JPH042222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は温水洗浄便器等の衛生洗浄装置で間接
給水形のものにおいて、手洗い付ロータンクに配
設する補助タンクの構成に関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般に手洗い付ロータンクを有する洗浄便器
に、人体局部用の衛生洗浄装置を組み合せたもの
においては、前記ロータンク内の貯溜水に雑菌等
が存在することから、このロータンク内の貯溜水
を洗浄水に用いることはできない。したがつて、
このような装置には清潔な水を貯溜する補助タン
クが必要である。

従来のこの種の装置は例えば第１図に示すよう
に構成されている。すなわちロータンク１の中に
補助タンク２を配設し、手洗用吐水管３に分水バ
ルブ４を取付け、その第２吐出口に接続した接続
ホース５の端部を前記補助タンク２内に挿入して
ある。前記補助タンク２内には水中ポンプ６を装
置してあり、その吐出口に接続した送水ホース７
は、局部洗浄装置本体８に内設した温水タンク
（図示省略）およびノズルパイプ９に連通してい
る。なお図中の１０は上水道に接続した給水パイ
プで、ボールタツプ（図示省略）を通じて手洗用
吐出管３に連通している。

上記構成においてレバーハンドル１１を操作し
て前記ロータンク１内の水を便器に供給し、便器
の洗浄を行なうと、ボールタツプによりロータン
ク１と手洗用吐出管３に給水され、分水バルブ４
により手洗用水を放出するとともに、分水された
一部は接続ホース５を通つて補助タンク２に給水
される。補助タンク２がオーバーフローしたとき
はロータンク１内に流入し、ロータンク１の水位
は定水位手段により定位を維持する。したがつて
補助タンク２の貯溜水は、ロータンク１の貯溜水
を混入することはない。

次に局部洗浄の操作を行なうと、水中ポンプ６
が駆動し、補助タンク２の水は送水ホース７、温
水タンクを経てノズルパイプ９に押出され、局部
洗浄の用を達する。給水パイプ１０から補助タン
ク２に至る水路において、ポールタツプおよび分
水バルブ４はバキユームブレーカーの作用を有す
るので、通常では補助タンク２の貯溜水のバツク
フローに対し二重の安全を有することとなる。

ところでこの構成では補助タンク２は貯溜水が
消費されると水位が低下して浮力を生ずるので、
移動しないよう強固な固定方法を用いる必要があ
る。またロータンク１内の保有水量は補助タンク
２の排水量だけ減少するので、ロータンク１を大
きくする必要がある。

さらに手洗い後の水はロータンク１内に流入す
るから、これを混入させないための補助タンク２
の配設位置および形状寸法に制約を受ける。

考案の目的 本考案は上記従来の欠点に留意し、補助タンク
の水位が変化しても浮力を生ぜず、ロータンクの
形状寸法に制約されることなく、補助タンクをバ
ツクフロー防止構造として安全性を倍加すること
を目的とする。

考案の構成 上記目的を達成するため、本考案は補助タンク
を、ロータンクの外側に配設し、前記補助タンク
への給水側の接続ホースの先端部には有効な吐水
口空間を確保し、溢水はロータンクに流入する構
成としたものである。

実施例の説明 以下本考案の実施例について、図面に基づいて
説明する。

第２図において、１２はロータンク、１２′は
ロータンク１２のふた、１３は前記ふた１２′上
に吐出口が位置する手洗用吐出管、１４は手洗用
吐出管１３の先端部に設けた分水バルブ、１５は
前記分水バルブ１４より導出した接続ホースであ
る。１６は補助タンクで、支持金具１７によりロ
ータンク１２の外側に装着され、上部に前記接続
ホース１５が接続されている。前記補助タンク１
６の溢水口１８はふた１２′上に開口して溢水面
を形成している。そして、前記接続ホース１５に
連通する吐水口１９は補助タンク１６の溢水面お
よび周囲壁面との間に、法規で定められた空間寸
法を確保してある。前記ロータンク１６には送水
ホース２０が接続され、この送水ホース２０は局
部洗浄装置（図示省略）に連通している。なお図
中の２１は前記送水ホース２０の後端に接続した
フイルタである。

上記構成において、補助タンク１６に対する給
水は便器洗浄の都度に吐出口１９から行なわれ、
補助タンク１６が満水すれば溢水口１８からふた
１２′上に排水して溢水面を維持する。

局部洗浄装置を操作すれば、ポンプが動作し、
フイルタ２１および送水ホース２０を経て送水さ
れ、補助タンク１６の水位が低下する。水位の変
動に伴ない上部空間には溢水口１８から空気が出
入りし、補助タンク１６内は常に大気圧を維持す
る。

仮りに接続ホース１５に負圧を生じても溢水口
１８が大気に開放され、かつ吐出口１９が必要な
吐出口空間を有するので、貯溜水によるバツクフ
ローおよび汚染を生じない。

このように本考案の実施例によれば、補助タン
クは貯溜水が増減しても、浮力の発生など取付け
に不安定を及ぼす作用力を生ぜず、またロータン
クの水量に影響を与えず、ロータンクの手洗い後
の水が混入することなく、かつ補助タンク単独で
有するバツクフローと汚染防止が、付加される利
点を有する。

考案の効果 本考案によれば次の効果を得ることができる。

(1) 水位が変動しても補助タンクの取付けを不安
定にする作用力を生じない。

ロータンクの容量を増加させる必要がない。

手洗い後の水で補助タンクが汚染することが
ない。

補助タンク単独でバツクフローおよび汚染に
対する法規制を満足することができる。

(2) 溢水口をロータンクの蓋の上部位置で開口し
ているため高さ調節用パツキンや特別な部品を
用いなくてもロータンクの蓋は傾斜することが
なく不安定にならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の衛生洗浄装置の断側面図、第２
図は本考案の一実施例の衛生洗浄装置の断面図で
ある。 １２……ロータンク、１２′……ふた、１４…
…分水バルブ、１５……接続ホース、１６……補
助タンク、１７……支持金具、１８……溢水口、
１９……吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータンクに上載された手洗用吐出管を有する
   ロータンクの蓋と、前記ロータンクの外側に配設
   された補助タンクと、前記補助タンクの上部に配
   設された吐出口と、前記補助タンクの側部に形出
   させた溢水口と、前記手洗用吐出管に取付けた分
   水バルブと前記吐出口を連通する接続ホースとを
   備え、前記溢水口を前記ロータンクの蓋の上部位
   置で開口する構成とした衛生洗浄装置。