JPH04283230A - 共重合ポリエステルおよびその組成物 - Google Patents

共重合ポリエステルおよびその組成物

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JPH04283230A
JPH04283230A JP4468991A JP4468991A JPH04283230A JP H04283230 A JPH04283230 A JP H04283230A JP 4468991 A JP4468991 A JP 4468991A JP 4468991 A JP4468991 A JP 4468991A JP H04283230 A JPH04283230 A JP H04283230A
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iii
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structural unit
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JP4468991A
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Toru Yamanaka
亨 山中
Takeshi Kimura
猛 木村
Shunei Inoue
井上 俊英
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融重合が可能であり、
優れた溶融流動性、成形性を有し、通常の成形方法によ
り優れた耐熱性および剛性、耐衝撃性に代表される機械
的性質を有する成形品を与え得る流動性の改良された共
重合ポリエステルおよびその組成物に関するものである
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発されており、なかでも光学異方性の液晶ポリ
マが優れた機械的性質を有する点で注目されている(特
開昭51−8395号公報、特開昭49−72393号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記液晶ポリマとして
は例えばp−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフ
タレートを共重合した液晶ポリマが知られている(特開
昭49−72393号公報)。しかしながらこのポリマ
は耐熱性が十分でなかったり、機械物性が不良であると
いう欠点を有し、このポリマからは両者の特性を満足す
る射出成形品が得られないことがわかった。しかも耐熱
性を向上させるにはp−ヒドロキシ安息香酸の量を80
モル%以上必要とするが、この際重合時に固化が起こり
、固相重合が必要であることもわかった。
【0004】一方、このようなポリマの流動性を向上さ
せて、溶融成形性を改良し、さらに機械的性質を向上さ
せる手段としては、例えば特開昭51−8395号公報
に記載されているように、ポリエチレンテレフタレート
にp−アシルオキシ安息香酸と芳香族ジカルボン酸およ
び芳香族ジオールを共重合する方法が提案されているが
、この方法とて得られる射出成形品の機械的性質は向上
するが耐熱性が不十分であることがわかった。一方、特
公昭47−47870号公報に記載されているようにp
−ヒドロキシ安息香酸に4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニルとテレフタル酸を共重合せしめた全芳香族ポリエス
テルの射出成形品は耐熱性は良好であるが軟化温度が4
00℃以上であるため溶融重合が困難となり、その機械
的性質とて十分満足できるものではないことがわかった
【0005】さらに、電気・電子部品等の高密度実装化
がすすむにつれ、半田耐熱性、薄肉成形性(流動性)を
有する材料が求められているが、これらのバランスにお
いては上記の液晶ポリマとて必ずしも十分ではないこと
がわかった。
【0006】よって、本発明は上記の問題を解決し、溶
融重合のみで得られ、優れた溶融流動性、成形性を有し
、通常の成形方法により優れた耐熱性および剛性、強度
、耐衝撃性に代表される機械的性質を有する成形品を与
え得る流動性の改良された共重合ポリエステルを得るこ
とを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、1)下記構造単位(
I)〜(IV)からなり、構造単位[(I)+(II)
]が[(I)+(II)+(III )]の80〜99
モル%、構造単位(III )が[(I)+(II)+
(III )]の20〜1モル%であり、構造単位(I
)/(II)のモル比が75/25〜95/5、かつ(
II)/(III )のモル比が90/10〜40/6
0であり、融点(Tm,℃)が(1)式を満足し、対数
粘度が3.0〜10.0dl/gである溶融異方性を有
する共重合ポリエステル、
【0009】
【化2】
【0010】   −15<Tm+7.70x−374.4<15  
  …(1)(ただし(1)式中のxは構造単位(II
I )の[(I)+(II)+(III )]に対する
割合(モル%)を示す。) 2)融点(Tm)+10℃の温度、剪断速度1000s
−1で測定した溶融粘度が100〜2000ポイズであ
る1)項記載の共重合ポリエステル、 3)融点(Tm)+30℃  以下の温度で重合するこ
とにより製造された、1)項記載の共重合ポリエステル
、4)1)項記載の共重合ポリエステルに充填剤を含有
させてなる共重合ポリエステル組成物および 5)荷重たわみ温度(HDT,℃,18.6kgf/c
m2 )が下式(2)を満足する4)項記載の共重合ポ
リエステル組成物を提供するものである。
【0011】Tm−HDT<80℃    …(2)上
記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
たポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は
4,4´−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単
位を、上記構造単位(III )は2,6−ジヒドロキ
シナフタレンから生成した構造単位を、そして構造単位
(IV)はテレフタル酸から生成した構造単位を各々示
す。
【0012】一方、上記構造単位(I)〜(IV)のう
ち構造単位[(I)+(II)]は構造単位[(I)+
(II)+(III )]の80〜99モル%であり、
好ましくは88〜98モル%である。
【0013】また構造単位(III )は構造単位[(
I)+(II)+(III )]の20〜1モル%であ
り、好ましくは12〜2モル%である。構造単位[(I
)+(II)]が構造単位[(I)+(II)+(II
I )]の99モル%より大きいと溶融流動性が低下し
て重合時に固化したり、成形性が損なわれる。80モル
%より小さいと耐熱性が不良となりいずれの場合も好ま
しくない。また構造単位(I)/(II)のモル比は7
5/25〜95/5であり、好ましくは80/20〜9
2/8であり、より好ましくは80/20〜90/10
である。75/25未満であったり95/5より大きい
場合には耐熱性が不良となったり、流動性が不良となっ
たりして本発明の目的を達成することができない。
【0014】また、構造単位(II)/(III )の
モル比は本発明において重要な点の1つであり、その範
囲は90/10〜40/60であり、85/15〜45
/55が好ましい。90/10より大きい場合や40/
60未満の場合、前記(1)式を満足せず流動性が不良
となるため好ましくない。
【0015】また、構造単位(IV)は実質的に構造単
位[(II)+(III )]と等モルである。
【0016】本発明の共重合ポリエステルの製法はポリ
マのランダム性の点から溶融重合法による方法が好まし
く、ポリマの一部または全てが固体の多分散状態になる
塊状重合法は好ましくない。また、かくして得られたポ
リマに固相重合を併用してもよい。
【0017】特に好ましい製造法としてはp−ヒドロキ
シ安息香酸、4,4´−ジヒドロキシビフェニルと無水
酢酸,2,6−ジアセトキシナフタレンおよびテレフタ
ル酸を反応させ、溶融状態で脱酢酸重合によって製造す
る方法が挙げられる。
【0018】この重縮合反応は無触媒でも進行するが、
酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸ナトリウム
および酢酸カリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシ
ウム等の金属化合物を添加した方が好ましいときもある
【0019】また、本発明の共重合ポリエステルを溶融
重合法により製造するにあたっては、融点(Tm)+3
0℃  以下の温度で重合を行うことが好ましい。なお
、さらに固相重合を併用する場合には融点(Tm)以下
の温度で行うことは言うまでもない。
【0020】最高重合温度が融点(Tm)+30℃  
よりも高くなる場合、得られたポリマの流動性が不良に
なる場合がある。
【0021】かくして得られる共重合ポリエステルの融
点(Tm,℃)は下記(1)式を満足する必要がある。
【0022】   −15<Tm+7.70x−374.4<15  
    …(1)ここに(1)式中のxは構造単位(I
II )の[(I)+(II)+(III )]に対す
る割合(モル%)を示す。
【0023】構造単位(I)〜(IV)の組成比が上記
の条件を満足する場合であっても、ポリマの組成分布、
ランダム性の違いにより上記(1)式の融点をはずれる
場合には流動性、成形品の耐熱性および機械特性のバラ
ンスが不良になったり、高温時のポリマの分解が起こり
やすいなどの問題があるため好ましくない。ここで、融
点(Tm)とは示差走査熱量計により、昇温速度20℃
/分で測定した際に観測される吸熱ピーク温度、後述の
Tm2 を指す。
【0024】また、前述の示差熱量測定においては、重
合を完了したポリマを室温から融点以上の温度まで20
℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク
温度(以下Tm1 と略す)と、Tm1 の観測後Tm
1 +20℃の温度で5分間保持した後−20℃/分の
降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(以
下Tm2 と略す)の間に|Tm1 −Tm2 |≦1
0℃の関係があるのが好ましく、|Tm1 −Tm2 
|≦6℃がより好ましい。この温度差が10℃より大き
い時にはポリマに不均一な構造が存在している可能性が
あり、好ましくない。
【0025】本発明の共重合ポリエステルは、構造単位
(III )の[(I)+(II)+(III )]に
対する共重合量および、(II)/(III )のモル
比が重要であり、(II)/(III )のモル比が本
発明範囲を満足し、かつ構造単位(III )の[(I
)+(II)+(III )]に対する共重合量と融点
が一定の関係にある場合にのみ、本発明の効果を奏する
ものである。
【0026】また、この共重合ポリエステルの対数粘度
は0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルオロフェノ
ール中で測定した値が、3.0〜10.0dl/gであ
り、3.5〜7.5dl/gが好ましい。対数粘度の値
が3.0dl/g未満では機械的特性が不十分であり、
10.0dl/gを越える場合は流動性が損なわれるた
めいずれの場合も好ましくない。
【0027】また、本発明の共重合ポリエステルの分子
量分布は、例えば高分子論文集45巻531頁(198
8)に記載されている方法で測定可能であるが、分子量
分布を示す重量平均分子量(MW)と数平均分子量(M
N)の比MW/MNの値が3.0未満が好ましく、2.
8未満がより好ましい。MW/MNの値が3.0よりも
大きくなると流動性が損なわれる場合があるため好まし
くない。
【0028】本発明の共重合ポリエステルの溶融粘度は
100〜2,000ポイズが好ましく、特に100〜1
,000ポイズが好ましい。
【0029】なお、この溶融粘度は(融点(Tm)+1
0)℃でずり速度1,000s−1の条件下で高化式フ
ローテスターによって測定した値である。
【0030】なお、本発明における共重合ポリエステル
を重縮合する際には上記構造単位(I)〜(IV)を構
成する成分以外に4,4´−ジフェニルジカルボン酸、
3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−ジフェ
ニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−
ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、
1,2−ビス(2−クロルフェニキシ)エタン−4,4
´−ジカルボン酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、ハイドロキ
ノン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、t−ブチルハ
イドロキノン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4
,4´−ジヒドロキシビフェニル、フェニルハイドロキ
ノン、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´
−ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4´−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル等の芳香族ジオール、エチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール
、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂
環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−
ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン
酸、p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸および
芳香族イミド化合物などを本発明の目的を損なわない程
度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる
。かくしてなる溶融重合法により得られた本発明の流動
性の改良された共重合ポリエステルは、優れた溶融流動
性、成形性を有し、射出成形、押出成形、ブロー成形な
どの通常の成形方法により優れた耐熱性および剛性、強
度、耐衝撃性に代表される機械的性質を有する三次元成
形品、フィルム、容器、ホースなどに加工することが可
能である。
【0031】本発明の共重合ポリエステルに対し、ガラ
ス繊維、炭素繊維、アスベストなどの充填剤、核剤、顔
料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤および
難燃剤などの添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所
望の特性を付与することができる。
【0032】また、本発明の共重合ポリエステルに対し
て充填剤を添加することにより、機械的特性、耐熱性を
いっそう改善することができる。
【0033】充填剤を添加する場合、その添加量は共重
合ポリエステル100重量部に対して200重量部以下
が好ましく、15〜130重量部が特に好ましい。
【0034】充填剤を添加することにより得られる共重
合ポリエステル組成物の荷重たわみ温度は(2)式を満
足するものが好ましい。
【0035】Tm−HDT<80℃    …(2)た
だし、(2)式においてHDTは成形品の荷重たわみ温
度(18.6kgf/cm2 )を示す。
【0036】荷重たわみ温度がポリマの組成分布、ラン
ダム性の違い、あるいは重合の不均一性のために上記(
2)式を満足する場合、ポリマの溶融流動性、成形品の
機械的特性と耐熱性の相互のバランスが極めて優れたも
のとなる。
【0037】本発明において好ましく用いることができ
る充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊
維、ボロンウイスカ繊維、ロックウール、マイカ、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフ
レーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナ
イト、酸化チタン等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状
の無機フィラーが挙げられる。
【0038】上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用
される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用
いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや単
繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバー
などから選択して用いることができる。また、ガラス繊
維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂
、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束
されていても良く、またシラン系、チタネート系などの
カップリング剤、その他の表面処理剤で処理されていて
も良い。
【0039】更に、本発明の組成物には、本発明の目的
を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤
(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホス
ファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤
(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリ
アゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(
モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエ
ステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポ
リエチレンワックスなど)、染料(たとえばニトロシン
など)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシ
アニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可塑剤
、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を
添加して、所定の特性を付与することができる。
【0040】本発明の樹脂組成物は溶融混練することが
好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができ
る。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニ
ーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、250〜
380℃の温度で溶融混練して組成物とすることができ
る。
【0041】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに説明する
【0042】実施例1 留出管、攪拌翼を備えた反応容器にp−ヒドロキシ安息
香酸(I)994g(7.2モル)、4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル(II)223g(1.2モル)、2
,6−ジアセトキシナフタレン(III )147g(
0.6モル)、テレフタル酸(IV)299g(1.8
モル)および無水酢酸1077g(10.6モル)を仕
込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
【0043】まず窒素雰囲気下130〜150℃で4時
間反応させた。この時点までの酢酸の留出液量は52g
であり、理論留出量の4.0%であった。その後、2.
5時間かけて250℃まで昇温し、さらに250℃で2
.5時間反応を続けた。この時点までの留出液量は10
98gであり、理論留出量の83%であった。さらに、
2時間かけて系内温度を330℃まで昇温させた後、1
.5時間で系内を1.0mmHgまで減圧し、さらに3
0分間反応を続け重縮合を完結させた。減圧開始までに
酢酸の理論留出量の90%に相当する1193gの留出
液が留出した。上記の反応の結果、ベージュ色のポリマ
が得られた。
【0044】このポリマの理論構造式は次のとおりであ
り、このポリエステルの元素分析結果は理論値とよい一
致を示した。
【0045】
【化3】
【0046】このポリマの融点をパーキンエルマー社製
DSC−7型を用いて、昇温速度20℃/分の条件で測
定したところ、Tm1 のピーク温度は327℃、Tm
2 のピーク温度は323℃であった。また、式(1)
(Tm+7.7x−374.4)の値は0.19であっ
た。
【0047】なお、このポリマの対数粘度(0.1g/
dlの濃度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測
定)は5.21dl/gであり、溶融粘度は333℃、
ずり速度1000(1/秒)で590ポイズと流動性が
極めて良好であった。
【0048】このポリマを住友ネスタール射出成形機・
プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供
し、シリンダー温度340℃、金型温度90℃の条件で
1/4″厚×2・1/2″長の衝撃試験片を作成した。 カットノッチ付きアイゾット衝撃試験を行ったところ、
75kgf ・cm/cmと極めて高い値を示した。
【0049】実施例2 実施例1と同じ方法により得られたポリマ100重量部
に対して、ガラス繊維(チョップドストランド3mm長
)45重量部をドライブレンドした後、30mmφ二軸
押出機により330℃で溶融混練−ペレタイズした。
【0050】得られたペレットを実施例1と同じ条件で
、荷重たわみ温度(HDT)測定用試験片(1/8”幅
×1/2”厚×5”長)およびアイゾット衝撃試験片を
成形した。これらの試験片について、荷重たわみ温度(
HDT)、カットノッチ付きアイゾット衝撃強度の測定
を行った。
【0051】その結果、荷重たわみ温度262℃、アイ
ゾット衝撃強度8.2kgf ・cm/cmであり、耐
熱性、耐衝撃性が良好であることがわかった。
【0052】実施例3〜6、比較例1〜3実施例1と同
様の留出管、攪拌翼を備えた反応容器にp−ヒドロキシ
安息香酸(I)、4,4´−ジヒドロキシビフェニル(
II)、2,6−ジアセトキシナフタレン(III )
、テレフタル酸(IV)および無水酢酸を表1に示す組
成で仕込み、実施例1と同様の条件で脱酢酸重合を行っ
た。
【0053】得られたポリマの融点(Tm)、対数粘度
、溶融粘度を実施例1の方法で測定した。結果を表1に
示す。
【0054】
【表1】
【0055】さらに、得られたポリマ100重量部に対
して、ガラス繊維(チョップドストランド3mm長)4
5重量部をドライブレンドした後、30mmφ二軸押出
機により溶融混練−ペレタイズした。
【0056】得られたペレットを実施例1の射出成形機
を用い、荷重たわみ温度(HDT)測定用試験片、アイ
ゾット衝撃試験片を成形した。これらの試験片について
、荷重たわみ温度、カットノッチ付きアイゾット衝撃強
度の測定を行った。これらの結果も合わせて表1に示す
【0057】比較例のポリマはいずれも上記(1)式を
満たさない。比較例1のポリマは4,4´−ジヒドロキ
シビフェニル(II)単位を含まない組成のものである
が、実施例のポリマに比べ溶融粘度が高く流動性が十分
とは言えない。また、カットノッチ付きアイゾット衝撃
強度が低く、靭性に乏しいことが分かった。また、比較
例2および3は本発明の共重合組成の範囲外のポリマで
あるが、やはり溶融粘度が高く、流動性が不良であるこ
とがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルは、良好な
流動性を有し、優れた耐熱性および機械的特性を示す成
形品を与えるため電気・電子部品など種々の用途に使用
することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記構造単位(I)〜(IV)からな
    り、構造単位[(I)+(II)]が[(I)+(II
    )+(III )]の80〜99モル%、構造単位(I
    II)が[(I)+(II)+(III )]の20〜
    1モル%であり、構造単位(I)/(II)のモル比が
    75/25〜95/5、かつ(II)/(III )の
    モル比が90/10〜40/60であり、融点(Tm,
    ℃)が(1)式を満足し、対数粘度が3.0〜10.0
    dl/gである溶融異方性を有する共重合ポリエステル
    。 【化1】   −15<Tm+7.70x−374.4<15  
      …(1)(ただし(1)式中のxは構造単位(II
    I )の[(I)+(II)+(III )]に対する
    割合(モル%)を示す。)
  2. 【請求項2】  融点(Tm)+10℃の温度、剪断速
    度1000s−1で測定した溶融粘度が100〜200
    0ポイズである請求項1記載の共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】  融点(Tm)+30℃  以下の温度
    で重合することにより製造された請求項1記載の共重合
    ポリエステル。
  4. 【請求項4】  請求項1記載の共重合ポリエステルに
    充填剤を含有させてなる共重合ポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】  荷重たわみ温度(HDT,℃,18.
    6kgf/cm2 )が下式(2)を満足する請求項4
    記載の共重合ポリエステル組成物。 Tm−HDT<80(℃)    …(2)
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