JPH0425776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、照明装置に関し、特に、薄形で照射
光の均質性が良好な照明装置に関する。

〔従来の技術〕

絵画や文字例を後方から照明装置で照射して、
それらを透過的に観察しようとする場合には、照
明装置の平面的な均質性が高く要求される。

照明装置の照射光を均質化するには、発光ラン
プの数を多くしたり、ランプ自体の発光面積を広
げればよいが、装置が大形化するうえ、コストア
ツプにつながる。

このため、比較的少ない数の小形ランプを用い
て、照明装置の均質性を確保する構成が提案され
ている。

第６図は、照明装置の従来例を説明するための
図であつて、同図(a)は断面図、同図(b)はその断面
に対応する輝度特性を示した図である。

第６図において、３はランプ、４は反射面、６
は拡散板である。

ランプ３の後方には、散乱性の高い反射面４が
配置され、出光側には拡散性の高い半透明の拡散
板５が配置されており、ランプ３からの照射光を
均質化するようにしていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、均質性を向上させるために、拡
散板５を用いると、透過率が下がり、第６図(b)に
示すように、照明装置の周辺部では十分な輝度が
得られないという問題点があつた。

このため、ランプ３を拡散板５から距離を離し
て配置し、均質性を向上させようとすると、装置
全体が大きくなり、特に、厚さ方向に小形化する
ことが困難になる。

本考案の目的は、前述の問題点を解決して、薄
形に適し、平面的に均質性の高い照射光を得るこ
とができる照明装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本件考案者は、単位発光面積当たり比較的少な
い数の光源を用いた、薄形の照明装置を開発する
にあたり、光源の直上部の輝度が高く、光源から
離れると輝度が低下することにより、発光輝度の
均一化が図れないことに着目し、本考案をするに
至つた。

すなわち、本考案による照明装置は、光源と、
レンチキユラーレンズシートと、反射層とから構
成されている。

光源は、１個または複数個の点光源または棒状
光源が好適に使用できる。

レンチキユラーレンズシートは、光源の出光側
に設けられ両側に凸レンチキユラーレンズが形成
されたレンズシートである。

この場合に、前記レンチキユラーレンズシート
は、出光側のレンチキユラーレンズと光源側のレ
ンチキユラーレンズの光軸が略一致しており、光
源側のレンチキユラーレンズの焦点位置より内側
に出光側のレンチキユラーレンズの表面があるよ
うにしてある。

その理由は、出光位置がレンチキユラーレンズ
の焦点位置に一致した場合には、反射層に入射光
がすべて集光されて直接の透過光がなくなつてし
まうが、出光位置を焦点の内側にすると、レンズ
シートを垂直に透過する光は、反射層に当たるが
サイドの光は反射層の両側のレンズ面で屈折され
適当な散乱光になるからである。逆に、出光位置
が焦点の外側になると、反射層に当たらないサイ
ドの光はレンズで屈折されたのち、光の方向がレ
ンズシートに垂直な方向に補正されて、散乱光が
少なくなつてしまう。

反射層は、前記レンチキユラーレンズシートの
出光側の各レンチキユラーレンズ面の一部に設け
られている。この反射層は、前記光源側のレンチ
キユラーレンズに鉛直方向からの平行光が入射し
たときの前記出光側のレンチキユラーレンズの出
光部分およびその近傍に設けられている。

さらに、均質化を向上させるためには、レンチ
キユラーレンズシートは、前記光源との間に、そ
の光源位置に相対する位置が光軸である集光性リ
ニアフレネルレンズと組み合わせて使用したり、
外側に配置された等方性の光拡散板と組み合わせ
て使用することができる。

〔作用〕

従つて、本考案によれば、両凸レンチキユラー
レンズの出光面側の一部に反射層を設けたので、
光源の直上では、殆どの光がその反射層で光が反
射される。一方、光源から離れたところでは、反
射する光は少なく、屈折されて正面方向に通過す
る。このため、全体として均質性の良好な照射光
を得ることができる。

〔実施例〕

以下、図面等を参照して、実施例について本考
案を詳細に説明する。

第１図は、本考案による照明装置の第１の実施
例を説明するための図であつて、同図(a)は断面
図、同図(b)はその断面に対応する輝度特性を示し
た図、第２図(a)は、前記第１の実施例装置のラン
プ遠方の光路を示した図、第２図(b)は、前記第１
の実施例装置のランプ直上の光路を示した図であ
る。

第１図において、１は両凸レンチキユラーレン
ズシート，２は反射層である。なお、前述の従来
例と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を
付してある。

本考案は、平面状の照明装置に適用され、主と
して、その片面が発光面になるものである。

ランプハウスの内面の発光面以外の部分には、
反射面４が形成されている。この反射面４は、発
光面側からの発光輝度を高めるためのものであ
り、例えば、曲面状のミラー面にするか、または
反射率の高い白色塗装面として、拡散性の反射面
を形成している。

出光面側には、透明もしくは半透明の両凸レン
チキユラーレンズシート１が配置されている。

レンチキユラーレンズ１１，１２は、その光軸
が実質的に一致するように成形されており、ラン
プ側のレンチキユラーレンズ１２の焦点位置より
内側に出光側のレンチキユラーレンズ１１の表面
があるように配置されている。

この両凸レンチキユラーレンズシート１のラン
プ３から遠い側のレンチキユラーレンズ１１の頂
部の一部には、フイルタ機能を果たす反射層２が
形成されている。この反射層２は、光源側のレン
チキユラーレンズ１２に鉛直方向から平行光が入
射したときの出光側のレンチキユラーレンズ１１
の出光部分およびその近傍に設けられている。こ
の反射層２は、ランプ３の直上の発光輝度を低下
させるためのものであり、例えば、不透明の材料
（オペーク性の材料）からなる白色反射層が好適
に使用できる。

このため、第２図(b)に示すように、ランプ３の
直上にあるレンチキユラーレンズに入射した光の
大半は、出光側のレンチキユラーレンズ１１の頂
部の反射層２で反射され、光源であるランプ３側
にもどるため、輝度が低下する。

一方、ランプ２から離れた位置に入射した光
は、第２図(a)に示すように、入光側のレンチキユ
ラーレンズ１２に斜方向から入り、、その光の殆
どが、出光側のレンチキユラーレンズ１２の頂部
を通らないため、反射されず通過するとともに、
出光側のレンチキユラーレンズ１１によつて、照
明装置の正面方向に屈折される。

従つて、第１図(b)に示すような輝度特性になる
ので、全体として、均質性の良好な照射光を得る
ことができる。

第３図は、本考案による照明装置の第２の実施
例を示した図である。

第２の実施例は、さらに集光性レンズを組み合
わせて使用する例である。

螢光管３とレンチキユラーレンズシート１の間
に、集光性のリニアフレネルレンズシート５を配
置し、このリニアフレネルレンズシート５の光軸
を、螢光ランプ３の位置に一致させている。

このようにすれば、さらに良好な均質性を達成
できる。

第４図は、本考案による照明装置の第３の実施
例を示した図である。

第２の実施例においては螢光ランプ３が１本の
例し示したが、螢光ランプ３は必ずしも１本であ
る必要はなく、第３の実施例のように複数のラン
プ３１，３１，…を配置することができる。

この場合、集光性のリニアフレネルレンズシー
ト５，５，…も対応して、複数の集光として設け
ればよい。

第５図は、本考案による照明装置の第４の実施
例を示した図である。

この実施例では、レンチキユラーレンズシート
１の外側にさらに等本性の光拡散板６を配置した
ものである。

このようにすれば、均質化のためのレンチキユ
ラーレンズシート１の線形パターンの発生を有効
に防止できる。

なお、レンチキユラーレンズシート１内に光拡
散性物質を混入することによつて、同様な効果を
得ることができる。

〔考案の効果〕

以上詳しく説明したように、本考案によれば、
両凸レンチキユラーレンズの出光面側の一部に反
射層を設けたので、光源の直上では、殆どの光が
その反射層で反射され、光源から離れたところで
は、反射する光は少なく、屈折されて正面方向に
通過すので、全体として均質性の良好な照明光を
得ることができる。

従つて、薄形でかつ照射光の均質性のよい照明
装置が実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による照明装置の第１の実施
例を説明するための図であつて、同図(a)は断面
図、同図(b)はその断面に対応する輝度特性を示し
た図、第２図(a)は、前記第１の実施例装置のラン
プ遠方の光路を示した図、第２図(b)は、前記第１
の実施例装置のランプ直上の光路を示した図であ
る。第３図は、本考案による照明装置の第２の実
施例を示した図である。第４図は、本考案による
照明装置の第３の実施例を示した図である。第５
図は、本考案による照明装置の第４の実施例を示
した図である。第６図は、照明装置の従来例を説
明するための図であつて、同図(a)は断面図、同図
(b)はその断面に対応する起度特性を示した図であ
る。 １……両凸レンチキユラーレンズシート、２…
…反射層、３……ランプ、４……反射面、５……
リニアフレネルレンズ、６……拡散板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光源と、前記光源の出光側に設けられ両側に
   凸レンチキユラーレンズが形成されたレンチキ
   ユラーレンズシートと、前記レンチキユラーレ
   ンズシートの出光側の各レンチキユラーレンズ
   面の一部に設けられた反射層とから構成したこ
   とを特徴とする照明装置。 (2) 前記レンチキユラーレンズシートは、出光側
   のレンチキユラーレンズと光源側のレンチキユ
   ラーレンズの光軸が略一致しており、光源側の
   レンチキユラーレンズの焦点位置より内側に出
   光側のレンチキユラーレンズの表面があること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の照明装置。 (3) 前記反射層は、前記光源側のレンチキユラー
   レンズに鉛直方向からの平行光が入射したとき
   の前記出光側のレンチキユラーレンズの出光部
   分およびその近傍に設けられたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の照明装
   置。 (4) 前記光源は、１個または複数個の点光源また
   は棒状光源であることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の照明装置。 (5) 前記レンチキユラーレンズシートは、前記光
   源との間に、その光源位置に相対する位置が光
   軸である集光性リニアフレネルレンズと組み合
   わせて使用することを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の照明装置。 (6) 前記レンチキユラーレンズシートは、外側に
   配置された等方性の光拡散板と組み合わせて使
   用することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の照明装置。