JPH04225845A - 微量ピペット用チップ及びピストンの組立体 - Google Patents

微量ピペット用チップ及びピストンの組立体

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JPH04225845A
JPH04225845A JP40699290A JP40699290A JPH04225845A JP H04225845 A JPH04225845 A JP H04225845A JP 40699290 A JP40699290 A JP 40699290A JP 40699290 A JP40699290 A JP 40699290A JP H04225845 A JPH04225845 A JP H04225845A
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JP
Japan
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tip
piston
shaft
cylinder hole
ring
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JP40699290A
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English (en)
Inventor
Takeki Oshikubo
押久保 雄樹
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NICHIRIYOO KK
Nichiryo Co Ltd
Original Assignee
NICHIRIYOO KK
Nichiryo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チップのシリンダ孔に
Oリングを設けることにより、いわゆるPCR法(Po
lymerase  Chain  Reaction
:例えばDNAを含む試料液を分注する)等に適用する
場合の如く、分注量が1又は2マイクロリットル等の微
量ピペットに適用し得るチップ及びピストンの組立体を
提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】一般に、ピペットとして、例えば米国特
許第4672857号及び4023716号のピペット
の如く、いわゆるポジティブ・ディスプレイスメント型
と呼ばれるものがある。その構成は、ピペットのボディ
又はその延長部に対して、比較的細径のシリンダ孔を有
するチップが着脱自在に取付けられ、更に軸方向にスラ
イドするシャフトの比較的細径のピストン軸(プランジ
ャ)がピペット本体内でなくチップのシリンダ孔に嵌合
している。そして、ピストン軸がチップのシリンダ孔内
で上下動することにより、試料をチップ内に吸入した後
排出するようにしている。
【0003】尚、チップは試料が他の試料と混合される
可能性を防止するために原則的にその都度エジェクト機
構によりエジェクトして、放棄されるか又は洗浄後再使
用される。
【0004】これによれば、チップのシリンダ孔は必然
的に細径となるため、上記PCR法等の如く試料を微量
に分注する作業に適した構成を言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例として、PCR法に適用するもので、例えば25マ
イクロリットルの分注量の試料を最小単位3マイクロリ
ットル程度で分注するものがあるが、その場合はチップ
のシリンダ孔の内径は1mm程度であった。しかるに、
近年のPCR法では1又は2マイクロリットルの分注量
を最小単位0.1マイクロリットル程度で分注したい要
請が生じている。この場合はピストンストローク20m
m程度でシリンダ孔の内径を0.25〜0.35mm程
度にする必要があると思われる。
【0006】しかるに、チップはいわゆるインジェクシ
ョンによるモールド成型により製造するが、この成型に
より上記小さな内径を正確に得るのが作業上困難であり
、従って、無理に製作しても寸法公差が低下して分注精
度も低下し易いという欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来例の
欠点を解決したものであり、その構成は、軸方向に貫通
するシリンダ孔(58c)と、該シリンダ孔の所定部に
同心的に設けた収納部(58b)に収納されたOリング
(59)と、ピペット本体に着脱可能に係止される係止
部(58a)とを有する略円筒形状のチップ(58、5
8′)と、前記チップのシリンダ孔(58c)に対して
、該Oリング(59)にシール的に挿通しながら挿入さ
れるピストン軸(55)と、該ピストン軸の上端又はそ
の近傍に設けられ、ピペット本体のピストンチャック部
(40)によりチャッキングされる被チャック部(56
a)とを有するピストン(54)と、から構成されてな
ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上記構成によれば、チップのシリンダ孔のOリ
ングより下方の空間はその上方空間に対してシールされ
ることになるので、一旦ピストンを下動させてチップ下
端を試料に浸してピストンを上動復帰させてシリンダ孔
内に試料を吸入したとき、上記下方空間内に存在する空
気の量は当初の状態と変わらないから、シリンダ孔内に
吸入された試料の容量は、結局、ピストン軸が上動して
その跡に生じた体積として、シリンダ孔の内径とは無関
係に得られる。
【0009】従って、シリンダ孔の内径は上記インジェ
クション成型を容易に行い得る程度に適宜大きな内径(
例えば0.6mm程度)とすることができ、換言すれば
小さな分注容量にも適用できて応用範囲が広がり、また
分注精度も安定する。
【0010】
【実施例】図1及び図2は夫々本発明になる微量ピペッ
ト用チップ及びピストンの組立体を適用した微量ピペッ
トの側面図及び平面図、図3乃至図5は夫々上記微量ピ
ペットの縦断図、図3中4ー4線及び5ー5線に沿う断
面図、図6乃至図9は夫々上記微量ピペットの順次の動
作を示す縦断図である。
【0011】図1乃至図3中、1は略円筒形の樹脂製ボ
ディで、上方の断面略楕円形孔1a及び下方の断面円形
孔1bを有し、更に軸方向略中央に段部1c、リブ1d
(図4参照)、一対の軸方向所定長の案内凸条1e(図
4参照)及び分注量デジタル表示窓1fを、かつ下端に
ネジ孔1g等を有する。
【0012】2はすでに公知の分注量デジタル表示機構
で、夫々楕円形断面の固定板3及び押さえブロック4(
中央ネジ孔4aを有する)間に、一の駆動ギヤ5(その
D形断面孔が後述する上部シャフト26のD形断面軸部
に一体回転可能に嵌合されている)、夫々外周に対応桁
デジタル表示用の0〜9の数字を配列された3個の被動
ギヤドラム6(夫々上部シャフト26に別体回転可能に
嵌合されている)、ピニオンシャフト7に別体回転可能
に支承した2個のピニオンギヤ8を介装して構成される
【0013】この表示機構2はボディ1の断面楕円形孔
1a内に、固定板3が段部1cに当接するに至るまで挿
入される。なお、9はワッシャ、10は図中右方の2個
の被動ドラム6の内周に夫々該ドラムどうしの間隔を調
整するために嵌合されたスペーサリング、11は押さえ
ブロック4のネジ孔にピニオンシャフト7と螺合してこ
れを固定するべく挿入されたナットである。
【0014】12は樹脂製キャップで、ボディ1の楕円
形孔1a開口部に上記表示機構2を押さえつつ挿入され
、ネジ13、14によりボディ1に固定される。
【0015】21は後述する上部シャフト26の回転を
ロックするロック機構で、ロックネジスリーブ22、該
ロックネジスリーブ22の上端に一体回転可能に嵌合さ
れたロックハンドル23、上部シャフト26のD形断面
軸部により貫通されるD形断面孔を有することにより該
上部シャフト26に一体回転可能とされたロックプレー
ト24からなる。ロックネジスリーブ22は押さえブロ
ック4のネジ孔4aに螺入されてワッシャ25を介して
ロックプレート24を押さえブロック4に対して押し付
けることにより、該ロックプレート24引いてはこれと
一体の上部シャフト26の回転を阻止、即ちロックする
機能を有する。
【0016】26はその略全長にわたる略D形断面軸部
を有する上部シャフトで、ボディ1内にロック機構21
、表示機構2を貫通して収納される。上部シャフト26
のD形断面軸部は固定板3の下方でネジ体27のD形断
面孔を貫通して該ネジ体27と互に一体回転可能とされ
、かつ下端ネジ部26aの直上部にストッパカラー28
が嵌合され、かつ上端に押しボタン29が装着される。
【0017】30は可動ナットで、ボディ1のリブ1d
内において(図4参照)その両側の案内凹条30aを夫
々案内凸条1eに案内され、ボディ1に対して回転は出
来ないが軸方向にはスライド自在に取付けられ、かつ中
央ネジ孔30bに上記ネジ体27が螺合されている。可
動ナット30は2段バネ受け31との間に配した比較的
バネ力の強い2段バネ32により上方へ付勢されている
【0018】35は樹脂製ノズルハウジングで、その上
段ネジ部35aをボディ1の下端ネジ部1gに螺入させ
てボディ1に取付けられ、次段ネジ部35bに後述する
エジェクタパイプ51を保持する保持キャップ52が螺
合され、かつその両側の一対の案内凹条35c(図5参
照)、及び該エジェクタパイプ51の一対の軸方向スト
ッパ部51aにより挿通される一対の軸方向孔35d(
実際には図5に示す位置に配されるが、図3中ではわか
り易くするため90度分角度を変更した位置に示す)を
有する。更にノズルハウジング35は、1段バネ受け3
7を受ける段部35e、及び後述するチップ58を係止
するための係止凸部35f、及び後述するスリーブ45
のフランジ部により当接される段部35gを有する。
【0019】38は中間シャフト、39は下部シャフト
、40は後述するピストン54をチャッキングするチャ
ックであり、夫々互に螺合により順次軸方向に連結固定
され、しかも中間シャフト38はその上端を上部シャフ
ト26のネジ部26aに螺合固定されている。従って、
全てのシャフト26、38、39、チャック40及びピ
ストン54は軸方向一体のシャフトユニット41を形成
する。このシャフトユニット41は、中間シャフト38
に取付けたEリング42及び1段バネ受け37との間に
配した比較的バネ力の弱い1段バネ43により上方へ付
勢されている。
【0020】なお、チャック40は、いわゆるシャープ
ペンシルの芯保持機構と類似のもので、チャック下端の
テーパ状拡径部に断面十字形の軸方向切り込み40aに
より各部分が夫々半径方向外方へ弾性的に広がる4つの
部分からなるチャック部40bを有するが、このチャッ
ク部40bは、バネ44により下方へ付勢されたスリー
ブ45により半径方向内方へ移動するよう規制されてピ
ストン54をチャッキングしている。
【0021】51はエジェクタパイプで、ノズルハウジ
ング35の外周に下方より嵌合され、一対の断面円弧形
で軸方向に伸びるストッパ部51a(実際には図5に示
す位置に配されるが、図3中ではわかり易くするため9
0度分角度を変更した位置に示す)がノズルハウジング
35の一対の軸方向孔35dを貫通して上方へ突出する
。エジェクタパイプ51は、その一対の案内凸条51b
(図5参照)がノズルハウジング35の各案内凹条35
cにより案内されるので、ノズルハウジング35に対し
て回転不可能であるが軸方向にスライド可能である、。 52は保持キャップで、ノズルハウジング35の次段ネ
ジ部35bに螺合される。従って、エジェクタパイプ5
1は保持キャップ52内に収納されたバネ53により上
方へ付勢されている。
【0022】54はピストンで、図3及び図10に示す
如く、細径の金属製ピストン軸55(2マイクロリット
ルの分注量ではその外径は例えば0.358mm)の上
端に樹脂製のピストンヘッド部56(被チャック部56
a及びストッパ部56bからなる)をインサート成型し
てなる。
【0023】58は樹脂製略円錐形のチップで、図3及
び図10に示す如く、上端大径内周の係止凹部58a、
中間径のストッパ部(収納部)58b、小径のシリンダ
孔58cを有し、ストッパ部58b内にOリング59が
収納され更にOリング押さえ60が圧入嵌合されている
。チップ58はノズルハウジング35に対して係止凹部
58aを係止凸部35fに係合させて係止される。この
とき、ピストン54は、その被チャック部56aがチャ
ック40のチャック部40bによりチャッキングされ、
かつストッパ部56b上端はチャック部40b下端に当
接しており、かつピストン軸55はチップ58のシリン
ダ孔58c内に挿入されている。なお、上記構成によれ
ば、シリンダ孔58cのOリング59より下方の空間は
その上方空間に対して該Oリングによりシールされる。 従って、このシール構成によれば、後に述べる理由によ
り、シリンダ孔58cの内径は、ピストン軸55の外径
に丁度嵌合する寸法である必要は無くピストン軸外径に
対して半径方向間隙を有するような比較的大きい内径寸
法(例えば0.6mm)にすることができ、チップのイ
ンジェクション成型が容易となり、かつ試料の分注精度
が安定する。なおまた、シリンダ孔58cの下端部の内
径はピストン軸55により試料を押し出すときの液切れ
を良くするため部分的に小径(例えば0.4mm)とな
っている。
【0024】従って、上記構成においては、シャフトユ
ニット41(上部シャフト26、中間シャフト38、下
部シャフト39、チャック40及びピストン54)は、
弱い力の1段バネ43により上方へ付勢されて、ストッ
パカラー28がネジ体27(可動ナット30に対し所定
位置に螺合している)に当接して位置決めされている。 このとき、ピストン54のピストン軸55先端はチップ
シリンダ孔58c内の上端近傍に位置する。また、この
ときロックプレート24がロック機構21により回転不
可能に固定されているので、これを貫通する上部シャフ
ト26、即ちシャフトユニット41自身は回転不可能で
単に軸方向にスライドできるのみである。
【0025】また、可動ナット30は強い力の2段バネ
32により上方へ付勢されて固定板3に当接して位置決
めされている。更に、エジェクタパイプ51はバネ53
により上方へ付勢されてその段部51cがノズルハウジ
ング35の次段ネジ部35b下面に当接して位置決めさ
れている。
【0026】次に、上記微量ピペットの操作について図
6乃至図9を使用して説明する。
【0027】まず、図6中、片手で微量ピペットのボデ
ィ1を握って親指により押しボタン29を押し下げると
、シャフトユニット41及びそのピストン54は1段バ
ネ43に抗して、図7に示す如く、第1のストロークL
1(例えば20mm)だけ下動して、ストッパカラー2
8が可動ナット30の底部上面に当接する。このとき同
図に示す如く、シリンダ孔58cのピストン軸55下端
とチップ58下端との間には、寸法l1分の若干量の空
気が介在する空間が残存する。この状態でチップ58の
下端を試料に浸す。
【0028】次に、チップ58下端を試料に浸したまま
上記押圧力を解除すると、シャフトユニット41及びピ
ストン54は図6の位置まで上動復帰する。これにより
チップ58内にシリンダ孔58cのストロークL1分の
所定量の試料がピストン軸55下端との間に上記寸法l
1分の空気を介在したままで吸入される。
【0029】次に、チップ58の先端を分注用容器に挿
入して再びボタン29を押し下げる。すると、上記の場
合と同様にして、シャフトユニット41が寸法L1だけ
下動して、この間に試料はチップ58から排出されて他
の分注用容器に分注される。
【0030】このとき引き続いて、ボタン29を更に押
し下げると、シャフトユニット41は1段及び2段バネ
43、32に抗して、図8に示す如く、可動ナット30
と共に第2のストロークL2だけ下動して、可動ナット
30本体下面がエジェクタパイプ51の一対のストッパ
部51a上端に当接する。このときピストン軸55下端
とチップ58下端との間の寸法l2分だけ空気が残存す
る。即ち、仮に最初のストロークL1による排出完了時
にチップ58内に試料が残存していたとしても、次のス
トロークL2に起因する上記寸法l1とl2との差分(
l1−l2)の空気の排出により後押しされ吹き飛ばさ
れて残存試料は完全に排出される。従って、吸入と排出
の間で試料の誤差がなくなり、正確かつ確実に所定量の
試料の分注できる。また、チャック40下端はノズルハ
ウジング35下端に略一致する位置に至っている。なお
、このとき  スリーブ45は図8に示す位置でノズル
ハウジング35の段部35gに当接して次のストローク
L3の移動を行わないので、次のストロークL3の間チ
ャック部40bの規制を解除する。
【0031】次に、チップ58のエジェクト操作につい
て説明する。図8の状態より引き続いて、ボタン29を
更に押し下げると、シャフトユニット41は1段及び2
段バネ43、32のみならず、エジェクタバネ53及び
バネ44にも抗して、図9に示す如く、エジェクタパイ
プ51と共に第3のストロークL3だけ下動して、可動
ナット30の下端凸部が1段バネ受け31に当接する。 従って、エジェクタパイプ51のストロークL3分下動
により、チップ58は下方に押圧移動されてその係止凹
部58aが係止凸部35gとの係合を解除されて、図9
に示す如く、ノズルハウジング35から離脱される。
【0032】同時に、チャック40のチャック部40b
もストロークL3分ノズルハウジング35より下方に突
出して、ピストン54のピストンヘッド部56のストッ
パ部56bが、離脱される直前のチップ58のストッパ
孔58b内に嵌入当接する。同時に、上述の如く、チャ
ック部40bはスリーブ45による規制を解除されるの
で、チャック部40bの4つの部分は外方へ弾性的に開
きピストン54のチャッキングを解除する。
【0033】従って、図9に示す如く、チップ58及び
ピストン54はみかけ上一体となってノズルハウジング
35から離脱される。このチップ及びピストン58、5
4は試料が誤って混合される可能性を防止するため原則
的には再使用されることなく放棄されるか又は洗浄後再
使用される。従って、次にピペットには新たなピストン
及びチップが装着され、上記と同様な操作が繰り返され
る。
【0034】上記操作によれば、■試料は単にチップ5
8内にその都度新鮮な若干量の空気と共に吸入されるの
みゆえ、従来のピペット本体内まで多量の滞留空気(こ
の中に浮遊雑菌が繁殖し易い)と共に吸入されるタイプ
のものと比較して、特に試料がDNAを含む液である場
合、DNA液が浮遊雑菌の影響を受けないので、正確な
DNAのみのクローニング(増幅)を行うことができる
。■また、排出ストロークの最後まで若干量の空気を介
在しつつ試料を分注するゆえ、試料をピストンにより排
出しチップから押し切るときに試料がチップの先端に残
存し難いので、分注容量の精度を向上できる。
【0035】また、上記ピストン54及びチップ58の
構成によれば、上述した如くシリンダ孔58cのOリン
グ59より下方の空間はその上方空間に対して該Oリン
グによりシールされているので、図7の如くピストン軸
55がストロークL1だけ下動してチップ58下端を試
料に浸したときは、上記下方空間は上下共にシールされ
た完全な気密状態となる。従って、この完全な気密状態
のままで、ピストン軸55が図6の位置まで同じストロ
ークL1だけ上動復帰したとき、上記下方空間内に存在
する空気の量は当初の量と変わらないから、シリンダ孔
58c内に吸入される試料の体積は、結局、ピストン軸
55が上方へ変位してその跡に生じた体積、即ち「スト
ロークL1×ピストン軸55の外径」として正確に得ら
れる。即ち、この場合上記下方空間内がOリング59に
より気密状態であるという特殊条件に基づいて、吸入体
積は、一般の従来例の如く「ストロークL1×シリンダ
孔58cの内径」として得られるのではない。つまりこ
の場合シリンダ孔58cの内径は吸入容量に何等影響を
与えないので、ピストン軸55に嵌合させる必要はなく
、大きな内径とすることができる。
【0036】従って、上記の如く、Oリング59をピス
トン軸55に嵌合させる構成によれば、■チップ58の
シリンダ孔58cの内径をピストン軸55の外径とは無
関係に例えば0.6mm程度まで大きく形成できるので
、チップのいわゆるインジェクション成型が容易となる
。■また、逆に言えば、吸入体積をシリンダ孔58cの
内径とは無関係にピストン軸55自体の体積に関連して
設定しているので、小さい値の吸入容量を容易に設定で
き、応用範囲が広がる。例えば2マイクロリットルの分
注量を最小単位0.1マイクロリットルで分注できる。 ■また従来例の如く、シリンダ孔の内径を無理に小さく
インジェクション成型して寸法精度が低下するものに比
して、分注精度も安定し、信頼性を向上できる。
【0037】次に、ピペットの吸入及び分注容量を可変
したい場合には、ロック機構21のロックハンドル23
及びロックネジスリーブ22を一体的に図2中例えば時
計回転方向へ所定角度回転させネジスリーブ22を若干
量上動させると、ロックプレート25は回転自由となる
。つまり、シャフトユニット41が回転方向のロックを
解除される。
【0038】従って、シャフトユニット41を所定方向
へ所定量回転させると、ネジ体27が軸方向へ所定量上
動又は下動して、ストロークL1を可変させ、これによ
り分注容量を可変させる。同時に表示機構2の駆動ギヤ
5が同方向へ同量回転して被動ギヤドラム6を回転させ
て、可変後の容量をデジタル的に表示させる。容量可変
後は、ロックハンドル23を逆方向へ回転させて再びロ
ックプレート25を介してシャフトユニット41の回転
をロックする。
【0039】図11は、図10のチップ58の更に他の
変形例であるチップ58′を示す。このチップ58′は
、図10のチップに比して、シリンダ孔の内径にチュー
ブ62が着脱可能に嵌合されている。従って、比較的大
きな容量(例えば2マイクロリットル)の試料を分注し
たい場合には、チューブ62を取り去った状態で使用し
、また比較的小さな容量(1マイクロリットル)の試料
を同様に最小単位0.1マイクロリットルで分注したい
場合にはチューブ62を取付けて使用する。尚、チュー
ブ62を取付けた場合のピストン軸55の外径は例えば
0.253mmである。これにより、一つのチップ58
′で広範囲の分注容量に適用できて便利である。
【0040】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、軸方向に
貫通するシリンダ孔(58c)と、該シリンダ孔の所定
部に同心的に設けた収納部(58b)に収納されたOリ
ング(59)と、ピペット本体に着脱可能に係止される
係止部(58a)とを有する略円筒形状のチップ(58
、58′)と、前記チップのシリンダ孔(58c)に対
して、該Oリング(59)にシール的に挿通しながら挿
入されるピストン軸(55)と、該ピストン軸の上端又
はその近傍に設けられ、ピペット本体のピストンチャッ
ク部(40)によりチャッキングされる被チャック部(
56a)とを有するピストン(54)と、から構成され
てなるため次に示す利点がある。
【0041】■チップ58のシリンダ孔58cの内径を
ピストン軸55の外径とは無関係に大きく形成できるの
で、チップのいわゆるインジェクション成型が容易とな
る。■また、逆に言えば、吸入容量をシリンダ孔58c
の内径とは無関係にピストン軸55自体の体積に関連し
て設定しているので、小さい値の吸入容量を容易に設定
でき、応用範囲が広がる。■また従来例の如く、シリン
ダ孔の内径を無理に小さくエンジェンクション成型して
寸法精度が低下するものに比して、分注精度も安定し、
信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる微量ピペット用チップ及びピスト
ンの組立体の一実施例を適用した微量ピペットの側面図
である。
【図2】上記微量ピペットの平面図である。
【図3】上記微量ピペットの縦断図である。
【図4】第3図中4ー4線に沿う断面図である。
【図5】第3図中5ー5線に沿う断面図である。
【図6】上記微量ピペットの押圧前の状態の縦断図であ
る。
【図7】上記微量ピペットの一段押圧状態の縦断図であ
る。
【図8】上記微量ピペットの二段押圧状態の縦断図であ
る。
【図9】上記微量ピペットのチップ及びピストンの組立
体のエジェクト状態の縦断図である。
【図10】上記チップ及びピストンの組立体の第1実施
例の拡大縦断図である。
【図11】上記チップ及びピストンの組立体の第2実施
例の拡大縦断図である。
【符号の説明】
1  ボディ 2  分注量表示機構 3  固定板 12  キャップ 21  ロック機構 24  ロックプレート 26  上部シャフト 27  ネジ体 28  ストッパカラー 30  可動ナット 32  2段バネ 35  ノズルハウジング 38  中間シャフト 39  下部シャフト 40  チャック 41  シャフトユニット 43  1段バネ 51  エジェクタパイプ 54  ピストン 55  ピストン軸 56  ピストンヘッド 58、58′  チップ 58a  係止凹部 58b  ストッパ部(収納部) 58c  シリンダ孔 59  Oリング 60  Oリング押さえ 62  チューブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  軸方向に貫通するシリンダ孔(58c
    )と、該シリンダ孔の所定部に同心的に設けた収納部(
    58b)に収納されたOリング(59)と、ピペット本
    体に着脱可能に係止される係止部(58a)とを有する
    略円筒形状のチップ(58、58′)と、前記チップの
    シリンダ孔(58c)に対して、該Oリング(59)に
    シール的に挿通しながら挿入されるピストン軸(55)
    と、該ピストン軸の上端又はその近傍に設けられ、ピペ
    ット本体のピストンチャック部(40)によりチャッキ
    ングされる被チャック部(56a)とを有するピストン
    (54)と、から構成されてなることを特徴とする微量
    ピペット用チップ及びピストンの組立体。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の組立体において、前記
    チップの前記シリンダ孔(58c)の下端又はその近傍
    部の内径が、該シリンダ孔の他の部分の内径より寸法が
    小さくなっていることを特徴とする前記組立体。
  3. 【請求項3】  請求項1又は2記載の組立体において
    、前記チップは、前記Oリング(59)を押さえるべく
    前記収納部(58b)に収納されたOリング押さえ(6
    0)を更に有することを特徴とする前記組立体。
  4. 【請求項4】  請求項1乃至3の何れか1項記載の微
    量ピペットにおいて、前記ピストンは、前記組立体がピ
    ペット本体からエジェクトされるときに、前記チップの
    収納部(58b)に嵌入されるストッパ部(56b)を
    更に有することを特徴とする前記組立体。
  5. 【請求項5】  請求項1又は4記載の組立体において
    、前記被チャック部(56a)及びストッパ部(56b
    )は樹脂製であり、金属製ピストン軸(55)にインサ
    ートモールド成型されていることを特徴とする組立体。
  6. 【請求項6】  請求項1乃至5の何れか1項記載の組
    立体において、前記チップのシリンダ孔(58c)内に
    更に、ピストン軸(55)に略嵌合する小径の貫通孔を
    有するチューブ(62)が挿入されていることを特徴と
    する前記組立体。
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