JPH04254588A - 耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法

Info

Publication number
JPH04254588A
JPH04254588A JP3678891A JP3678891A JPH04254588A JP H04254588 A JPH04254588 A JP H04254588A JP 3678891 A JP3678891 A JP 3678891A JP 3678891 A JP3678891 A JP 3678891A JP H04254588 A JPH04254588 A JP H04254588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chromate
organic
silica
resin
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3678891A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Kubota
隆広 窪田
Masaaki Yamashita
正明 山下
Toyofumi Watanabe
豊文 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP3678891A priority Critical patent/JPH04254588A/ja
Publication of JPH04254588A publication Critical patent/JPH04254588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車車体や家電製
品等に使用される耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗
装性および識別性に優れた表面処理鋼板に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】近年、自動車車体として使用される鋼板に
は優れた耐食性が要求され、従来から使用されてきた冷
延鋼板に代わり、耐食性に優れた表面処理鋼板の使用比
率が高まりつつあるのが現状である。このような表面処
理鋼板として、特開昭64−8033号や特開平2−1
5177号に示されているような有機複合被覆鋼板が知
られている。これらの鋼板は、亜鉛系めっき鋼板をベー
スとし、第1層としてクロメート皮膜を有し、その上層
に第2層として有機樹脂皮膜を有しており、耐食性、溶
接性、塗料密着性および電着塗装性に優れた特性を有し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近自動車
メーカーでは自動車の車種・グレードや腐食環境の異な
る日本国内向け、欧米向けといった向け先等に応じ、自
動車の防錆仕様を変更している。このため、同一の工場
内でも、めっき付着量が異なる鋼板や通常の冷延鋼板等
、様々な種類の鋼板が混在するようになっており、鋼板
の誤使用を防止し、また、鋼板の種類に応じて溶接条件
を変更しなければならない等の理由から、鋼板の種類を
的確に識別することが必要とされている。また、鋼板に
よっては、片面にのみ有機複合被覆を有するものや表裏
に異なる種類の皮膜を有するものもあり、このような鋼
板については、その表裏を的確に識別する必要がある。 しかし、このような種類の異なる鋼板や鋼板の表裏を、
鋼板そのものから識別することは容易ではなく、したが
って、鋼板誤使用の防止はコイルの厳格な管理に頼らざ
るを得ないのが現状である。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、自動車用等の表面処理鋼板と
して優れた耐食性、溶接性、塗料密着性および電着塗装
性を有するとともに、めっき付着量等が異なる鋼板や鋼
板表裏を識別することが可能な有機複合被覆鋼板および
その製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明の有機複合被覆鋼板は次のような構成を
有している。
【0006】(1)  亜鉛系めっき鋼板面に、第1層
として金属クロム換算で10〜200mg/m2の付着
量のクロメート層を有し、その上層に第2層として、(
A)エポキシ樹脂の末端に1個以上の塩基性窒素原子と
2個以上の1級水酸基とを付加させた基体樹脂と、ポリ
イソシアネート化合物およびブロックイソシアネート化
合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の硬化
剤とからなる有機樹脂 (B)シリカ (C)難溶性クロム酸塩 (D)有機着色顔料 を下記の割合で含む膜厚0.2〜2μmの有機樹脂皮膜
を有してなる耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性
および識別性に優れた有機複合被覆鋼板。 ■有機樹脂とシリカおよび難溶性クロム酸塩の重量比:
有機樹脂/(シリカ+難溶性クロム酸塩)=80/20
〜50/50 ■シリカと難溶性クロム酸塩の重量比:シリカ/難溶性
クロム酸塩=37/3〜20/20■有機樹脂中の基体
樹脂と硬化剤の重量比:基体樹脂/硬化剤=95/5〜
60/40■有機樹脂、シリカおよび難溶性クロム酸塩
と有機着色顔料の重量比: (有機樹脂+シリカ+難溶性クロム酸塩)/有機着色顔
料=100/10〜100/3
【0007】(2)  亜鉛系めっき鋼板面に、液組成
が下記■の条件で調整されたクロメート処理液を塗布し
た後、水洗することなく乾燥させるクロメート処理を施
すことにより、金属クロム換算で10〜200mg/m
2の付着量のクロメート層を形成させ、次いで、(A)
エポキシ樹脂の末端に1個以上の塩基性窒素原子と2個
以上の1級水酸基とを付加させた基体樹脂と、ポリイソ
シアネート化合物およびブロックイソシアネート化合物
からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の硬化剤と
からなる有機樹脂 (B)シリカ (C)難溶性クロム酸塩 (D)有機着色顔料 が下記■の割合に配合された有機樹脂組成物を塗布し、
加熱処理することにより、上記クロメ−ト層の上層に膜
厚0.2〜2μmの有機樹脂皮膜を形成させることを特
徴とする耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性、識
別性に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法。 ■クロメート処理液組成 (a)無水クロム酸:5〜100g/l(b)リン酸イ
オン:0.5〜20g/l(c)ジルコニウムフッ化物
イオン:0.2〜4g/l(d)亜鉛イオン:0.2〜
7g/l (e)6価クロム酸イオン/3価クロム酸イオン:3/
4〜3/2(重量比) (f)クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:10/
1〜100/1(重量比) ■有機樹脂組成物(不揮発分の重量比)(a)有機樹脂
とシリカおよび難溶性クロム酸塩の重量比: 有機樹脂/(シリカ+難溶性クロム酸塩)=80/20
〜50/50(b)シリカと難溶性クロム酸塩の重量比
: シリカ/難溶性クロム酸塩=37/3〜20/20(c
)有機樹脂中の基体樹脂と硬化剤の重量比:基体樹脂/
硬化剤=95/5〜60/40(d)有機樹脂、シリカ
および難溶性クロム酸塩と有機着色顔料の重量比:(有
機樹脂+シリカ+難溶性クロム酸塩)/有機着色顔料=
100/10〜100/3
【0008】なお、上記各構
成において、有機樹脂皮膜或いは有機樹脂組成物中に配
合される有機着色顔料として、好ましくは縮合多環系有
機顔料およびフタロシアニン系有機顔料からなる群の中
から選ばれる1種以上の顔料が用いられる。
【0009】
【作用】本発明鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板と
しては、例えば、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっ
き鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板、Zn−Mn合金め
っき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Co−C
r合金めっき鋼板、さらにはこれら鋼板のめっき中に金
属酸化物を分散させた亜鉛系複合めっき鋼板等を挙げる
ことができる。また、上記のようなめっきのうち、同種
または異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板
であってもよい。めっき方法としては、電解法、溶融法
、気相法のうち実施可能ないずれの方法を採用すること
もできるが、下地の冷延鋼板の選択性という面からは、
電解法が有利である。
【0010】上記の亜鉛系めっき鋼板の表面に形成され
るクロメート層は、6価のクロム酸イオンによる自己修
復作用により亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制する。この
クロメート層の付着量は、金属クロム換算で10〜20
0mg/m2、好ましくは30〜150mg/m2とす
る。付着量が金属クロム換算で10mg/m2未満では
、充分な耐食性を期待することができず、一方、200
mg/m2を超えるとクロム溶出性や溶接性が劣化して
しまう。
【0011】クロメート処理は、下記に示す組成の処理
液をめっき鋼板に塗布し、水洗することなく乾燥させ、
皮膜を得る。 (a)無水クロム酸:5〜100g/l(b)リン酸イ
オン:0.5〜20g/l(c)ジルコニウムフッ化物
イオン:0.2〜4g/l(d)亜鉛イオン:0.2〜
7g/l (e)6価クロム酸イオン/3価クロム酸イオン:3/
4〜3/2(重量比) (f)クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:10/
1〜100/1(重量比)
【0012】ここで、無水クロム酸の濃度は、5g/l
未満ではクロメート層をめっき鋼板の表面に十分に形成
させることができず、耐食性が劣る。一方、無水クロム
酸の濃度が100g/lを超えると、クロメート皮膜の
付着量が多くなり過ぎ、溶接性が劣化する。リン酸イオ
ンは、3価のクロム酸イオンのゲル化を防止する作用お
よび亜鉛イオンと反応して難溶性塩を形成し耐食性を向
上させる作用を有するが、0.5g/l未満では、本発
明が規定する塗布型クロメート処理液中の〔6価クロム
酸イオン〕/〔3価クロム酸イオン〕比においてゲル化
を防止する効果が不十分となり、処理液に沈殿を生じる
傾向がある。一方、20g/lを超えると、処理液のp
Hを過剰に低下させ、被処理物である亜鉛系めっき鋼板
の溶解を促進し、耐食性を劣化させる。
【0013】フッ化物の中で、特にジルコニウムフッ化
物イオンは、6価のクロム酸イオンと錯体を形成し、耐
食性に最も寄与する6価クロム酸イオンのクロメート皮
膜中からの過剰な溶出を抑制する効果があるが、その濃
度が0.2g/l未満では6価のクロム酸イオンの溶出
を抑制する効果が不十分であり、6価のクロム酸イオン
の消耗が早く耐食性がやや劣化する。一方、濃度が4g
/lを超えると、亜鉛系めっき鋼板の表面を過剰にエッ
チングすることになり、耐食性が劣化する。金属イオン
の中で、特に亜鉛イオンは、クロメート皮膜中の6価の
クロム酸イオンをクロム酸亜鉛とすることにより、自動
車の塗装の前処理工程である脱脂工程で6価のクロム酸
イオンの溶出を抑制する効果があるが、その濃度が0.
2g/l未満では、6価のクロム酸イオンの溶出を抑制
する効果が不十分であり、脱脂液の廃液を環境中に放出
する際に、クロムイオンを取り除く廃液処理が必要とな
る。一方、濃度が7g/lを超えると、クロメート処理
液がゲル化する傾向があり、好ましくない。
【0014】処理液中の〔6価クロム酸イオン〕/〔3
価クロム酸イオン〕の重量比が3/4未満であると、ク
ロメート処理液がゲル化する傾向があり、またクロメー
ト皮膜中の6価のクロム酸イオンが不足し、耐食性が劣
化する。一方、〔6価クロム酸イオン〕/〔3価クロム
酸イオン〕の重量比が3/2を超えると、クロメート皮
膜の耐水性が劣化し、塗料密着性が劣る。処理液中の〔
クロム酸〕/〔ジルコニウムフッ化物イオン〕の重量比
が10/1未満であると、ジルコニウムフツ化物イオン
による6価のクロム酸イオンとの錯体形成反応が過剰に
進行し、6価のクロム酸イオンによる自己修復効果を阻
害し、耐食性を劣化させる。一方、100/1を超える
と錯体の形成反応が不十分となり、やはり耐食性が劣化
する。
【0015】塗布型クロメート処理と電解型クロメート
処理によって得られるクロメート皮膜を比較すると、塗
布型は皮膜中に6価のクロム酸イオンをより多く含有す
るため、耐食性が優れている。一方、電解型は、自動車
の脱脂工程等の塗装前処理工程におけるクロムの溶出量
が少なく、また皮膜の付着量の調整が容易であるという
利点がある。耐食性を考慮した場合には、塗布型クロメ
ート処理が最も好ましい。
【0016】クロメート液中のクロム酸は無水クロム酸
を添加することに得られ、また〔6価クロム酸イオン〕
/〔3価クロム酸イオン〕の調整は修酸、タンニン酸、
デンプン、アルコール、ヒドラジン等の還元剤により浴
中の6価クロム酸イオンを3価クロム酸イオンに還元す
ることにより行う。また、リン酸イオンは正リン酸、リ
ン酸アンモン等を添加することにより得られる。またジ
ルコニウムフッ化物イオンは、2価のZrF6イオンの
形で添加するのが好ましく、(NH4)2ZrF6、H
2ZrF6等を添加することにより得られる。
【0017】本発明におけるクロメート液の塗布は、ロ
ールコーター法、浸漬法、スプレー法等、いずれの方法
によっても可能である。
【0018】亜鉛系めっき鋼板の表面に形成されたクロ
メート皮膜の上層に、第2層として形成される有機樹脂
皮膜は、クロメート層中の6価のクロム酸イオンの腐食
環境中への過剰な溶出を抑制し、防食効果を持続させる
とともに、有機樹脂皮膜中に添加されたシリカやクロム
酸塩によりさらに耐食性を向上させる。
【0019】有機樹脂は、エポキシ樹脂の末端に1個以
上の塩基性窒素原子と2個以上の1級水酸基とを付加さ
せた基体樹脂と、ポリイソシアネート化合物およびブロ
ックイソシアネート化合物からなる群の中から選ばれる
少なくとも1種の硬化剤とからなるものである。基体樹
脂は、耐食性および塗料密着性の観点から腐食環境で水
を皮膜中に呼び込みにくい溶剤型のエポキシ樹脂が好ま
しい。上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンを縮合反応させた縮合体であるエポ
キシ樹脂が耐食性、塗料密着性等の点で優れている。こ
のエポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ
(株)製のエピコート828、1001、1004、1
007、1009、1010等を単独または混して用い
ることができる。
【0020】また、末端に1個以上の塩基性窒素原子を
付加した塩基性エポキシ樹脂は、特に自動車用に適用さ
れているカオチン電着塗装時に界面に発生するアルカリ
に対して、その樹脂構造が劣化せず、良好な密着性が得
られる。さらに、エポキシ樹脂1分子中に2モル以上の
一級水酸基を導入することにより、樹脂構造をより緻密
なものとすることができる。エポキシ樹脂に塩基性窒素
原子と一級水酸基を導入するには、例えばアルカノール
アミンおよび/またはアルキルアルカノールアミンをエ
ポキシ樹脂のエポキシ基に付加させる方法がある。これ
らのアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モノ
プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノ
ールアミン等があり、これらのアミンを単独または混合
して使用することができる。
【0021】また、エポキシ樹脂1分子中に平均2モル
以上の一級水酸基を導入することができれば、エポキシ
樹脂を部分的に他の化合物で変性することができる。部
分的変性の方法としては、 (1)モノカルボン酸によるエステル化(2)脂肪族ま
たは芳香族アミンによる変性(3)オキシ酸類による変
性 等がある。その他、ジカルボン酸による変性方法もある
が、分子量の制御が困難となるため、本発明の樹脂組成
物には適さない。
【0022】上記のエポキシ樹脂は、その塩基の部分を
低分子酸で中和し、水分散または水溶性の樹脂として使
用することも可能である。しかし、このようして使用す
ると、低温で加熱処理した場合などに強固な皮膜を得る
ことができず、水溶化のために用いた酸性化合物が皮膜
中で塩を形成し、湿潤環境下で水分を皮膜中に呼び込み
易いため、耐食性、塗料密着性を劣化させてしまう。さ
らに、水分散または水溶性の樹脂として使用した場合に
は、下層のクロメート皮膜中の6価のクロム酸イオンが
樹脂液中に溶出し、樹脂液をゲル化させてしまうという
問題がある。以上の点からも、樹脂組成物は溶剤型のも
のが好ましい。
【0023】樹脂組成物に使用する溶剤種としては、炭
化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、低分子
(C4以下)のアルコール類、もしくは2・3級の水酸
基を有するアルコール類の1種以上を混合して使用でき
るが、高沸点のアルコール系溶媒は、樹脂皮膜の硬化反
応を阻害するために好ましくない。
【0024】樹脂組成物の硬化には、硬化剤のイソシア
ネートと基体樹脂中の水酸基とによるウレタン化反応を
主反応とすることが好ましいが、塗布する前の樹脂組成
物を安定に保存するためには、硬化剤のイソシアネート
基の反応性を制御するためイソシアネート化合物をブロ
ックする必要がある。このブロック方法として、加熱時
にブロック基が脱離し、イソシアネート基が再生するブ
ロック方法がある。
【0025】イソシアネート化合物としては、1分子中
に少なくとも2個のイソシアネート基を有する脂肪族、
脂環族(複素環を含む)または芳香族イソシアネート化
合物、もしくはそれらの化合物を多価アルコールで部分
反応させた化合物がある。これには、例えば以下のよう
なものがある。 (1)m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2
,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、また
はp−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート (2)上記(1)の化合物の単独または混合物と、多価
アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール等の
4価アルコール、ソルビトール、ジペンタエリスリトー
ル等の6価アルコール等)との反応生成物で、1分子中
に少なくとも2個のイソシアネート基が残存する化合物
【0026】また、このブロック剤としては、例えば、
(1)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、オクチルアルコール等の脂肪族モノアルコール(
2)エチレングリコールおよび/またはジエチレングリ
コール等のモノエーテル (3)フェノール、クレゾール等の芳香族アルコール(
4)アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等の
オキシム等があり、これらの1種以上と前記イソアネー
ト化合物とを反応させることにより、少なくとも常温下
で安定にブロツクされたイソシアネート化合物を得るこ
とができる。
【0027】このようなイソシアネート化合物は硬化剤
として基体樹脂に配合され、その配合比率は、基体樹脂
/硬化剤=95/5〜60/40(不揮発分の重量比)
、好ましくは90/10〜70/30である。イソシア
ネート化合物は吸水性があり、基体樹脂/硬化剤の比で
90/10を超えて配合すると樹脂皮膜の硬化が不十分
となり、耐食性、塗料密着性が劣化し、特に90/5を
超えるとその傾向がさらに顕著となる。一方、70/3
0未満では、塗料密着性が劣化し、特に60/40未満
ではその傾向がさらに顕著となる。さらに、硬化剤とし
てメラミン、尿素およびベンゾグアナミンから選ばれた
1種以上に、ホルムアルデヒドを反応させたアルキルエ
ーテル化アミノ樹脂をイソシアネート化合物と併合して
もよい。
【0028】なお、有機樹脂は、以上のような硬化剤で
十分硬化するが、さらに低温での反応性を増大させるた
め、硬化促進触媒を使用することが望ましい。この硬化
促進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリン、ジ
ブチル錫ジラウリレート、ナフテン酸コバルト、塩化第
一錫、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマス等がある。また、
塗料密着性、加工性等の向上を狙いとして、エポキシ樹
脂を基体樹脂とする樹脂組成物にアクリル系、アルキッ
ド系、ポリエステル系の樹脂を併用してもよい。
【0029】本発明は、以上のような有機樹脂中にシリ
カおよび難溶性クロム酸塩を配合することにより、耐食
性をさらに向上させている。シリカは、下地メッキから
2価のZnイオン等が溶出してきた場合、このZnイオ
ンと反応し、鋼板全面にわたり安定な腐食生成物を形成
させ防食効果を発揮するものと推定される。一方、難溶
性クロム酸塩は6価のクロム酸イオンを微量に溶出させ
、この6価のクロム酸イオンの不働態化作用により防食
効果を発揮し、特にSSTなどの連続的に溶解が進行す
るような腐食環境では効果が大きい。本発明で使用する
シリカには、コロイダルシリカ、フュームドシリカと呼
ばれる親水性シリカと疎水性シリカとがある。これらシ
リカのうち、親水性シリカでも耐食性向上効果は期待で
きるが、後述するように疎水性シリカの方が耐食性を顕
著に向上させる。シリカの粒径としては、1mμ〜50
0mμが適当であり、特に5mμ〜100mμが好まし
い。
【0030】コロイダルシリカ(シリカゾル)或いはフ
ュームドシリカとして知られている親水性シリカは、そ
の表面が水酸基(シラノール基)で覆われており、親水
性を示す。このシラノール基は反応性に富むため、各種
有機化合物と反応しやすく、シリカ表面を有機化するこ
とができる。疎水性シリカは、このような親水性シリカ
表面のシラノール基の一部またはほとんどをメチル基や
アルキル基等で置換反応させ、シリカ表面を疎水化させ
たものである。疎水性シリカの製法は多種多様であり、
その代表的なものとして、アルコール類、ケトン類、エ
ステル類などの有機溶剤、シラン類、シラザン類、ポリ
シロキサン類等の反応であり、反応の方法としては、有
機溶媒中における反応加圧法、触媒加熱法等がある。
【0031】シリカは優れた防食効果を有しているが、
特に疎水性シリカが耐食性を向上させる上で有効である
。例えば上述した特開昭58−224174号等におい
て、有機樹脂に親水性のコロイダルシリカを添加するこ
とが示されている。しかしながら、親水性シリカは親水
性が強いために溶剤との相溶性が悪く、またその強い親
水性のために水の浸透を招き易く、これが耐食性が低下
する原因となり、特に湿潤環境下での初期錆を招き易い
ものと推定される。このため本発明では、表面を疎水化
したシリカ(疎水性シリカ)を塩基性エポキシ樹脂に配
合し、塩基性エポキシ樹脂との相溶性を高め、高耐食性
を得るようにした方が好ましい。このような疎水性シリ
カとしては、例えば表面を有機溶剤または反応性シラン
化合物等で疎水化したシリカ、すなわち疎水性超微粒子
シリカ(例えば、日本エアロジル社製R974、R81
1、R812、R805、T805、R202、RY2
00、RX200等)がある。以上のような疎水性シリ
カは塩基性エポキシ樹脂に安定して分散する。
【0032】また、樹脂中に添加される難溶性クロム酸
塩は、クロメート層とほぼ同様な防食機構により亜鉛系
めっき鋼板の腐食を抑制するものと考えられる。本発明
で使用する難溶性クロム酸塩としては、クロム酸バリウ
ム(BaCrO4)、クロム酸ストロンチウム(SrC
rO4)、クロム酸カルシウム(CaCrO4)、クロ
ム酸亜鉛(ZnCrO4・4Zn(OH)2)、クロム
酸亜鉛カリウム(K2O・4ZnO・4CrO3・3H
2O)、クロム酸鉛(PbCrO4)等の微粉末がある
【0033】また、上記した難溶性クロム酸塩を2種以
上混合して使用することも可能である。但し、耐食性の
観点からは、長期にわたってクロム酸イオンによる自己
修復効果の持続性が期待できるクロム酸バリウム、クロ
ム酸ストロンチウムが好ましい。また、自動車の塗装前
処理工程において有機樹脂皮膜中からの水可溶性クロム
の溶出をできるだけ少なくするという観点からは、クロ
ム酸バリウムが好ましい。
【0034】本発明では、有機樹脂組成物中にシリカお
よび難溶性クロム酸塩を特定の比率で複合添加すること
により、双方の防食効果の相乗的効果により最も優れた
耐食性を実現できる。すなわち、シリカおよび難溶性ク
ロム酸塩が重量比で、 (a)有機樹脂/(シリカ+難溶性クロム酸塩)=80
/20〜50/50 (b)シリカ/難溶性クロム酸塩=37/3〜20/2
0 の割合で配合された場合に最も優れた耐食性を得ること
が可能となる。ここで、有機樹脂/(シリカ+難溶性ク
ロム酸塩)の比が、80/20を超えるとシリカおよび
難溶性クロム酸塩による防食効果が十分に発揮されず耐
食性が劣る。一方、50/50未満であると、有機樹脂
のバインダーとしての効果が不十分となり塗料密着性が
劣化する。また、シリカ/難溶性クロム酸塩の比が37
/3を超えても、20/20未満でも相乗効果が不十分
となり、耐食性がやや劣る。このように、シリカと難溶
性クロム酸塩を限定された配合量で複合添加することに
より、厳しい腐食環境下であっても優れた耐食性が得ら
れる。なお、このようにシリカと難溶性クロム酸塩を複
合添加する場合でも、シリカや難溶性クロム酸塩は異な
る種類のものを2種以上組み合わせて用いることができ
、上記配合割合の条件下において良好な耐食性を得るこ
とができる。
【0035】本発明では、上記の有機樹脂、シリカ、難
溶性クロム酸塩からなる有機樹脂組成物中に有機着色顔
料を特定の比率で添加するものであり、これにより、有
機樹脂皮膜を着色化し、良好な識別性を実現できる。す
なわち、有機樹脂組成物中の有機樹脂、シリカおよび難
溶性クロム酸塩と有機着色顔料との重量比(不揮発分)
が、 (有機樹脂+シリカ+難溶性クロム酸塩)/有機着色顔
料=100/10〜100/3 の割合で配合された場合に、最も優れた耐食性、溶接性
、塗料密着性、電着塗装性、識別性を得ることが可能と
なる。ここで、(有機樹脂+シリカ+難溶性クロム酸塩
)/有機着色顔料が100/10未満であると、皮膜が
ポーラスになり耐食性が劣化する。一方、100/3を
超えると、有機皮膜の着色化の程度が低く、識別性に劣
る。
【0036】着色顔料は有機系と無機系のものに大別さ
れるが、着色顔料を過剰に加えると耐食性が劣化するこ
とから、着色顔料の添加は極力少量であることが好まし
く、このような観点から、本発明では同一添加量での着
色力の強い有機系の顔料が用いられる。また、有機系顔
料は、アゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系に大別さ
れるが、アゾ系は耐酸・耐アルカリ性と耐溶剤性を共に
満足するものが少なく、自動車の塗装前処理工程で脱脂
液やリン酸塩処理液中に溶出したり、カチオン電着塗膜
や上塗り塗膜中へ顔料が溶出し、色がにじむ(ブリード
)等の問題を生じる。これに対し、フタンロシアニン系
および縮合多環系の顔料は、耐酸・耐アルカリ性と耐溶
剤性をバランスよく満足し、したがって、有機着色顔料
としては、これらフタンロシアニン系および縮合多環系
の中から選ばれる1種以上の顔料を用いることが好まし
い。但し、フタンロシアニン系の顔料は、色相が青系と
緑系のものしかないため汎用性が乏しい難点がある。 また、縮合多環系有機顔料の中でも、特に優れた着色力
、耐酸・耐アルカリ性、耐溶剤性を有するものとして、
キノフタロン、キナクリドン、イソインドリノンがある
【0037】なお、本発明では、以上の添加成分たるシ
リカ、難溶性クロム酸塩、有機着色顔料の他に、公知の
他の添加剤(例えば界面活性剤等)、防錆顔料(例えば
クロム系、非クロム系防錆顔料等)、体質顔料等を配合
することができる。本発明における有機樹脂被覆処理は
、通常ロールコーター法により樹脂組成物を塗布した後
、加熱処理を行うが、浸漬法やスプレー法により塗布し
、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を調整した
後、加熱処理を行うことも可能である。
【0038】有機樹脂皮膜の膜厚は0.2〜2μmであ
る。膜厚が0.2μm未満では十分な耐食性を期待する
ことができず、一方、2μmを超えると溶接性や電着塗
装性が劣化する。また、さらに高度な耐食性、溶接性、
電着塗装性を満足させるためには、0.3〜1.5μm
の範囲が好ましい。有機樹脂組成物塗布後の焼付処理は
、板温で50〜200℃、好ましくは60〜150℃の
温度で行われ、この温度に数秒〜数分間保持することに
より乾燥皮膜が得られる。この焼付は、通常は熱風を供
給することによりなされるが、これに限定されるもので
はない。本発明ではこのように比較的低温の焼付により
所望の皮膜が得られる。ここで、上記焼付温度が50℃
未満であると、クロム溶出量が多くなるという問題があ
り、60℃以上がクロム溶出性の面からは好ましい。 一方、焼付温度が200℃を超えると、経済性を損なう
ばかりでなく耐食性が劣化してくる。これは200℃を
超える高温焼付では、クロメート皮膜成分中に含有され
る水分の揮散と、クロムに付加された水酸基どうしの脱
水縮合反応の急速な進行とにより、クロメート皮膜のク
ラック発生によるクロメート皮膜の破壊が進行し、また
6価のクロム酸イオンの還元が進んで6価のクロム酸イ
オンの不働態化作用が低減すること等によるものと推定
される。焼付温度は、好ましくは150℃以下とするこ
とにより耐食性、経済性の面で有利となる。また、本発
明を焼付硬化性を有する高張力鋼板(所謂BH鋼板)に
適用する場合には、特に150℃以下の焼付温度が好ま
しい。
【0039】本発明によれば、以上のような複合被覆を
めっき鋼板の両面または片面に施し、例えば次のような
態様の表面処理鋼板とすることができる。 (1)片面‥‥めっき皮膜−クロメート皮膜−有機樹脂
組成物皮膜片面‥‥Fe面 (2)片面‥‥めっき皮膜−クロメート皮膜−有機樹脂
組成物皮膜片面‥‥めっき皮膜 (3)両面‥‥めっき皮膜−クロメート皮膜−有機樹脂
組成物皮膜なお、本発明の複合被覆鋼板は自動車用に限
らず、家電、建材等の用途にも用いることができる。
【0040】
【実施例】自動車車体用の表面処理鋼板として、亜鉛め
っき鋼板をアルカリ脱脂後、水洗・乾燥し、クロメート
処理を施し、次いで、有機樹脂組成物をロールコーター
により塗布し、焼き付けた。
【0041】得られた有機複合被覆鋼板について、耐食
性、塗料密着性、溶接性、カチオン電着塗装性、識別性
、耐アルカリ性、耐ブリ−ド性の各評価試験を行った。 本実施例の処理条件は以下の通りである。 (1)亜鉛系めっき鋼板表1に示す厚さ0.8mmの亜
鉛系めっき鋼板を原板として用いた。 (2)クロメート処理クロム酸濃度、リン酸イオン濃度
、ジルコニウムフッ化物イオン濃度、亜鉛イオン濃度、
6価クロム酸イオン/3価クロム酸イオンの重量比、ク
ロム酸/ジルコニウムフッ化物イオンの重量比を種々変
化させた処理液をロールコーターにより鋼板に塗布し、
水洗することなく乾燥させた。処理液の組成を表2およ
び表3に示す。
【0042】(3)有機樹脂組成物 表4に使用された有機樹脂(基体樹脂および硬化剤)を
示す。なお、同表における樹脂A、樹脂Bおよび硬化剤
a、硬化剤bについては、下記に示す方法で作成した。 ■  樹脂A:攪拌装置、還流冷却器、温度計、液体滴
下装置を有する反応装置に油化シェルエポキシ(株)製
エピコート1009(1880g=0.5モル)とメチ
ルイソブチルケトン/キシレン=1/1(重量比)の混
合溶媒1000gを加えた後、攪拌・加熱し、溶媒の沸
点下で均一に溶解した。次に70℃まで冷却し、液体滴
下装置に分取したジ(n−プロパノール)アミン70g
を30分を要して滴下した。この間、反応温度を70℃
に保持した。滴下終了後、120℃で2時間保持し、反
応を完結させた。得られた反応生成物を樹脂Aとする。 樹脂Aの有効成分は66%である。■  樹脂B:還流
冷却器、攪拌装置、温度計および窒素ガス吹き込み装置
を有する反応装置に、油化シェルエポキシ(株)製エピ
コート1004(1600g)にペラルゴン酸(試薬)
57g、キシレン80gを加え、170℃で反応物の酸
価がほぼ0になるまで反応させた。次に、減圧下でキシ
レンを除去し、反応中間体を得た。攪拌装置、還流冷却
器、温度計、液体滴下装置を有する反応装置に、この反
応中間体(1650g)とキシレン1000gを加えた
後、100℃に加熱し、液体滴下装置に分取したジエタ
ノールアミン65gとモノエタノールアミン30gとを
30分を要して滴下した。滴下終了後、120℃で2時
間保持し、反応を完結させた。得られた反応生成物を樹
脂Bとする。樹脂Bの有効成分は63%であった。■ 
 硬化剤a:温度計、攪拌装置および還流冷却器を有す
る反応装置に4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト250g、ジイソブチルケトン50gを取り、均一に
攪拌混合した後、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル184gを加え、90℃で2時間、次いで110℃で
3時間反応させ、完全にウレタン化した硬化剤aを得た
。硬化剤aの有効成分は89%であった。■  硬化剤
b:温度計、攪拌装置および滴下ロート付還流冷却器を
有する反応装置に、イソホロンジイソシアネート222
gを取り、これにメチルイソブチルケトン100gを加
え、均一に溶解した後、50%のトリメチロールプロパ
ンのメチルイソブチルケトン溶液88gを、前記滴下ロ
ートから70℃に保持した攪拌状態のイソシアネート溶
液中に1時間を要して滴下した。次に、さらに70℃で
1時間保持したのち、90℃で1時間保持した。その後
、n−ブチルアルコール230gを加え、90℃で3時
間反応させてブロックイソシアネートを得た。この反応
生成物を硬化剤bとする。硬化剤bの有効成分は76%
であった。
【0043】また、表5、表6および表7に、それぞれ
有機樹脂に配合するシリカ、難溶性クロム酸塩および着
色顔料を示す。以上のようにして作成した有機樹脂被覆
鋼板の構成と耐食性、塗料密着性、溶接性、電着塗装性
、識別性、耐アルカリ性、耐ブリード性の評価結果を表
8ないし表21に示す。なお、各特性の評価方法は以下
の通りである。
【0044】(1)耐食性 供試材をアルカリ脱脂後、裏面およびエッヂをテープで
シールし、塩水噴霧試験を3000時間行い、錆の発錆
面積で評価した。 ◎:白錆発錆50%未満 ○:白錆発錆50%以上且つ赤錆発錆無し△:赤錆発錆
5%未満 ×:赤錆発錆5%以上
【0045】(2)塗料密着性 供試材にリン酸塩処理、カチオン電着塗装(日本ペイン
ト(株)製U−600、20μm)、上塗り塗装(関西
ペイント(株)製ルーガベークB−531、35μm)
を行った後、イオン交換水・40℃に240時間浸漬後
、1mm碁盤目テープ剥離試験を行い、塗膜の剥離面積
で評価した。 ◎:剥離無し ○:剥離面積3%未満 △:剥離面積3%以上、10%未満 ×:剥離面積10%以上
【0046】(3)溶接性 電極:CF型、加圧力:200kgf、通電時間10サ
イクル/50Hz、溶接電流9kAで連続打点性の試験
を行い、連続打点数で評価した。 ◎:5000点以上 ○:4000点超、5000点未満 △:3000点超、4000点未満 ×:3000点未満
【0047】(4)電着塗装性 供試材をリン酸塩処理後、カチオン電着塗装(日本ペイ
ント(株)製U−600、20μm)を行い、クレータ
の発生密度で評価した。 ◎:クレータ発生無し ○:1個/dm2以上、5個/dm2未満△:6個/d
m2以上、10個/dm2未満×:11個/dm2以上
【0048】(5)識別性 目視により着色程度を評価した。 ◎:容易に色が識別可能 ○:色の識別がなんとか可能 △:色の識別が困難 ×:色の識別が不可能
【0049】(6)耐アルカリ性 供試材をアルカリ脱脂(日本パーカライジング(株)製
FC−L4460)し、脱脂前後の色の変化を目視で評
価した。 ◎:色の変化無し ○:僅かに色の変化が認められる △:容易に色の変化が認められる ×:完全に脱色している
【0050】(7)耐ブリード性 供試材を(2)と同一の条件で塗装し、冷延鋼板に(2
)と同一の条件で塗装を行ったものと比較し、下地から
の色のにじみ具合を目視で評価した。 ◎:色の変化無し ○:僅かに色がにじんでいる △:やや色がにじんでいる ×:色のにじみがはっきりと認められる
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【表14】
【0065】
【表15】
【0066】
【表16】
【0067】
【表17】
【0068】
【表18】
【0069】
【表19】
【0070】
【表20】
【0071】
【表21】
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機複合
被覆鋼板の樹脂皮膜層を特定の顔料で着色化することに
より、優れた耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性
を有し、しかも、めっき付着量等に応じた鋼板の種類や
鋼板の表裏を容易に識別でき、また冷延鋼板との識別も
容易な有機複合被覆鋼板を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  亜鉛系めっき鋼板面に、第1層として
    金属クロム換算で10〜200mg/m2の付着量のク
    ロメート層を有し、その上層に第2層として、(1)エ
    ポキシ樹脂の末端に1個以上の塩基性窒素原子と2個以
    上の1級水酸基とを付加させた基体樹脂と、ポリイソシ
    アネート化合物およびブロックイソシアネート化合物か
    らなる群の中から選ばれる少なくとも1種の硬化剤とか
    らなる有機樹脂 (2)シリカ (3)難溶性クロム酸塩 (4)有機着色顔料 を下記の割合で含む膜厚0.2〜2μmの有機樹脂皮膜
    を有してなる耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性
    および識別性に優れた有機複合被覆鋼板。 ■有機樹脂とシリカおよび難溶性クロム酸塩の重量比:
    有機樹脂/(シリカ+難溶性クロム酸塩)=80/20
    〜50/50 ■シリカと難溶性クロム酸塩の重量比:シリカ/難溶性
    クロム酸塩=37/3〜20/20■有機樹脂中の基体
    樹脂と硬化剤の重量比:基体樹脂/硬化剤=95/5〜
    60/40■有機樹脂、シリカおよび難溶性クロム酸塩
    と有機着色顔料の重量比: (有機樹脂+シリカ+難溶性クロム酸塩)/有機着色顔
    料=100/10〜100/3
  2. 【請求項2】  有機樹脂皮膜中に配合される有機着色
    顔料が、縮合多環系有機顔料およびフタロシアニン系有
    機顔料からなる群の中から選ばれる1種以上の顔料であ
    る請求項1に記載の耐食性、溶接性、塗料密着性、電着
    塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板。
  3. 【請求項3】  亜鉛系めっき鋼板面に、液組成が下記
    ■の条件で調整されたクロメート処理液を塗布した後、
    水洗することなく乾燥させるクロメート処理を施すこと
    により、金属クロム換算で10〜200mg/m2の付
    着量のクロメート層を形成させ、次いで、(1)エポキ
    シ樹脂の末端に1個以上の塩基性窒素原子と2個以上の
    1級水酸基とを付加させた基体樹脂と、ポリイソシアネ
    ート化合物およびブロックイソシアネート化合物からな
    る群の中から選ばれる少なくとも1種の硬化剤とからな
    る有機樹脂 (2)シリカ (3)難溶性クロム酸塩 (4)有機着色顔料 が下記■の割合に配合された有機樹脂組成物を塗布し、
    加熱処理することにより、上記クロメ−ト層の上層に膜
    厚0.2〜2μmの有機樹脂皮膜を形成させることを特
    徴とする耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性、識
    別性に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法。 ■クロメート処理液組成 (a)無水クロム酸:5〜100g/l(b)リン酸イ
    オン:0.5〜20g/l(c)ジルコニウムフッ化物
    イオン:0.2〜4g/l(d)亜鉛イオン:0.2〜
    7g/l (e)6価クロム酸イオン/3価クロム酸イオン:3/
    4〜3/2(重量比) (f)クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:10/
    1〜100/1(重量比) ■有機樹脂組成物(不揮発分の重量比)(a)有機樹脂
    とシリカおよび難溶性クロム酸塩の重量比: 有機樹脂/(シリカ+難溶性クロム酸塩)=80/20
    〜50/50 (b)シリカと難溶性クロム酸塩の重量比:シリカ/難
    溶性クロム酸塩=37/3〜20/20(c)有機樹脂
    中の基体樹脂と硬化剤の重量比:基体樹脂/硬化剤=9
    5/5〜60/40(d)有機樹脂、シリカおよび難溶
    性クロム酸塩と有機着色顔料の重量比: (有機樹脂+シリカ+難溶性クロム酸塩)/有機着色顔
    料=100/10〜100/3
  4. 【請求項4】  有機樹脂組成物中に配合される有機着
    色顔料が、縮合多環系有機顔料およびフタロシアニン系
    有機顔料からなる群の中から選ばれる1種以上の顔料で
    ある請求項3に記載の耐食性、溶接性、塗料密着性、電
    着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板の製造
    方法。
JP3678891A 1991-02-06 1991-02-06 耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法 Pending JPH04254588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3678891A JPH04254588A (ja) 1991-02-06 1991-02-06 耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3678891A JPH04254588A (ja) 1991-02-06 1991-02-06 耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04254588A true JPH04254588A (ja) 1992-09-09

Family

ID=12479530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3678891A Pending JPH04254588A (ja) 1991-02-06 1991-02-06 耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04254588A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000279881A (ja) * 1998-09-16 2000-10-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 太陽熱反射性表面処理金属板
JP2013513023A (ja) * 2009-12-03 2013-04-18 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 正のゼータ電位を有する防食顔料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000279881A (ja) * 1998-09-16 2000-10-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 太陽熱反射性表面処理金属板
JP2013513023A (ja) * 2009-12-03 2013-04-18 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 正のゼータ電位を有する防食顔料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6562474B1 (en) Coated steel sheet having excellent corrosion resistance and method for producing the same
KR910008596B1 (ko) 고내식성 표면처리강판
US4659394A (en) Process for preparation of highly anticorrosive surface-treated steel plate
KR920000245B1 (ko) 고내식성 표면처리 강판의 제조방법
JP3977756B2 (ja) 耐白錆性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法
JP2002053979A (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板およびその製造方法
KR910002492B1 (ko) 고내식성 복층피복 강판
JP2001335964A (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板
JPH0939157A (ja) プレス成形性および耐孔あき腐食性に優れた有機複合被覆鋼板
JP2007009232A (ja) 表面処理鋼板およびその製造方法
JP3381647B2 (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板
JP4419532B2 (ja) 耐食性、導電性および皮膜外観に優れた表面処理鋼板
US5795660A (en) Organic composite coated steel sheet having a high corrosion resistance in a rust-contaminated environment
JPH1043677A (ja) 耐食性、耐パウダリング性及び塗装性に優れた溶接可能なプレプライムド鋼板
JPH0751620A (ja) 耐食性に優れかつ無害性のプレコート鋼板
JPH04254588A (ja) 耐食性、溶接性、塗料密着性、電着塗装性および識別性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法
JP3106498B2 (ja) 耐傷付き性および耐食性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法
JP3412538B2 (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板
JPH0448348B2 (ja)
JP3071376B2 (ja) プレス成形性及び耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板
JP3259581B2 (ja) 耐もらい錆性及びカチオン電着塗装性に優れた有機複合被覆鋼板
JP3153706B2 (ja) 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板
JP3259582B2 (ja) 耐もらい錆性及び電着塗装性に優れた有機複合被覆鋼板
KR910002569B1 (ko) 고내식성 표면처리강판
JP3153705B2 (ja) 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板