JPH04305632A - 非線形光学結晶及び非線形レーザー結晶 - Google Patents

非線形光学結晶及び非線形レーザー結晶

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JPH04305632A
JPH04305632A JP9633491A JP9633491A JPH04305632A JP H04305632 A JPH04305632 A JP H04305632A JP 9633491 A JP9633491 A JP 9633491A JP 9633491 A JP9633491 A JP 9633491A JP H04305632 A JPH04305632 A JP H04305632A
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Japan
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crystal
nonlinear
nonlinear optical
general formula
laser
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JP9633491A
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Toru Ebihara
徹 海老原
Hisayoshi Toratani
虎渓 久良
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学結晶に関す
る。本発明の非線形光学結晶は、二次の非線形光学効果
の大きな単結晶であり、レーザーの波長変換素子等に好
ましく用いられる。また、本発明は、外部に波長変換素
子を用いることなくレーザー発振の基本波長の高調波を
直接取り出すことができる非線形レーザー結晶に関する
。さらに本発明は、これら結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、光ディスクの記憶密度の向上、ある
いは各種可視光センサーのために、半導体レーザーや固
体レーザーの波長を可視化したり、あるいは紫外域への
波長を変換することが行なわれるようになっている。そ
のための手段として非線形光学結晶(有機物質、無機物
質)を用いた波長変換素子が知られている。波長変換素
子に半導体レーザーからの光を照射して、光高調波を発
生させたり、あるいは半導体レーザー等の励起用光源か
らの光を固体レーザー材料に照射して、固体レーザーを
発振させ、この光を波長変換素子に照射して、光高調波
を発生させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】無機非線形光学結晶材
料の実用化に際しては、非線形光学効果が大きいことが
重要であるが、それ以外に以下のような条件を満たす事
が望ましい。 1)  高品質の結晶が得られたこと。 2)  室温で位相整合が可能であること。 3)  加工性に優れること。 4)  大気中において安定であること。
【0004】上記条件を比較的満足する無機非線形光学
結晶として、β−BaB2O4がある。β−BaB2O
4は以下のような優れた特徴を持つ(J.Appl.P
hys. 62 (5), 1 September1
987 など)。 1)  二次の非線形光学効果が比較的大きいこと。 2)  吸収端が190nmまであり、紫外域での高調
波発生が可能であること。 3)  機械的強度に優れ、加工性がよいこと。
【0005】しかし、β−BaB2O4は、単結晶の育
成が困難で大きな結晶を得にくく、湿気に対して弱いと
いう欠点を有する。
【0006】一方、非線形レーザー結晶は固体レーザー
結晶と非線形光学結晶の機能を併せもったものであり、
固体レーザーの発振及び波長変換の2つ過程を一つの結
晶内部で実現することができる。代表的なものとしてこ
れまでに以下に示すような結晶が開発されている。
【0007】Nd:MgO :LiNbO3(J.Op
L. Soc. Am.B Vol.3, No.1 
140 January 1986 )Ndx Y1−
xAl3(BO3)4 (J.Appl. Phys.
 66 (12), 15 Decnmber 198
9 )ところが、MgO :LiNbO3は、Nd3+
の添加が困難(イオン半径の大きさの違いから、適当な
置き換えがない)で、このため、良質の結晶の育成が困
難である。また、1.06μmの基本波の第二高調波発
生のために結晶の温度制御が必要(152℃)であり、
室温では使用ができないという欠点を持つ。
【0008】一方、Ndx Y1−xAl3(BO3)
4の場合も、育成が困難であり、良質の結晶はほとんど
得られていない。
【0009】そこで、本発明の目的は、結晶育成が容易
で比較的大きな結晶が得られ、湿気に対して強い非線形
光学結晶を提供することにある。
【0010】さらに本発明の目的は、良質の結晶を得ら
れる非線形レーザー結晶を提供することにある。
【0011】本発明は、非線形光学結晶または非線形レ
ーザー結晶に用いられる単結晶の製造方法を提供するこ
とも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(Ba
1−2xA x R x )B2O4 又は一般式(B
a1−3yR2y )B2O4 (式中、Aはカリウム
、ルビジウムまたはセシウムを示し、Rは希土類元素を
示し、xは0より大きく0.2 以下の数であり、yは
0より大きく0.2 以下の数である)で表わされる非
線形光学結晶に関する。
【0013】さらに、本発明は、一般式(Ba1−2x
A x R x )B2O4 又は一般式(Ba1−3
y R2y)B2O4(式中、Aはカリウム、ルビジウ
ムまたはセシウムを示し、Rは希土類元素を示し、xは
0より大きく0.2 以下の数であり、yは0より大き
く0.2 以下の数である)で表わされる非線形レーザ
ー結晶に関する。
【0014】本発明は、一般式(Ba1−2xA x 
R x )B2O4 又は一般式(Ba1−3yR2y
 )B2O4 (式中、Aはカリウム、ルビジウムまた
はセシウムを示し、Rは希土類元素を示し、xは0より
大きく0.2 以下の数であり、yは0より大きく0.
2 以下の数である)で表される組成を有する溶融液か
ら、上記一般式で表わされる組成の単結晶を製造する方
法であって、単結晶の結晶成長部近傍を急冷しつつ単結
晶を成長させることを特徴とする非線形光学結晶又は非
線形レーザー結晶の製造方法に関する。
【0015】以下、本発明について説明する。上記一般
式中、Rは希土類を示し、希土類とはスカンジウム(S
c) 、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリ
ウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd
)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユー
ロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テレビウム
(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho
)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテル
ビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)である。中でも非
線形光学結晶としては、バリウムとイオン半径が近く、
バリウムとの置き換えが容易であるという観点から、R
をY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの中か
ら選ぶことが好ましい。また、非線形レーザー結晶とし
ては、レーザー発光中心となるという理由から、RをN
d、Er等とすることが好ましい。尚、本願発明の結晶
は、Rとして2種以上の希土類を含むこともできる。同
様に、Aとして2種以上のアルカリ金属を含むこともで
きる。
【0016】x及びyは、結晶の非晶質化を防止するた
めに、 0.2以下とすることが適当である。又、Aで
表わされるアルカリ金属及びRで表わされる希土類が、
結晶中に固溶されるという観点から、x及びyは0を超
えた数であれば良い。但し、β−BaB2O4より湿気
に強く、良質の単結晶とするという観点からxは0.0
01 以上であることが好ましく、非線形レーザー結晶
の場合、同様の観点及びレーザー発振の観点からyは0
.001 以上であることが好ましい。
【0017】β−BaB2O4が高調波発生用結晶とし
て二次の非線形性を持つ原因は1)六員環B3O33−
が存在する、2)その六員環のBa2+に対する配位の
仕方、の2つである。このことから、本発明ではBa2
+部をそのイオン半径に近いイオン(またはイオンの組
み合わせ)で置き換えることによって、この構造を保っ
たまま、すなわち非線形性を保持したままで、結晶の育
成性の改良に成功した。本発明では希土類元素等を非線
形光学結晶の構造を保ったまま(すなわち非線形性を保
持したまま)固溶させることにより、上記の改良を可能
にした。
【0018】以下、本発明の単結晶の製造方法について
一例を挙げて説明する。まず、溶融液の組成が上記一般
式になるように原料を混合し、調製する。原料としては
、炭酸塩、酸化物等一般に用いられているものを適宜用
いれば良く、例えばBaCO3 、H3BO3 、Nd
2O3 、K2CO3 、Cs2O3 、Y2O3、L
a2O3 、Rb2CO3等を挙げられる。 あるいは、これら化合物から予め調製した一般式A0.
5R0.5B2O4で表される焼結体(Aはアルカリ金
属であり、Rは希土類元素である)あるいは希土類元素
とB2O4との焼結体とβ−BaB2O4とを、溶融原
料として用いることもできる。
【0019】原料の混合物は、例えば1100〜130
0℃で1〜30時間加熱して溶融される。本発明では、
得られる単結晶に非線形性を保持させるために、単結晶
の結晶成長部近傍を急冷しつつ単結晶を成長させる。こ
こで急冷とは、例えば50℃/秒以上、好ましくは10
0℃/秒以上の速度での冷却である。このような急冷を
することにより、希土類元素等を固溶したβ−BaB2
O4、即ち、上記一般式の組成を有する結晶を得ること
ができる。単結晶体の育成方法には、上記の如き急冷を
実現できる方法であれば限定はない。例えば、チョクラ
ルスキー法等の公知の方法を採用することができる。
【0020】本発明の結晶の製造方法では、融液成長に
よる結晶の育成が可能である。そのため育成結晶と融液
の組成が同じで、フラックスを不純物として取り込む心
配がない。その結果、良質の結晶を得ることができ、レ
ーザーダメージの点で優れている。さらに、この方法は
フラックスを用いる育成と比較して、成長速度が1〜5
mm/hと50〜100倍速く良質の結晶が短期間に手
にはいるという利点も有する。
【0021】本発明の本結晶は、以下の点で従来の非線
形光学結晶あるいは非線形レーザー結晶より優れている
。 1)  育成が容易で、高品質の結晶を得ることができ
る。 2)  室温で高調波発生が可能であり、温度制御など
が必要ではない。 3)  加工性に優れている。 4)  大気中で安定である。 5)  非線形性が大きい。 6)  高調波発生用のデバイスとしてレーザー材料と
非線形光学素子の組み合わせによる方法に比べて構造が
簡単になり、信頼性が増し、また、より一層の小型化が
可能である。
【0022】したがって、本発明の結晶は高調波発生用
の材料として、また、高調波発生用デバイスの小型化に
関して、きわめて優れたものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1  固溶確認実験 溶融原料として、BaCO3 、H3BO3 、Nd2
O3 、K2CO3 、Cs2O3 、Y2O3、La
2O3 、Rb2CO3を用いて表1に示す化学式中の
x又はyを0.014, 0.028, 0.056,
 0.083,0.11,0.17 及び 0.25 
となるように調合し白金坩堝中にて融解して溶融液を調
製し、この溶融液を急冷して得られた結晶を粉末X線回
折試験により分析した。結果を表1に示す。表中、X線
回折によるピークからβ−BaB2O4型結晶構造を持
つ単一相であり、かつピークのずれにより固溶している
ことが確認されたサンプルは○とし、ガラス化したサン
プルは×とした。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 図3に示すような装置を用いてチョクラルスキー法によ
り、単結晶を育成した。出発原料として、β−BaB2
O4多結晶200.0 gに、Cs0.5Y0.5B2
O4 の組成を有する焼結体44.1gを粉砕混合した
ものを用いた。この原料混合物を白金坩堝中にて110
0℃で溶融し、引上げ速度3mm/hで約16時間かけ
て、単結晶を育成した。得られた単結晶は、良質のβ−
Ba0.8Cs0.1Y0.1B2O4であり、最大径
15mm、長さ50mmであった。
【0026】ちなみに、このような置き換えを行なった
組成の結晶は、純粋なβ−BaB2O4の育成と比較し
て、一般に育成しにくい低温型であるβ型であるにもか
かわらず、容易に育成することができた。得られた結晶
について、以下の試験を行った。
【0027】1)  第二高調波発生の確認上記で得ら
れた結晶を乳鉢で粉砕して得られたβ−Ba0.8Cs
0.1Y0.1B2O4粉末を、2枚のスライドガラス
の間に約500μmの厚さではさみ、これらにNd:Y
AGレーザーの基本波である1.06μmの光を照射し
た。その結果、図1に示すように第二高調波である波長
0.53μmの光の発生を確認した。
【0028】2)  二次の非線形光学定数の評価二次
の非線形光学定数を見積もるために粉末法による評価を
行なった。β−Ba0.8Cs0.1Y0.1B2O4
粉末を2枚のスライドガラスの間に約500μmの厚さ
ではさみ、これらにNd:YAGレーザーの基本波であ
る1.06μmの光を照射して発生した第二高調波の散
乱光強度を同一条件で測定した。β−BaB2O4の粉
末第二高調波(S.H.G.)強度を1としたBa0.
8Cs0.1Y0.1B2O4の粉末S.H.G.強度
(10回測定の平均値)は1.5であった。
【0029】3)  結晶の加工性の評価及び透過率の
測定 得られたβ−Ba0.8Cs0.1Y0.1B2O4単
結晶を約1mmの厚さに切り出した。この時、結晶の切
削加工性は良好であった。次に切り出した試料を研磨し
て平行平板試料を得、その透過率を測定した。その結果
、吸収端はβ−BaB2O4となんら変わりはなかった
【0030】4)  大気中での安定性の評価本実施例
のβ−Ba0.8Cs0.1Y0.1B2O4は、2ケ
月間空気中、室温で放置しても、外見及び物性(粉末S
.H.G.強度)に何ら変化はなかった。
【0031】実施例3 原料として、実施例2のCs0.5Y0.5B2O4 
を他の焼結体に変えることにより(Ba1−2xA x
 R x )B2O4 のA、R及びxを変えて、表2
に示す単結晶を、実施例1と同様にしてチョクラルスキ
ー法により育成した。その結果、実施例1の結晶とほぼ
同じ大きさの最大径15mm、長さ50mmの結晶が得
られた。β−BaB2O4の粉末S.H.G.強度を1
として、得られた結晶の粉末S.H.G.強度(10回
測定の平均値)を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】さらに、これらの結晶を2ケ月間空気中室
温で放置しても外見及び物性(粉末S.H.G.強度)
に何ら変化はなかった。したがって、これらの結晶も実
施例2の結晶と同様に、結晶育成が容易で、比較的大き
な結晶で、湿気に対して強いものであった。
【0034】実施例4 原料として、実施例2のCs0.5Y0.5B2O4 
の代わりに、希土類元素とB2O4との焼結体を用い、
この希土類元素を種々に変えることにより(Ba1−3
yR2y )B2O4 のR及びyを変えた単結晶を実
施例2と同様にして育成した。その結果、実施例2の結
晶とほぼ同じ大きさの最大径15mm、長さ50mmの
結晶が得られた。β−BaB2O4の粉末S.H.G.
強度を1として、得られた結晶の粉末S.H.G.強度
(10回測定の平均値)を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】さらに、これらの結晶を2ケ月間空気中室
温で放置しても外見及び物性(粉末S.H.G.強度)
に何ら変化はなかった。したがって、これらの結晶も実
施例2の結晶と同様に、結晶育成が容易で、比較的大き
な結晶で、湿気に対して強いものであった。
【0037】実施例5 出発原料として、β−BaB2O4多結晶200.0 
gに、Cs0.5Nd0.5B2O4の組成を有する焼
結体50.3gを粉砕混合したもの用いた以外は実施例
2と同様にして単結晶を育成した。得られた単結晶は、
良質のβ−Ba0.8Cs0.1Nd0.1B2O4 
であり、最大径15mm、長さ50mmであった。この
ような置き換えを行なった組成の結晶は、純粋なβ−B
aB2O4の育成と比較して、一般に育成しにくい低温
型であるβ型であるにもかかわらず、容易に育成するこ
とができた。この結晶について以下の試験を行った。
【0038】1)  第二高調波発生の確認乳鉢で粉砕
して得られたβ−Ba0.8Cs0.1Nd0.1B2
O4 粉末を、実施例2と同様にして測定したところ、
図1と同様の波長0.53μmの光の発生を確認した。
【0039】2)  二次の非線形光学定数の評価二次
の非線形光学定数を見積るために粉末法による評価を行
なった。β−Ba0.8Cs0.1Nd0.1B2O4
 粉末について、実施例2と同様にして第二高調波の散
乱光強度を測定した。β−BaB2O4の粉末第二高調
波(S.H.G.)強度を1としたBa0.8Cs0.
1Nd0.1B2O4 の粉末S.H.G.強度(10
回測定の平均値)は1.1であった。
【0040】3)  結晶の加工性の評価及び透過率の
測定 β−Ba0.8Cs0.1Nd0.1B2O4 単結晶
を約1mmの厚さに切り出した。この時、結晶の切削加
工性は良好であった。次に切り出した試料を実施例2と
同様にして透過率を測定した。その結果、Nd3+イオ
ンによる吸収が見られるものの吸収端はβ−BaB2O
4となんら変わりはなかった。
【0041】4)  大気中での安定性の評価得られた
β−Ba0.8Cs0.1Nd0.1B2O4単結晶は
、2ケ月間空気中室温で放置しても外見及び物性(粉末
S.H.G.強度)に何ら変化はなかった。
【0042】5)  図2に示すような実験配置を用い
て、半導体レーザー励起によるNdの基本波1.06μ
m及び第二高調波の発生実験 0.8μmの半導体レー
ザー1を励起光源とし集光レンズ5を介してレーザー発
振実験を行なった。結晶2は3mmφ×5mmで、両端
は平面研磨した。励起光の入射端面は 0.8μmでA
R(無反射)1.06μmでHR(高反射)コート3、
他方の面には1.06μm、0.53μmでARコート
4を施した。集光レンズ6には、1.06μmの光をカ
ットし、0.53μmの光を透過するために出力ミラー
として、1.06μmでHR、0.53μmでARした
ものを用いた。この実験配置でレーザー基本波1.06
μmとその第二高調波0.53μmのcwレーザー発振
が観測された。
【0043】以上より、β−Ba0.8Cs0.1Nd
0.1B2O4 結晶は固体レーザー材料と非線形光学
材料の2つの機能を持ち、高調波発生に有用な材料であ
り、大気中で安定、結晶育成が容易で結晶加工性にも優
れていた。
【0044】実施例6 原料として、実施例5のCs0.5Nd0.5B2O4
を種々に変えることにより(Ba1−2xA x R 
x )B2O4 のA、R及びxを変えた単結晶を実施
例5と同様にして育成したところ、実施例5の結晶とほ
ぼ同じ大きさの最大径15mm、長さ50mmの結晶が
得られた。これらの結晶と二次の非線形光学定数の評価
の結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】さらに、これらの結晶を2ケ月間空気中室
温で放置しても外見及び物性(粉末S.H.G.強度)
に何ら変化はなかった。したがって、これらの結晶も実
施例4の結晶と同様に、固体レーザー材料と非線形光学
材料の1つの機能を持ち、結晶育成が容易で、比較的大
きな結晶で、湿気に対して強いものであった。
【0047】実施例7 原料として、実施例5のCs0.5Nd0.5B2O4
の代わりに、NdとB2O4との焼結体を用い、Ba0
.7Nd0.2B2O4の単結晶を実施例5と同様にし
て育成した。その結果、実施例5の結晶とほぼ同じ大き
さの最大径15mm、長さ50mmの結晶が得られた。 β−BaB2O4の粉末S.H.G.強度を1として、
得られた結晶の粉末S.H.G.強度(10回測定の平
均値)は、1.1であった。
【0048】さらに、これらの結晶を2ケ月間空気中室
温で放置しても外見及び物性(粉末S.H.G.強度)
に何ら変化はなかった。したがって、これらの結晶も実
施例5の結晶と同様に、固体レーザー材料と非線形光学
材料の2つの機能を持ち、結晶育成が容易で、比較的大
きな結晶で、湿気に対して強いものであった。
【0049】以上、本発明の実施例について説明したが
、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 また、本実施例の単結晶を製造するにあたり、出発原料
として、β−BaB2O4多結晶、Cs0.5Y0.5
B2O4 等の組成を有する焼結体等を用いたが、出発
原料はこれらに限定されるものではなく、出発原料とし
て、市販のBaCO3 、H3BO3 、Cs2CO3
、Y2O3等の試薬を用いても良い。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、 1.育成が容易、 2.室温で位相整合可能で、 3.加工性にすぐれ、 4.大気中で安定、 5.非線形光学効果が大きく、 6.より一層のデバイスの小型化が可能といった優れた
特徴をもつ非線形光学結晶が得られた。
【0051】また、希土類元素を選択することにより固
体レーザー材料と非線形光学材料の2つの機能を有する
結晶となる。さらに添加する元素の種類を変えることに
よって、他の波長(例えばさらに波長の短い紫外光)を
得ることも可能となる。この材料は光高調波発生用材料
として好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】YAGレーザー(波長1.06μm)の第二高
調波の発光スペクトル。
【図2】レーザー発振器の模式図。
【図3】チョクラルスキー法単結晶製造装置の模式断面
図。
【符号の説明】
1  半導体レーザー 2  単結晶 3  高反射コート 4  無反射コート 5  集光レンズ 6  集光レンズ 11  引上げシャフト 12  上蓋 13  白金製冷却コイル 14  ルツボ 15  原料融液 16  ヒーター 17  ルツボ台 18  断熱材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(Ba1−2xA x R x
     )B2O4 又は一般式(Ba1−3yR2y )B
    2O4 (式中、Aはカリウム、ルビジウムまたはセシ
    ウムを示し、Rは希土類元素を示し、xは0より大きく
    0.2 以下の数であり、yは0より大きく0.2 以
    下の数である)で表わされる非線形光学結晶。
  2. 【請求項2】  一般式(Ba1−2xA x R x
     )B2O4 又は一般式(Ba1−3y R2y )
    B2O4(式中、Aはカリウム、ルビジウムまたはセシ
    ウムを示し、Rは希土類元素を示し、xは0より大きく
    0.2 以下の数であり、yは0より大きく0.2 以
    下の数である)で表わされる非線形レーザー結晶。
  3. 【請求項3】  一般式(Ba1−2xA x R x
     )B2O4 又は一般式(Ba1−3yR2y )B
    2O4 (式中、Aはカリウム、ルビジウムまたはセシ
    ウムを示し、Rは希土類元素を示し、xは0より大きく
    0.2 以下の数であり、yは0より大きく0.2 以
    下の数である)で表される組成を有する溶融液から、上
    記一般式で表わされる組成の単結晶を製造する方法であ
    って、単結晶の結晶成長部近傍を急冷しつつ単結晶を成
    長させることを特徴とする非線形光学結晶又は非線形レ
    ーザー結晶の製造方法。
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