JPH04296388A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表示素子等に用いられ
る液晶表示素子に使用する液晶組成物および該液晶組成
物を用いた液晶表示素子に関する。

【０００２】

【従来の技術】薄膜トランジスタなどに用いられるアク
ティブマトリックス駆動液晶表示素子において液晶材料
はフレーム周波間の蓄積電荷を保持しなければならない
。そのため液晶材料にはフレーム周波間の蓄積電荷の保
持能力の高い、すなわち電圧保持率の高い材料を用いる
ことが必須となっている。これらの液晶材料においては
通常イオン性不純物を含みにくいフッ素原子、トリフル
オロメチル基などのフルオロメチル基、トリフルオロメ
トキシ基などのフルオロメトキシ基等のフッ素原子を含
む置換基をもつフッ素系液晶材料を従来のシアノ基を含
む液晶材料の代りに用いることが行なわれてきた。しか
しながらこれらの液晶材料に二色性色素を添加すると、
しばしばホスト液晶材料のもつ電圧保持率特性を大きく
損うという問題があり、これによりゲストホスト液晶組
成物を用いたアクティブマトリックス駆動液晶表示素子
の実用化は困難であった。

【０００３】そしてこの二色性色素および二色性色素を
添加したゲストホスト液晶組成物については電圧保持率
と他のパラメータとの因果関係が明らかになっていない
。このため色素に含まれるイオン性不純物による影響で
あるかあるいは色素の分子構造に起因するものかの判別
が困難であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクティブ
マトリックス駆動が可能である電圧保持率の高いゲスト
ホスト液晶組成物および液晶表示素子を提供する事を目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らはゲストホス
ト液晶組成物において電圧保持率が損なわれるという前
記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、二色性色素を
添加した液晶組成物の低周波における分極反転現象に流
れる電流が二色性色素の分子構造と電圧保持率に相関し
ていることを見い出した。具体的にはポリイミド系樹脂
等の配向剤を塗布硬化後、ラビング処理した透明電極付
き基板を有し、液晶組成物が均一な配向をするギャップ
５０μｍ以下好ましくは５〜１０μｍのセルに液晶組成
物を封入し、「液晶・基礎編、岡野光治・小林駿介共編
、培風館発行、第１５０頁ないし第１５１頁」記載され
ている方法と同様な方法で、このセルに周波数１〜６０
Ｈｚ好ましくは１０〜１５Ｈｚの三角波で、かつ液晶の
しきい値電圧以上の電圧を印加した際、液晶セルに流れ
る分極反転電荷量が二色性色素を添加した液晶組成物中
の色素の分子構造と電圧保持率に依存し、さらに二色性
色素を添加していないホスト液晶材料において生じる電
荷量に対し二色性色素を添加した液晶組成物の電荷量が
３倍以下好ましくは２倍以下であれば、ゲストホスト液
晶組成物の電圧保持率がホスト液晶材料のもつ電圧保持
率の８０ないし９０％以上に保持することが可能である
という新規な知見に基づくものである。

【０００６】すなわち本発明は二色性色素を含む液晶組
成物を低周波で駆動した際生じる分極反転電荷が二色性
色素の分子構造に依存し、かつ電圧保持率と相関すると
いう新規な知見に基づいている。本発明の要旨は二色性
色素を含む液晶組成物の分極反転電荷がホストとなるフ
ッ素系液晶材料の分極反転電荷量に対し３倍以下と充分
に小さい二色性色素、二色性色素を添加した液晶組成物
およびこれを用いた液晶表示素子に存する。

【０００７】さらに詳しくは、二色性色素をフッ素系液
晶材料に添加した液晶組成物を、少なくとも一方が透明
な電極付き基板を有し、かつ基板表面に絶縁層を形成し
、好ましくは配向処理したギャップ５０μｍ以下、好ま
しくは５〜１０μｍの液晶セルに封入し、このセルに周
波数１〜６０Ｈｚ好ましくは１０ないし１５Ｈｚの三角
波であって、かつ液晶組成物のしきい値電圧以上の電圧
を印加した際、印加電圧の極性が反転した後に液晶セル
に流れるキャパシタ成分のチャージ電流と共にピークと
して生じる分極反転電流の電荷量がフッ素系液晶材料の
みにおいて生じる分極反転電流の電荷量に対し３倍以下
好ましくは２倍以下である二色性色素を添加したアクテ
ィブマトリックス駆動用ゲストホスト液晶組成物に存す
る。

【０００８】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する二色性色素としては、好ましくは、次の一般式
〔Ｉ〕〜〔ＩＶ〕で示されるものが挙げられる。

【０００９】

【化１】 （式中、Ｒ１　は水素原子、アルキル基、アルコキシア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、Ｒ２　
はアルキル基、アルコキシアルキル基、アリールメチル
基、Ｒ３　〜Ｒ５　は水素原子、メチル基、メトキシ基
、ハロゲン原子を示すか、又はＲ４　とＲ５　はそれぞ
れ隣接した炭素原子に置換している場合は、互いに連結
して芳香環を形成してもよい。）

【００１０】

【化２】 （式中、Ｒ６　は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
、アルコキシアルキル基、アルコキシ基又はアルキル基
を有しても良いシクロヘキシル基を示し、Ｘ１　は水素
原子、ハロゲン原子又は置換基を有しても良いカルボン
酸エステル基を示す。）

【００１１】

【化３】 （式中、Ｒ７　及びＲ８　は水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基又は
アルキル基を有しても良いシクロヘキシル基を示す。）

【００１２】

【化４】 （式中、Ｒ９　及びＲ１０は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシアルキル基、アルコキシ基を示す。）

【００１
３】また本発明に用いるフッ素系液晶材料としては、下
記に構造式で示されるような各種液晶化合物単独および
これらの混合した組成物が挙げられる。

【化５】 （式中Ｒ′、Ｘはそれぞれ単独してアルキル基、アルコ
キシ基、アルキルフェニル基、アルコキシアルキルフェ
ニル基、アルコキシフェニル基、アルキルシクロヘキシ
ル基、アルコキシアルキルシクロヘキシル基、アルキル
シクロヘキシルフェニル基、シアノフェニル基、シアノ
基、ハロゲン原子、フルオロメチル基、フルオロメトキ
シ基、アルキルフェニルアルキル基、アルコキシアルキ
ルフェニルアルキル基、アルキルシクロヘキシルアルキ
ル基、アルコキシアルコキシシクロヘキシルアルキル基
、アルコキシフェニルアルキル基、アルキルシクロヘキ
シルフェニルアルキル基を示し、Ｙは水素原子、ハロゲ
ン原子を示し、さらにこれらのアルキル鎖及びアルコキ
シ鎖中に光学活性中心を有しても良い。又、Ｒ′、Ｘ中
のフェニル基又はフェノキシ基は、フッ素原子、塩素原
子などのハロゲン原子で置換されていても良い。又各式
中のフェニル基は１個または２個のフッ素原子、塩素原
子等のハロゲン原子で置換されていても良い。但し各液
晶化合物は１分子中に１個以上のフッ素原子を有するこ
とが必要である。）

【００１４】式中の液晶化合物はいずれも誘電異方性が
正であるが、誘電異方性が負の公知の液晶も誘電異方性
が正の液晶と混合して、全体として正の液晶にして用い
ることができる。また、誘電異方性が負の液晶でも、適
当な素子構成および駆動方式を用いればそのまま使用で
きる。前記の液晶化合物はさらにコレステリルノナノエ
ートのような光学活性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤
などの添加物を含有しても良い。

【００１５】本発明の液晶組成物は前記構造式〔Ｉ〕〜
〔ＩＶ〕で示される色素を前記のフッ素系液晶材料に溶
解させることにより、容易に調整することができる。色
素の使用量は液晶材料に対して０．１〜１５重量％、好
ましくは０．５〜５重量％である。このように調整され
た液晶組成物を、少なくとも一方が透明でかつ基板表面
に絶縁層が形成され、好ましくは配向処理された電極付
基板間（ギャップ５０μｍ以下、好ましくは５〜１０μ
ｍ）に挟持させることにより、例えば、「液晶デバイス
ハンドブック、日本学術振興会第１４２委員会編、日刊
工業新聞社発行、第３１５頁から第３２９頁」等に記載
されているＨｅｉｌｍｅｉｅｒ型ゲストホスト、相転移
型ゲストホストや「液晶デバイスハンドブック、日本学
術振興会第１４２委員会編、日刊工業新聞社発行、第３
６７頁から第３７０頁」等に記載されている高分子分散
型ゲストホストなどのゲストホスト効果を応用した各種
表示素子を構成することができる。

【００１６】

【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、その要旨を越えない限り以下に限定
されるものではない。 実施例１及び比較例１ 下記の一般式〔１〕〜〔４〕並びに〔ａ〕〜〔ｂ〕で示
される二色性色素

【００１７】

【化６】

【００１８】

【化７】 を商品名ＺＬＩ−４７９２（Ｅ．ＭＥＲＣＫ社製）とし
て市販されているフッ素系液晶材料を主成分とする液晶
混合物（しきい値電圧３．０７Ｖ）に重量パーセント濃
度で１％となるように溶解させて、液晶組成物を調製し
た。これらをポリイミド系樹脂を塗布硬化後、ラビング
処理した透明電極付きガラス板からなり、平行配向させ
るように構成されたギャップ９μｍのセルに封入した。 これらのセルを１１０℃の恒温下で１時間ベークした後
、１００℃下で周波数１０Ｈｚ、振幅１０Ｖの三角波を
印加し、セルに流れる分極反転電流を観測した。さらに
同温度下での電圧保持率を測定した。これら分極反転電
荷量と電圧保持率の値を、ホスト液晶であるＺＬＩ−４
７９２の分極反転電荷量と電圧保持率の値をそれぞれ１
としたときの比として比分極反転電流および比電圧保持
率を算出した。

【００１９】その結果を下記表１に示す。

【表１】 この結果、比反転電流が３以下である色素〔１〕〜〔４
〕を用いた液晶組成物は電圧保持率がホスト液晶材料の
みの場合の値に対して９０％以上であったが、比反転電
流が３より大きい場合は保持率が低かった。

【００２０】実施例２及び比較例２ 実施例１の一般式〔１〕〜〔４〕並びに〔ａ〕及び〔ｂ
〕で示される二色性色素を商品名ＺＬＩ−４８０１−０
００（Ｅ．ＭＥＲＣＫ社製）として市販されているフッ
素系液晶材料を主成分とする液晶混合物（しきい値電圧
３．３２Ｖ）に重量パーセント濃度で１％となるように
溶解させて、液晶組成物を調製した。これらを実施例１
と同様な方法により分極反転電流および電圧保持率の測
定に供し、ホスト液晶材料であるＺＬＩ−４８０１−０
００の値に対する比として比分極反転電流および比電圧
保持率を算出した。その結果を下記表２に示す。

【００２１】

【表２】 この結果実施例１と同様に色素〔１〕〜〔４〕を用いた
液晶組成物が好ましい電圧保持率を示すの対し、色素〔
ａ〕及び〔ｂ〕は保持率が低かった。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたように本発明によるゲストホ
スト組成物は電圧保持率が高いのでアクティブマトリッ
クス液晶表示素子が可能となり、視野角および色調の再
現性の改善された表示を得ることができるという効果を
有する。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　二色性色素をフッ素系液晶材料に添加
   した液晶組成物を、少なくとも一方が透明な電極付き基
   板を有しかつ基板表面に絶縁層を形成し、ギャップ５０
   μｍ以下の液晶セルに封入し、このセルに周波数１〜６
   ０Ｈｚの三角波であって、かつ液晶組成物のしきい値電
   圧以上の電圧を印加した際、印加電圧の極性が反転した
   後に液晶セルに流れるキャパシタ成分のチャージ電流と
   共にピークとして生じる分極反転電流の電荷量がフッ素
   系液晶材料のみの液晶セルにおいて同様にして生じる分
   極反転電流の電荷量に対し３倍以下である二色性色素を
   添加したフッ素系液晶材料を用いたアクティブマトリッ
   クス駆動用ゲストホスト液晶組成物。
2. 【請求項２】　　請求項１に記載の液晶組成物を少なく
   とも一方が透明な電極付基板間に挟持してなることを特
   徴とする液晶表示素子。