JPH04250167A - 医療用補綴材料 - Google Patents

医療用補綴材料

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JPH04250167A
JPH04250167A JP3025749A JP2574991A JPH04250167A JP H04250167 A JPH04250167 A JP H04250167A JP 3025749 A JP3025749 A JP 3025749A JP 2574991 A JP2574991 A JP 2574991A JP H04250167 A JPH04250167 A JP H04250167A
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JP
Japan
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bioabsorbable polymer
fabric
yarn
threads
medical prosthetic
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JP3025749A
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English (en)
Inventor
Morihiro Okuda
奥田 守宏
Hajime Tsujikawa
辻川 肇
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Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療用補綴材料に関し、
更に詳しくは病変、損傷等のため切除した気管、血管あ
るいは心臓等の体内組織等の表面組織を補修、修復する
ための医療用補綴材料に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用補綴材料としては、古くからガ−
ゼが用いられ創面からの浸出液を吸収し外部からの菌の
侵入を防止しているが、創面の肉芽組織がガ−ゼに食い
込み包帯交換の際に肉芽組織に損傷を与える欠点があっ
た。またポリエステル、弗素樹脂の糸を製織、編織して
作った布状体または管状体の医療用補綴材料もあるが、
手術後の止血に際しては血液が織り目あるいは編み目を
通過して漏出するために予め凝血によって織り目あるい
は編み目を封じる作業をする必要があった。
【0003】また特表平2−501118号公報には平
織/綾織を交互にした新規な織り模様からなる織布の管
状体を医療用補綴材料として使用することによって、表
面に凝血を施さなくても、柔軟性および撓み性を有する
人工血管が紹介されている。更に、喉頭ガン、気管支腫
瘍等で患部を切除した後に移植する人工気管の医療用補
綴材料として特開昭57−115250 号公報に管状
人工臓器の壁面に凝固第XIII因子を固定化したもの
が紹介され、体内移植後の器質化速度を高めることによ
って血栓閉塞、潰瘍の形成や狭窄の危険のない人工臓器
が形成されている。またスパイラル状ワイヤ−の壁面に
医療用補綴材料として繊維布を使用し、呼気吸気が洩れ
ないようにしたシリコ−ン製の人工気管が市販されてい
るし、また有機重合体を静電的に紡糸して成形した不織
布からなる管状繊維体を用いて人工血管を作る方法が特
公昭60−43981号公報に紹介されている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、編織物
、不織布からなる人工気管の医療用補綴材料は、柔軟性
を考慮した低密度品であるために気密性が不十分で管状
体内部からの外気が医療用補綴材料を通過して体内組織
に侵入し、細菌に感染し炎症を起こす恐れが多い。また
編織物、不織布の密度を上げたり、表面コ−チングした
りして気密性、液密性を上げると剛直になり、いつまで
たっても体内組織になじまず内皮細胞の侵入もなく、周
辺組織に障害を与えることになる。一方柔軟性、気密性
および液密性を重視したシリコ−ン製人工気管では、医
療用補綴材料内部への肉芽組織の食い込みが悪く、人工
気管が周囲の体内組織と一体化せず逸脱する欠点があっ
た。
【0005】更に新規な織り模様の織布や不織布からな
る人工血管も体内に移植する前は従来のものより柔軟性
が改良されて取扱いが容易になったが、体内移植後肉芽
組織と癒着すると柔軟性が失われ身体の動きに連動でき
ず周囲の組織と一体化せず、炎症を起こす危険があった
【0006】本発明者等はこれら従来の医療用補綴材料
の欠点を改良した医療用補綴材料として、生体吸収性高
分子糸と生体非吸収性高分子糸とから形成された編織物
または不織布を開発し既に特許出願している(特願平2
−215398号および特願平2−250763号) 
。本発明者等はこれらの編織物または不織布で使用する
生体非吸収性高分子糸材料を種々変更して医療用補綴材
料としての特性を検討したところ、糸材料によっては肉
芽組織が管状体の糸部分への食い込みだけでなく、中空
部の内部にまで伸びて血管や気管の中空部の血液や空気
の流れを妨げる欠点があることが分かった。
【0007】本発明の目的は体内移植直後は、内腔保持
力を有して気密であり、体内移植後は生体組織と一体化
して癒着するとともに、管状体の中空内部にまで肉芽組
織が侵入しない柔軟性のある医療用補綴材料を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は生体吸収性高分
子糸と生体非吸収性高分子糸とから形成された編織物ま
たは不織布からなる医療用補綴材料において、生体非吸
収性高分子糸がポリオレフイン繊維であることを特徴と
する医療用補綴材料である。
【0009】また、本発明は前記医療用補綴材料におい
て、編織物が合糸または合撚糸からなる複合糸によって
形成されてなる医療用補綴材料である。
【0010】更に、本発明は前記医療用補綴材料におい
て、編織物が生体吸収性高分子糸と生体非吸収性高分子
糸との交編物または交織物からなる医療用補綴材料であ
る。
【0011】更にまた、本発明は前記医療用補綴材料に
おいて、生体吸収性高分子糸が体内で吸収された後に残
存した生体非吸収性高分子糸が形成する編織物または不
織布の平均気孔直径が少なくとも 110μm である
気孔部が編織物中に少なくとも20%存在する医療用補
綴材料である。
【0012】更に、本発明は前記医療用補綴材料におい
て、複合糸、不織布または編織物の表面が蛋白質で被覆
されてなる医療用補綴材料である。
【0013】
【作用】本発明医療用補綴材料は体内に移植直後は生体
吸収性高分子糸と生体非吸収性高分子糸とから構成され
た比較的気密性、液密性が要求される編織物または不織
布からなるために細菌等の微細物質が編織物または不織
布を通過することは抑制される。一方、体内の生体吸収
性高分子糸は次第に生体内で分解されて体内で吸収され
、肉芽組織が編織物または不織布の生体非吸収性高分子
糸の糸目に食い込んで分解吸収された糸の部分を埋めつ
つ生体組織ができていき、最終的には生体非吸収性高分
子糸であるポリオレフイン糸からなる粗密度の編織物ま
たは不織布が生体組織と緊密な複合体を形成するものと
思われる。その際、ポリオレフイン繊維は他の素材の糸
と比較して肉芽組織と密着度がよいために肉芽組織だけ
が更に伸びて管状体中空部の流体の流れを妨げることが
ないものと思われる。
【0014】
【実施例】以下実施例で本発明を説明する。
【0015】図1および図2は本発明医療用補綴材料の
一例を示す織物の拡大平面図であり、図3は本発明医療
用補綴材料の一例を示す不織布の拡大平面図であり、図
4は本発明医療用補綴材料を使用して形成された人工血
管の一部切欠した断面図である。
【0016】図中、白線の糸は生体非吸収性高分子糸、
斜線の糸は生体吸収性高分子糸、1〜8および33〜3
6は経糸、11〜18および37〜40は緯糸、21は
環状リブ、22は編物を示す。
【0017】図1は2/2 の平織の織物からなる医療
用補綴材料である。すなわち、生体吸収性高分子糸から
なる経糸1と生体非吸収性高分子糸からなる経糸2は、
生体吸収性高分子糸からなる緯糸11と生体非吸収性高
分子糸からなる緯糸12の上、次いで生体吸収性高分子
糸からなる緯糸13および生体非吸収性高分子糸からな
る緯糸14の下、更に生体吸収性高分子糸からなる緯糸
15および生体非吸収性高分子糸からなる緯糸16の上
というように順次通って織られてなる織物である。図1
では織物として平織で説明したが、綾織、朱子織等の織
り方でもよい。また編物は経編または緯編で、タック編
、平編、両面編、裏毛編等種々の編み方で管状体または
平面状に編まれる。
【0018】生体吸収性高分子糸が体内で分解されて吸
収された後に残存する生体非吸収性高分子糸が形成する
編織物気孔部の平均気孔直径、例えば経糸4と経糸6間
の距離Lは少なくとも 110μm 、好ましくは 1
50〜1000μm あるのが肉芽組織が糸間の空隙に
侵入し、医療用補綴材料を体内に固定化するのに好まし
い。生体非吸収性高分子糸間距離Lが少なくとも110
 μm あるのは織物または編物中少なくとも20%、
好ましくは40〜70%存在すると織物または編物は体
内組織と強固に固定される。経糸および緯糸はマルチフ
ィラメント、モノフィラメントが使用され、特に仮撚加
工糸は気密性および柔軟性を向上させて好ましい。
【0019】図2は1/1 の平織の織物からなる医療
用補綴材料であり、経糸は生体非吸収性高分子糸31と
生体吸収性高分子糸32との合糸からなり、緯糸は生体
非吸収性高分子糸31と生体吸収性高分子糸32との合
撚糸からなる。すなわち、経糸33は緯糸37の上、次
いで緯糸38の下、更に緯糸39の上というように順次
通って織られてなる織物である。図2では織物として平
織で説明したが、綾織朱子織等の織り方でもよい。また
編物は経編または緯編等の編み方で管状体または平面状
に編まれる。生体非吸収性高分子糸が形成する編織物の
気孔部の平均気孔直径、例えば図2の生体非吸収性高分
子糸間距離Lは図1と同様に少なくとも110μm 、
好ましくは150 〜1000μm あるのが肉芽組織
が糸間の空隙に侵入して体内組織を速やかに形成し、医
療用補綴材料を体内に固定化するのに好ましい。
【0020】編織物中に生体非吸収性高分子糸が形成す
る平均気孔直径が少なくとも110 μm ある気孔部
が少なくとも20%、好ましくは40〜70%存在する
と医療用補綴材料は体内組織と強固に固定される。生体
非吸収性高分子糸が形成する平均気孔直径が110 μ
m 未満であると、肉芽組織が繊維間に侵入するのが困
難になり、繊維組織が体内で固定化しにくくなる傾向が
ある。
【0021】編織物は合糸または合撚糸からなる複合糸
から形成されるが、生体非吸収性高分子糸と生体吸収性
高分子糸の繊維直径を変えたり、経糸間距離または緯糸
間距離を変えたり、あるいは合糸または合撚糸を構成す
る生体非吸収性高分子糸と生体吸収性高分子糸の糸本数
を変えたりして前記生体非吸収性高分子糸が形成する気
孔部の空隙の大きさを調節することができる。図2では
経糸は合糸、緯糸は合撚糸からなる織物で説明したが、
編織物は経糸、緯糸とも合糸または合撚糸からなる編物
または織物でもよいし、また経糸または緯糸のいずれか
一方のみ合糸または合撚糸を使用し、他方は生体非吸収
性高分子糸を使用してなる編物または織物でもよい。合
撚糸の撚角度は繊維の断面方向に対する撚り方向の示す
角度、すなわち tanθで表すと45〜88°好まし
くは65〜85°である。
【0022】図3は生体吸収性高分子糸と生体非吸収性
高分子糸との不織布とからなる医療用補綴材料の拡大平
面図である。すなわち生体吸収性高分子糸からなる黒線
の糸42と生体非吸収性高分子糸からなる白線の糸41
とは、互いに糸同士が交絡しその交点で部分的に固定化
されている。不織布は生体吸収性高分子糸と生体非吸収
性高分子糸とを夫々異なるノズルから静電気、空気流ま
たは液体流とともに紡糸し、コンベア−上、または回転
する円柱状、円筒状のマンドレル表面に繊維を分散させ
、次いでニ−ドリング法またはウォ−タ−ジェット法等
の物理的方法によって平面状に分散した繊維を断面方向
に部分的に固着して製造する。繊維の結合方法としては
その他に繊維同士の交絡点を熱によって付着させたり、
化学処理、溶媒処理等の化学的方法によっても繊維の交
絡点を固定することができる。またマンドレル表面に分
散させた不織布はマンドレルを取り除くことによって管
状の不織布になる。
【0023】図3では不織布の構造を長繊維で説明した
が短繊維からなる不織布でもよく、管状体または平面状
に形成される。生体吸収性高分子糸が体内で分解されて
吸収された後に残存する生体非吸収性高分子糸が形成す
る不織布の気孔部、例えば図3の斜線部分の平均気孔直
径は少なくとも 110μm 、好ましくは150 〜
1000μm あるのが肉芽組織が糸間の空隙に侵入し
て体内組織を速やかに形成し、医療用補綴材料を体内に
固定化するのに好ましい。かかる平均気孔直径を有する
気孔部は不織布中少なくとも20%、好ましくは40〜
70%である。生体吸収性高分子糸および生体非吸収性
高分子糸は通常はモノフィラメントが使用されるが、マ
ルチフィラメントでもよい。
【0024】生体吸収性高分子糸としては、ポリラクチ
ド、ポリグリコ−ル酸、ポリビニルアルコ−ル、ポリア
クリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアミノ酸、
ポリカプロラクトン、ポリジオキサノンおよびこれらの
共重合体、エチレン一酸化炭素共重合体、セルロ−ス誘
導体またはその共重合体、酢酸ビニルと不飽和カルボン
酸共重合体等からなる糸が挙げられる。
【0025】生体非吸収性高分子糸としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン単独
またはそれらの共重合体からなる糸が挙げられ、特に結
晶性ポリプロピレン繊維が好ましい。これらの繊維中に
は添加剤、他の樹脂が混合された混合物も含まれる。ポ
リオレフイン繊維の単糸の繊維直径は、0.1 〜 1
00μm 、好ましくは 1.0〜40μm である。 単糸の繊維直径が 100μm を超えると、編織物ま
たは不織布が硬直化し体内に移植した際炎症を起こす傾
向があり、 0.1μm 未満であると繊維の成形が困
難になる傾向がある。
【0026】また生体吸収性高分子糸と生体非吸収性高
分子糸とからなる不織布の嵩密度は0.05〜0.60
g/cm3 である。不織布の嵩密度が0.60g/c
m3 を超えると、不織布は硬直化する傾向があり、体
内に移植すると炎症を起こす傾向がある。嵩密度が0.
05g/cm3未満であると、不織布の機械的物性が悪
くなる傾向がある。不織布または編織物の厚さは少なく
とも 0.1mm、好ましくは1〜10mmである。不
織布または編織物の厚さが 0.1mm未満であると、
耐久性が悪くなる傾向がある。
【0027】生体吸収性高分子糸と生体非吸収性高分子
糸糸を糸状態でその表面を蛋白質で被覆した後に編織物
または不織布に成形したり、編織物または不織布の状態
でその表面を蛋白質で被覆することによって医療用補綴
材料表面での生体密着を促進し気密性を保持することが
できる。蛋白質としてはコラ−ゲン、ゼラチン、アルブ
ミン、フィブリノ−ゲン、グロブリン、フィブロネクチ
ン等が挙げられる。編織物または糸の表面を蛋白質の被
膜で覆うには、編織物または糸を蛋白質溶液中に浸漬し
、室温で水で数回すすぎ、乾燥させて被膜を形成する。
【0028】図4は本発明医療用補綴材料を使用して形
成した人工血管であって、例えば生体非吸収性高分子糸
と生体吸収性高分子糸との編物22をラセン状に捲回し
て形成された環状リブ21を有する管状体である。該管
状体の外面はコラ−ゲンやゼラチンのような蛋白質の被
膜で覆われていてもよいし、また内面は抗血栓材料の被
膜で覆われていてもよい。このような人工血管を体内に
組み込むと、管状体を構成する編織物の一方の構成体で
ある生体吸収性高分子糸は時間の経過とともに高分子の
主鎖が切断されて分解し生体に吸収されるとともに、肉
芽組織が生体非吸収性高分子糸の空隙に食い込み、人工
血管は生体組織に密着して固定される。そして当初気密
、液密が要求されるため密度が高く、どちらかといえば
硬直化していた人工血管も生体吸収性高分子糸の部分が
生体内で吸収されることによって柔軟性が発現し、人工
血管のような異物が体内に侵入したことによる障害も緩
和され炎症も起こらない。
【0029】その他に、例えば骨格が内径20〜30m
m、長さ10〜50mm、厚さ 0.1mmの弗素樹脂
製多孔円筒体の胴体外面および/または内面を本発明医
療用補綴材料で覆うことによって人工気管が形成される
。例えば生体吸収性高分子糸と生体非吸収性高分子糸と
の編織物からなる管状体を人工気管の骨格に被せること
によって人工気管が形成される。この編織物の外部表面
はコラ−ゲンまたはゼラチンのような蛋白質の被膜でコ
−トされていてもよい。そして体内に移植された当初の
人工気管は高密度の編織物であるため呼気や吸気が逃げ
ないように気密が保持され、人工気管として有効に働く
とともに液密性も良好であるので、外部細菌が編織物を
通過して細菌感染を起こすことはない。そして次第に編
織物を構成する生体吸収性高分子糸が体内で分解して吸
収されるとともに肉芽組織が残存している生体非吸収性
高分子糸の空隙に食い込んで生体組織と密着固定され、
柔軟性のある複合体を形成する。
【0030】実施例1〜5
【0031】ポリプロピレン(以下PPという)マルチ
フイラメント18d/6fとポリグリコ−ル酸(以下 
PGAという)マルチフイラメント12d/6fを使用
して合糸し、図2の1/1 の平織の経糸として使用し
た。しかる後、この合糸をS方向に200T/Mに合撚
して合撚糸とし、図2の平織の緯糸として使用した。こ
の経糸と緯糸を使用して図2の織物を成形する際、図2
の経糸のPP繊維間距離Lを表1に示すように変更して
織物を成形した。このようにして成形された織物の表面
にコラ−ゲン10重量%水溶液を塗布し乾燥させた後、
該織物を犬の背部皮下に埋め込み6週間経過した後の織
物の埋め込み状況を下記のように肉眼で判定した。その
結果を表1に示す。
【0032】○織物の空隙部に肉芽組織が良好に侵入し
更織物が体内組織に固定されている。 △肉芽組織は織物空隙部に侵入しているが織物は容易に
剥離する。 ×肉芽組織の織物空隙部への侵入が認められない。
【0033】比較例1
【0034】図2の織物で、PP繊維のみを使用して1
/1 の平織の織物を成形した。使用したPP繊維は7
2d/24f のマルチフイラメントであった。PP繊
維間距離L(図2における隣接繊維間距離)は86μm
であった。この織物を実施例1と同様に犬の背部皮下に
埋め込み、6週間経過した後の埋め込み状況を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、PP繊維が形成
する繊維間距離が100μm 未満の比較例1の織物は
繊維気孔部に肉芽組織の侵入は全く認められず、繊維間
距離が 105μm の実施例5の織物は繊維気孔部に
肉芽組織の侵入は認められるが、織物が体内組織に固定
されるには長時間を必要とすると思われる。
【0037】実施例6
【0038】ポリプロピレン繊維75d/24f とポ
リグリコ−ル酸繊維18d/6fを使用して形成した合
糸を経糸および緯糸に使用し、図2のような1/1 の
平織からなる内径9mm、長さ6cmの管状体を手織り
織機で製造した。その後、該管状体の外面にコラ−ゲン
10重量%水溶液を塗布しコラ−ゲン塗膜を形成した。 PP繊維間距離Lは433 μm であった。この管状
体を犬の胸部下降大動脈に移植し、3ケ月経過した後の
管状体の移植状況を肉眼で下記のように判定した。その
結果を表2に示す。
【0039】○管状体内壁に新生内膜が形成され、管状
体中空部に肉芽組織の生成がない。 △管状体内壁周辺に短い肉芽組織の生成がみられる。 ×管状体中空断面を横切って肉芽組織が生成している。
【0040】実施例7
【0041】高密度ポリエチレン繊維(密度0.96g
/cm3 、以下PEという)70d/12f とポリ
グリコ−ル酸フイラメント18d/6fを使用して形成
した合糸を経糸および緯糸に使用し、実施例6と同様に
して管状体を形成した。 PE繊維間距離Lは 513μm であった。この管状
体を実施例6と同様に犬の胸部下降大動脈に移植し、3
ケ月経過しした後の管状体の移植状況を表2に示す。
【0042】比較例2
【0043】ポリエチレンテレフタレ−ト繊維(以下P
ET という)75d/24f とポリグリコ−ル酸フ
イラメント18d/6fを使用して形成した合糸を経糸
および緯糸に使用し、実施例6と同様にして管状体を形
成した。PET 繊維間距離Lは 396μm であっ
た。この管状体を実施例6と同様に犬の胸部下降大動脈
に移植し、3ケ月経過した後の管状体の移植状況を表2
に示す。
【0044】比較例3
【0045】ナイロン66繊維(以下NYという)70
d/36f とポリグリコ−ル酸フイラメント18d/
6fを使用して形成した合糸を経糸および緯糸に使用し
、実施例6と同様にして管状体を形成した。NY繊維間
距離Lは 421μm であった。この管状体を実施例
6と同様に犬の胸部下降大動脈に移植し、3ケ月経過し
た後の管状体の移植状況を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2から明らかなように、本発明の実施例
6および実施例7の管状体を人工血管として使用すると
、管状体中空部にまで肉芽組織の浸出がみられず、管状
体内壁に新生内膜の生成がみられた。
【0047】
【効果】本発明医療用補綴材料は体内に移植直後は生体
吸収性高分子糸と生体非吸収性高分子糸との編織物また
は不織布からなるために、密度が高く気孔部は血液、組
織細胞や細菌の通過が抑制され、例えば人工血管、人工
気管では血液の洩れによる管内閉塞や細菌感染の心配が
著しく減少する。そして時間が経過するにつれて、生体
吸収性高分子糸が体内で分解されて生体吸収され、代わ
ってて肉芽組織が生体非吸収性高分子糸間の空隙に食い
込み生体組織と密着固定化されるので、医療用補綴材料
が生体組織に組み込まれた形となって安定化する。しか
も長期間体内に移植されていても肉芽組織が人工血管や
人工気管の中空部にまで伸びて血液や空気の流れを妨げ
ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明医療用補綴材料の一例を示す織物の拡大
平面図である。
【図2】本発明医療用補綴材料の一例を示す織物の拡大
平面図である。
【図3】本発明医療用補綴材料の一例を示す不織布の拡
大平面図である。
【図4】本発明医療用補綴材料を使用して形成された人
工血管の一部切欠した断面図である。
【符号の説明】
1〜8          経糸 11〜18          緯糸 21              環状リブ22   
           編物33〜36       
   経糸 37〜40          緯糸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  生体吸収性高分子糸と生体非吸収性高
    分子糸とから形成された編織物または不織布からなる医
    療用補綴材料において、生体非吸収性高分子糸がポリオ
    レフイン繊維であることを特徴とする医療用補綴材料。
  2. 【請求項2】  編織物が合糸または合撚糸からなる複
    合糸によって形成されてなる請求項1記載の医療用補綴
    材料。
  3. 【請求項3】  編織物が生体吸収性高分子糸と生体非
    吸収性高分子糸との交編物または交織物からなる請求項
    1記載の医療用補綴材料。
  4. 【請求項4】  生体吸収性高分子糸が体内で吸収され
    た後に残存した生体非吸収性高分子糸が形成する編織物
    または不織布の平均気孔直径が少なくとも 110μm
     である気孔部が編織物中に少なくとも20%存在する
    請求項1〜3記載の医療用補綴材料。
  5. 【請求項5】  複合糸、不織布または編織物の表面が
    蛋白質で被覆されてなる請求項1〜4記載の医療用補綴
    材料。
JP3025749A 1991-01-25 1991-01-25 医療用補綴材料 Pending JPH04250167A (ja)

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