JPH04239089A - 木材塗装用目止剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、木材、特に導管の大き
い広葉樹の木材表面を塗装する前に、導管を充填するた
めに使用する木材塗装用目止剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】樹木の組織は導管と髄線と木質繊維とか
ら構成されていて、木取りした木材には導管が露出する
。このため、木材製品の塗装に先立って、目止を行うこ
とにより木材の導管を充填している。木材の導管を充填
する木材塗装用目止剤としては、一般に、砥の粉と酢酸
ビニルの混合物、体質顔料と乾性油やワニス等との混合
物、あるいはウレタン樹脂等の合成樹脂などが用いられ
ている。

【０００３】しかし、これらの目止剤は、拭き取り作業
性が悪く、導管以外の部分に付着した余分な目止剤を研
磨、除去して木材表面を平滑化することが困難であった
。また、導管の大きい広葉樹に使用する場合、充分な目
止効果が得られず、塗装後も目止状態が経時的に変化し
て目やせを生じるという問題があった。かかる事情から
、拭き取り作業性が良く、目づまり状態が良好で、しか
も塗装後も長期に至って初期の目止状態を保持する目止
剤が求められていた。このような目止剤として、特開昭
５５−７８０７４号公報に、コロイダルシリカ及び合成
樹脂水性エマルジョンを含有する目止剤が提案されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のコロイダルシリ
カ及び合成樹脂水性エマルジョンを含有する目止剤を使
用すれば、目づまり状態、及び塗装後一定期間経過後の
目づまり状態（以下、単に肉もち度という）は向上する
が、広葉樹のように導管が大きい木材に関する目止効果
はまだ満足しうるものではなかった。また、拭き取り作
業性についても、砥の粉を充填剤として含有する目止剤
よりも拭き取り作業性は向上するが、もっと滑りやすく
、拭き取り作業がしやすい目止剤が求められていた。

【０００５】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、目づまり度、肉もち度が良く、広葉樹のよう
に導管が大きい木材に対しても充分な目止効果を付与し
、しかも拭き取り作業性が良い木材塗装用目止剤を提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明者らは、マイカを添
加すると拭き取り作業性が向上し、また、澱粉を添加す
ると肉もち度が良くなることに着目して、本発明を完成
した。本発明の木材塗装用目止剤は、ホワイトカーボン
、マイカ、及び澱粉からなる充填剤を３０〜８０重量％
含有する木材塗装用目止剤であって、前記充填剤の配合
割合は、ホワイトカーボン６０〜８０重量％、マイカ１
０〜３０重量％、及び澱粉１０〜３０重量％である。

【０００７】

【実施例】本発明で使用するホワイトカーボンは、ケイ
酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等の微粉状
のもので、充填剤において、体質顔料としての役割を果
たし、目づまり度を向上せしめる。ホワイトカーボンの
種類は特に限定しないが、平均粒子径が１０〜５０μｍ
のホワイトカーボンが好ましく用いられる。かかる範囲
のホワイトカーボンを使用すると目づまり度が特に良好
になる。充填剤におけるホワイトカーボンの配合割合は
６０〜８０重量％である。ホワイトカーボンの配合割合
が６０重量％未満では充填剤としての役割を果たせない
。一方、ホワイトカーボンの配合割合が８０重量％を越
えると、マイカ及び澱粉の配合割合が少なくなるために
、拭き取り作業性及び肉もち度が悪くなる。

【０００８】マイカは層状構造をしており、拭き取り作
業性を良好にする。特に、平均粒子径が２０〜４００μ
ｍのマイカを使用すると拭き取り作業性が良好になるの
で好ましく用いられる。充填剤におけるマイカの配合割
合は１０〜３０重量％である。マイカの配合割合が１０
重量％未満ではマイカによる効果が付与されない。一方
、マイカの配合割合が３０重量％を越えると相対的にホ
ワイトカーボンの含有量が少なくなり、目づまり度が低
下する。

【０００９】澱粉は、水分や溶剤を保持することによっ
て、初期の目づまり状態を維持することができる。充填
剤における澱粉の配合割合は１０〜３０重量％である。 澱粉の配合割合が１０重量％未満では澱粉による肉もち
の効果が小さい。一方、澱粉の配合割合が３０重量％を
越えると、相対的にホワイトカーボンの含有量が少なく
なるため、目づまり度が低下する。

【００１０】本発明の木材塗装用目止剤は、上記構成を
有する充填剤を３０〜８０重量％含み、他の成分として
は溶剤、結合剤、必要に応じて着色剤を含有する。目止
剤における充填剤の配合割合が３０重量％未満では、目
止剤の充填効果が発揮できない。充填剤の配合割合が８
０重量％を越えると、溶剤、結合剤等の配合割合が相対
的に低下するために、目止剤の取扱性、作業性等が劣る
。

【００１１】溶剤としては、上記構成を有する充填剤を
分散させることができるものであればよく、例えば、エ
ステル系溶剤などが用いられる。溶剤の種類は、塗料の
種類、乾燥時間等により適宜選択される。結合剤として
は、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポ
リエチレン等の合成樹脂が一般に用いられ、その種類は
用いられる溶剤の種類等により適宜選択される。 〔具体的実施例〕充填剤におけるホワイトカーボン（徳
山曹達（株）製）、マイカ（インド産）、澱粉の配合割
合（重量％）が表１に示すような充填剤５０重量部、エ
ステル系溶剤４０重量部、及びウレタン樹脂１０重量部
を混合して木材塗装用目止剤を調製した。

【００１２】調製した木材塗装用目止剤をゴム集成材に
塗布し、充填剤の配合割合が異なる各種目止剤における
目づまり度、肉もち度、及び拭き取り作業性を以下のよ
うにして評価した。目づまり度：目止剤塗布後の導管の
目づまり状況を倍率が１０倍の拡大鏡にて観察し、目止
状態が良好なものを◎として、◎〜×の４段階で評価し
た。

【００１３】肉もち度：目止処理を行った木材に塗装を
施した後、１週間自然放置した。１週間後に目づまり状
況を倍率が１０倍の拡大鏡にて観察し、目止状態が良好
なものを◎として、◎〜×の４段階で評価した。拭き取
り作業性：目止剤塗布後、余分な目止剤を拭き取り作業
する際の作業のし易さを、最も滑り性が良好な場合を◎
として、◎〜×の４段階で評価した。

【００１４】各種目止剤における評価結果、及び総合評
価を６点評価（６点が最も優れている）で表した結果を
表１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】表１からわかるように、充填剤におけるホ
ワイトカーボン、マイカ及び澱粉の配合割合が本発明の
範囲内にある目止剤（実施例１〜６）は、本発明の範囲
外にある目止剤（比較例１〜１１）に比べて、目づまり
度、肉もち度、拭き取り作業性のいずれにも優れていた
。なお、比較例６については、総合評価４となったが、
目止剤として最も重要な目づまり度が△で、本発明の目
止剤よりも劣っている。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の木材塗装
用目止剤は、導管の大きい広葉樹に使用しても優れた目
止効果を付与することができ、塗装後も目やせなどする
ことがなく肉もち度が良好で、しかも拭き取り作業性が
良い。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ホワイトカーボン、マイカ、及び澱粉
   からなる充填剤を３０〜８０重量％含有する木材塗装用
   目止剤であって、前記充填剤の配合割合は、ホワイトカ
   ーボン６０〜８０重量％、マイカ１０〜３０重量％、及
   び澱粉１０〜３０重量％であることを特徴とする木材塗
   装用目止剤。
2. 【請求項２】　　ホワイトカーボンの平均粒子径が１０
   〜５０μｍ、マイカの平均粒子径が２０〜４００μｍで
   あることを特徴とする請求項１記載の木材塗装用目止剤
   。