JPH0425262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、前方がわから後方に穀粒を搬送する
振動コンベヤの前工程に石抜装置を設けて振動コ
ンベヤによつて搬送せんとする穀粒中に混入する
小石、砂等の異物を搬送前に除去するところの石
抜装置を有する振動コンベヤに関するものであ
る。

(ロ) 従来の技術 上記のように、前方がわから後方に穀粒を搬送
する振動コンベヤの前工程に石抜装置を設けてあ
る構成のものは、従来の技術としては例えば実開
昭59−193581号公報に示されるように、振動コン
ベヤと石抜装置は直列状に一体に構成され振動コ
ンベヤの穀粒の搬送方向に対して石抜装置では異
物を逆方向に選別除去するのであるから、振動コ
ンベヤに適する搬送揺動をこれに与えれば選別盤
の押進作用による異物の除去は半減され、また石
抜装置の異物除去作用に適した押進揺動を与える
と振動コンベヤの搬送力は半減されてしまい振動
コンベヤと石抜装置両者の機能を十分に発揮させ
ることができず、且つこの両者は直列状に構成さ
れていることによつて総体的に長大なものとなら
ざるを得ないという問題点を有しているのであ
る。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 本考案は、このように従来のものでは振動コン
ベヤと石抜装置両者がその機能を充分発揮するこ
とができず、且つ両者の直列状の構成によつて長
大とならざるを得ないという問題点を一掃してこ
の両者の機能の充実をはかるとともに纏まつた構
成のものにしようとするを目的として提案された
ものである。

(ニ) 課題を解決するための手段 そこで、本考案は、前記の目的を達成させるた
めに、 前方がわから後方に穀粒を搬送する振動コンベ
ヤの前方がわ側部に、多数の噴風口を開口して前
低後高に斜設させた選別盤の下側から上方に噴風
せしめる構成にした石抜装置を一体に設け、前記
選別盤の押進作用方向を後方に向けて振動コンベ
ヤの搬送方向と同方向にし選別盤の後部から異物
を取出し前部の底面を振動コンベヤの始端部に連
通して異物除去後の穀粒を振動コンベヤに供給す
る構成にしたものである。

(ホ) 作用 本考案はこのように構成されているので、小
石、砂等の異物が混入されている穀粒は振動コン
ベヤによつて前方がわから後方に搬送される前に
石抜装置によつて上記の異物は除去されこの除去
後の穀粒が振動コンベヤによつて搬送されるよう
になるのである。

即ち、選別盤上に供給される穀粒は前低後高に
斜設されかつ押進揺動が与えられる選別盤の下側
から噴風口を通して吹き上げる噴風とによつて穀
粒中の異物は穀粒から分離して後方に向け押進さ
れ選別盤の後部から除去され、異物の除去された
穀粒は選別盤の前部に流下してその底面から振動
コンベヤの始端部に流入し、この振動コンベヤに
よつて上記選別盤による異物の選別除去方向と同
方向の後方に向けて搬送されるのである。

(ヘ) 実施例 以下、本考案について実施例図を参照し説明す
る。そこでこの考案における石抜装置を有する振
動コンベヤは第３図に示す籾摺調整施設の構成中
に設置されているのであるから、この籾摺調整施
設の概要を先ず記載すると、籾は籾昇降機１によ
つて籾摺機２に供給されて脱ぷ風選され混合米昇
降機３により揺動選別機４に供給されてそれぞれ
玄米、玄米と籾の混合米、籾に選別され下側に装
架された玄米、混合米、籾の各振動コンベヤ５，
６，７にて前方がわから後方に向けてそれぞれ搬
送されるのであるが、玄米は振動コンベヤ５によ
つて後方に搬送される前に石抜装置８を通過させ
て玄米中に混入している小石、砂等の異物を除去
してからこの振動コンベヤ５によつて後送される
のである。

そしてこのそれぞれによつて後送されたものの
うち玄米は玄米昇降機９によつて粒形選別機１０
に投入されて小粒のものは取除かれ良玄米昇降機
１１で玄米タンク１２に貯留されたのち所定の容
器に収納されるようになつている。また混合米は
混合米昇降機３により揺動選別機４に還元され、
籾は籾昇降機１によつて籾摺機２に返されるよう
に構成されている。

次に、本考案の要部である石抜装置８を有する
玄米の振動コンベヤ５に関して第１図と第２図を
参照して具体的に説明すると、１３は揺動選別機
４を載設している機台で、この機台１３の下方に
前記の各振動コンベヤ５，６，７が並列的に一体
に構成され、さらにこの玄米の振動コンベヤ５の
前方がわ側部に石抜装置８が各振動コンベヤ５，
６，７と並列状にして一体に構成されて、数本の
リンク１４……によつて吊持され機台１３上に設
置される原動機Ｍで駆動される偏心輪機構１５に
より前後方向で且つ矢印イ方向の斜め上下の押進
揺動が附与されるように構成されている。

上記の各振動コンベヤ５，６，７の底面は幅方
向に山形状の突条１６が列設してあり、石抜装置
８は略々密閉状に形成されて多数の噴風口を開口
した選別盤１７を前低後高の状態に斜設し、この
選別盤１７の下側に圧風フアン１８を内蔵するフ
アンケース１９を一体的に取着し選別盤１７の後
方がわには上記圧風フアン１８によつて起風され
噴風口から吹き上げる噴風を装置外に排風せしめ
る排風パイプ２０を設け、この排風パイプ２０と
選別盤１７の後端部との間に異物取出樋２１が取
付けられている。

また、選別盤１７の前部はその底面１７ａを振
動コンベヤ５がわが低くなるように若干傾けその
側部においてこの選別盤１７と振動コンベヤ５と
を区分する側壁２２部分を取除いて振動コンベヤ
５の始端部と連通させてある。

尚、２３，２４，２５は揺動選別機４によつて
選別された玄米、混合米、籾の各取出樋を示しそ
れぞれ選別盤１７、混合米および籾の各振動コン
ベヤ６，７の上方にのぞませてある。

したがつて、揺動選別機４によつて選別された
玄米は取出樋２３から選別盤１７上に供給され前
後方向で且つ矢印イ方向の斜め上下に揺動する押
進作用とこの選別盤１７の下側から吹き上げる噴
風によつて玄米中に混入する異物は玄米から分離
して後方に向けて押進され異物取出樋２１から取
出され、玄米は選別盤１７の前部に流下し底面１
７ａを側方に流動して振動コンベヤ５の始端部に
流入し選別盤１７と一体に揺動するこの振動コン
ベヤ５により異物の押進される方向と同方向の後
方に向けて搬送されるのである。

(ト) 考案の効果 本考案は以上説明したように、前がわから後方
に穀粒を搬送する振動コンベヤの前方がわ側部
に、多数の噴風口を開口して前低後高に斜設させ
た選別盤の下側から上方に噴風せしめる構成にし
た石抜装置を一体に設け、前記選別盤の押進作用
方向を後方に向けて振動コンベヤの搬送方向と同
方向にし選別盤の後部から異物を取出し前部の底
面を振動コンベヤの始端部に連通して異物除去後
の穀粒を振動コンベヤに供給する構成にしたので
あるから、振動コンベヤによつて穀粒を搬送する
際に穀粒中に混入する異物や塵埃を選別除去する
ことができるものでありながら、後方に穀粒を搬
送する振動コンベヤの前方がわ側部に前低後高に
選別盤を斜設した石抜装置を一体に設け選別盤の
押進作用方向と振動コンベヤの搬送方向を同方向
にしたので、石抜装置と振動コンベヤにはともに
適するところの押進揺動と搬送揺動が附与される
ようになつて両者の機能を遺憾なく発揮させるこ
とができ、且つ両者を並列状態に配置して一体に
してあるから直列状にした従来のもののように長
大なものにならず、簡潔にして纏まつた構成にな
し得る特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を示す実施例図にして、第１図は
その要部を示す平面図、第２図は同要部を縦断し
て示す側面図、第３図は本考案を組込んだ籾摺調
整施設全体の斜視図を示したものである。 ５……振動コンベヤ、１７……選別盤、８……
石抜装置、１７ａ……底面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前方がわから後方に穀粒を搬送する振動コンベ
   ヤ５の前方がわ側部に、多数の噴風口を開口して
   前低後高に斜設させた選別盤１７の下側から上方
   に噴風せしめる構成にした石抜装置８を一体に設
   け、前記選別盤１７の押進作用方向を後方に向け
   て振動コンベヤ５の搬送方向と同方向にし選別盤
   １７の後部から異物を取出し前部の底面１７ａを
   振動コンベヤ５の始端部に連通して異物除去後の
   穀粒を振動コンベヤ５に供給する構成にしてある
   ことを特徴とする石抜装置を有する振動コンベ
   ヤ。