JPH0424228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は管の搬送具に関する。

従来の技術 既設管やシールドなどの敷設通路内に下水用な
どの管を敷設する場合には、所定敷設位置までこ
の管を搬送しなければならない。このため従来は
敷設通路内に管搬送レールを設置し、この管搬送
レール上で管をすべらせて、この管を所定敷設位
置まで搬送するのが一般的となつている。

考案が解決しようとする問題点 ところが、このような従来のものでは、管搬送
レールの設置に手間を要するうえに、管はこの管
搬送レールからすべり抵抗を受けるため大きな搬
送動力を要するという問題点がある。

そこで本考案はこのような問題点を解決し、搬
送作業が容易で、しかも大きな搬送動力を必要と
しない管の搬送具を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため本考案は、水平方向
の管の内部に挿通されるフレームを有した台車
と、 この台車の前部および後部に対応したフレーム
部分にそれぞれ設けられた一対のジヤツキと、 両ジヤツキの昇降部材間にわたつて配置される
とともに前記管の内部に挿通されてこの管の上部
内面を支持するビームと、 前記フレームの前部においてこのフレームに対
し昇降可能に構成された前記台車の先輪と、 前記フレームの後部に設けられた前記台車の後
輪と、 前記先輪よりもさらに前方における前記フレー
ムの前端部に取付けられて、この前端部が既に敷
設された水平方向の他の管の内部に挿入されたと
きにこの管の内面底部を走行可能なガイド輪と、 を有する構成としたものである。

作 用 このような構成において、管を搬送する場合に
は、台車のフレームをビームとともに水平方向の
管の内部に通し、両ジヤツキによりビームを上昇
させて管の上部内面を支持する。これにより管が
持上げられるため、先輪と後輪とによつて台車を
走行させれば、所定敷設位置に向けて管を搬送で
きる。所定敷設位置では、既に敷設されている水
平方向の他の管内にフレームの前端部を挿入し、
ガイド輪をこの管内で走行させる。すると、台車
の前部の荷重をこのガイド輪で受けることが可能
となるため、先輪をフレームに向け上昇させるこ
とにより、この先端を搬送路から浮かせることが
できる。したがつて、管を台車に支持したままの
状態で、先輪が邪魔になることなしに、この管と
既設の他の管とを接続することができる。

実施例 第１図〜第３図において、１は敷設通路であ
り、この通路１内に新しい管２を敷設する。管２
はFRP材などにて形成され、一端に受口３を有
するとともに他端に挿口４を有している。５は他
の管で、すでに通路１内に敷設されている。

６は本考案にもとづく搬送具である。ここで７
は台車で、水平方向の管２の内部に挿通されると
ともにその前後両端部が管２から突出するフレー
ム８と、フレーム８の前部に設けられた先輪９
と、フレーム８の後端に設けられた後輪１０とを
有している。先輪９はキヤスタ構造とされ、フレ
ーム８の中心位置に１輪のみが設けられている。
後輪１０は、フレーム８の両側部に一対設けられ
ている。先輪９よりもさらに前方におけるフレー
ム８の前端部には、先輪９と同様の構成のガイド
輪１１が設けられている。これら先輪９およびガ
イド輪１１は、おねじ構造の支軸１２がフレーム
８の受け部１３にねじ込まれた構成となつてお
り、この支軸１２を回転させることによりフレー
ム８に対し昇降し得るようにされている。

フレーム８上には、台車７の前部および後部に
対応した位置に、一対のジヤツキ１４，１４がそ
れぞれ設けられている。１５はその操作ハンド
ル、１６はその昇降部材である。両ジヤツキ１
４，１４の昇降部材１６，１６間には、水平方向
のビーム１７がわたされ、このビーム１７もフレ
ーム８と同様に管２の内部に挿通されている。こ
のビーム１７は、ジヤツキ１４，１４を上昇させ
ることにより、管２の上部内面に当たつてこの管
２を持上げ、これにより管２を支持可能とされて
いる。ビーム１７の長さ方向適当間隔おきの位置
には、管２の内周適当範囲内面に縁部が接触する
振止め板１８が取付けられており、管２がビーム
１７まわりに揺動するのを防止している。また、
フレーム８の後端部には、入力により台車７を走
行させるための取手１９が設けられている。

このような構成において、敷設通路１内におけ
る所定敷設位置に向けて管２を搬送する際には、
まず水平方向に置かれた管２の内部に台車７を通
し、その先輪９と後輪１０とを管２の両端開口か
ら突出させる。次にジヤツキ１４，１４を操作し
てビーム１７を上昇させ、このビーム１７を管２
の上部内面に当ててこの管２を持上げる。これに
より、管２はビーム１７を介して台車７に支持さ
れることになる。なお、管２の挿口４を台車７の
前部側とするとともに、その受口３を後部側とし
て支持を行なう。

次に、取手１９を押し、敷設通路１内において
台車７を所定敷設位置に向け走行させる。所定敷
設位置では、まず、フレーム８の先端部を既設の
管５の受口３内に挿入する。するとガイド輪１１
がこの管５の内面底部に沿つて走行し、台車７の
前部の荷重をこのガイド輪１１で受けることが可
能となる。なお、ガイド輪１１の高さ位置は、予
め管２の内面底部の位置に設定しておく。

次に、先輪９の支軸１２を回転させることによ
りこの先輪９を上昇させ、この先輪９をフレーム
８に近づける。これにより、台車７を走行させて
も管５の受口３と先輪９とが当たらないため、管
２の挿口４を管５の受口３内に挿入して、両管
２，５を互いに接合する。なお、管２の受口３に
フツク２０を引掛けて管５側に引張るようにすれ
ば、挿口４の受口３内への挿入を容易に行なえ
る。また、管２の中心高さ位置が管５のそれと一
致するよう、予めジヤツキ１４，１４を操作して
おく。

管２，５どうしの接合が完了したなら、ジヤツ
キ１４，１４を動作させ、ビーム１７を降下させ
て管２の内面から離し、台車７を引張つて管２か
ら取り出す。

考案の効果 以上述べたように本考案によると、敷設通路に
従来のような搬送レールを設置することなしに、
台車を走行させるだけで容易にかつ大きな搬送動
力を必要とすることなく管を搬送することがで
き、しかもガイド輪を既設の管の内部で走行させ
るとともに、前輪を敷設通路から浮かせること
で、管を台車に支持したままでこの管を既設の管
と接合することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
その左側面図、第３図はその右側面図である。 ２……管、５……管、７……台車、８……フレ
ーム、９……先輪、１１……ガイド輪、１４……
ジヤツキ、１６……昇降部材、１７……ビーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 所定敷設位置に向けて管を搬送するための搬送
   具であつて、 水平方向の管の内部に挿通されるフレームを有
   した台車と、 この台車の前部および後部に対応したフレーム
   部分にそれぞれ設けられた一対のジヤツキと、 両ジヤツキの昇降部材間にわたつて配置される
   ととも前記管の内部に挿通されてこの管の上部内
   面を支持するビームと、 前記フレームの前部においてこのフレームに対
   し昇降可能に構成された前記台車の先輪と、 前記フレームの後部に設けられた前記台車の後
   輪と、 前記先輪よりもさらに前方における前記フレー
   ムの前端部に取付けられて、この前端部が既に敷
   設された水平方向の他の管の内部に挿入されたと
   きにこの管の内面底部を走行可能なガイド輪と、 を有することを特徴とする管の搬送具。