト828付加体硬化剤粒子は淡黄色透明な硬化体を与え
た。耐熱性、引張り強さと伸びおよび吸水性には大きな
違いは見られないが、NMPz /エピコート828付
加体硬化剤粒子のほうが引張り強さにはやや劣るが伸び
が大きく、多少耐熱性と耐水性に劣る硬化体を与えた。
実施例 4 実施例1〜3においては、反応はいずれも50%以下の
低反応率で中断されている。工業的見地からすれば、当
然未反応原料の回収、再利用が望まれる。そのためには
回収された濾液中と洗浄液中における原料の濃度を正確
に定量して、不必要な溶媒を除去してから元の反応組成
に再調整し、それから第1回目の反応と同じ付加体粒子
が得られることが望ましい。それが可能ならば、その繰
り返しで無駄なく原料を付加体粒子に変換することがで
きる。その実施例を以下に示す。
実施例1で述べた反応装置に、2,750gのMIBK
を仕込み、これに160 gの22Mzを加え、温度を
60℃に上げて完全に溶解した。次いで分散安定剤とし
てG C−10Mを425gを加えてから、エピコート
828の50%MIBK溶液700gを加えた。付加体
原料濃度: 12.6%、全原料濃度: 15.8%、
付加体原料に対する分散安定剤添加ffl:25%。
これを400rl)Inの撹拌下、60℃で8時間反応
させた。
反応終了後、実施例1におけると同様の手順で生成した
粒子を回収し、白色乾燥粒子として得た。
粒子を取り出した後の濾液と洗浄液を合一して、それを
含む2Mz、エピコート828および分散安定剤の濃度
を測定した。測定方法は以下の通りであった。エポキシ
樹脂共存下における2Mz濃度:試料液に氷酢酸とクリ
スタルバイオレットを加えた後、0.1規定過塩素酸/
酢酸溶液で滴定して決定。2Mz共存下におけるエポキ
シ樹脂濃度:塩酸でエポキシ基を開環し、余剰の塩酸を
硝酸銀溶液で電位差計的に滴定して決定。分散安定剤濃
度:GPCにより測定。標準ポリスチレンを内部標準と
し、予め決定してあった比例定数を使用して、ピーク面
積比から決定。測定結果は原料に対する回収率として表
2に示しである。測定精度ががならずしも十分に高くな
いので、残念ながら理論どうりの回収率が得られていな
い。しかし後で述べるように、この程度の精度でも、実
用上問題なく使用に耐えうる。
合一された濾液と洗浄液は2.500gまで真空濃縮し
て、第2回目の反応に供された。2Mz、エピコート8
28およびGC−]、OMを追加して初回の配合に再調
整し、同一条件で6時間反応させた。
この反応時間が初回と異なるのは反応の経過が多少異な
り、この反応時間で外観的に凝固物発生の兆しが見られ
たためである。同じ操作で第3回目、さらに第4回目の
反応を行なった。結果を表2に総括して示す。繰り返し
反応が進むにつれて、反応経過には若干の違いが生ずる
が、問題なくほぼ同じサイズの付加体粒子が得られてい
る。
/ 表   2 反応温度 反応時間 粒子収量 反応率 粒子収率 粒子径 (’C) (hr) (g) (%) (%) 0訓) 未反応の回収原料 Mz エピコート828 GC−C−1 O%)61゜9  72.5  55.8  71.6
(%)   50.9  57.6  43.2  6
0.3(%)   23.6  30.3  37.9
  39.2硬化性と貯蔵安定性 ゲル化時間(see、 120℃) 表2において、エピコート828の回収率は常に2Mz
のほぼ80%にしか達していない。仕込量は2Mzの9
7%であるが、この相対回収率はそれをかなり下回って
いる。一方分散安定剤の回収率は、粒子への固定がなけ
れば、はぼ100%に到達しなければならないはずであ
る。これらのことは明らかに、一部のエポキシ基の分散
安定剤による消費と、おそらくそれに起因する分散安定
剤の粒子への化学的固定を示唆している。その他は吸着
による固定であろう。粒子に固定される分散安定剤の量
を試算すると、かなりのばらつきは見られるが、平均し
て生成した付加体に対して40%に達する。
実施例1と同様にして得られた付加体粒子をエピコート
828に1ophr配合して硬化組成物とした。
その性質を表2に示すが、硬化性と貯蔵安定性には大き
な違いはみられない。以上の結果は、回収された未反応
原料の回収は問題なく再使用に供しうろことを示してい
る。
[発明の効果コ 本発明の沈殿反応法によって、エポキシ樹脂用硬化剤と
してのアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子を、従
来的な粉砕法に比べて大幅に工程を省略して製造するこ
とができる。しかも生成する粒子は硬化剤としての適性
に優れる球状であり、そのサイズは従来法では不可能な
サブミクロンにまでもいたる。これに加えて、分散安定
性の付与を目的として加えた両親媒性化合物に起因して
、得られる硬化剤粒子の潜在硬化性は従来法のそれに比
べて格段に優れている。
球状形態は硬化剤自身またはそれを配合した硬化組成物
に対して、次のようなさまざまな利点を提供する。
a、かさ比重が大きい。この性質のために梱包容積が小
さくなり、包装コストと輸送コストの低減に寄与する。
b、エポキシ樹脂への配合に際して分散が容易になる。
このために硬化組成物の製造工程が大きく簡略化される
C,エポキシ樹脂への配合において配合物の粘度上昇が
小さい。比較的高い粘度のエポキシ樹脂の配合において
粘度上昇傾向の小さい配合原料は非常に好ましいことで
あり、配合設計の自由度を広げるのに大きく寄与する。
また微細な硬化剤粒子はそれを配合する硬化組成物に対
して、次のような利点を提供する。
d、硬化速度が速くなり、より均質な硬化構造を与える
e、硬化組成物の適用範囲を拡大する。従来の大サイズ
硬化剤粒子配合硬化組成物では、細いスリットを通して
の注入に際して、往々にして硬化剤粒子が濾過されて硬
化組成物に硬化不良をもたらしたが、小サイズ硬化剤粒
子ではこのような懸念は一掃される。
最後に、改良された潜在硬化性は当然、f、長い間安定
に貯蔵可能な硬化組成物を与える。
1成分系硬化組成物において、硬化性を損なうことなく
貯蔵可能期間を延長することの重要性はことさら述べる
までもない。
本発明の球状硬化剤粒子は単独では潜在性のアニオン重
合型硬化剤としても機能するし、他の高温硬化性の重付
加型硬化剤、例えばジシアンジアミドや酸無水物と併用
されてはそれらの硬化温度を効果的に低下させる潜在性
の促進剤として有効にはたらく。この特性を生かして本
発明の球状硬化剤粒子は広い分野に]、成分エポキシ樹
脂硬化組成物の提供を可能にする。例を挙げれば、構造
接着剤分野二車両組重用接着剤、光学機械組立用接着剤
、電子・電気機器組立用接着剤など、塗料分野:粉体塗
料、焼付は塗料など、電子分野ニブリント配線基板ガラ
スクロス含浸材、ICチップ封止材、導電性塗料、ソル
ダーレジスト、ダイボンディング用接着剤、プリント基
板接着剤、導電性接着剤など、電気分野:電気絶縁材料
、コイル含浸材、バッテリーケース接着剤、テープヘッ
ド接着剤など。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来的な粉砕法で製造されたアミン化合物/エ
ポキシ化合物付加体粒子の構造を示す電子顕微鏡写真で
ある。 第2図は本発明の方法で製造されたアミン化合物/エポ
キシ化合物付加俸粒子の構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。 (外4名) 第 回 第 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、アミン化合物とエポキシ化合物から合成される付加
    体で、形状が球状のエポキシ樹脂用硬化剤。 2、アミン化合物とエポキシ化合物とを分散剤の存在下
    において、そのアミン化合物およびそのエポキシ化合物
    をともに溶解するが、両者から生成する付加体は溶解し
    ない有機溶媒中で反応させて、請求項1記載の球状のエ
    ポキシ樹脂用硬化剤を製造する方法。 3、請求項1記載の球状エポキシ樹脂用硬化剤とエポキ
    シ樹脂を主たる構成成分とする熱硬化性組成物。 4、エポキシ樹脂と高温硬化型硬化剤を主たる構成成分
    とし、これに請求項1記載の球状エポキシ樹脂用硬化剤
    を促進剤として加えてなる熱硬化性組成物。
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