JPH0425994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、珈琲生豆を密封した状態で保管する
容器として利用でき、また、簡単に迅速に一般家
庭で珈琲豆を焙煎することができる珈琲豆焙煎器
に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来、一般家庭用の珈琲豆焙煎器として、例え
ば実公昭57−45839号公報に開示されているよう
なものがある。この珈琲豆焙煎器で焙煎する珈琲
豆は市販されているものを使用している。

ところが、この市販されている珈琲豆はその販
売時及び購入後の湿度管理が充分に行えないた
め、その品質が一定ではない。

そのため、これを前記家庭用の焙煎器で焙煎す
る際、珈琲豆の品質にバラ付きがあるために、好
みの焙煎が行え難い不具合があつた。

しかも、前記従来品の焙煎器は構造が複雑で高
価になるばかりか、使用後の洗浄などの管理に手
数を要する欠陥があつた。

そこで、本考案は斯かる事情に鑑みなされたも
のであり、一般家庭で簡単にしかも好みの焙煎状
態に焙煎できる珈琲豆焙煎器を提供することを目
的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る珈琲豆焙煎器は、珈琲生豆の収納
用皿体と、この皿体の開口部を密閉する蓋体とか
らなり、前記蓋体は渦巻状に収縮すると共に、半
円球形状に膨張するアルミ箔から形成し、前記蓋
体の中央には前記蓋体に通気孔を開孔する切取片
を一体に止着し、この切取片には前記蓋体の膨張
状態において、その下周面に沿つて吸入用開孔を
開孔させるための穿孔片を一体に設けてなること
を特徴とするものであり、焙煎前の状態において
は皿体と蓋体とによつて内部の珈琲生豆は密閉状
態となるので、珈琲生豆の密閉保管容器として利
用し、珈琲生豆を所定の品質に保持し、焙煎時に
は蓋体の中央と下周面とに通気孔と吸入用開孔と
を開孔することにより、焙煎時の煙を外部に放出
する様にしている。

（実施例） 本考案に係る珈琲豆焙煎器の実施例を第１図面
乃至第４図に基づいて説明する。

珈琲豆焙煎器は、珈琲生豆１８の収納用皿体１
１と、この皿体１１の開口部を密閉する蓋体１３
とからなつている。

収納用皿体１１は、略平坦な平坦部１１ａと、
この平坦部１１ａの外周から延長される傾斜部１
１ｂと、この傾斜部１１ｂの外周から略鉛直方向
に延長される側壁１１ｃとから構成されている。

収納用皿体１１の平坦部１１ａにはその中央部
が上方に向かつて膨隆され、平坦部１１ａの外周
に沿つて突条１１ｅが放射状に平坦部１１ａを５
等分状に仕切る様に形成されている。

平坦部１１ａの突条１１ｅは保管時において
は、珈琲生豆１８の移動を防止し、且つ焙煎時に
おいては各珈琲生豆１８が突条１１ｅに突き当た
ることにより、撹拌を促進し、その全体が均一の
品質に焙煎できる様にすると共に、焙煎前、後の
珈琲生豆１８を計量できるようにしている。

そして、収納用皿体１１の側壁１１ｃには、把
手１１ｇが装着されている。

蓋体１３は渦巻状に収縮すると共に、半円球形
状に膨張するアルミ箔から形成され、蓋体１３の
下端周縁が収納用皿体１１の側壁１１ｃにおける
周縁に連結している。

蓋体１３は、第１図に示す焙煎前の状態では、
渦巻状に収縮し、内部に収容した珈琲生豆１８を
密閉し、品質を保持している。

蓋体１３の中央には、蓋体１３に通気孔３２を
開孔する切取片２１が一体に止着されている。

切取片２１は円形状の厚紙からなり、切取片２
１には摘片２２，２２が切起し状に設けられてい
る。

一方の摘片２２には、先端が尖鋭状の穿孔片２
２ａが一体に設けられている。

穿孔片２２ａは、蓋体１３の膨張状態におい
て、蓋体１３の下周面に沿つて吸入用開孔３１，
３１……を開孔させるためのものである。

上記構成によれば、第２図二点鎖線に示すよう
に収納状態の蓋体１３の切取片２１より、摘片２
２，２２を起立させて、その摘片２２，２２を摘
み、渦巻状の蓋体１３を回動させ乍ら、上方に引
き上げると、蓋体１３は略半球状に膨張する。

次に、摘片２２，２２を更に引き上げると、摘
片２２，２２と一体の切取片２１は蓋体１３から
切離され、蓋体１３の中央に通気孔３２が開孔す
る。

一方、蓋体１３から切離した切取片２１に付設
する穿孔片２２ａを使用して、略半球状に膨張し
た蓋体１３の外周に、適宜間隔をおいて、吸入用
開孔３１，３１……を開孔する（第３図）。

この状態において、第３，４図に示すように、
把手１１ｇを持つてコンロ等の火に当て、常に皿
体１１を揺らしながら内部の珈琲生豆１８をまん
べんなく焙煎する。この際、皿体１１の突条１１
ｅに珈琲生豆１８が当たり、撹拌が促進し、更に
均一に焙煎される。このようにして、約10分焙煎
すると、水蒸気や煙がたつてキツネ色に変色して
くる。ここで浅煎り又は強煎り（深煎り）の好み
の煎り方とすることができる。また、発生した煙
は、蓋体１３の通気孔３２から排出される。この
際、蓋体１３に吸入用開孔３１，３１……が複数
形成されるため、上方への対流が促進され、より
急速に煙を蓋体１３の通気孔３２から排出でき
る。これによつて、煙臭が豆に付着して風味が損
なわれることを防止できる。また、珈琲生豆１８
の撹拌時において、蓋体１３が半円球形状に膨張
しているため、珈琲生豆１８は外に飛び出すこと
がない。

そして、焙煎後の珈琲豆１８は一日おくと味が
落ち着き、賞味期間は約10日間であるから、適
宜、豆を取り出して、粉砕、抽出して飲むことが
できる。

（効果） 本考案によれば、簡単な構造で、珈琲生豆の焙
煎、保管が可能であり、保管時においては、珈琲
生豆を密閉状に保存するため、珈琲生豆の品質を
一定に保持することができる。

又、保管時においては、蓋体が渦巻状に収縮し
ているので、蓋体の厚さが増し、蓋体の強度が向
上する。

その為、破損し易いアルミ箔からなる蓋体の破
損が防止できる。

また、焙煎時においては、蓋体の中央と下周面
に設けた通気孔と吸入用開孔より、蓋体内の水蒸
気、煙を急速に外部に放出するため、珈琲生豆に
煙、水蒸気が付着せず、風味を損なうことなく焙
煎できる。

蓋体は焙煎時に、半円球形状に膨張しているの
で、珈琲生豆が外部へ飛び出すこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による珈琲焙煎器の焙煎前の
状態の斜視図、第２図は第１図の断面図、第３図
は焙煎時の斜視図、第４図は第３図の断面図であ
る。 図中、１１は収納用皿体、１３は蓋体、２１は
切取片、２２ａは穿孔片、３１は吸入用開孔、３
２は通気孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 珈琲生豆の収納用皿体と、この皿体の開口部を
   密閉する蓋体とからなり、前記蓋体は渦巻状に収
   縮すると共に、半円球形状に膨張するアルミ箔か
   ら形成し、前記蓋体の中央には前記蓋体に通気孔
   を開孔する切取片を一体に止着し、この切取片に
   は前記蓋体の膨張状態において、その下周面に沿
   つて吸入用開孔を開孔させるための穿孔片を一体
   に設けてなることを特徴とする珈琲豆焙煎器。