JPH04280946A - 耐食性の優れた二相ステンレス鋼 - Google Patents

耐食性の優れた二相ステンレス鋼

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JPH04280946A
JPH04280946A JP41893190A JP41893190A JPH04280946A JP H04280946 A JPH04280946 A JP H04280946A JP 41893190 A JP41893190 A JP 41893190A JP 41893190 A JP41893190 A JP 41893190A JP H04280946 A JPH04280946 A JP H04280946A
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JP
Japan
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duplex stainless
stainless steel
pitting
resistance
corrosion
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JP41893190A
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English (en)
Inventor
Tsuneaki Kobayashi
小林 経明
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油井管、油送管等に使
用される二相ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト相とオーステナイト相の2相
組織を有する二相ステンレス鋼は、耐食性とりわけ微量
のH2 Sを含むCO2 環境下での耐食性に優れ、且
つ強度、延性等の機械的性質に優れることから、油井管
、油送管の主要素材とされている。油井管、油送管に使
用される代表的な二相ステンレス鋼としては、例えばA
STM  A790  UNS−S31803に規定さ
れた22%Cr二相ステンレス鋼がある。しかし、近時
の採掘条件の悪化に伴い、油井管の使用環境は著しく過
酷になり、以前にも増して厳しい仕様が油井管に要求さ
れるようになった。例えば、ASTM  G48に規定
された10%FeCl3 ・ 6H2 O(30℃)に
よるピッティングテストはその一つであり、上記規格鋼
はこのテストをクリアし得ないとされている。そこで、
最近になってこのテストに耐え得る22%Cr二相ステ
ンレス鋼の開発が始められ、例えば特公平2−3234
3号公報にはCu、Coの添加によって耐ピッティング
性を高めた22%Cr二相ステンレス鋼が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここに開示された22
%Cr二相ステンレス鋼は、ASTM  G48に規定
されたピッティングテストをクリアする優れた耐ピッテ
ィング性を有するものの、耐ピッティング性改善のため
にCu、Coを添加しており、合金添加コストが上昇す
るという問題がある。特に、Coは高価な元素であり、
その使用は製品価格の上昇を招く。また、Cu、Coの
何れもが、熱間加工性を低下させる原因になる。
【0004】本発明の目的は、耐ピッティング性に優れ
、しかも低コストで熱間加工性に優れた二相ステンレス
鋼を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】ASTM  A790 
 UNS−S31803に規定された成分組成は、重量
比でC:0.030%以下、Si:1.00%以下、M
n:2.00%以下、P:0.030%以下、S:0.
010%以下、Ni:4.50〜6.50%、Cr:2
1.00〜23.00%、Mo:2.50〜3.50%
、N:0.08〜0.20%というものである。この2
2%Cr二相ステンレス鋼は、前述したように、AST
M  G48に規定された10%FeCl3 ・6H2
 O(30℃)によるピッティングテストをクリアし得
ないとされていた。しかし、本発明者らの調査によれば
、このテストをクリアし得ない二相ステンレス鋼は、各
成分が規格範囲の中心狙いで設計されているものであり
、各成分、とりわけCr、Mo、Nを規格範囲の上限狙
いで設計したものについては、Cu、Coを特に添加し
なくても、これらを添加した場合に匹敵する耐ピッティ
ング性の得られることが明らかになった。
【0006】各成分が規格範囲の中心狙いで設計された
従来の22%Cr二相ステンレス鋼における成分分布を
表1のCase1に示し、その場合のピッティングイン
デッスクPI=Cr+3Mo+16Nの分布を図2のC
ase1に示す。このような成分分布の22%Cr二相
ステンレス鋼は、ASTM  G48に規定された例え
ば10%FeCl3 ・6H2 O(30℃)によるピ
ッティングテストをクリアできない。しかし、Cr、M
o、Nを表1及び図2のCase2に示すように規格成
分範囲の上限狙いとすると、Cu、Coを添加しなくて
も、Cu、Coを添加した場合に匹敵する耐ピッティン
グ性が得られるのである。
【0007】
【表1】
【0008】22%Cr二相ステンレス鋼に10%Fe
Cl3 ・6H2 O、30℃、24hrsのピッティ
ングテストを実施した場合の鋼中PIと腐食速度との関
係を図1に示す。PIが大きくなるほど、腐食速度が低
下し、PI≧34.5で腐食は皆無となる。また、表1
及び図2にCase2として示された22%Cr二相ス
テンレス鋼の機械的性質を図3及び図4に示すが、PI
の高い22%Cr二相ステンレス鋼は機械的性質も良好
である。更に、Case2のフェライト相分布を図5に
示し、Case2の鋼管に自動GTAWで周溶接を行っ
たときの溶接部硬度を図6に示す。耐ピッティング性に
優れた高PI鋼は、組織および溶接性も問題のないこと
が確認された。図7に溶接部硬度の測定点を示す。
【0009】本発明は上記知見に基づきなされたもので
、重量比でC:0.08%以下、Si:0.2〜2.0
%、Mn:0.2〜2.0%、Cr:19%以上、26
%未満、Ni:3.0〜8.0%、Mo:1.0〜5.
0%、N:0.05〜0.3%、を含み、残部Feおよ
び不可避不純物からなり、且つCr+3Mo+16N≧
34.5%を満足することを特徴とする耐食性の優れた
二相ステンレス鋼を要旨とする。
【0010】
【作用】本発明の二相ステンレス鋼における成分限定理
由は以下のとおりである。
【0011】Cはオーステナイト生成元素であり、且つ
強度の向上に著効を有するが、含有量が多すぎると、ク
ロム炭化物が析出し易くなり、炭化物近傍におけるCr
濃度が減少する結果、孔食、すきま腐食、粒界腐食等の
局部腐食に対する抵抗性が低下し、且つ耐応力腐食割れ
性の劣化をみる。このため、0.08%を上限とする。
【0012】Siは溶鋼の脱酸および鋳造性確保のため
、少なくとも0.2%を必要とする。しかし、多量の含
有は靱性を悪くし、且つ溶接性をも損なうので、2.0
%を上限とする。
【0013】Mnは通常の脱酸・脱硫過程で、1.0%
程度含有されるもので、また鋼素地のオーステナイト相
の安定化に有効な元素である。このための含有量は2%
までで十分であり、それをこえる必要はない。よって、
0.2〜2.0%とする。
【0014】Crは耐食性、特に耐粒界腐食性の改善に
著効を有するとともに、耐応力腐食割れ向上に寄与する
。また、Crはフェライト相生成元素であり、二相組織
におけるフェライト相の形成により強度を高める。本発
明鋼では後記Ni量との相関関係で、19.0%以上の
Crを含有しないと、所要のフェライト量(面積率で3
0%以上)を確保しがたい。よって、耐食性とフェライ
ト量の点から、Cr量の下限を19.0%とする。一方
、Cr量があまり多くなると、鋼の靱性の著しい低下を
生じ、かつ鋳造時に硬脆なσ相が成長する。更に、Ni
量との相関関係からフェライト相量が70%を超え、二
相組織におけるオーステナイト相とのバランスを失し、
耐食性、就中孔食、すきま腐食に対する抵抗性を損なう
。 このため、Cr量は26%未満とする。
【0015】Niはオーステナイト相を安定化する元素
であり、鋼の靱性の向上をもたらす。また、耐食性の点
からも必要な元素である。含有量が3.0%に満たない
と、これらの効果が不足する。前記Cr量との関係から
、フェライト相量を70%以下にするためにも3.0%
以上の含有を必要とする。しかし、Niを多量に加えて
も、含有量の割に耐食性、機械的性質の向上効果は少な
く経済的に不利であるばかりか、二相組織におけるオー
ステナイト相が過剰になって二相の量的バランスを失う
。従って、Ni量は8.0%を上限とする。
【0016】Moはステンレス鋼の耐食性の改善に大き
な効果を有する。ことに、孔食、すきま腐食抵抗性の改
善に著効を奏する。1.0%以上において、非酸化性酸
に対する耐食性、また塩化物を含む溶液中での孔食、粒
界腐食および応力腐食割れに対する抵抗性の顕著な向上
をみる。しかし、多量に加えると、耐食性の改善効果は
飽和し、かつσ相の析出による鋳造時の脆化が著しくな
るので、5.0%を上限とする。
【0017】Nは通常有害な不純物元素として扱われる
が、本発明鋼では強度向上および耐食性改善を目的とし
て0.05〜0.3%の範囲内で添加される。即ち、N
はCと同じく強力なオーステナイト生成元素であり、且
つ侵入型固溶元素であるため、鋼基地の結晶格子に強い
格子歪みをもたらし、強度向上に顕著に寄与する。また
、Nは二相組織において、Cr、Ni、Mo等の主要元
素のフェライト相並びにオーステナイト相への分配率に
影響を与え、ことに耐食性に寄与する元素Cr、Moな
どをオーステナイト相へ高濃度で分配することにより二
相ステンレス鋼の耐食性、就中すきま腐食や孔食などの
局部腐食に対する抵抗性を高める。特に本発明鋼のよう
に、Cr及びMo濃度が高く、そのフェライト相/オー
ステナイト相への分配率の差が顕著な、言い換えると偏
析の度合いの大きい合金系においては、Nの添加はこれ
らの耐食性元素をより高濃度でオーステナイト相に分配
しようとする作用を有し、従ってそれによる耐食性、と
くに局部腐食抵抗性の向上も顕著にあらわれる。この効
果を十分に発揮させるためにN量は少なくとも0.05
%を必要とする。N量の増加に伴って効果も増すが、0
.3%をこえると窒化物として析出し、却って耐食性を
悪くする。Nは固溶状態にあってこそ強度向上および耐
食性の改善に著効を奏するのである。従って、N量は0
.05〜0.3%とする。
【0018】Cr+3Mo+16N(PI)は、耐ピッ
ティング性を左右するCr,Mo,Nの各元素に各々係
数をかけて耐ピッティング性をあらわすインデックスで
ある。これらの係数は、Rockel(M.B.Roc
kel ACHEMA CONFERENCE,FRA
NKFURT,1979) の提唱した式Cr+3Mo
12Nの項を加えたもので、Nの係数は経験的に16と
したものである。このピッティングインデックス(PI
)は、大きい程その材料の孔食電位が高くなるが、例え
ば、10%FeCl3 ,6H2 O,30℃,24H
rsの腐食テスト環境でピッティングをおこさないため
には、その材料のピッティングインデックスの最少値は
実験的に34.5である。
【0019】
【実施例】表2に成分を示す10種類の二相ステンレス
鋼1〜10に10%FeCl3 ・6H2 O、24h
rsのピッティングテストを実施した。テスト温度は2
5℃と30℃の2種類とした。試験片の形状を図8に示
す。 ピッティングテストの結果と機械的特性を調査した結果
を表3に示す。表3から明らかなように、本発明鋼はい
ずれも上記ピッティングテストをクリアし、機械的性質
および熱間加工性も優れる。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明の二相ステンレス鋼は、耐ピッテ
ィング性に優れ、しかも、Cu、Coを使用しないので
、熱間加工性が良好で経済性も良い。
【図面の簡単な説明】
図1 PIとピッティングテストにおける腐食速度との関係を
示すグラフである。 図2 従来鋼および耐ピッティング性に優れた鋼におけるPI
分布を示すグラフである。 図3 耐ピッティング性に優れた高PI鋼の引張性能を示すグ
ラフである。 図4 耐ピッティング性に優れた高PI鋼の硬度を示すグラフ
である。 図5 耐ピッティング性に優れた高PI鋼のフェライト量を示
すグラフである。 図6 耐ピッティング性に優れた高PI鋼からなる鋼管の周溶
接部の硬度を示すグラフである。 図7 周溶接部の硬度測定点を示す概略図である。 図8 ピッティングテストに使用した試験片の形状を示す概略
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量比でC:0.08%以下、Si:
    0.2〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、Cr:1
    9%以上、26%未満、Ni:3.0〜8.0%、Mo
    :1.0〜5.0%、N:0.05〜0.3%、を含み
    、残部Feおよび不可避不純物からなり、且つCr+3
    Mo+16N≧34.5%を満足することを特徴とする
    耐食性の優れた二相ステンレス鋼。
JP41893190A 1990-12-28 1990-12-28 耐食性の優れた二相ステンレス鋼 Pending JPH04280946A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1995341A1 (en) * 2007-03-26 2008-11-26 Sumitomo Metal Industries Limited Oil well pipe for expansion in well and two-phase stainless steel for use as oil well pipe for expansion
JP2012149309A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Jfe Steel Corp 耐薬品性に優れたステンレスクラッド鋼

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