JPH04297001A - 無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体 - Google Patents

無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体

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JPH04297001A
JPH04297001A JP3062204A JP6220491A JPH04297001A JP H04297001 A JPH04297001 A JP H04297001A JP 3062204 A JP3062204 A JP 3062204A JP 6220491 A JP6220491 A JP 6220491A JP H04297001 A JPH04297001 A JP H04297001A
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哲彌 逢坂
Jun Kawaguchi
純 川口
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属・セラミックス・
合成樹脂等で形成された基材表面を覆う無電解Ni−R
e−P合金により作製された、極めて高い比抵抗と低い
温度抵抗係数(TCR)を有し、しかもこれらの電気抵
抗特性が極めて高温まで安定に維持する薄膜抵抗体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】無電解めっき法により作製されたりん含
有量5〜15重量%のNi−P合金薄膜は、微結晶、な
いしはアモルファス層で形成されており、比較的高い比
抵抗と低い温度抵抗係数(以下TCRと称する)を有す
ることから、金属薄膜型の電気抵抗材料として断続通電
用部品(ディスクリート部品)やハイブリッドIC等に
利用されている。ただし、この良好な電気抵抗特性はN
i−P合金の微結晶構造、ないしはアモルファス構造に
より得られており、これらの構造は熱力学的に準安定状
態なので耐熱性に劣るという欠点を有する。これは、抵
抗材料自体が本質的に発熱部品であること、しかもその
製造工程、組み付け工程には必ずといってよいほど加熱
過程が存在することを考慮すると極めて重要な問題であ
る。
【0003】この問題に対処する方法として、第3元素
としてW、Moなどの高融点金属をNi−P合金に共析
させることが検討されてきた。例えば、無電解Ni−1
3重量%P合金薄膜では比抵抗140μΩcm、TCR
118ppm/℃の特性を高々300℃までしか維持で
きないが、Wを共析させた無電解Ni−20重量%W−
6重量%P合金薄膜ではより高い比抵抗190μΩcm
、およびより低いTCR56ppm/℃を有し、しかも
これらの特性を約400℃まで維持することができる。 さらに、Moを共析させた無電解Ni−19重量%Mo
−1重量%P合金薄膜では、比抵抗150μΩcm、T
CR130ppm/℃の特性を約500℃まで維持する
ことができる(抵抗特性の絶対値はNi−W−P合金よ
り劣る)。なお、これらのデータの詳細については、「
逢坂,小岩,川口; 表面技術, 40. 807 (
1989)」等の文献に記載されている。
【0004】ただし、これらの無電解めっき法により作
製された薄膜抵抗材料を、通常の金属薄膜型抵抗材料と
比較するとTCRがやや劣ることがわかる(表1)。さ
らに、一般に金属材料は薄膜化することにより比抵抗が
上昇し、TCRが減少することが知られているので(L
.I.Maissel and R.Glang; ”
Handbook of Thin FilmTech
nology”, p.18−6 (McGraw−H
ill, 1970) 等)、表1に示した金属抵抗材
料が実際には真空蒸着やスパッタリングなどの乾式成膜
法を用いて作製されていることを考慮すると、表1に示
す以上の特性を発現することも可能である。これに対し
、無電解めっき法などの湿式成膜法は、乾式成膜法に比
較して、コスト・量産性において優れるものの、極薄膜
領域での膜厚や物性が不安定であるために、薄膜化する
ことにより抵抗特性の向上を期待するのは困難である。 従って、無電解めっき法による薄膜抵抗材料は、その用
途が比較的抵抗値の低い領域、TCRが高くても許容さ
れる領域に限定されているのが現状である。
【0005】
【表1】
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】しかるに、無電解め
っき法の低コストで、しかも量産性に優れるという長所
を活かしつつ、かつ高抵抗領域、高精密領域にその用途
を広げるためには以下に述べる特性を満足することが課
題となる。 イ.より比抵抗値の高い材料を開発すること。 ロ.より温度抵抗係数(TCR)の低い材料を開発する
こと。 ハ.これらの比抵抗値、TCRがより高い温度まで安定
に維持されること。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明はかか
る技術的背景の下に創案されたものであり、極めて高い
比抵抗と低いTCRを有し、しかもこれらの電気抵抗特
性が極めて高い温度まで安定に維持することが可能な無
電解Ni系合金薄膜抵抗材料の開発を目的としたもので
ある。そして、この目的はNi−P合金に対し、W・M
oと並ぶ高融点金属であるレニウム(以下Reと称する
)を第3元素として共析させた無電解Ni−Re−P合
金を作製することにより達成される。
【0008】本発明者らは、無電解Ni−P合金に対す
るReの共析、並びにこれにより作製された無電解Ni
−Re−P合金薄膜の熱変化挙動に関する研究を行った
。Reの共析は従来の無電解めっき浴に対し、過レニウ
ム酸アンモニウムを添加することにより行ったが、めっ
き浴を最適化することによりReについては0〜75重
量%、Pについては0〜16重量%の範囲で共析が可能
となった。これはWの最大共析量20重量%(I.Ko
iwa, M.Usuda and T.Osaka;
 J.Electrochem.Soc., 135,
 1222 (1988)等)、Moの最大共析量22
重量%(I.Koiwa, M.Usuda,K. Y
amada and T.Osaka; J.Elec
trochem.Soc., 135, 718 (1
988) 等)と比較すると飛躍的な共析量と言うこと
ができる。以下、これらの無電解Ni−Re−P合金薄
膜の電気抵抗特性とそれらの加熱による変化について概
説する。
【0009】無電解Ni−Re−P合金薄膜は、薄膜中
のRe含有量が大きければ大きいほど高い比抵抗を有す
るが、60重量%を境にその性質が大きく2つに分類さ
れる。イ.Re含有量60重量%以下の場合Re含有量
の増加とともに比抵抗は徐々に上昇し、例えばRe含有
量45重量%のとき比抵抗は約150μΩcmとなり、
通常の無電解Ni−P系合金薄膜と同様の値を示し、6
0重量%になると比抵抗は約350μΩcmと極めて高
い値を示す。また、TCRは負の値ではあるが、それぞ
れ−30〜−35ppm/℃と通常のNi−P系合金に
比較するとその絶対値は明らかに低い。また、これらの
皮膜に熱処理を施すと比抵抗値は温度の上昇にともない
徐々に減少するが、500℃までは通常のNi−P系合
金より優れた値を示す。しかも、TCRはむしろ熱処理
を施した方が、その絶対値は低く、10〜20ppm/
℃と極めて良好な値を示す。従って、精密用途に用いる
場合や、高温で使用する場合は熱処理を施すことが推奨
される。
【0010】ロ.Re含有量60重量%を超える場合こ
の領域では薄膜中のRe含有量が増加すると、比抵抗は
指数関数的に増加し、最大約3600μΩcmにもなる
。通常の無電解めっき皮膜でこのような大きな比抵抗を
示す場合には、めっき時の内部応力による皮膜の割れや
、酸化物の形成などが考えられるが、走査型電子顕微鏡
(SEM)やX線光電子分光法(XPS)などによる観
察によればこれらのような異常はみられなかった。現在
のところこの原因は不明であるが、めっき時に発生する
ガス等が吸着し、絶縁層を形成したものと考えられる。 事実、この領域の薄膜はTCRが−60〜−150pp
m/℃と大きく負の値を示し、半導体的な性質を示唆し
ている。しかも、この領域の皮膜の比抵抗値は高々10
0〜200℃での加熱で急激に400μΩcm程度まで
減少してしまうのでそのままでは使用できない。これに
対して200〜500℃で熱処理を施すことにより安定
化することができる。
【0011】イ.の領域の皮膜と比較すると、同じ温度
で熱処理した場合の比抵抗は、ロ.の領域の方が大きな
値を示すので、高比抵抗でかつ高温まで安定であること
が必要な場合はロ.の領域の皮膜を熱処理して用いるべ
きである。TCRについてはイ.と同様、熱処理を施す
ことにより±20ppm/℃程度になり、極めて良好な
値を示す。
【0012】以上のことより、無電解Ni−Re−P合
金薄膜抵抗体は従来の無電解Ni−P系合金薄膜抵抗体
に比較して、全てにおいて極めて良好な電気抵抗特性を
有することがわかる。しかし、これらの良好な電気抵抗
特性は他のNi−P系合金薄膜同様、皮膜構造が非晶質
であることにより説明できる。前述のイ,ロの組成領域
全てについて、X線回折(XRD)や電子線回折(TH
EED)による構造解析を行うと、500℃まで熱処理
しても非晶質状態が維持されていることがわかる。
【0013】例えば、無電解Ni−P合金薄膜では30
0℃、無電解Ni−W−P合金薄膜では400℃で非晶
質状態が失われるので、Reは非晶質状態を極めて安定
化する効果を有するといえる。これは先に述べたように
、ReはW、Mo等に比較してその共析量が極めて大き
く、これがその一因となっているのであろう。一方、無
電解Ni−Mo−P合金薄膜では適度に熱処理を施すこ
とによりNi−Re−P合金薄膜同様500℃までの熱
的安定性を有するが、この皮膜は一部意識的に結晶質層
を形成させることにより熱的安定化を図っているので、
結晶質部分が金属的な電気物性を示すので抵抗特性がや
や劣る(比抵抗が低く、TCRが高い)。
【0014】本発明で対象とする無電解Ni−Re−P
合金薄膜抵抗体の好適なるRe含有量は5〜75重量%
、P含有量1〜14重量%である。しかし、不純物とし
て微量のCo、Cu、Cr、Fe等の金属元素が薄膜中
に共存しても支障はない。また、他の無電解Ni系薄膜
抵抗材料では、実際の使用において安定化のための熱処
理を施されていることを考慮すると、本発明による無電
解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体においても、より精密
で、より高い熱的安定性を要求するために200〜50
0℃の温度で熱処理(例えば1時間程度)することが推
奨される。特に、Re含有量60重量%以上の抵抗体で
はこの熱処理は不可欠である。
【0015】
【実施例】(実施例1)<Ni−45重量%Re−6重
量%P合金薄膜形成> 96%α−アルミナセラミックスを基板として用い、無
電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体を作製した。
【0016】無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体製造
工程は以下の通りである。 イ.脱脂…セラミックス基板を常温でエタノール中に浸
漬し、10分間超音波洗浄を施した。 ロ.活性化、水洗…SnCl2(1g/l)、36%H
Cl(1ml/l)水溶液に1分間浸漬(常温)した後
、脱イオン水洗を行った。 ハ.触媒化…PdCl2(0.1g/l)、36%HC
l(0.1ml/l)水溶液中に1分間浸漬(常温)し
た後、脱イオン水洗を行った。 ニ.反復処理…前記ロ、ハの処理を再度行った。 ホ.無電解めっき、水洗…前記処理後のセラミックス基
板を無電解Ni−Re−P合金めっき浴中に浸漬し、R
e含有量45重量%、P含有量6重量%、膜厚1.5μ
mのNi−Re−P合金皮膜を得た後、脱イオン水洗を
行い熱風にて乾燥した。めっき浴組成は以下に示す通り
である。なお、膜厚の調整は処理時間の選択によって行
われる。         NaH2PO2・H2O      
         0.10   mol/L    
    Na3C6H5O7・2H2O       
    0.40   mol/L        N
iSO4・6H2O                
0.075 mol/L        NH4ReO
4                      0.
005 mol/L *注:NaOH、H2SO4によりpHを9.0に調整
した。めっき浴温度は90℃とした。
【0017】抵抗特性の評価 イ.比抵抗値は4探針直流法により測定した。 ロ.TCRは冷凍器付恒温槽中において−60〜70℃
の温度範囲で温度に対する抵抗変化を測定し、その時の
温度−抵抗直線の傾きを25℃における抵抗値で除算し
て求めた。 ハ.加熱に対する皮膜の安定性は、真空熱処理炉にて2
00、300、400、500、600、700、80
0℃の各温度で1時間熱処理した後の皮膜について、イ
.ロで述べた比抵抗、TCRを測定することにより評価
した。
【0018】(実施例2)  Ni−60重量%Re−
3重量%P合金薄膜形成 基本的に実施例1と同様の方法で試料を作製した。ただ
し、無電解めっき浴のNH4ReO4を0.01mol
/L とすることにより、Re含有量60重量%、P含
有量3重量%なる無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体
を得た。また、抵抗特性の評価方法も実施例1と同様の
方法を用いた。加えて、500℃で1時間熱処理するこ
とにより十分に安定化させた皮膜を作製し、真空炉中で
加熱過程の抵抗変化を連続的に測定(昇温速度:10℃
/分)することにより、より実際的に熱的安定性を立証
した。
【0019】(実施例3)  Ni−70重量%Re−
2重量%P合金薄膜形成 基本的に実施例1と同様の方法で試料を作製した。ただ
し、無電解めっき浴のNH4ReO4を0.02mol
/L とすることにより、Re含有量70重量%、P含
有量2重量%なる無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体
を得た。また、抵抗特性の評価方法も実施例1と同様の
方法を用いた。
【0020】(実施例4)  Ni−75重量%Re−
1重量%P合金薄膜形成 基本的に実施例1と同様の方法で試料を作製した。ただ
し、無電解めっき浴のNH4ReO4を0.03mol
/L とすることにより、Re含有量75重量%、P含
有量1重量%なる無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗体
を得た。また、抵抗特性の評価方法も実施例1と同様の
方法を用いた。
【0021】(比較例1)  Ni−15重量%P合金
薄膜形成 基本的に実施例1と同様の方法で試料を作製した。ただ
し、無電解めっきは以下に示す浴を用いて行い、P含有
量15重量%なる無電解Ni−P合金薄膜抵抗体を得た
。また、抵抗特性の評価方法は実施例1と同様の方法を
用いた。ただし、熱処理温度は300℃のみとした。         NaH2PO2・H2O      
         0.15   mol/L    
  (NH4)2SO4              
        0.50   mol/L     
   Na3C6H5O7・2H2O        
   0.20   mol/L        Ni
SO4・6H2O                0
.10   mol/L *注:NaOHによりpHを6.0に調整した。めっき
浴温度は90℃とした。
【0022】(比較例2)  Ni−20重量W−6重
量%P合金薄膜形成 基本的に実施例1と同様の方法で試料を作製した。ただ
し、無電解めっきは以下に示す浴を用いて行い、W含有
量20重量%、P含有量6重量%なる無電解Ni−W−
P合金薄膜抵抗体を得た。また、抵抗特性の評価方法は
実施例1と同様の方法を用いた。ただし、熱処理温度は
400℃のみとした。また、この皮膜を400℃にて1
時間熱処理することにより安定化させ、実施例2で行っ
た真空熱処理炉による連続昇温中の抵抗変化についても
測定した。         NaH2PO2・H2O      
         0.10   mol/L    
    Na3C6H5O7・2H2O       
    0.60   mol/L        N
iSO4・6H2O                
0.075 mol/L        Na2WO4
・2H2O               0.60 
  mol/L *注:NaOHによりpHを9.0に調整した。めっき
浴温度は90℃とした。
【0023】(比較例3)  Ni−19重量%Mo−
1重量%P合金薄膜形成 基本的に実施例1と同様の方法で試料を作製した。ただ
し、無電解めっきは以下に示す浴を用いて行い、Mo含
有量19重量%、P含有量1重量%なる無電解Ni−M
o−P合金薄膜抵抗体を得た。また、抵抗特性の評価方
法は実施例1と同様の方法を用いた。ただし、熱処理温
度は500℃のみとした。また、この皮膜を500℃に
て1時間熱処理することにより安定化させ、実施例2で
行った真空熱処理炉による連続昇温中の抵抗変化につい
ても測定した。         NaH2PO2・H2O      
        0.20  mol/L      
  Na3C6H5O7・2H2O         
 0.10  mol/L        C2H4O
3                        
0.20  mol/L        NiSO4・
6H2O               0.10  
mol/L        Na2MoO4・2H2O
            0.01  mol/L *注:NaOHによりpHを9.0に調整した。めっき
浴温度は90℃とした。
【0024】(試験結果)図1、図2に種々の温度で熱
処理後の実施例1〜4で述べた無電解Ni−Re−P合
金薄膜抵抗体の比抵抗値とTCRの変化を示す。図1の
比抵抗値の変化を見ると実施例1、2の皮膜(Re含有
量60重量%以下の皮膜)は熱処理温度が上昇するに従
い、徐々に比抵抗値が減少し、500℃を超えると、さ
らに大きく減少することがわかる。一方、実施例3、4
の皮膜(Re含有量60重量%を超える皮膜)では、め
っきしたままでは極めて大きな比抵抗を示すが、200
℃での熱処理で急激に減少し、その後500℃までは緩
やかに減少する。そして、500℃を超えると再び大き
く減少する。500℃以上での変化は図2のTCRの変
化を見るとより明らかである。実施例1、2の皮膜は熱
処理温度500℃まではほぼゼロに近い値を維持し、5
00℃を超えると急激に増加する。また、実施例3、4
の皮膜ではめっきしたままの状態では大きく負の値を取
るが、200〜500℃でほぼゼロ付近に安定し、50
0℃を超えると急激に増加する。
【0025】以上の結果より、「課題を解決するための
手段および作用」において述べた次の事項が立証される
。 1)Re含有量60重量%以下の皮膜は常温から500
℃にかけて安定な抵抗特性を有する。 2)Re含有量60重量%を超える皮膜では、めっきし
たままでは不安定なため、200〜500℃での熱処理
が必要であるが、Re含有量60重量%以下の皮膜に比
べて高い比抵抗を有し、同様に500℃まで抵抗特性は
安定である。
【0026】次に、表2に各々の実施例、及び比較例に
おいて作製した皮膜のめっきしたままと、熱処理後の電
気抵抗特性(比抵抗、TCR)を比較する。表2で( 
 )内は熱処理後の値を示す。ここで、熱処理温度は各
々の皮膜の最大耐熱温度を採用した。すなわち、Ni−
Re−P合金については500℃、Ni−P合金につい
ては300℃、Ni−W−P合金については400℃、
Ni−Mo−P合金については500℃である。
【0027】表2より、明らかに無電解Ni−Re−P
合金薄膜は高い比抵抗と低いTCRを有し、しかも高い
温度までそれらの抵抗特性が安定であることがわかる。 また、比較例で示した皮膜では、熱処理することにより
TCRの絶対値は増加するが、Ni−Re−P合金薄膜
では逆に減少しており、安定化のための熱処理効果がよ
り顕著であることが示されている。
【0028】
【表2】
【0029】表2 各種無電解Ni−P系合金薄膜の比
抵抗とTCR。熱処理後の値を(  )にて示す。さら
に、図3では実施例2(Ni−Re−P)、及び比較例
2(Ni−W−P)、比較例3(Ni−Mo−P)の皮
膜について、昇温に対する連続的な抵抗変化を示した。 これによれば、以上の比抵抗測定等からもわかるように
全温度領域において実施例2が高い比抵抗を維持し、し
かも500℃を超えるまでその抵抗値には殆ど変化がみ
られない。これに対し、比較例2では300〜400℃
付近に比抵抗値の僅かな振動がみられ、400℃を超え
ると急激に減少する。さらに、比較例3では500℃ま
で比抵抗の減少はみられないが、TCRが大きなことに
起因する連続的な比抵抗値の増大が認められる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、無電解
Ni−Re−P合金薄膜抵抗体では従来の無電解Ni系
合金薄膜抵抗体に比較して、イ.約1.5〜2倍の比抵
抗値を有する、ロ.極めて低いTCRを有し、しかも熱
処理を施すことによりその絶対値はほぼゼロに近づく、
ハ.安定化のための熱処理を施すことにより、500℃
までの耐熱性を有する、という利点を得ることができる
。これらのことは、先に述べたように従来低抵抗用途に
限定されていた無電解めっき薄膜抵抗体の応用範囲を、
より高い抵抗領域、より精密さを要求される領域に広げ
るものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明による無電解Ni−Re−P合金薄膜抵抗
体の熱的安定性を示すために、種々の温度で熱処理した
後の比抵抗の変化を示した図(黒塗り三角:実施例1、
△:実施例2、●:実施例3、○:実施例4)、図2は
同じく本発明による無電解Ni−Re−P合金薄膜を種
々の温度で熱処理した後のTCR変化を示した図(黒塗
り三角:実施例1、△:実施例2、●:実施例3、○:
実施例4)、図3は無電解Ni−Re−P合金薄膜(実
施例2)を最適温度(500℃1時間)で安定化熱処理
した皮膜の実際の熱的安定性を調べるために、無電解N
i−W−P合金薄膜(比較例2、400℃1時間熱処理
)と無電解Ni−Mo−P合金薄膜(比較例3、500
℃1時間熱処理)と比較しながら、真空加熱炉中にて連
続的に昇温した場合の比抵抗変化を示した図、である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無電解めっき法により基材上に形成された
    、レニウム含有量5〜75重量%、りん含有量1〜14
    重量%のNi−Re−P合金薄膜抵抗体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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