JPH043138Y2 - - Google Patents

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JPH043138Y2
JPH043138Y2 JP1984171927U JP17192784U JPH043138Y2 JP H043138 Y2 JPH043138 Y2 JP H043138Y2 JP 1984171927 U JP1984171927 U JP 1984171927U JP 17192784 U JP17192784 U JP 17192784U JP H043138 Y2 JPH043138 Y2 JP H043138Y2
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valve
piston
chamber
valve element
passage
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車等の車輌の懸架装置に用いら
れるシヨツクアブソーバに係り、更に詳細には作
動流体の温度変化に起因してその粘性が変化して
も減衰力が実質的に変化することがないよう改良
された温度補償型流体シヨツクアブソーバに係
る。
従来の技術 自動車等の車輌の懸架装置に使用されるシヨツ
クアブソーバの一つとして、オイルの如き作動流
体が絞り通路を通過する際に於ける流通抵抗によ
つて減衰力を発生するよう構成された流体式シヨ
ツクアブソーバが知られている。
考案が解決しようとする問題点 かかる流体式シヨツクアブソーバに於ては、周
囲温度の上昇などによつて作動流体の温度が高く
なると、作動流体の粘性が低下することによつて
作動流体が絞り通路を通過する際の流通抵抗も低
下し、また作動流体中に気泡が発生し易くなるた
め、高温時に於ける減衰力が低下し、そのためシ
ヨツクアブソーバの振動減衰力が低下する。その
結果車体がふわふわしすぎたり、悪路走行時に於
ける接地性が低下するなどの不具合が生じる。
本考案は従来の流路式シヨツクアブソーバに於
ける上述の如き不具合に鑑み、作動流体の温度変
化に起因してその粘性が変化しても減衰力が実質
的に変化せず、従つて作動流体の温度変化に拘ら
ず常に安定した振動減衰機能を発揮することがで
き、しかも必要に応じて減衰力特性を比較的自由
に変化し得るよう改良された流体式シヨツクアブ
ソーバを提供することを目的としている。
問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本考案によれば、実質的に
剛固な材料よりなる隔壁手段により互に分離され
それぞれ内部に作動流体を貯容する二つの密閉室
と、前記二つの密閉室を相互に連通接続する通路
手段と、一方の密閉室より前記通路手段を経て他
方の密閉室へ向かう前記作動流体の流れのみを許
す逆止弁とを含み、前記逆止弁は可撓性を有する
材料よりなる前記通路手段の前記他方の密閉室の
側の開口端を覆う板状の弁要素と、可撓性を有す
る材料よりなり実質的に前記弁要素と平行に配置
された板状の補助スプリング手段と、前記補助ス
プリング手段を前記弁要素より隔置するスペーサ
手段と、前記弁要素、前記補助スプリング手段、
前記スペーサ手段を相互に独立した状態で前記隔
壁手段に取外し可能に固定する固定手段と、前記
隔壁手段に対し近づく方向及び離れる方向に往復
動可能に配置され前記補助スプリング手段に当接
するスプリングシート要素と、前記スプリングシ
ート要素を前記隔壁手段に対し付勢する付勢スプ
リングとを有し、前記弁要素は前記一方の密閉室
より前記通路手段を経て前記他方の密閉室へ向か
う前記作動流体の流れにより開弁方向へ弾性変形
され、前記一方の密閉室より前記通路手段を経て
前記他方の密閉室へ向かう前記作動流体は必ず開
弁状態の前記逆止弁を通過し、前記補助スプリン
グ手段は前記弁要素の弾性変形量が所定値を越え
ると前記弁要素により弾性変形されるよう構成さ
れており、前記スプリングシート要素は前記隔壁
手段へ向けて突出し前記弁要素の弾性変形量が前
記所定値以下のときには前記隔壁手段に直接当接
する突起を有し、前記突起は前記逆止弁を通過し
た前記作動流体が前記他方の室へ自由に流れるこ
とを許す通路を有する温度補償型流体式シヨツク
アブソーバによつて達成される。
考案の作用及び効果 上述の如き構成によれば、従来のシヨツクアブ
ソーバの場合の如く、作動流体が二つの密閉室を
連通接続する通路手段に設けられた絞りを通過す
る際の流通抵抗により減衰力が発生されるのでは
なく、一方の密閉室より通路手段を経て他方の密
閉室へ向かう作動流体の流れにより開弁される逆
止弁により、一方の密閉室より通路手段を経て他
方の密閉室へ向かう作動流体の流量及び流速が制
御され、作動流体の乱流による抵抗により減衰力
が発生されるので、作動流体の温度変化に起因し
てその粘性が変化しても減衰力は流通抵抗により
減衰力が発生される場合程には変化せず、従つて
作動流体の温度変化に拘らず常に安定した振動減
衰機能を発揮させることができる。
また逆止弁は可撓性を有する材料よりなり実質
的に弁要素と平行に配置された板状の補助スプリ
ング手段と、補助スプリング手段を弁要素より隔
置するスペーサ手段と、隔壁手段に対し近づく方
向及び離れる方向に往復動可能に配置され補助ス
プリング手段に当接するスプリングシート要素と
スプリングシート要素を隔壁手段に対し付勢する
付勢スプリングとを含み、補助スプリング手段は
弁要素の開弁方向への弾性変形量が所定値を越え
ると弁要素により弾性変形されるようになつてい
る。従つて弁要素の弾性変形量が所定値を越える
と、弁要素は補助スプリング手段及び付勢スプリ
ングのばね力に抗して開弁することになるので、
シヨツクアブソーバの伸縮速度が高くなつて弁要
素の弾性変形量が所定値を越えると、シヨツクア
ブソーバの伸縮速度に対する減衰力の比が高くな
り、これによりシヨツクアブソーバの伸縮速度が
高い領域に於て減衰力が不足することを確実に回
避することができる。
また弁要素の開弁方向への弾性変形量が所定値
以下のときには、補助スプリング手段はスプリン
グシート要素に当接した状態にあり、スプリング
シート要素はその突起にて隔壁手段に直接当接し
た状態にあるので、補助スプリング手段はスプリ
ングシート要素により隔壁手段に対し常に一定の
位置に位置決めされた状態にあり、従つて補助ス
プリング手段が作動流体の動圧等により弾性変形
されることに起因してシヨツクアブソーバの作動
が不安定になることを確実に回避することができ
る。
また弁要素の開弁方向への弾性変形量が所定値
以下のときには、スプリングシート要素はその突
起にて隔壁手段に直接当接した状態にあり、補助
スプリング手段に当接する肩部は隔壁手段に対し
常に一定の位置に位置決めされた状態にあり、補
助スプリング手段がスプリングシート要素により
隔壁手段に対し押圧されることがないので、補助
スプリング手段とスプリングシート要素との間の
間隔が経時的に変化することに起因してシヨツク
アブソーバの特性が変化することを確実に回避
し、これによりシヨツクアブソーバを長期間に亘
り安定的に作動させることができる。
またスプリングシート要素の突起は逆止弁を通
過した作動流体が他方の室へ自由に流れることを
許す通路を有しているので、逆止弁を通過した作
動流体が他方の室へ流れるための通路を隔壁手段
に設けたり、補助スプリング手段及びスプリング
シート要素の両方に作動流体が通過するための貫
通孔を設ける場合に比して、構造を簡素化するこ
とができる。
更に弁要素、補助スプリング手段、スペーサ手
段は相互に独立した状態で固定手段によつて隔壁
手段に取外し可能に固定されているので、弁要素
若しくは補助スプリング手段を弾性や厚さが異な
る別の弁要素若しくは補助スプリング手段に交換
したりスペーサ手段を他の厚さのスペーサ手段に
交換することにより、シヨツクアブソーバの特性
を容易に変更することができる。特にスペーサ手
段の厚さを変更して弁要素と補助スプリング手段
との間の間隔を変化させることにより、補助スプ
リング手段が弁要素により弾性変形されるように
なる弁要素の弾性変形量の所定値を変更し、これ
によりシヨツクアブソーバの伸縮速度に対する減
衰力の比が変化する点を任意に設定することがで
きる。
尚本考案によるシヨツクアブソーバがツインチ
ユーブ式のシヨツクアブソーバとして構成される
場合には、ピストン及びベースバルブ組立体の両
方に逆止弁が設けられ、それらの逆止弁の両方に
本考案の構造が採用されることが好ましく、本考
案によるシヨツクアブソーバがモノチユーブ式の
シヨツクアブソーバとして構成される場合には、
ピストンに二つの通路手段が設けられ、一方の通
路手段の一方の密閉室及び他方の通路手段の他方
の密閉室の側にそれぞれ逆止弁が設けられ、それ
らの逆止弁の両方に本考案の構造が採用されるこ
とが好ましい。
以下に添付の図を参照しつつ、本考案を実施例
について詳細い説明する。
実施例 第1図はツインチユーブ式のシヨツクアブソー
バとして構成されピストンの逆止弁に本考案の構
造が採用された本考案による温度補償型流体式シ
ヨツクアブソーバの一つの実施例を示す部分縦断
面図、第2図が第1図に示されたシヨツクアブソ
ーバの要部を示す拡大部分断面図である。図に於
て、1は円筒形のベースシエルを示している。ベ
ースシエル1はその上端に於ては図には示されて
いないアツパキヤツプにより、その下端に於ては
図には示されていない車輌のコントロールアーム
などに連結されるロアキヤツプ2により閉じられ
ており、これにより密閉空間を郭定している。ベ
ースシエル1の内部にはその軸線3に沿つて円筒
形のプレツシヤチユーブ4が固定的に配置されて
いる。プレツシヤーチユーブ4はその上端に於て
は図には示されていないロツドガイドにより、そ
の下端に於てはロアキヤツプ5により閉じられて
おり、これにより密閉空間を郭定している。これ
らのベースシエル1及びプレツシヤチユーブ4は
アツパキヤツプ及びロアキヤツプ2と共働して円
筒状のリザーバ室6を郭定している。
プレツシヤチユーブ4の内部にはピストンリン
グ7を介してプレツシヤチユーブ4のシリンダ壁
8と液密的に係合するピストン9が軸線3に沿つ
て往復動可能に配置されている。ピストン9は実
質的に剛固な材料よりなつており、プレツシヤチ
ユーブ4とアツパキヤツプとロアキヤツプ5とに
より郭定されオイル10にて充填された密閉空間
をピストン上室11とピストン下室12とに分離
している。またピストン9は軸線3に沿つて延在
するピストンロツド13と一体的に連結されてお
り、ピストンロツド13は図には示されていない
車体に連結されるようになつている。
ピストン9にはピストン上室11とピストン下
室12とを連通接続する複数個の通路14が設け
られている。この通路14のピストン下室12の
側には、ピストン上室11よりピストン下室12
へ向かうオイル10の流れのみを許す逆止弁15
が設けられている。逆止弁15は絞り通路14の
ピストン下室12の側の環状ポート16を開閉す
る円環板状の弁要素17と、スペーサ手段として
の環状シート18と、補助スプリング手段として
の環状円板19と、環状シート20とを含んでお
り、これらはカラー21を介してロツクナツト2
2によりピストン9に押付けられた状態にて固定
されている。環状円板19の図にて下方には半径
方向内方部にてカラー21に嵌合するスプリング
シート要素23が軸線3に沿つて往復動可能に配
置されており、スプリングシート要素23とロツ
クナツト22との間には圧縮コイルスプリング2
4が弾装されている。
スプリングシート要素23は弁要素17及び環
状円板19の径方向外側にて軸線3の周りに延在
し且ピストン9へ向けて突出する実質的に円筒形
の突起23aを有しており、付勢スプリングとし
ての圧縮コイルスプリング24によつてピストン
9に対し付勢されていることにより突起23aの
先端にてピストン9の端面に軽く当接している。
またスプリングシート要素23は肩部23bを有
しており、該肩部に環状円板19の径方向外方の
部分の下面が軽く当接している。突起23aはそ
の先端に近接した位置にて軸線3の周りに互いに
隔置された複数の切欠き溝25を有している。こ
れらの切欠き溝は突起23aがピストン9に当接
した状態にある場合に於て逆止弁15を通過した
オイルが下室12へ自由に流れることを許す通路
を郭定するようオイルの自由な流通を許す大きさ
及び数にて設けられている。
弁要素17及び環状円板19は可撓性を有する
材料にて形成されており、弁要素17はピストン
上室11より通路14を経てピストン下室12へ
向かうオイル10の流れによつて弾性変形せしめ
られることにより開弁し、その開弁量は通路14
を通過するオイルの動圧によつて制御されるよう
になつている。特に弁要素17はそれが所定量以
上弾性変形すると半径方向外方の周縁部にて環状
円板19に当接し、環状円板19の弾性及び圧縮
コイルスプリング24のばね力に抗して弾性変形
することにより、その開弁量を増大するようにな
つている。
更にピストン9にはピストン上室11とピスト
ン下室12とを連通接続する複数個の通路26が
設けられている。この通路26のピストン上室1
1の側には、ピストン下室12より通路26を経
てピストン上室11へ向かうオイル10の流れの
みを許す逆止弁27が設けられている。逆止弁2
7は通路26のピストン上室11の側の環状ポー
ト28を開閉する円環板状の弁要素29と、弁要
素29とピストンロツド13に固定されたスプリ
ングシート要素30との間に弾装され弁要素29
をその閉弁位置へ付勢するリーフスプリング31
とを有している。弁要素29、スプリングシート
要素30、リーフスプリング31にはそれぞれオ
イルの流通を自由に許す貫通孔が設けられてい
る。
プレツシヤチユーブ4とロアキヤツプ5との間
にはベースバルブ組立体32が固定的に配置され
ており、該ベースバルブ組立体32とロアキヤツ
プ5との間にはオイル10にて充填された弁室3
3が郭定されている。弁室33は複数個の連通孔
34によりリザーバ室6と連通接続されている。
尚リザーバ室6の上方部には空気35が封入され
ている。
ベースバルブ組立体32はピストン下室12と
弁室33とを分離する隔壁手段としての弁座要素
36を有している。弁座要素36には軸線3に沿
つて延在しピストン下室12と弁室33とを連通
接続する複数個の通路37及び38が設けられて
いる。通路37の弁室33の側には、ピストン下
室12より弁室33へ向かうオイル10の流れの
みを許す逆止弁39が設けられている。逆止弁3
9は通路37の弁室33の側の環状ポート40を
開閉する円環板状の弁要素41と、環状シート4
2と、環状円板43と、環状シート44と、環状
ストツパ45とを有しており、これらは弁座要素
36にねじ込みにより固定されたボルト46によ
り弁座要素36に押付けられた状態にて固定され
ている。
弁要素41及び環状円板43は可撓性を有する
材料にて形成されており、弁座要素36及び環状
ストツパ45は実質的に剛固な材料にて形成され
ており、これにより弁要素41はピストン下室1
2より通路37を経て弁室33へ向かうオイルの
流れによつて弾性変形せしめられることによつて
開弁し、その開弁量がオイルの動圧により制御さ
れるようになつており、弁要素41が所定量以上
開弁するとその周縁部にて環状円板43に当接
し、その弾性に抗して環状円板を弾性変形させ、
更に所定量以上弾性変形すると環状円板43の周
縁部がストツパ45に当接するとにより、それ以
上開弁することがないようになつている。
また弁座要素36の通路38のピストン下室1
2の側には、弁室33より通路38を経てピスト
ン下室12へ向かうオイル10の流れのみを許す
逆止弁47が設けられている。逆止弁47は通路
38のピストン下室12の側の環状ポート48を
開閉する円環板状の弁要素49と、弁要素49と
弁座要素36に固定されたスプリングシート要素
50との間に弾装され弁要素49をその閉弁位置
へ付勢する圧縮コイルスプリング51とを有して
いる。尚弁要素49は剛固な材料にて形成されて
おり、通路37に近接した位置にオイルの流通を
自由に許す貫通孔を有している。
尚図示の実施例に於ては、逆止弁39には逆止
弁15に於けるスプリングシート要素23及び圧
縮コイルスプリング24にそれぞれ相当するスプ
リングシート要素及び圧縮コイルスプリングは組
込まれてないが、弁座要素36に直接当接する突
起を有するスプリングシート要素及び該スプリン
グシート要素を弁座要素36に対し付勢する付勢
スプリングを組込むことにより、逆止弁39も本
考案に従つて構成されてもよい。
以上の如く構成されたツインチユーブ式シヨツ
クアブソーバは以下の如く作動することによつて
車輌に及ぼされた振動を減衰する。
伸び行程 シヨツクアブソーバの伸び行程、即ちピストン
9に対しそれをベースシエル1及びプレツシヤチ
ユーブ4に対し相対的にベースバルブ組立体32
より離れる方向へ駆動する力が作用したときに
は、ピストン9がプレツシヤチユーブ4のシリン
ダ壁8に沿つて上昇することにより、ピストン上
室11の容積が減少しピストン下室12の容積が
増大するので、ピストン上室11内の圧力は増大
しピストン下室12内の圧力は低下する。そのた
めピストン上室11内の圧力とピストン下室12
内の圧力との差圧により発生される上室より下室
へ向かうオイルの流れによつて逆止弁15が開弁
され、オイル10がピストン上室11より通路1
4、環状ポート16を経てピストン下室12内へ
流入し、またピストン下室12内の圧力と弁室3
3内の圧力との差圧により発生される弁室より下
室へ向かうオイルの流れによつて逆止弁47が開
弁され、オイル10がリザーバ室6より連通孔3
4、弁室33、通路38、ポート48、逆止弁4
7を経てピストン下室12内へ流入する。
この場合ピストン上室11より通路14を経て
ピストン下室12へ流れるオイル10の流量及び
流速は逆止弁15の開弁量によつて制御され、オ
イルの乱流による抵抗によつて減衰力が発生され
る。この減衰力は第3図に示されている如く、弁
要素17の周縁部が環状円板19に当接するまで
の範囲Aに於ては、ピストン9の移動速度Vの増
大と共に線形的に増大し、弁要素17の周縁部が
環状円板12に当接する遷移点P1よりもピスト
ン9の移動速度Vが大きい範囲Bに於ては、弁要
素17の弾性変形が環状円板19の弾性及び圧縮
コイルスプリング24のばね力より制限され、従
つて逆止弁15の開弁が抑止されるので、原点0
より遷移点P1までの上昇率よりも大きい上昇率
にてピストン9の移動速度Vの増大と共に線形的
に増大する。またこの場合オイルの粘性が変化し
ても流量及び流速は逆止弁15の開弁量に応じて
それぞれ所定の値に制御されるので、オイルの温
度が変化しても減衰力の特性は第3図の上半分に
於て太い実線にて示された特性に維持される。
縮み行程 シヨツクアブソーバの縮み行程、即ちピストン
9に対しそれをベースシエル1及びプレツシヤチ
ユーブ4に対し相対的にベースバルブ組立体32
に近付く方向へ駆動する力が作用したときには、
ピストン9がプレツシヤチユーブ4のシリンダ壁
8に沿つて下降することにより、ピストン上室1
1の容積が増大しピストン下室12の容積が減少
するので、ピストン上室11内の圧力は減少しピ
ストン下室12内の圧力は増大する。そのためピ
ストン上室11内の圧力とピストン下室12内の
圧力との差圧により発生される下室より上室へ向
かうオイルの流れによつて逆止弁27が開弁さ
れ、ピストン下室12内のオイル10が通路26
及び逆止弁27を経てピストン上室11内へ流入
し、またピストン下室12内の圧力と弁室33内
の圧力との差圧により発生される下室より弁室へ
向かうオイルの流れによつて逆止弁39が開弁さ
れ、オイル10がピストン下室12より通路3
7、逆止弁39、弁室33、連通孔34を経てリ
ザーバ室6内へ流入する。
この場合ピストン下室12より通路37を経て
弁室33へ流れるオイルの流量及び流速は逆止弁
39により制御され、オイルの乱流による抵抗に
よつて減衰力が発生される。この減衰力は第2図
の下半分に示されている如く、弁要素41の周縁
部が環状円板43に当接する遷移点P2までの範
囲aに於ては、ピストン9の移動速度Vの増大と
共に線形的に増大し、遷移点P2よりもピストン
の移動速度が大きい範囲bに於ては、弁要素41
の弾性変形が環状円板43により制御されること
によつて逆止弁39の開弁が抑制されるとによ
り、原点0より遷移点P2までの範囲に於ける増
大率よりも大きい増大率にて、ピストン9の移動
速度Vの増大と共に線形的に増大する。またこの
場合オイルの粘性が変化してもオイルの流量及び
流速は逆止弁39の開弁量に応じたそれぞれ所定
の値に制御されるので、減衰力の特性はオイルの
温度が変化しても第3図の下半分に於て太い実線
にて示されている如き特性に維持される。
以上の説明より、従来のシヨツクアブソーバに
於てはオイルの温度の上昇によりその粘性が低下
すると、減衰力特性は第3図に於て細い実線にて
示された特性より細い一点鎖線にて示されている
如き特性に変化し、発揮される減衰力が減少する
のに対し、図示の実施例によればオイルの温度に
拘らず減衰力の特性が第3図に於て太い実線にて
示されている如き特性に維持されることが理解さ
れよう。
また弁要素17の開弁方向への弾性変形量が所
定値以下のときには、即ち弁要素17の周縁部が
環状円板19に当接するまでの範囲Aに於ては、
環状円板19はスプリングシート要素23に当接
した状態にあり、スプリングシート要素はその突
起23aにてピストン9に直接当接した状態にあ
るので、環状円板はスプリングシート要素により
ピストンに対し常に一定の位置に位置決めされた
状態にあり、従つて環状円板がオイルの動圧等に
より弾性変形されることに起因してシヨツクアブ
ソーバの作動が不安定になること、即ち第3図の
遷移点P1が変動することを確実に回避すること
ができ、これによりシヨツクアブソーバを安定的
に作動させることができる。
また弁要素17の開弁方向への弾性変形量が所
定値以下のときには、スプリングシート要素23
はその突起23aにてピストン9に直接当接した
状態にあり、環状円板19に当接する肩部23b
はピストンに対し常に一定の位置に位置決めされ
た状態にあり、環状円板がスプリングシート要素
によりピストンに対し押圧されることがないの
で、環状円板とスプリングシート要素との間の間
隔が経時的に変化することに起因してシヨツクア
ブソーバの特性が変化することを確実に回避し、
これによりシヨツクアブソーバを長期間に亘り安
定的に作動させることができる。
また弁要素17及び41、環状円板19及び4
3、圧縮コイルスプリング24はそれぞれナツト
22及びボルト46によりピストン9及び弁座要
素36に取外し可能に固定されているので、弁要
素及び環状円板を弾性や厚さが異なる他の弁要素
及び環状円板に交換したり、コイルスプリング2
4をばね定数の異る他のスプリングに交換するこ
とにより、第3図に示された減衰力特性の減衰力
の増大率を任意に設定することができる。また環
状シート18及び42を厚さの異る他の環状シー
トに置換えて弁要素17と環状円板19との間の
間隔及び弁要素41と環状円板43との間の間隔
を変化させることにより、例えば第3図に於て太
い破線にて示されている如く、減衰力特性に於け
る遷移点P1及びP2の位置をP1′及びP2′の如き他
の位置に容易に変化させることができる。
尚圧縮コイルスプリング24の図にて下端部を
支持する部材は例えばロツクナツト22に螺合す
るナツトの如く、軸線3に沿つてロツクナツト2
2に対し相対的に変位可能に構成されてよく、そ
の場合には圧縮コイルスプリング24のプレロー
ドを調節することが可能であるので、圧縮コイル
スプリングを交換しなくても第3図に示された減
衰力特性の遷移点P1よりもピストンの移動速度
が大きい領域に於ける減衰力の増大率を容易に調
節することができる。
以上に於ては、ツインチユーブ式シヨツクアブ
ソーバとして構成されピストンの逆止弁に本考案
の構造が採用された本考案による温度補償型流体
式シヨツクアブソーバの一つの実施例について詳
細に説明したが、本考案はかかる実施例に限定さ
れるものではなく、ベースバルブ組立体の逆止弁
に本考案の構造が採用されてもよく、またピスト
ン及びベースバルブ組立体の両方の逆止弁に本考
案の構造が採用されてもよい。また本考案はモノ
チユーブ式シヨツクアブソーバにも適用可能であ
り、また本考案の範囲内にて他の種々の実施例が
可能であることは当業者にとつて明らかであろ
う。
【図面の簡単な説明】
第1図はツインチユーブ式のシヨツクアブソー
バとして構成されピストンの逆止弁に本考案の構
造が採用された本考案による温度補償型流体式シ
ヨツクアブソーバの一つの実施例を示す部分縦断
面図、第2図は第1図に示された実施例の要部を
示す拡大部分断面図、第3図は第1図に示された
実施例及び従来のシヨツクアブソーバのピストン
の移動速度と伸び行程及び縮み行程に於ける減衰
力との関係を示すグラフである。 1……ベースシエル、2……ロアキヤツプ、3
……軸線、4……プレツシヤチユーブ、5……ロ
アキヤツプ、6……リザーバ室、7……ピストン
リング、8……シリンダ壁、9……ピストン、1
0……オイル、11……ピストン上室、12……
ピストン下室、13……ピストンロツド、14…
…通路、15……逆止弁、16……環状ポート、
17……弁要素、18……環状シート、19……
環状円板、20……環状シート、21……カラ
ー、22……ロツクナツト、23……スプリング
シート要素、24……圧縮コイルスプリング、2
5……切欠き溝、26……通路、27……逆止
弁、28……環状ポート、29……弁要素、30
……スプリングシート要素、31……リーフスプ
リング、32……ベースバルブ組立体、33……
弁室、34……連通孔、35……空気、36……
弁座要素、37,38……通路、39……逆止
弁、40……環状ポート、41……弁要素、42
……環状シート、43……環状円板、44……環
状シート、45……環状ストツパ、46……ボル
ト、47……逆止弁、48……環状ポート、49
……弁要素、50……スプリングシート要素、5
1……圧縮コイルスプリング。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 実質的に剛固な材料よりなる隔壁手段により互
    に分離されそれぞれ内部に作動流体を貯容する二
    つの密閉室と、前記二つの密閉室を相互に連通接
    続する通路手段と、一方の密閉室より前記通路手
    段を経て他方の密閉室へ向かう前記作動流体の流
    れのみを許す逆止弁とを含み、前記逆止弁は可撓
    性を有する材料よりなり前記通路手段の前記他方
    の密閉室の側の開口端を覆う板状の弁要素と、可
    撓性を有する材料よりなり実質的に前記弁要素と
    平行に配置された板状の補助スプリング手段と、
    前記補助スプリング手段を前記弁要素より隔置す
    るスペーサ手段と、前記弁要素、前記補助スプリ
    ング手段、前記スペーサ手段を相互に独立した状
    態で前記隔壁手段に取外し可能に固定する固定手
    段と、前記隔壁手段に対し近づく方向及び離れる
    方向に往復動可能に配置され前記補助スプリング
    手段に当接するスプリングシート要素と、前記ス
    プリングシート要素を前記隔壁手段に対し付勢す
    る付勢スプリングとを有し、前記弁要素は前記一
    方の密閉室より前記通路手段を経て前記他方の密
    閉室へ向かう前記作動流体の流れにより開弁方向
    へ弾性変形され、前記一方の密閉室より前記通路
    手段を経て前記他方の密閉室へ向かう前記作動流
    体は必ず開弁状態の前記逆止弁を通過し、前記補
    助スプリング手段は前記弁要素の弾性変形量が所
    定値を越えると前記弁要素により弾性変形される
    よう構成されており、前記スプリングシート要素
    は前記隔壁手段へ向けて突出し前記弁要素の弾性
    変形量が前記所定値以下のときには前記隔壁手段
    に直接当接する突起を有し、前記突起は前記逆止
    弁を通過した前記作動流体が前記他方の室へ自由
    に流れることを許す通路を有する温度補償型流体
    式シヨツクアブソーバ。
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