JPH0429070Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はアクセルケーブル等を介して回動操作
されるスロツトル軸を改良したエンジンのスロツ
トル装置に関するものである。

（従来技術およびその問題点） 一般に気化器においては、実開昭59−60360号
公報に開示された様に、スロツトル軸の径が一様
に形成されているのが普通である。しかもスロツ
トル軸は、その中間部が吸気通路を横断するよう
に配設されて、回動力が入力されるその一端部の
他、その他端部が気化器本体の軸取付孔にそれぞ
れ回動自在に支持されている。

この様な気化器においては、スロツトル軸にお
ける他端部すなわち回動力が入力される側より遠
い側の端部とその軸取付孔との間のクリアランス
が、回動力が入力される一端部とその軸取付孔と
の間のクリアランスよりも小さくなることがあ
る。このような場合、スロツトル軸の一端部側に
回動力が入力されたときに、スロツトル軸の他端
部近傍の部分に曲げモーメントが集中すると共
に、この他端部のねじりモーメントが大きくなる
傾向にある。

ところで、気化器には、１つのエア取入口を途
中から一次側（プライマリー）と二次側（セカン
ダリー）との二つの吸気通路に分けた二連式のも
のがある。この二連式の気化器では、一次側吸気
通路の断面積が小さいので、一次側吸気通路の吸
気抵抗をできるだけ小さくするために、一次側ス
ロツトル軸の径を余り太くできない。このため、
この様な細いスロツトル軸の他端部およびその近
傍部分に上述した様な曲げモーメントやねじりモ
ーメントが集中すると、スロツトル軸が他端部付
近で折損する虞れもあるので、これらの力が他端
部近傍の部分に集中してもスロツトル軸が折損し
ない様、何等かの対策が望まれる。

（考案の目的） したがつて、本考案の目的は、吸気抵抗の増大
を極力抑制しつつ、スロツトル軸の強度をより向
上させてその折損を防止するようにしたエンジン
のスロツトル装置を提供することにある。

（目的を達成するための手段、作用） 前述の目的を達成するため、本考案は、スロツ
トル軸の力の集中する部分の必要最小限の強度向
上を図ることにより、スロツトル軸が曲げモーメ
ントとやねじりモーメントを受けても折損せず、
かつ吸気抵抗が増大しない様にしてある。具体的
には、 スロツトル軸が、スロツトルボデイに形成され
た吸気通路を横断するように該スロツトルボデイ
に回動自在に保持され、上記スロツトル軸のうち
上記吸気通路を横断する部分にスロツトル弁が取
付けられ、上記スロツトル軸の一端部が前記スロ
ツトルボデイの外部に延在されて該一端部に回動
力が付与されるようにしたエンジンのスロツトル
装置において、 前記スロツトル軸は、前記吸気通路を横断して
いる部分の所定位置を境にして、前記一端部側が
他端部側に比して細く形成されている、 ような構成としている。

このような構成とすることにより、スロツトル
軸の他端部側の径が太くされてその強度が十分に
確保される一方、この太くされた部分が他端部側
のみなので、スロツトル軸をその全長に渡つて太
くした場合に比して吸気抵抗がはるかに小さいも
のとなる。

（実施例） 以下本考案の実施例を添付した図面に基づいて
説明する。

第１図〜第３図において、１は二連式気化器の
気化器本体である。スロツトルボデイを構成する
気化器本体１内には、一つのエア取入口２と、そ
れぞれのエア取入口２に連通する互いに並列な一
次側吸気通路３及び二次側吸気通路４が形成され
ている。また、気化器本体１には、一次側吸気通
路３の径方向互いに反対側の部分に開口し、かつ
一次吸気通路３と直交する同一線上に位置するよ
うにして一対の軸取付孔５，６が形成されてい
る。

上記一方の軸取付孔５には一次側スロツトル軸
７の一端部７ａ側が回転自在に嵌合支持され、ま
た他方の軸取付孔６には一次側スロツトル軸７の
他端部７ｂが回転自在に嵌合支持されている。一
次側吸気通路３を横断する一次側スロツトル軸７
は、他端部７ｂ及び此の部分から一次側吸気通路
３の中央近傍に至る部分の径Ａが、一端部７ａ側
の径Ｂよりも若干太く形成されている。これによ
り、他端部７ｂ側の強度が他の部分よりも高めら
れている。この様な一次側スロツトル軸７の中間
部には一次側吸気通路３内に配設した一次側スロ
ツトル弁８が固定され、また気化器本体１外へ延
在するその一端部７ａにはアクセルケーブル（図
示せず）で回動操作される駆動部材９が固定さ
れ、さらに気化器本体１と一次側スロツトル軸７
に固定したバネ受け１０との間には、一次側スロ
ツトル弁８を開弁方向に付勢しているリターンス
プリング１１が介装されている。

前記二次側気化器通路４は、二次側スプリング
軸１２に装着した二次側スロツトル弁１３で開閉
される様になつている。また、二次側スロツトル
軸１２の端部にはリンク１４が固定される一方、
一次側スロツトル軸７の一端部７ａにはリンク１
５が回転自在に保持されていて、この両リンク１
４，１５は、リンク１６を介して連結されてい
る。しかも、アクセルケーブルの操作によつて駆
動部材９を回動操作して、一次側スロツトル弁８
を所定角度まで開くと、一次側スロツトル軸７と
一体のアーム１７がリンク１５の爪部１５ａに当
接し、更に駆動部材９を回動させると、二次側ス
ロツトル弁１３がアーム１７及びリンク１４，１
５，１６、を介して開方向に回動させられる様に
なつている。なお、二次側吸気通路４はその径が
大きくて吸気抵抗はさほど問題とならないので、
二次側スロツトル軸１２の径は十分な強度を有す
るようにその全長に渡つて実質的に同一とされて
いる。

以上の様な構成において、駆動部材９による１
次側スロツトル軸７の回動操作時、すなわち第４
図矢印Ｆで示すような回動力が一端部７ａに作用
したとき、一次側スロツトル軸７の他端部７ｂ側
に曲げモーメント及びねじりモーメントが作用し
ても、他端部７ｂ側は他より太く形成して強度を
高くしてあるので、一次側スロツトル軸７が他端
部７ｂ側から折損する様なことはない。また、一
次側スロツトル軸７の一次側吸気通路３に臨む部
分は、他端部７ｂ側のみを太く形成して、他は細
く形成してあるので、一次側スロツトル軸７によ
る吸気抵抗増大を小さなものに抑制し得る。

尚、以上説明した実施例では、一次側スロツト
ル軸７にのみ本考案を適用した例を示したが、本
考案は二次側スロツトル軸１２にも同様に適用で
きる。また、本考案は、二連式気化器以外の気化
器にも適用できることは勿論である。さらに、気
化器の代りの燃料噴射弁を有するものにあつて
は、いわゆるスロツトルボデイ部分に同様に適用
することができる。

（考案の効果） 本考案は、以上述べたことから明らかなよう
に、吸気抵抗の増大を抑制しつつ、スロツトル軸
の強度向上を図つてその折損を防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用された二連式気化器の一
例を示す平面図。第２図は第１図の−線に沿
う断面図。第３図は第１図の右側面図。第４図は
第１図に示したスロツトル弁の作動説明図。 １……気化器本体、３……一次側吸気通路、
５，６……軸取付孔、７……一次側スロツトル
軸、７ａ……一端部、７ｂ……他端部、８……ス
ロツトル弁、Ｆ……回動力

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スロツトル軸が、スロツトルボデイに形成され
   た吸気通路を横断するように該スロツトルボデイ
   に回動自在に保持され、上記スロツトル軸のうち
   上記吸気通路を横断する部分にスロツトル弁が取
   付けられ、上記スロツトル軸の一端部が前記スロ
   ツトルボデイの外部に延在されて該一端部に回動
   力が付与されるようにしたエンジンのスロツトル
   装置において、 前記スロツトル軸は、前記吸気通路を横断して
   いる部分の所定位置を境にして、前記一端部側が
   他端部側に比して細く形成されている、 ことを特徴とするエンジンのスロツトル装置。