JPH04246092A - クレーンのジブ張出し、格納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、クレーンにおいてジブ
を格納位置と張出し位置との間で移動させるジブ張出し
、格納装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】クレーンのジブ張出し、格納装置は従来
から種々提案され、実施されている。

【０００３】たとえば、特公昭６３−３０２７８号公報
には、横置き姿勢でブーム下面に配置されたジブの基端
部をブーム先端部に水平軸まわりに回転可能に連結し、
ジブを、この連結点を支点として前方にほぼ１８０°振
り出す下方張出し式のものが示されている。

【０００４】また、特公昭６３−５９９５７号公報等に
は、所謂ジブツイスト方式、すなわち、ジブの基端部一
側をブームの先端部に連結した状態で、ジブを、この連
結点を支点として垂下させ、ついで捻転させ、さらに前
方に振り上げる方式のものが示されている。

【０００５】さらに別の方式として、ジブを格納位置か
ら側方→前方へとほぼ１８０°振り出す側方張出し方式
を取るものも公知となっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のジブ張
出し、格納装置によると、いずれの方式においても次の
ような欠点があった。

【０００７】（ィ）手順が複雑で手間も多く、しかもブ
ームの伸縮または起伏動作が必要なことから、オペレー
タが何度も運転室と操作位置との間で往復しなければな
らないため、作業能率が悪いとともに、オペレータの肉
体的および精神的疲労が激しい。

【０００８】（ロ）手順および操作が複雑な分、手順ミ
ス、操作ミスが起こりやすく、このミスによって各部の
損傷等が発生しやすい。

【０００９】（ハ）ブームおよびジブに対する付加構造
物が多くなり、コスト高となる。

【００１０】（ニ）クレーンの周辺にジブ張出し、格納
のための大きな空間を必要とする。このため、市街地や
屋内等、周辺スペースに余裕のない狭隘現場では使用し
にくい。

【００１１】そこで本発明は、ブームの伸縮、起伏とい
ったブーム動作、および大きな周辺空間を必要としない
で、倒伏させたブームの近くでの単純、軽便な操作によ
って簡単にそして能率良くジブを張出し、格納すること
ができるクレーンのジブ張出し、格納装置を提供するも
のである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、ジブを、基端
部がブーム先端部に連結された状態でブーム先端に張出
し、基端部がブーム基端方向に向く状態でブーム側面に
格納するクレーンにおいて、上記ジブを吊持して格納位
置と張出し位置との間で移動させるジブ移動装置を備え
、このジブ移動装置は、ブームにおけるジブが格納され
る側面部からブーム前方までの範囲に亘って配置される
ガイドレールと、このガイドレールに沿って移動しうる
ガイド部材と、ジブをこのガイド部材に吊下させる吊り
具とを具備してなるものである（請求項１）。

【００１３】また請求項２の発明は、請求項１の構成に
おいて、ガイドレールが、ブーム側面部に固定された基
端側レールと、この基端側レールの先端側に連結された
先端側レールとから成り、この先端側レールは、基端側
レールに対する連結点を支点として、ブーム側面部に格
納される位置とブーム前方に突出して張出される位置と
の間で回動可能に構成され、この先端側レールを上記張
出し状態で支持するレール支持部材がブームに設けられ
たものである。

【００１４】さらに請求項３の発明は、請求項２の構成
において、レール支持部材が、ブーム先端部に対し、ブ
ーム前方に突出してレールを支持するレール支持位置と
ブーム先端部内方に格納される格納位置との間で出し入
れ自在に設けられたものである。

【００１５】

【作用】上記構成によれば、ジブを、ジブ移動装置によ
って吊持した状態で、基端側および先端側両ガイドレー
ルに沿って、基端部が後方を向いた張出しおよび格納時
の向きのままブーム側面の格納位置とブーム先端の張出
し位置との間で移動させることができる。

【００１６】すなわち、ブームの伸縮、起伏動作を一切
用いずに、基本的にジブ移動装置を用いた単純な人力操
作のみによってジブを張出し、格納することができる。 従って、手順、手間が少なく、操作が簡単になること、
すべての操作をブームの周辺で行うことができ、オペレ
ータが運転室と操作位置との間で何度も往復する必要が
ないことにより、ジブの張出し、格納作業を能率良く、
そして肉体的、精神的疲労を招くことなく楽に行うこと
ができる。

【００１７】また、手順、操作が簡単で、かつ、すべて
ブーム周辺での作業であるためミスがなく、各部の損傷
発生のおそれがない。

【００１８】しかも、ジブを張出し、格納時の向きのま
まほぼ平行移動させるため、張出し、格納のために必要
な空間がブームまわりの小さなものですむ。このため、
市街地や屋内等の狭隘現場でも手軽にジブを張出し、格
納することができる。

【００１９】さらに付加構造物としてはジブ移動装置の
みでよく、従来装置のようにブームおよびジブに多くの
構造物を付加する必要がなくなるため、コストが安くて
すむ。　　また、ガイドレールを基端側および先端側両
レールによって折畳み、展開式に構成した請求項２の構
成によると、ジブ不使用時にガイドレールが邪魔になら
ない。しかも、ジブ張出し、格納作業に際してガイドレ
ールを使用状態に簡単にセットすることができる。

【００２０】一方、請求項２の構成を前提としてレール
支持部材をブーム先端部に出し入れ自在に設けた請求項
３の構成によると、上記先端側レール同様、ジブ不使用
時にこのレール支持部材が邪魔にならず、しかもジブ張
出し、格納作業に際してのレール支持部材のセットが簡
単となる。

【００２１】

【実施例】本発明の実施例を図によって説明する。

【００２２】１は伸縮自在なブーム、１ａはこの伸縮ブ
ーム１の基本ブーム、１ｂは同先端ブームで、この先端
ブーム１ｂの先端部左右両側にジブ取付軸２，２が突設
され、図３および図４図に示すジブ張出し状態で、ジブ
３の基端部両側に設けられた二股状のジブフッ４，４が
この両側ジブ取付軸２，２に係合連結される。

【００２３】ジブ３は、不使用時には図１および図２に
示すようにブーム１の側面（通常は図示のように運転室
から見て左側面、以下この場合で説明する）において、
張出し時同様に両側ジブフット４，４がブーム基端方向
に向き、かつ、同ジブフット４，４が左右に位置する（
ジブ全体がほぼ水平となる）姿勢で格納される。

【００２４】５，５は基本ブーム１ａの左側面における
長さ方向の二個所に設けられたジブ支持ブラケットで、
ジブ３が格納位置でこのブブラケット５，５によって下
側から支持され、かつ、図示しない固定ピンによって固
定される。

【００２５】図中、６はブーム１を起伏自在に支持する
クレーンの上部旋回体フレーム、７はブーム起伏シリン
ダ、８はブーム先端部に吊り下げられた主巻フック、９
はジブ作業時にジブ先端から吊り下げられる補フック、
１０は補巻ロープである。

【００２６】ジブ３を図１，２の格納位置と図３，４の
張出し位置との間で移動させるジブ移動装置の構成を図
５および図６を併用して説明する。

【００２７】このジブ移動装置は、ガイドレール１１と
、レール支持部材１８と、ガイドローラ２０と、吊り具
２３とによって構成される。

【００２８】ガイドレール１１は、基端側および先端側
両レール１２，１３から成っている。　　この両レール
１２，１３はそれぞれ四角パイプ状に形成され、かつ、
下面にガイド溝１４が設けられている。

【００２９】このうち、基端側レール１２は直線状に形
成され、基本ブーム１ａの左側面に対して、同ブーム１
ａと一定間隔を置いた平行状態で、同ブーム中間部から
先端部までの範囲に亘ってブラケット１５，１６を介し
て取付けられている。

【００３０】先端側レール１３は、基端部がこの基端側
レール１２の先端にヒンジ１７によって水平軸まわりに
回動可能に連結され、不使用時には図１，２に示すよう
に基端側レール１２の上側に折畳まれる。そして、使用
時（ジブ張出し、格納作業時）には、図３，４に示すよ
うに前方にほぼ１８０°回動操作されて図示のようにブ
ーム１の前方に張り出される。このとき、同ガイドレー
ル１３は図示のように少し先下がりに傾斜した状態とな
る。

【００３１】また、この先端側レール１３は先端部にＵ
字形の折曲部１３ａを有し、上記張出し状態でこの折曲
部１３ａの先端部が筒状のレール支持部材１８によって
支持される。

【００３２】このレール支持部材１８は、先端ブーム１
ｂに対し、同ブーム前方に突出するレール支持位置と、
同ブーム内に収容される格納位置との間で出し入れ自在
に設けられ、レール支持位置で、図３，４に示すように
上記先端側レール１３の折曲部１３ａがこのレール支持
部材１８の先端部に挿入されてピン連結される。

【００３３】また、レール支持部材１８には、側面にス
テー１９が、不使用時には折畳み可能に取付けられ、先
端側ガイドレール１２の中間部がこのステー１９によっ
て支持される。

【００３４】ガイドローラ２０は、図６に示すようにガ
イドレール１１（基端側および先端側両レール１２，１
３）内を転動する一対の転輪２１，２１が一本の支軸２
２の両側に回転自在に取付けられて成り、この支軸２２
に吊り具２３のロープ２４が吊下されている。

【００３５】このロープ２４の下端には吊りフック２５
が取付けられ、この吊りフック２５が、ジブ３の重心部
に設けられた吊り環２６に掛止されて、ジブ３がガイド
ローラ２０に吊下される。

【００３６】一方、ジブ支持ブラケット５，５には、第
６図に示すようにリフトアップシリンダ２７が設けられ
、このリフトアップシリンダ２７の伸縮作動により、ジ
ブ３が格納位置で昇降しうるようになっている。

【００３７】次に作用を説明する。

【００３８】図１，２に示すジブ格納状態で、ガイドレ
ール１１における基端側レール１２の基端部がジブ重心
部の真上に位置する。

【００３９】ジブ３を張出すときは、ガイドローラ２０
を基端側レール１２の基端部に位置させ、かつ、両ジブ
支持ブラケット５，５のリフトアップシリンダ２７を伸
長作動させてジブ３を上昇させる。

【００４０】そして、吊り具２３の吊りフック２５を吊
り環２６に掛止させ、ついで、リフトアップシリンダ２
７を縮小させることによってジブ３をガイドローラ２０
に吊下させる。また、先端側レール１３を張出し位置に
セットするとともに、レール支持部材１８およびステー
１９によって同レール１３を支持する。

【００４１】この状態で、ジブ３を前方に押してガイド
ローラ２０をガイドレール１１内で転動させることによ
り、ジブ３をブーム側面部から前方に移動させ、両側ジ
ブフット４，４を両側ジブ取付軸２，２に係合させて図
示しないピンで固定する。

【００４２】この後、補巻ロープ１０をジブ先端に通し
、補フック９をジブ先端に掛止させてジブ３を支持した
状態で吊り具２３をジブ３から取外し、ついで図示しな
いサスペンションロッドでジブ３を支持することによっ
てジブ張出し作業が完了する。　　また、ジブ３の格納
作業は上記張出し時と全く逆の手順によって行うことが
できる。

【００４３】このように、本装置によると、ブーム１の
伸縮および起伏動作を一切用いないで、ジブ移動装置を
用いたオペレータの単純な操作のみによってジブ３を張
出し、格納することができる。

【００４４】このため、従来のジブ下方張出し方式やジ
ブツイスト方式等をとる場合と比較して、手順、手間が
少なく、操作が遥かに単純となる。また、従来のように
オペレータが運転室と操作位置との間で何度も往復する
必要がなくなる。

【００４５】また、ジブ３を張出し位置と格納位置との
間で同じ向きのまま前後移動させるだけであるため、ジ
ブ張出し、格納のために必要な空間がブームまわりの小
さなものですむ。

【００４６】他の実施例 （１）上記実施例では、リフトアップシリンダ２７によ
りジブ３を格納位置で上昇させて吊り具２３で吊り上げ
るようにしたが、ジブ支持ブラケット５，５におけるジ
ブ支持面にローラを設け、ジブ３をこのローラ上を滑ら
せて移動させるようにしてもよい。

【００４７】（２）ガイド部材として、上記実施例で例
示したローラに代えて滑りのよいプラスチック製等のス
ライド部材を用いてもよい。

【００４８】（３）上記実施例では、先端側レール１３
を基端側レール１２に対しヒンジ１７によって格納位置
と張出し位置との間で回動可能に連結したが、先端側レ
ール１３を基端側レール１２に対して着脱可能に連結し
、不使用時には取外して適宜格納するようにしてもよい
。

【００４９】あるいは、ガイドレー全体を一体に構成し
、ブーム１に対して着脱するようにしてもよい。

【００５０】

【発明の効果】上記のように本発明によるときは、ジブ
を、ジブ移動装置によって吊持した状態で、張出し、格
納時と同じ向きのまま、ブーム側面の格納位置とブーム
前方の張出し位置との間で移動させることができる。

【００５１】すなわち、ブームの伸縮、起伏動作を一切
用いずに、ジブ移動装置を用いた単純な操作のみによっ
てジブを張出し、格納することができる。従って、手順
、手間が少なく、操作が単純となること、すべての操作
をブームの周辺で行うことができ、オペレータが運転室
と操作位置との間で何度も往復する必要がないことによ
り、ジブの張出し、格納作業を能率良く、そして肉体的
、精神的疲労を招くことなく楽に行うことができる。

【００５２】また、手順、操作が単純で、かつ、すべて
ブーム周辺での作業であるためミスがなく、各部の損傷
発生のおそれがないとともに、ジブ張出し、格納のため
に必要な空間がブームまわりの小さなものですむ。この
ため、市街地や屋内等の狭隘現場でも手軽にジブを張出
し、格納することができる。

【００５３】さらに付加構造物としてはジブ移動装置の
みでよく、従来装置のようにブームおよびジブに多くの
構造物を付加する必要がなくなるため、コストが安くて
すむ。　　また、ガイドレールを基端側および先端側両
レールによって折畳み、展開式に構成した請求項２の発
明によると、ジブ不使用時にガイドレールが邪魔になら
ない。しかも、ジブ張出し、格納作業に際して同レール
を使用状態に簡単にセットすることができる。

【００５４】一方、請求項２の構成を前提としてレール
支持部材をブーム先端部に出し入れ自在に設けた請求項
３の発明によると、上記ガイドレール同様、ジブ不使用
時にこのレール支持部材が邪魔にならず、しかもジブ張
出し、格納作業に際してのレール支持部材のセットが簡
単となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すジブ格納状態の平面図で
ある。

【図２】図１の状態の側面図である。

【図３】ジブ張出し状態の平面図である。

【図４】図３の状態の側面図である。

【図５】図２の一部拡大図である。

【図６】図５のイ−イ線拡大断面図である。

【符号の説明】

１　　ブーム ３　　ジブ ５，５　　ジブ支持ブラケット １１　　ガイドレール １２　　ガイドレールの基端側レール １３　　同先端側レール １７　　両レールを連結するヒンジ １８　　レール支持部材 ２０　　ガイド部材としてのガイドローラ２３　　吊り
具

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ジブを、基端部がブーム先端部に連結
   された状態でブーム先端に張出し、基端部がブーム基端
   方向に向く状態でブーム側面に格納するクレーンにおい
   て、上記ジブを吊持して格納位置と張出し位置との間で
   移動させるジブ移動装置を備え、このジブ移動装置は、
   ブームにおけるジブが格納される側面部からブーム前方
   までの範囲に亘って配置されるガイドレールと、このガ
   イドレールに沿って移動しうるガイド部材と、ジブをこ
   のガイド部材に吊下させる吊り具とを具備してなること
   を特徴とするクレーンのジブ張出し、格納装置。
2. 【請求項２】　　ガイドレールが、ブーム側面部に固定
   された基端側レールと、この基端側レールの先端側に連
   結された先端側レールとから成り、この先端側レールは
   、基端側レールに対する連結点を支点として、ブーム側
   面部に格納される位置とブーム前方に突出して張出され
   る位置との間で回動可能に構成され、この先端側レール
   を上記張出し状態で支持するレール支持部材がブームに
   設けられたことを特徴とする請求項１記載のクレーンの
   ジブ張出し、格納装置。
3. 【請求項３】　　レール支持部材が、ブーム先端部に対
   し、ブーム前方に突出してレールを支持するレール支持
   位置とブーム先端部内方に格納される格納位置との間で
   出し入れ自在に設けられたことを特徴とする請求項２記
   載のクレーンのジブ張出し、格納装置。