JPH042244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、特にコンクリート床版における梁部
の形成用仮り枠間上に掛け渡すコンクリート床版
用デツキプレートに関するものである。

コンクリート床版用のデツキプレートとしては
種々の形状のものがあるが、例えば第１図に示す
ようなデツキプレート１がある。

このデツキプレート１は、１枚の鋼板を曲げ成
形して、平板部２と、この平板部２の裏面の幅方
向複数個所にそれぞれ形成された平行な長手方向
（スパン方向）直線状のリブ３とを備えたものを
基本形とし、なお前記リブ３の断面形状は種々あ
るが、第１図に示す例では、垂直ウエブ部３ａ
と、その下端に形成された横断面二等辺三角形状
のフランジ部３ｂを有しており、そして両端部に
おいて、平板部２の上面とフランジ部３ｂの下面
とから押圧して、ウエブ部３ａとフランジ部３ｂ
とを、第２図、第３図に示す如く、平板部２の裏
面に沿つて押し潰した平坦懸架部４を形成したも
のである。

ところで、前記デツキプレート１をコンクリー
ト床版用の型枠とするに当つて、第４図に示す如
く、各Ｈ形鋼梁材５の上部フランジ５ａの上面間
にデツキプレート１の両端部を掛け、デツキプレ
ート１上にコンクリートを打設する場合は、デツ
キプレート１の両端部が各Ｈ形鋼梁材５の上部フ
ランジ５ａによつて支承されているので、デツキ
プレート１は、打設されたコンクリート床版から
脱落するような恐れはないが、第５図に示す如
く、打設すべきコンクリート床版における梁部の
形成用仮り枠６間上に、デツキプレート１の両端
部を掛け、デツキプレート１上および仮り枠６内
にわたりコンクリートを打設し、打設後、仮り枠
６を取り外す場合、デツキプレート１が、打設さ
れたコンクリート床版から脱落する恐れがあつ
た。

このように、梁部形成用仮り枠６間上に、デツ
キプレート１の両端部を単に掛けただけでは、仮
り枠６を取り外した際、デツキプレート１が、打
設されたコンクリート床版から脱落する恐れがあ
るので、この脱落防止手段として、従来は、現場
において、例えば仮り枠６内の鉄筋とデツキプレ
ート１との間に、丸棒アンカーを溶接して設けた
り、あるいは例えばデツキプレート１の平板部２
に貫通孔を穿つてアンカーボルトを突設したりし
て、デツキプレート１と、打設されたコンクリー
ト床版との一体化を図つていた。

しかしながら、現場において、丸棒アンカーを
溶接すること、あるいはデツキプレートの平坦部
に貫通孔を穿つてアンカーボルトを取り付けるこ
とは、煩雑な作業を要し、コンクリート床版用デ
ツキプレートの施工作業性が悪いという問題があ
つた。

本考案は、かくの如き従来の問題を解決すべく
なしたものであつて、その実施例を第６図乃至第
９図に基づき以下に説明する。

前記従来のデツキプレート１における平坦懸架
部４は、第３図に示す如く、平坦部２よりも肉厚
が相当厚くなつており、平板部２との段差間隙か
ら打設したコンクリートが漏れるので、本考案の
実施例では、第６図Ａ，Ｂにそれぞれ示す如く、
デツキプレート１の各端部側位置なる平板部２の
部分を下方へ押し出し成形して、平坦懸架部４の
下面と同一水平面の凹部２ａを形成し、さらにこ
の凹部２ａの端縁から内側方向に、下面から上方
へ押し出し成形したアンカー部材挿着代部２ｂを
形成するか、あるいはデツキプレート１の各端部
側位置なる平板部２の部分を、前記アンカー部材
挿着代部２ｂを残して下方へ押し出し成形し、平
坦懸架部４の下面と同一水平面の凹部２ａを形成
する。

前記アンカー部材挿着代部２ｂ内に挿着するア
ンカー部材としては、例えば第７図Ａに示すよう
なＺ字形状のアンカー部材７あるいは第７図Ｂに
示すようなコ字形状のアンカー部材７を用いるが
よい。

アンカー部材挿着代部２ｂの内法高さおよび幅
は、アンカー部材７の下部片における肉厚および
幅に対応する寸法になつている。

なお、前記凹部２ａ面、アンカー部材挿着代部
２ｂ面、アンカー部材７の下部片面には、それぞ
れ梁部形成用仮り枠６に対する仮り止め用の釘孔
２ｃ，７ａを穿つておくがよい。

また前記アンカー部材７は、フラツトバーをＺ
字形状あるいはコ字形状に曲げ加工したものであ
るが、丸棒をＺ字形状あるいはコ字形状に曲げ加
工したアンカー部材を用いてもよい。

この場合、前記アンカー部材挿着代部２ｂは、
丸棒によるアンカー部材の挿着部が挿着できるよ
う、例えば内法高さおよび幅を、丸棒の外径に対
応した寸法にする。

しかして、第８図、第９図に示す如く、梁部形
成用仮り枠６間上に、デツキプレート１の両端部
を掛け、必要に応じて凹部２ａ面の釘孔２ｃから
梁部形成用仮り枠６の上縁面中に釘を打ち込ん
で、デツキプレート１を仮り止めすると共に、ア
ンカー部材挿着代部２ｂと、梁部形成用仮り枠６
の上縁面との間に、例えばＺ字形状のアンカー部
材７を挿着し、必要に応じて、アンカー部材挿着
代部２ｂ面の釘孔２ｃからアンカー部材７の釘孔
７ａを経て梁部形成用仮り枠６の上縁面中に釘を
打ち込んで、アンカー部材７を仮り止めし、しか
る後に、アンカー部材７を埋没させる如く、デツ
キプレート１上および仮り枠６内にわたりコンク
リート８を打設するのである。

以上述べた如く、本考案によれば、コンクリー
ト床版における梁部の形成用仮り枠間上に掛け渡
したデツキプレート１の両端部における平板部２
に設けられたアンカー部材挿着代部２ｂと、梁部
形成用仮り枠の上縁面との間に、Ｚ字形状あるい
はコ字形状のアンカー部材の下部片を挿着するだ
けでよいので、従来の如く、例えば仮り枠内の鉄
筋とデツキプレートとの間に、丸棒アンカーを溶
接して設けたり、あるいは例えばデツキプレート
の平坦部に貫通孔を穿つてアンカーボルトを突設
したりするなど、煩雑な現場作業を行うことな
く、簡単にアンカー部材をセツトすることがで
き、従つてコンクリート床版用デツキプレートの
施工作業を従来よりも能率よく行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のデツキプレートの一例を示す斜
視図、第２図は同上の側面図、第３図は、第２図
におけるデツキプレート端部の従来例を示す斜視
図、第４図はデツキプレートを各Ｈ形鋼梁材の上
部フランジの上面間に掛け渡した態様を示す説明
図、第５図はデツキプレートを梁部形成用仮り枠
間上に掛け渡した態様を示す説明図、第６図Ａ，
Ｂはデツキプレート端部の本考案の各実施例を示
す斜視図、第７図Ａ，Ｂはアンカー部材の各実施
例を示す斜視図、第８図は本考案によるデツキプ
レートの施工実施例を示す説明図、第９図は、第
８図Ａ−Ａ矢視断面図である。 １……デツキプレート、２……平板部、２ａ…
…凹部、２ｂ……アンカー部材挿着代部、２ｃ…
…釘孔、３……リブ、３ａ……垂直ウエブ部、３
ｂ……フランジ部、４……平坦懸架部、６……梁
部形成用仮り枠、７……アンカー部材、７ａ……
釘孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平板部２と、この平板部２の裏面の幅方向複数
   個所にそれぞれ形成された任意の断面形状を有す
   る平行な長手方向のリブ３と、長手方向両端部に
   おいて平板部２の上面とリブ３の下面とから押圧
   して、リブ３を押し潰して形成した平坦懸架部４
   を有し、コンクリート床版における梁部の形成用
   仮り枠間上に、両端部の平坦懸架部４を掛け渡す
   ようにしたデツキプレート１において、両端部に
   おける平板部２面を、平坦懸架部４の下面と同一
   水平面の凹部２ａに形成し、かつこの凹部２ａの
   一部の端縁から内側方向に、下面から上方へ押し
   出したアンカー部材挿着代部２ｂを形成し、この
   アンカー部材挿着代部２ｂと、前記梁部形成用仮
   り枠の上縁面との間に、Ｚ字形状あるいはコ字形
   状のアンカー部材の下部片を挿着するようにした
   コンクリート床版用デツキプレート。