JPH0421872B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、転写型電子写真複写機等の用紙搬送
装置において、特にバガキや図書カード等の厚手
用紙をも転写紙として、搬送し、転写、剥離する
搬送装置に関する。

＜従来技術＞ 従来、薄手の用紙を転写紙として使用する通常
の複写機において、用紙の搬送、転写、剥離の機
構は、第１図に示す如く構成されていた。第１図
において、給紙装置により給紙された用紙はペー
パーガイド１に沿つて進み、搬送ローラ２によ
り、ドラム状の感光体３に密着すべく、所定の角
度で上記感光体３に突入される。この時、用紙に
はペーパーガイド１と感光体３とで形成される上
記所定の角度程度の曲がりが生ずる。

続いて、転写器４により感光体３上のトナー像
が用紙に転写される。この時、用紙と感光体３と
は静電気力により密着しているが、感光体３の一
側端部に設けられた剥離ガイド５上に、上記用紙
の一端縁部が位置する。そのため、用紙の一端縁
部は、剥離ガイド５に沿つて進み、この結果感光
体３より剥離される。そして、用紙の一端縁部
を、剥離ローラ６と剥離ガイド５との共働作用に
より、強力に保持搬送することにより用紙全体が
剥離される。この剥離部においても、用紙の進行
方向が変わるため、あるいは剥離ローラ６と剥離
ガイド５による用紙の保持搬送力を強めるため
に、用紙の搬送経路に曲部を設けている。

以上の搬送経路は、Ａとして矢印にて図示して
いる。通常の薄手の用紙は、上記搬送経路Ａを通
り、転送、転写、剥離の各工程を通つて所定の目
的を完遂される。

しかしながら、用紙が図書カードやハガキ等の
厚手用紙の場合、いわゆる用紙の腰が強いため、
特に搬送経路Ａの各曲部において、搬送経路Ａに
対応できずに紙詰まりがよく発生する。

＜発明の目的＞ 本発明は、薄手の用紙も及び厚手の用紙も、そ
の用紙自身の厚さの大小、腰の強さに拘わらず、
転写材として使用可能と成した用紙搬送装置を提
供することを目的としている。

＜実施例＞ 第２図は、本発明の用紙搬送経路を上から見た
上面図、第３図はその側面図である。図におい
て、１０Ａ，１０Ｂは用紙２０，２１を案内する
搬送ガイド、１１はドラム状の感光体１３へ用紙
を導くための搬送ガイド、１２Ａ，１２Ｂは搬送
ガイドの途中に設けられた搬送ローラ、１４は用
紙へ感光体１３のトナー像を転写するために転写
位置に設けられたコロナ放電器、１５は感光体１
３の一側端部に対応して配置された剥離ガイド、
１６は用紙の剥離にかかる剥離ローラ、１７は剥
離後の用紙のヒートローラ１８，１９の間へ案内
するガイド板である。

上記剥離ローラ１６は、第２図に示す通り、ロ
ーラ径を大きくした薄手用紙２０の剥離にかかる
大径ローラ１６Ａと、径を小さく形成した厚手用
紙２１の剥離後の案内搬送にかかる小径ローラ１
６Ｂとから構成されている。大径ローラ１６Ａ
は、剥離ガイド１５と対応して設けられており、
薄手用紙２０の一端縁部を剥離ガイド１５とで挟
持して感光体１３に密着する用紙２０を剥離す
る。

ここで、第１図に示す如き剥離装置であれば、
用紙は、一端縁部を規制されて搬送されるのが一
般的であつた。そのため、厚手用紙２１に関して
も薄手用紙２０と同様に、一端縁部が規制されて
搬送されている。この欠点は従来技術の項で説明
した通りである。

本発明では、ハガキ等の厚手用紙２１に関して
は、薄手用紙２０のように剥離ガイド１５に対応
させ、一端縁部を規制して搬送案内するのではな
く、剥離装置を構成する剥離ガイド１５より外れ
て搬送している。即ち、薄手用紙２０を搬送する
経路、つまり第１の搬送経路は、第２図に示す様
に、薄手用紙２０の一端縁部が剥離ガイド１５に
沿つて転写領域へと案内され、その転写終了後に
剥離ガイド１５と剥離ローラ１６の大径ローラ１
６Ａとで挟持して搬送してなる経路である。そし
て、この第１の搬送経路とは、全く異ならせて厚
手用紙２１の一端縁部が剥離ガイド１５に沿つて
案内されることなく、搬送ガイド１１に沿つてそ
のまま感光体３の転写領域へと案内搬送され、転
写終了後に剥離ローラ１６の小径ローラ１６Ｂへ
と案内され搬送される経路を厚手用紙２１の第２
の搬送経路として構成している。

上記転写領域へと薄手及び厚手用紙２０，２１
を案内し搬送するための第１及び第２の搬送経路
は、同一平面と成した搬送ガイド１１にて構成さ
れている。また、転写後の厚手用紙２１の搬送に
おいて剥離ローラ１６の大径ローラ１６Ａが厚手
用紙２１の一端縁部と対向することなく、小径ロ
ーラ１６Ｂが対向するように剥離ローラ１６が配
置されている。そのため、上記第２の搬送経路に
沿つて厚手用紙２１を搬送するために、厚手用紙
２１の専用給紙用カセツトあるいは、厚手用紙２
１の手差し時の挿入口は、剥離装置を構成する剥
離ガイド１５を外れた第２の搬送経路に沿つて送
り込まれるように設計されている。

また、第３図に示すように、搬送ガイド１０
Ａ，１０Ｂ，１１及び搬送ローラ１２Ａ，１２
Ｂ、感光体１３にて形成される転写領域までの搬
送経路（第１及び第２搬送経路）は、厚手用紙２
１を搬送する関係上、ほぼ直線形状となるよう
に、上記各ガイド、感光体等を配置している。つ
まり、厚手用紙２１は腰が強いことから、そのま
ま直進しようとする傾向にあり、無理に搬送経路
を湾曲又は屈曲させて案内搬送すると搬送不良等
の紙詰まりが生じる。そのため、厚手用紙２１が
直進できるように、搬送ガイド１１にて直線状態
で転写領域へとそのまま案内されるようにしてい
る。

更に第２搬送経路に沿つて搬送案内される厚手
用紙２１については、感光体１３の転写領域から
転写を終えて、自身の腰の強さによつて剥離され
た用紙を案内搬送するための剥離ローラ１６、特
に小径ローラ１６Ｂにて形成される案内経路につ
いても、図に示すようにほぼ直線状になるように
剥離ローラ１６を配置している。つまり、剥離後
の厚手用紙２１においても、湾曲又は屈曲させて
案内搬送を行えば、強い腰の作用にて転写を行つ
ている厚手用紙２１の後端が転写領域よりずれ
て、転写不良が生じる。そのためにも、剥離後の
厚手用紙２１を案内する剥離ローラ１６を大径ロ
ーラ１６Ａのままで配置すれば多少湾曲するた
め、小径ローラ１６Ｂを設けて、転写後において
も直線状になるようにしている。

また、薄手用紙２０については、第３図に示さ
れるように、大径部分の剥離ローラ（大径ロー
ラ）１６Ａと接触する剥離ガイド１５にて、用紙
２０の一側縁部が挟持されて搬送される。すなわ
ち、大径ローラ１６Ａによつて直線部より多少上
方向にガイドされることから、感光体１３に対し
多少湾曲されて搬送されながら剥離されるため、
薄手用紙２０が感光体１３に十分に密着して転写
を行うことが可能となる。この場合、転写用のコ
ロナ放電器１４の作用により、腰の弱い薄手用紙
２０は、感光体１３に静電的に十分に密着し、上
述の大径ローラ１６Ａによる作用と合わせて、十
分な密着性を与えて転写を行える。特に上記搬送
ガイド１１は、転写時の厚手用紙２１と、感光体
１３との密着を良くするために、感光体１３に近
い位置に設ける程よい。

即ち、上記搬送経路の直線部分は、上記密着性
をよくするために、用紙を案内する搬送ガイド１
１の先端を感光体１３に近接させ、且つ本発明の
目的を達成するために感光体１３の用紙接触部Ｃ
の接線方向に用紙がそのままの形態で案内される
べく、この間の搬送経路が直線状になるように搬
送ガイド１１を上記接線に沿うように配置するこ
とが好ましい。

上記小径ローラ１６Ｂも、紙詰まりを発生しな
い程度に少し搬送経路の直線部より、上方向へ上
げると用紙の搬送力が強まる。そのためにも、小
径ローラ１６Ｂは、発泡ネオプレン樹脂で作る
と、直進する厚手用紙２１に押されて用紙の接触
面積が大きくとれ、搬送性が更に良くなる。

以上の様な構成において、薄手用紙２０の搬送
ローラ１２Ａ，１２Ｂ、搬送ガイド１１を介して
送られてくることで、薄手用紙２０は感光体１３
の接触部Ｃの接線方向へと案内される。そして、
薄手用紙２０は、コロナ放電器１４の作用によ
り、トナー像が転写されると共に、感光体１３に
密着される。しかし、薄手用紙２０の一端縁部
は、剥離ガイド１５にて感光体１３より隔離され
ており、剥離ローラ１６の大径ローラ１６Ａと上
記剥離ガイド１５とで挟持され、感光体１３より
離れる方向へと搬送される。この時、剥離ローラ
１６の大径ローラ１６Ａによつて、薄手用紙２０
が直線部より多少上方向に湾曲されて搬送されこ
とから感光体１３との密着性についても十分に確
保できる。そして、薄手用紙２０は大径ローラ１
６Ａの回転により徐々に剥離され、ガイド板１７
を介して、ヒートローラ１８，１９の接触部へと
案内される。上述の様にして、薄手用紙２０の搬
送、転写、剥離が順次実行されていき、ヒートロ
ーラ１８，１９へと導かれる。

一方、厚手用紙２１は、薄手用紙２０の如く、
一端縁部を規制されて案内されておらず、特に剥
離ガイド１５を外れて案内されてくる。この厚手
用紙２１は、搬送ガイド１１に沿つて案内され、
感光体１３の接触部Ｃの接線方向へ、直線的に導
かれる。そして薄手用紙２０の場合と同様に、厚
手用紙２１はコロナ放電器１４の作用にて感光体
１３に密着されトナー像が転写される。その後、
厚手用紙２１は、用紙自身の腰の強さから、感光
体１３に密着して搬送されることなく、自然に感
光体１３より剥離する。

この剥離後の厚手用紙２１は、その裏面が小径
ローラ１６Ｂ表面に案内され、ヒートローラ１
８，１９へと導かれる。この場合、小径ローラ１
６Ｂ表面と転写領域との搬送経路としてはほぼ直
線形状であることから、厚手用紙２１が強制的に
撓わまされて案内搬送されることがないため、紙
詰まり等の発生は阻止されると共に転写位置の厚
手用紙２１の後端が転写位置からずれる虞れもな
く、転写不良がなくなる。

ここで、ハガキ等の厚手用紙２１は、長さも短
いこともあつて、感光体１３の転写領域において
も密着しても、感光体１３に密着して搬送される
力より、用紙自身の腰の強さの方が強く、薄手用
紙２０の如く剥離ガイド１５等を設けず自然に剥
離する。例えば、ハガキ等の厚手用紙２１に限ら
ず感光体１３の周囲に密着して搬送されることの
ないような、腰の強さを有する用紙を使用すれ
ば、剥離機能を必要としなくなる。

＜発明の効果＞ 本発明の用紙搬送装置によれば、厚手用紙が用
紙の一端縁部を挟持して剥離する第１搬送経路を
構成する剥離装置を通ることなく案内平面からな
る第２搬送経路を通り、この第２搬送経路が転写
位置及び転写後においてもほぼ直線形状になるこ
とから、用紙が無理に湾曲されることがなく、ス
ムーズな案内搬送が行われ良好な転写が望めると
共に、紙詰まりを防止できる。

しかも薄手用紙においては、厚手用紙の第２搬
送経路とは異なる剥離装置を通過する第１搬送経
路を案内搬送され、且つ厚手用紙同様に案内平面
と同一面であることから、用紙が撓むこともな
く、転写位置への案内搬送がスムーズに行われ、
且つ転写後には剥離装置にて多少湾曲するように
して搬送されることから、感光体への密着性を損
なわず、転写不良を起こすことなく、従来同様に
剥離部材にて確実に用紙剥離が行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の用紙搬送経路を示す側面図、第
２図は本発明の用紙搬送経路を示す上面図、第３
図はその側面図である。 １０Ａ，１０Ｂ；搬送ガイド、１１；搬送ガイ
ド、１２Ａ，１２Ｂ；搬送ローラ、１３；感光
体、１４；コロナ放電器、１５；剥離ガイド、１
６；剥離ローラ、１６Ａ；大径ローラ、１６Ｂ；
小径ローラ、１７；ガイド板、２０；薄手用紙、
２１；厚手用紙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 感光体上に形成されたトナー像を搬送されて
   くる用紙に転写し、この用紙を感光体より剥離し
   てなる剥離装置を介して用紙を搬送する装置にお
   いて、 上記剥離装置は感光体より剥離するために用紙
   の一端縁部を感光体より離隔して案内する剥離ガ
   イドと、該剥離ガイドとの間で用紙の一端縁部を
   挟持し搬送するとともに感光体の軸方向全長に対
   応して配置され転写後の用紙を搬送案内してなる
   剥離ローラとから構成され、 薄手用紙は、一端縁部が上記剥離ガイドと剥離
   ローラとに挟持されて搬送される第１搬送経路を
   搬送されるように形成されているのに対して、厚
   手用紙は、上記剥離ガイドを通ることのない第２
   搬送経路を搬送されるように形成し、 上記第１及び第２搬送経路は、転写領域への案
   内平面を同一面形状となし、且つ上記感光体の用
   紙接触部の接線方向に用紙が案内されるべくほぼ
   直線状に形成してなり、 上記剥離ローラは、上記剥離ローラの上記第２
   搬送経路と対応する部分の径を、上記剥離ガイド
   に接触する剥離ローラの部分の径より小さく形成
   し、かつ、この剥離ローラの径を小さく形成した
   部分への上記転写領域からの搬送経路が、上記転
   写領域への案内平面のほぼ延長線上の直線となる
   ように、そして、上記剥離ガイドに接触する剥離
   ローラの部分への上記転写領域からの搬送経路
   が、剥離ローラの径の大きさだけ湾曲されるよう
   に配置したことを特徴とする用紙搬送装置。