JPH04209004A - 射出成形機の制御方法 - Google Patents
射出成形機の制御方法Info
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- JPH04209004A JPH04209004A JP40343190A JP40343190A JPH04209004A JP H04209004 A JPH04209004 A JP H04209004A JP 40343190 A JP40343190 A JP 40343190A JP 40343190 A JP40343190 A JP 40343190A JP H04209004 A JPH04209004 A JP H04209004A
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Links
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/76—Measuring, controlling or regulating
- B29C45/766—Measuring, controlling or regulating the setting or resetting of moulding conditions, e.g. before starting a cycle
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
[00011
【産業上の利用分野]本発明は射出成形機の制御方法に
係り、特に、良品成形が保証できる好適運転条件を、試
ショット期間における多数の実測データを参照して自動
的に補正演算して設定可能な射出成形機の制御方法に関
するものである。 [0002] 【従来の技術】射出成形機による製品成形を自動運転で
行う際、製品の品質決定要因となる多数の成形運転条件
はきめ細かく設定するようになされ、成形機全体の駆動
制御等を司るマシン制御用マイクロコンピュータ(以下
、マシン制御用マイコンと称す)は、この予め設定され
た成形運転条件値に基づき各種センサからの計測データ
等を参照して自動運転を実行し、製品(成形品)を連続
的に成形するようになっている。 [0003]ところで、射出成形の技術分野では、各運
転条件の相関関係の詳細や樹脂挙動の詳細メカニズムな
ど未解明の事柄が多く、これらを正確に把握する研究が
進められてはいるが、前記した各成形運転条件値の設定
は、現状では豊かな経験と知識を有するオペレータに頼
っているのが実状である。 [0004]
係り、特に、良品成形が保証できる好適運転条件を、試
ショット期間における多数の実測データを参照して自動
的に補正演算して設定可能な射出成形機の制御方法に関
するものである。 [0002] 【従来の技術】射出成形機による製品成形を自動運転で
行う際、製品の品質決定要因となる多数の成形運転条件
はきめ細かく設定するようになされ、成形機全体の駆動
制御等を司るマシン制御用マイクロコンピュータ(以下
、マシン制御用マイコンと称す)は、この予め設定され
た成形運転条件値に基づき各種センサからの計測データ
等を参照して自動運転を実行し、製品(成形品)を連続
的に成形するようになっている。 [0003]ところで、射出成形の技術分野では、各運
転条件の相関関係の詳細や樹脂挙動の詳細メカニズムな
ど未解明の事柄が多く、これらを正確に把握する研究が
進められてはいるが、前記した各成形運転条件値の設定
は、現状では豊かな経験と知識を有するオペレータに頼
っているのが実状である。 [0004]
【発明が解決しようとする課題】上述したように、自動
運転を開始する前に設定される各運転条件項目毎の設定
値は、現状ではオペレータの豊かな経験と知識に頼って
おり、初心のオペレータには設定が極めて難しいという
問題があった。また、例えベテランのオペレータが運転
条件値を設定する場合であっても、樹脂材料、製品電量
、金型形状から適正な各運転条件値を迅速・的確に割り
出すことは困難で、試ショットを繰返しながら試行錯誤
で運転条件を変更し、最終的に各運転条件項目の設定値
を確定するようにしていたため、オペレターの負担が大
きいという問題もあった。さらには、ベテランのオペレ
ータが最終的に決定した設定値であっても、多分に見做
しの好適値であって、真の意味での好適値(最適値)で
あるかどうかは確実なものではなく、良品成形を保証す
るに足る領域のボーダーライン近傍に位置する値である
虞があるものであった。 [0005]従って、本発明の解決すべき技術的課題は
上記した従来技術のもつ問題点を解消することにあり、
その目的とするところは、各運転条件項目毎の好適運転
条件値を自動的に設定可能な射出成形機を提供すること
にある。 [0006]
運転を開始する前に設定される各運転条件項目毎の設定
値は、現状ではオペレータの豊かな経験と知識に頼って
おり、初心のオペレータには設定が極めて難しいという
問題があった。また、例えベテランのオペレータが運転
条件値を設定する場合であっても、樹脂材料、製品電量
、金型形状から適正な各運転条件値を迅速・的確に割り
出すことは困難で、試ショットを繰返しながら試行錯誤
で運転条件を変更し、最終的に各運転条件項目の設定値
を確定するようにしていたため、オペレターの負担が大
きいという問題もあった。さらには、ベテランのオペレ
ータが最終的に決定した設定値であっても、多分に見做
しの好適値であって、真の意味での好適値(最適値)で
あるかどうかは確実なものではなく、良品成形を保証す
るに足る領域のボーダーライン近傍に位置する値である
虞があるものであった。 [0005]従って、本発明の解決すべき技術的課題は
上記した従来技術のもつ問題点を解消することにあり、
その目的とするところは、各運転条件項目毎の好適運転
条件値を自動的に設定可能な射出成形機を提供すること
にある。 [0006]
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、可変設定可能な多数の運転条件値を格納
し、この格納された多数の運転条件値に従いマシンの各
部を駆動制御するマシン制御用マイコンと、マシン制御
用マイコンと通信可能とされ前記運転条件値を算出処理
可能とされた運転条件値演算用マイクロコンピュータ(
以下、条件値演算用マイコンと称す)とを少なくとも具
備した射出成形機の制御方法において、条件値演算用マ
イコンは初期入力される少なくとも樹脂材料データ。 金型形状データによって初期の各運転条件値を算出処理
し、マシン制御用マイコンはこの初期運転条件値に従い
初期成形運転を実行し、この初期成形運転時に計測され
る運転条件の実測データ、並びに前記設定された運転条
件項目以外の成形品品質に密接に関連する項目の実測デ
ータ(例えば、製品の外観形状を画像認識処理する画像
認識処理手段からの製品外観データ等)を条件値演算用
マイコンが取り込み、この実測データが不適当と判断さ
れた場合には、予め定められた成形条件補正演算プログ
ラムに従い運転条件値を補正演算し、全実測データが許
容範囲に入って良品が成形されると確認される時点まで
前記した運転条件値を補正演算する処理を実行して、好
適運転条件を決定するようにされる。 [0007]
達成するため、可変設定可能な多数の運転条件値を格納
し、この格納された多数の運転条件値に従いマシンの各
部を駆動制御するマシン制御用マイコンと、マシン制御
用マイコンと通信可能とされ前記運転条件値を算出処理
可能とされた運転条件値演算用マイクロコンピュータ(
以下、条件値演算用マイコンと称す)とを少なくとも具
備した射出成形機の制御方法において、条件値演算用マ
イコンは初期入力される少なくとも樹脂材料データ。 金型形状データによって初期の各運転条件値を算出処理
し、マシン制御用マイコンはこの初期運転条件値に従い
初期成形運転を実行し、この初期成形運転時に計測され
る運転条件の実測データ、並びに前記設定された運転条
件項目以外の成形品品質に密接に関連する項目の実測デ
ータ(例えば、製品の外観形状を画像認識処理する画像
認識処理手段からの製品外観データ等)を条件値演算用
マイコンが取り込み、この実測データが不適当と判断さ
れた場合には、予め定められた成形条件補正演算プログ
ラムに従い運転条件値を補正演算し、全実測データが許
容範囲に入って良品が成形されると確認される時点まで
前記した運転条件値を補正演算する処理を実行して、好
適運転条件を決定するようにされる。 [0007]
【作用】金型が交換さね新たな製品を成形するに際し、
オペレータが樹脂材料データ、金型に関するデータ(キ
ャビティ、スプルー、ランナー、ゲートに関するデータ
)を入力すると、条件値演算用マイコンは、これに基づ
き予めケーススタデイされた初期運転条件演算テーブル
を参照して各運転条件値を算出し1、この演算結果をマ
シン制御用マイコンに送出してこのデータを所定記憶上
1ア(成形条件記憶部)に格納させる。 [0008]次に、オペレータにより試ショットの開始
指令が入力されると、マシン制御用マイコンは、この1
次設定された成形運転条件値に基づきマシン各部に配設
された各種センサからの計測データを参照して自動運転
を実行し、製品を所定ショツト数だけ連続的に成形する
と共に、試ショット運転時の各運転条件実測データを取
り込み・格納する。また、この際マシン制御用マイコン
は、設定された運転条件項目に対応する実測データ以外
で成形品品質に密接に関連する項目(例えば、クツショ
ン量)に関する実測データも取り込み・格納する。そし
て、これらのマシン制御用マイコンに格納された実測デ
ータは条件値演算用マイコンに転送される。一方、成形
された製品は、製品の外観形状を画像認識処理する画像
認識処理手段において、バリ、ヒケ、カケ(ショート)
等の外観不良の有無や発生箇所などに関する情報が抽出
処理され、この成形品品質に密接に関連する製品外観実
測データが条件値演算用マイコンに転送される。さらに
、成形された製品は、必要に応じ製品重量を計測する製
品重量計測手段において、成形品品質に密接に関連する
製品重量データが計測され、この製品重量実測データも
条件値演算用マイコンに転送される。 [0009]条件値演算用マイコンは、転送されてきた
上述したすべての実測データに基づき良品成形がなされ
たか否かを判定し、不良品と判定した場合にはその要因
となった運転条件項目の設定値を補正演算する処理を。 予めケーススタデイされた補正運転条件演算テーブルを
参照して実行する。そして、この補正された運転条件値
はマシン制御用マイコンに送出されて成形条件記憶部に
書替え・格納され、該マシン制御用マイコンの制御の下
に再び上述と同様の試ショットが行われ、この試ショッ
トによる前記した実測データ取りが再び実行される。 [00101そして、条件値演算用マイコンは、転送さ
れてきたすべての実測データによって再び製品品質の判
定処理を行い、全実測データが許容範囲に入って良品が
成形されると確認される時点まで上述した運転条件値を
補正演算する処理を繰返し実行して、この間マシン制御
用マイコンによって試ショットを行わせ、最終的に好適
運転条件値を確定してマシン制御用マイコンの成形条件
記憶部に格納させる。 [00111斯様にすることにより、各運転条件項目毎
の好適運転条件値が自動的に設定できるので、オペレー
タへの負担は可及的に軽減し、また初心のオペレータで
あっても確実・迅速に成形運転条件の設定が可能となる
。しかも、運転条件項目に対応する実測データ以外の成
形品品質に密接に関連する製品外観データなどをも参考
にして、運転条件項目の設定値を補正演算するようにし
ているので、好適な運転条件値の設定が信頼性高・く行
えることとなる。 [0012]
オペレータが樹脂材料データ、金型に関するデータ(キ
ャビティ、スプルー、ランナー、ゲートに関するデータ
)を入力すると、条件値演算用マイコンは、これに基づ
き予めケーススタデイされた初期運転条件演算テーブル
を参照して各運転条件値を算出し1、この演算結果をマ
シン制御用マイコンに送出してこのデータを所定記憶上
1ア(成形条件記憶部)に格納させる。 [0008]次に、オペレータにより試ショットの開始
指令が入力されると、マシン制御用マイコンは、この1
次設定された成形運転条件値に基づきマシン各部に配設
された各種センサからの計測データを参照して自動運転
を実行し、製品を所定ショツト数だけ連続的に成形する
と共に、試ショット運転時の各運転条件実測データを取
り込み・格納する。また、この際マシン制御用マイコン
は、設定された運転条件項目に対応する実測データ以外
で成形品品質に密接に関連する項目(例えば、クツショ
ン量)に関する実測データも取り込み・格納する。そし
て、これらのマシン制御用マイコンに格納された実測デ
ータは条件値演算用マイコンに転送される。一方、成形
された製品は、製品の外観形状を画像認識処理する画像
認識処理手段において、バリ、ヒケ、カケ(ショート)
等の外観不良の有無や発生箇所などに関する情報が抽出
処理され、この成形品品質に密接に関連する製品外観実
測データが条件値演算用マイコンに転送される。さらに
、成形された製品は、必要に応じ製品重量を計測する製
品重量計測手段において、成形品品質に密接に関連する
製品重量データが計測され、この製品重量実測データも
条件値演算用マイコンに転送される。 [0009]条件値演算用マイコンは、転送されてきた
上述したすべての実測データに基づき良品成形がなされ
たか否かを判定し、不良品と判定した場合にはその要因
となった運転条件項目の設定値を補正演算する処理を。 予めケーススタデイされた補正運転条件演算テーブルを
参照して実行する。そして、この補正された運転条件値
はマシン制御用マイコンに送出されて成形条件記憶部に
書替え・格納され、該マシン制御用マイコンの制御の下
に再び上述と同様の試ショットが行われ、この試ショッ
トによる前記した実測データ取りが再び実行される。 [00101そして、条件値演算用マイコンは、転送さ
れてきたすべての実測データによって再び製品品質の判
定処理を行い、全実測データが許容範囲に入って良品が
成形されると確認される時点まで上述した運転条件値を
補正演算する処理を繰返し実行して、この間マシン制御
用マイコンによって試ショットを行わせ、最終的に好適
運転条件値を確定してマシン制御用マイコンの成形条件
記憶部に格納させる。 [00111斯様にすることにより、各運転条件項目毎
の好適運転条件値が自動的に設定できるので、オペレー
タへの負担は可及的に軽減し、また初心のオペレータで
あっても確実・迅速に成形運転条件の設定が可能となる
。しかも、運転条件項目に対応する実測データ以外の成
形品品質に密接に関連する製品外観データなどをも参考
にして、運転条件項目の設定値を補正演算するようにし
ているので、好適な運転条件値の設定が信頼性高・く行
えることとなる。 [0012]
【実施例】以下、本発明を第1図〜第4図に示した1実
施例によって説明する。 [0013]第1図は本実施例による射出成形システム
の概略説明図である。同図において、1は射出成彩機で
、型開閉メカニズム部2、射出メカニズム部3等のメカ
ニズム部分や、これらを統括駆動制御するためのマシン
制御用マイコン4などを具備している。 [0014]ここで、上記型開閉メカニズム部2は、ベ
ース上に固設され固定金型・6を取付けた固定ダイプレ
ート5、ベース上に所定量位置調節自在に配置された支
持盤7、固定ダイプレート5と支持盤7との間に架設さ
れたタイバー8、該タイバー8に挿通され可動金型1o
を取付けた可動ダイプレート9、型開閉用の駆動源たる
型締シリンダ11、該型締シリンダ11のピストンロッ
ドに連結されたトグルリンク機構12、図示せぬ公知の
イジェクト機構及びその駆動源等から笠として構成され
ている。そして、型締シリンダ11のピストンロッドの
前後進によって、トグルリンク機構12を介して可動ダ
イプレート9が前後進され、これによって型開閉動作が
行われるようになっている。 [0015]また、前記射出メカニズム部3は、加熱シ
リンダ13、該加熱シリンダ13内に回転並びに前後進
自在に配設されたスクリュー14、該スクリュー14の
回転駆動源たる図示せぬモータ、同じくスクリュー14
の前後進を駆動制御するための図示せぬ射出シリンダ、
原料供給用のホッパー15、上記加熱シリンダ13並び
に加熱シリンダ先端のノズルに巻装された図示せぬバン
ドヒータ等々から主として構成されている。そして、公
知のようにホッパー15から供給された樹脂材料は、ス
クリュー14の回転によって混練・可塑化されつつスク
リュー14の先端側に移送されながら溶融され、溶融樹
脂がスクリュー14の先端側に貯えられるに従ってスク
Jニー14が背圧を制御されつつ後退し、1ショット分
の溶融樹脂がスクリュー14の先端側に貯えられた時点
でスクリュー回転は停止される。また、この後所定秒時
を経た射出開始タイミングに至ると、スクリュー14が
前進駆動されて、型締めされた前記固定金型6と可動金
型10間のキャビティ(成形空間)へ溶融樹脂が射出さ
れる。 [0016]前記マシン制御用マイコン4は、マシン(
射出成形機1)全体の動作制御などを司り、チャージ動
作、射出動作、型開閉動作、イジェクト動作等の成形行
程全体の制御や、実測データの演算・格納処理等々を実
行する。このマシン制御用マイコン4は、実際には各種
I10インターフェイス、ROM、RAM、CPU等を
具備したもので構成され(これは後述する各マイコンに
おいても同様)、予め作成された各種プログラムにより
各種処理を実行するも、本実施例においては、成形条件
記憶部16、成形プロセス制御部17、及び実測値記憶
部18を備えたものとなっている。なお、19並びに2
0は、射出成形機1に備えられたキー人力装置並びにカ
ラーCRTデイスプレィよりなる表示装置である。 [0017]上記成形条件記憶部16には、後述する条
件値演算用マイコン30から入力された(もしくは必要
に応じキー人力装置19等によって入力された)各種運
転条件値が、書き替え可能な形で記憶されている。この
運転条件値としては、例えば、チャージ行程時のスクリ
ュー位置とスクリュー回転数及び背圧との関係、サック
バック制御条件、射出開始点(位置)から保圧切替点(
位置)までの射出速度条件、保圧切替時点から保圧終了
時点までの2次射出圧力(保圧圧力)条件、各部のバン
ドヒータ温度、型閉じ(型締)ストロークと速度制御条
件並びに型締力、型開きストロークと速度制御条件、イ
ジェクト制御条件等々が挙げられる。 [0018]前記成形プロセス制御部17は、予め作成
された成形プロセス制御プログラムと成形条件記憶部1
6に格納された設定条件値とに基づき、射出成形機1の
各部に配設されたセンサ群(位置センサ、圧力センサ等
)からの計測情報及び自身に内蔵されたクロックからの
計時情報を参照しつつ、ドライバ群(モータドライバ、
油圧シリンダドライバ、ヒータドライバ等)を介して対
応する駆動源を駆動制御し、一連の成形行程を実行させ
る。 [0019]前記実測値記憶部18には、連続自動運転
時における予め設定されたモニタ項目の総べての実測デ
ータが、連続する所定回数のショットにわたって取り込
まれる。取り込まれるモニタ項目としては、■時間監視
項目、■位置監視項目、■回転数監視項目、■速度監視
項目、■圧力監視項目、■温度監視項目、■電力監視項
目等が挙げられ、前記した成形運転条件設定項目が略オ
ーバーラツプするようになっている。また、実測値記憶
部18には、前記運転条件項目以外にも、成形品品質に
密接に関与する項目としてのクツション量が各ショット
毎に計測・演算されて格納されるようになっている。な
お図1において、SSはセンサ群からの入力情報を示し
ている。 [0020130は、−前記マシン制御用マイコン4に
通信可能に接続された条件値演算用マイコンで、予め学
習格納された種々の成形運転経験則等に基づき成形運転
条件を判定し、最適成形運転条件値を推論・演算する所
謂エキスパート・システムが構築されており、本実施例
においては条件値演算用マイコン30は、判定処理部3
1、条件値演算処理部32(以上推論エンジン部)、初
期運転条件演算テーブル33、補正運転条件演算テーブ
ル34(以上知識ベース部)を具備している。また、3
5は条件値演算用マイコン30用のキー人力装置、36
は条件値演算用マイコン30用のカラーCRTデイスプ
レィよりなる表示装置である。 [00211上記条件値演算処理部32は、金型が交換
され新たな製品を成形するに際してオペレータにより初
期条件が入力された時には、初期運転条件演算テーブル
33の内容を参照して、前記した各成形運転条件項目の
設定値を自動算出し、これを前記マシン制御用マイコン
4の成形条件記憶部16に転送し得るようになっている
。また条件値演算処理部32は、後述する試ショットに
よって得られた実測データをマシン制御用マイコン4、
後記画像認識処理部40並びに後記電子秤50から受け
て判定処理する判定処理部33の判定結果に基づき、補
正運転条件演算テーブル34の内容を参照して、より好
適値に近づくように各成形運転条件項目の補正設定値を
自動算出し、これを同様に、前記マシン制御用マイコン
4の成形条件記憶部16に転送し得るようになっている
。 [0022]すなわち、前記キー人力装置35を操作し
て条件値演算用マイコン30を初期条件の入力設定モー
ドにおくと、前記表示装置36には例えば図2に示した
如き入力設定モード画面が表示され、オペレータはこの
表示画面を見て対話式に初期条件たる樹脂材料データ、
金型に関するデータ (キャビティ、スプルー ランナ
、ゲートに関するデータや製品個数)を、カーソル移動
キー、数値キー、ファンクションキー、確認キー等を用
いて入力するようになっている。前記初期運転条件演算
テーブル33には、上記した樹脂材料データ、金型に関
するデータから各成形運転条件項目の設定値を推論・算
出するための変換表、演算式等が予めケーススタデイし
て格納されており、条件値演算処理部32は、オペレー
タにより入力されたこの初期条件データと初期運転条件
演算テーブル33の内容とを照らし合わせて、前記した
ような多数の運転条件値を順次算出するようになってい
る。この算出された運転条件値は、前記表示装置36に
おいて、例えば図3に示したような形態で表示され、オ
ペレータがこれを確認してリターンキーをブツシュする
と、算出された各運転条件値は、マシン制御用マイコン
4の前記成形条件記憶部16に転送・格納されるように
なっている。 [0023]一方、初期設定された各運転条件値に基づ
き前記マシン制御用マイコン4が所定回数の試ショット
を実行すると、この試ショットにおいてマシン制御用マ
イコン4の前記実測値記憶部18に取り込まれた前記し
た各モニタ項目の実測データ、後記画像認識処理部40
で画像認識処理された試ショットによる製品外観実測デ
ータ、及び後記電子秤50によって計測された試ショッ
トによる製品の重量実測データが、条件値演算用マイコ
ン30の前記判定処理部31に送出される。該判定処理
部31は送出されてくる全データを総合判断して、実測
運転値データが設定値に対して許容範囲にあるか否かを
判定すると共に製品の良/不良判定を行い、不良である
場合には、その不良種別、不良のブレイド、発生箇所等
を図示せぬ良/不良判定テーブルの内容を参照して判定
処理する。この判定処理部31の判定結果は条件値演算
処理部32に出力されて、不良である場合には上記不良
種別、不良のブレイド、発生箇所等に関するデータが条
件値演算処理部32に認知される。前記補正運転条件演
算テーブル34には、各種の不良を良にするために各成
形運転条件設定値を推論・補正演算するための補正対称
表や演算式等が予めケーススタデイして格納されており
、条件値演算処理部32は、不良に関するデータと補正
運転条件演算テーブル34の内容とを照らし合わせて、
各成形運転条件項目の設定値をより好適値に近づくよう
に自動算出し、これを同様に、前記マシン制御用マイコ
ン4の成形条件記憶部16に転送して書替え格納させる
ようになっている。そして、斯様な処理は、全実測デー
タが許容範囲に入って良品が成形されると確認される時
点まで繰返し実行され、最終的に好適運転条件値がマシ
ン制御用マイコン4の成形条件記憶部16に確定して格
納される。 [0024140は、試ショットで成形された製品の外
観画像データを判別処理するための画像認識処理部で、
製品を撮像するためのテレビカメラ41.画像処理用マ
イコン42、キー人力装置43、表示装置44等を具備
している。また、画像処理用マイコン42は、フレーム
メモリ45、特徴抽出部46、画像判定部47を具備し
ていると共に、前記条件値演算用マイコン30と通信可
能に接続されている。 [0025]上記テレビカメラ41は、試ショットで成
形された製品の複数の所定面を順次撮像するようになっ
ており、この撮像画像データはA/D変換されて画像処
理用マイコン42のフレームメモリ45に順次−時格納
される。このフレームメモリ45内の画像データは、特
徴抽出部46において画像データ内の図形、輝度分布等
の形状的もしくは輝度分布的な特徴量を公知手法で抽出
されるようになっており、図形、輝度分布の場合には例
えばスケルトン、ヒストグラム等の特徴量が抽出される
ようになっている。この特徴抽出部46において抽出さ
れた特徴量は、画像判定部47において予め与えられた
良品の特徴量データと対比されると共に不良判定テーブ
ルの内容を参照して、製品の外観画像データに不良があ
るか否かと、不良がある場合にはその種別及び発生箇所
が判別される。そして、この画像判定部47による画像
判別結果(成形品外観実測データ)は、前記条件値演算
用マイコン30の判定処理部31に送出されて認知され
る。 [0026]上記した画像判定部47によって判別され
る製品外観不良種別としては、バリ、ヒケ、カケ(ショ
ート)、フローマーク、シルバーストリーク、ウェルド
ライン、気泡、焼け、割れ等々が挙げられ、これ等を総
べて判定することも可能であるが、本実施例では画像処
理時間との兼ね合いで、製品品質判定に必要充分なバリ
、ヒケ、カケを含む3〜6程度の項目に絞っである。 そして、例えばバリが発生しているとその発生箇所がラ
ンナー付近か、ゲート付近か、製品末端部か、成形品全
体かが判定され、また、ヒケが発生しているとその発生
箇所がゲート付近か、ゲートから離間した箇所か、全体
的かが判定され、さらにはまた、カケが発生している場
合には、そのカケ(ショート)割合が判定される。なお
、本実施例においては、画像処理の高速化のために画像
処理用マイコン42を、前記条件値演算用マイコン30
とは別個に設けであるが、画像処理用マイコン42の機
能は条件値演算用マイコン30に持たせるようにするこ
とも可能である。 [0027] 50は、試ショットで成形された製品の
重量を計測する通信機能を具備する電子秤で、計測され
た製品の重量データが前記条件値演算用マイコン30の
判定処理部31に送出されて認知され、予め与えられた
良品の重量データと対比されるようになっている。以上
の構成に基づく本実施例の動作を次に説明する。先ず金
型が交換され新たな製品を成形するに際しては、オペレ
ータが図2に示した如き前記表示装置36の入力設定モ
ード画面を見て、前記キー人力装置35により対話式に
初期条件値を、順次前記条件値演算用マイコン30に入
力する。この初期条件値としては、前記したように樹脂
材料データ、金型に関するデータが挙げられる。そして
、樹脂材料データとしては、樹脂名(図2ではコードと
して記載している)、商品名、グレード、メーカ名がオ
ペし一夕により入力される。また、金型に関するデータ
としては、キャビティ、スプルー、ランナー、ゲートに
関するデータが挙げられ、キャビティに関するデータと
しては形状種別、最大肉厚、最小肉厚、容積7個数(取
り数)、流動性(ゲートからキャビティ末端までの流動
距離りとその間の平均肉厚で定まるL/T値で表現され
る)が入力され、ゲートに関するデータとしては形状種
別4ゲート数、ゲート断面積が入力され、ランナーに関
するデータとしては方式種別、形状種別、ランナー長さ
、断面積が入力され、スプルーに関するデータとしては
方式種別、長さ、スプルー径が入力される。なお、製品
重量データは初期入力項目として設定されていないが、
上記した樹脂材料データ並びに金型関連データに基づき
、必要に応じ算出可能であることは当業者には自明であ
る。 [00’28]上記したように初期条件値(樹脂材料デ
ータ、金型に関するデータ)が入力されると、条件値演
算用マイコン30の前記条件値演算処理部32は、これ
に基づき前記初期運転条件演算テーブル33の内容を参
照して、前記した如くマシンの自動運転に必要な多数の
運転条件値(ヒータ温度、チャージ条件、1次射出条件
、保圧条件、型開閉条件等々)を算出する。この演算結
果は、図3に示し前記したように表示装置36上に表示
されると共に、オペレータの指示もしくは自動データ送
出によ−2)で、前記マシン制御用マイコン4の成形条
件記憶部16に転送されて格納される。 [0029]斯様にすることにより、初心のオペレータ
によって容易・確実に入力可能な初期条件値(樹脂材料
データ、金型に関するデータ)に基づき、マシンの自動
運転に必要な多数の運転条件値が自動算出されてマシン
制御用マイコン4の成形条件記憶部16に格納・設定さ
れるので、オペレータの経験度の如何にかかわらず試シ
ョットが可能となる。特にオペレータにとっては、複雑
な因子が関係し経験則に基づく煩雑な推論・算出が必要
であった各運転条件値の設定作業が省かれるので、その
負担軽減効果は大きく、且つ、運転条件値の設定時間も
大幅に短縮可能となる。なお、初期運転条件演算テーブ
ル33の内容が充実していると、相当に高精度(相当に
好適である)の初期運転条件の設定が可能となるので、
本実施例においては初期運転条件演算テーブル33の内
容が、後述する補正運転条件値の算出結果等を反映させ
て学習・充実できるようにシステムを構築しである。 [00301この後オペレータが、マシンが試ショット
可能な準備態勢にあることを確認し、マシン制御用マイ
コン30に対し試ショット開始の指令信号を入力すると
、マシン制御用マイコン30は、上述した1次設定さね
た成形運転条件値と予め作成された成形プロセス制御プ
ログラムに従い、マシン各部に配設された各種センサか
らの計測データ等を参照して自動運転を実行し、製品を
所定ショツト数だけ連続的に成形する。また、この際マ
シン制御用マイコン4の前記実測値記憶部18は、試シ
ョット時における前記した多数の運転実測データ等を取
り込み・格納し、この実測値記憶部18に保持された内
容は、条件値演算用マイコン30からの転送要求指令に
よって該マイコン30側へ転送される。 [00311一方、試ショットで成形された製品は、製
品の外観形状を画像認識処理する前記画像認識処理部4
0において、前記した如くしてバリ、ヒケ、カケ(ショ
ート)等の外観不良の有無や発生箇所などに関する情報
が抽出処理され、この製品外観実測データが条件値演算
用マイコン30に適宜タイミングで転送される。さらに
、試ショットで成形された製品は、前記電子秤50にお
いて製品重量が計測され、この製品重量実測データも条
件値演算用マイコン30に転送される。 [0032]条件値演算用マイコン30は、前記判定処
理部31において、転送されてきた上述したすべての実
測データを総合判断して、実測運転値データが設定値に
対して許容範囲にあるか否かを判定すると共に製品の良
/不良判定を行い、不良である場合には、その不良種別
、不良のブレイド、発生箇所等に関する情報を前記条件
値演算処理部32に出力する。そして、不良と判定され
た場合には、条件値演算処理部32は、不良に関するデ
ータと前記した補正運転条件演算テーブル34の内容と
を照らし合わせて、各成形運転条件項目の設定値をより
好適値に近づくように自動算出し、これを前記マシン制
御用マイコン4の成形条件記憶部16に転送して書替え
格納させる。 [0033]なおこの際、補正運転条件設定値を、条件
値演算用マイコン30からマシン制御用マイコン4に自
動転送するのではなく、例えば不良内容とこれに対処す
るための補正運転条件設定値とを併せて前記表示装置3
6に表示させ、オペレータがこれを確認してから補正運
転条件設定値を転送させるようにすることも可能である
。このような表示画面対話式の補正設定値入力手法を採
ると、オペレータが不良内容とその対処手法を確認する
ことができて好便であると共に、要求される製品品質に
対してシビア過ぎる不良判定がなされている場合には、
転送を中止して直ちに実稼働を行わせ、運転条件設定時
間を短縮することも場合によっては可能となる。 [0034]ここで、不良内容とこれに対処するための
補正運転条件値の算出手法の数例を説明する。例えば、
バリがランナー付近に発生していると判定されると、こ
れは1次射出行程の、初速が速や過ぎると考えられるの
で、バリの程度に応じて1次射出行程の初速を落すよう
にされる。また、バリがゲート付近に発生していると判
断されると、これは1次射出行程の終域の速度が速や過
ぎると考えられるので、バリの程度に応じて1次射出行
程の終域の速度を落すようにされる。また、バリが製品
末端部に発生していると判定されると、これは1次射出
行程全体の射出速度が速すぎると考えられるので、バリ
の程度に応じて1次射出行程全体の射出速度を落すよう
にされる。また、バリが全体的に発生していると判定さ
れると、これは型締トン数の不足、あるいは計量が多過
ぎる、あるいは樹脂圧力が高過ぎると考えられるので、
これらを適宜補正するようになされる。 [0035]また例えば、ヒケがゲート付近に発生して
いると判断されると、これは保圧圧力が低過ぎると考え
られるので、ヒケの程度に応じて保圧圧力を高めるよう
にされる。また、ヒケがゲートから離間した部位に発生
していると判断されると、これは充填圧力が低過ぎると
考えられるので、ヒケの程度に応じて充填圧力を高める
ようにされる。また、ヒケが全体的に発生していると判
定されると、これは全体的な圧力不足もしくは充填・保
圧時間不足と考えられるので、これらを適宜補正するよ
うになされる。 [0036]また、例えばカケが発生し且つ製品重量が
不足していると判定されると、これは計量不足もしくは
保圧切替点が後ろ過ぎると考えられるので、重量(樹脂
)不足が多い場合にはその程度に応じて計量を多回に補
正し、重量(樹脂)不足が少ない場合にはクツション量
がOKであることを確認した上でその程度に応じて保圧
切替点を前進させるような補正が行われる。 [0037]上述の如くして、不良品と判定された場合
には、その要因となった運転条件項目の設定値を補正演
算する処理が実行され、この補正された運転条件値に基
づきマシン制御用マイコン4が再び同様の試ショットを
行い、この試ショットによる前記した実測データ(製品
外観データや重量データを含む)取りが再び実行される
。そして、条件値演算用マイコン30は、転送されてき
たすべての実測データによって再び製品品質の判定処理
を行い、全実測データが許容範囲に入って良品が成形さ
れると確認される時点まで上述した運転条件値を補正演
算する処理を繰返し実行して、この間マシン制御用マイ
コン4に試ショットを行わせ、最終的に好適運転条件値
を確定してマシン制御用マイコン4の成形条件記憶部1
6に確定設定させる。 [0038]斯様にすることにより、不良の症状に応じ
て条件値演算用マイコン30が、補正運転条件値を自動
算出するので、従前は豊かな経験と知識をもつオペレー
タが試行錯誤で補正値を求めていた熟練と時間を要する
作業を自動化し得、オペレータへの負担は可及的に軽減
する。しかも、運転条件項目に対応する実測データ以外
で成形品品質に密接に関連する製品外観データなどをも
参考にして、運転条件項目の設定値を補正演算するよう
にしているので、好適な運転条件値の設定が信頼性高く
行えることとなる。なお、前記補正運転条件演算テーブ
ル34の知識ベース内容も、多数の補正運転条件値の算
出経験を反映させて学習・充実できるようにシステムを
構築しである。 [0039]前述したように条件値演算用マイコン30
で確定設定された運転条件値は、従来不馴れなオペレー
タ自身が行っていたものに比すと、格段に精度の高い好
適値である。しかし、外乱の程度にもよるが外乱によっ
て設定値が許容範囲から外れる虞が無いとは言い切れな
い。このような事態に対処するには、好適運転条件とな
るように算出した速度もしくは圧力等に関する運転条件
項目の運転条件値を、ストローク軸もしくは時間軸等に
沿って変化する許容範囲領域の略中央部に位置するよう
に決定すれば良い。図4は斯様な成形運転条件値の設定
手法を示す説明図である。同図において、ハツチングで
示したのが非許容範囲領域で、この非許容範囲領域に挾
まれて許容範囲領域が存在しており、許容範囲領域の上
下限値はストローク軸もしくは時間軸に沿って変化して
いる。この許容範囲領域を確定するため、前記した条件
値演算用マイコン30は、ストローク軸もしくは時間軸
を細分化して、各ストローク区分点もしくは時間区分点
において設定値を段階的に変化させて試ショットを行う
と共に、製品の良/不良判定を行い、この結果に基づき
許容範囲領域を認知する。そして、この許容範囲領域の
認知結果に基づき、設定値(運転条件値)を図4で点線
で示すよう(−許容範囲領域の略中央部に位置するに確
定する。斯様にすることにより、多少の外乱程度では製
品品質に影響を及ぼすことのない自動成形運転を達成す
ることが可能となる。 [0040]なお、運転条件値の確定設定後には、条件
値演算用マイコン30は対応するマシンから切り離され
て、新たに運転条件設定を行うマシンのマシン制御用マ
イコンに通信可能に接続されるようにされる。斯様にす
ることにより、マシン制御用マイコンの負担を軽減する
ことができる。 [0041]
施例によって説明する。 [0013]第1図は本実施例による射出成形システム
の概略説明図である。同図において、1は射出成彩機で
、型開閉メカニズム部2、射出メカニズム部3等のメカ
ニズム部分や、これらを統括駆動制御するためのマシン
制御用マイコン4などを具備している。 [0014]ここで、上記型開閉メカニズム部2は、ベ
ース上に固設され固定金型・6を取付けた固定ダイプレ
ート5、ベース上に所定量位置調節自在に配置された支
持盤7、固定ダイプレート5と支持盤7との間に架設さ
れたタイバー8、該タイバー8に挿通され可動金型1o
を取付けた可動ダイプレート9、型開閉用の駆動源たる
型締シリンダ11、該型締シリンダ11のピストンロッ
ドに連結されたトグルリンク機構12、図示せぬ公知の
イジェクト機構及びその駆動源等から笠として構成され
ている。そして、型締シリンダ11のピストンロッドの
前後進によって、トグルリンク機構12を介して可動ダ
イプレート9が前後進され、これによって型開閉動作が
行われるようになっている。 [0015]また、前記射出メカニズム部3は、加熱シ
リンダ13、該加熱シリンダ13内に回転並びに前後進
自在に配設されたスクリュー14、該スクリュー14の
回転駆動源たる図示せぬモータ、同じくスクリュー14
の前後進を駆動制御するための図示せぬ射出シリンダ、
原料供給用のホッパー15、上記加熱シリンダ13並び
に加熱シリンダ先端のノズルに巻装された図示せぬバン
ドヒータ等々から主として構成されている。そして、公
知のようにホッパー15から供給された樹脂材料は、ス
クリュー14の回転によって混練・可塑化されつつスク
リュー14の先端側に移送されながら溶融され、溶融樹
脂がスクリュー14の先端側に貯えられるに従ってスク
Jニー14が背圧を制御されつつ後退し、1ショット分
の溶融樹脂がスクリュー14の先端側に貯えられた時点
でスクリュー回転は停止される。また、この後所定秒時
を経た射出開始タイミングに至ると、スクリュー14が
前進駆動されて、型締めされた前記固定金型6と可動金
型10間のキャビティ(成形空間)へ溶融樹脂が射出さ
れる。 [0016]前記マシン制御用マイコン4は、マシン(
射出成形機1)全体の動作制御などを司り、チャージ動
作、射出動作、型開閉動作、イジェクト動作等の成形行
程全体の制御や、実測データの演算・格納処理等々を実
行する。このマシン制御用マイコン4は、実際には各種
I10インターフェイス、ROM、RAM、CPU等を
具備したもので構成され(これは後述する各マイコンに
おいても同様)、予め作成された各種プログラムにより
各種処理を実行するも、本実施例においては、成形条件
記憶部16、成形プロセス制御部17、及び実測値記憶
部18を備えたものとなっている。なお、19並びに2
0は、射出成形機1に備えられたキー人力装置並びにカ
ラーCRTデイスプレィよりなる表示装置である。 [0017]上記成形条件記憶部16には、後述する条
件値演算用マイコン30から入力された(もしくは必要
に応じキー人力装置19等によって入力された)各種運
転条件値が、書き替え可能な形で記憶されている。この
運転条件値としては、例えば、チャージ行程時のスクリ
ュー位置とスクリュー回転数及び背圧との関係、サック
バック制御条件、射出開始点(位置)から保圧切替点(
位置)までの射出速度条件、保圧切替時点から保圧終了
時点までの2次射出圧力(保圧圧力)条件、各部のバン
ドヒータ温度、型閉じ(型締)ストロークと速度制御条
件並びに型締力、型開きストロークと速度制御条件、イ
ジェクト制御条件等々が挙げられる。 [0018]前記成形プロセス制御部17は、予め作成
された成形プロセス制御プログラムと成形条件記憶部1
6に格納された設定条件値とに基づき、射出成形機1の
各部に配設されたセンサ群(位置センサ、圧力センサ等
)からの計測情報及び自身に内蔵されたクロックからの
計時情報を参照しつつ、ドライバ群(モータドライバ、
油圧シリンダドライバ、ヒータドライバ等)を介して対
応する駆動源を駆動制御し、一連の成形行程を実行させ
る。 [0019]前記実測値記憶部18には、連続自動運転
時における予め設定されたモニタ項目の総べての実測デ
ータが、連続する所定回数のショットにわたって取り込
まれる。取り込まれるモニタ項目としては、■時間監視
項目、■位置監視項目、■回転数監視項目、■速度監視
項目、■圧力監視項目、■温度監視項目、■電力監視項
目等が挙げられ、前記した成形運転条件設定項目が略オ
ーバーラツプするようになっている。また、実測値記憶
部18には、前記運転条件項目以外にも、成形品品質に
密接に関与する項目としてのクツション量が各ショット
毎に計測・演算されて格納されるようになっている。な
お図1において、SSはセンサ群からの入力情報を示し
ている。 [0020130は、−前記マシン制御用マイコン4に
通信可能に接続された条件値演算用マイコンで、予め学
習格納された種々の成形運転経験則等に基づき成形運転
条件を判定し、最適成形運転条件値を推論・演算する所
謂エキスパート・システムが構築されており、本実施例
においては条件値演算用マイコン30は、判定処理部3
1、条件値演算処理部32(以上推論エンジン部)、初
期運転条件演算テーブル33、補正運転条件演算テーブ
ル34(以上知識ベース部)を具備している。また、3
5は条件値演算用マイコン30用のキー人力装置、36
は条件値演算用マイコン30用のカラーCRTデイスプ
レィよりなる表示装置である。 [00211上記条件値演算処理部32は、金型が交換
され新たな製品を成形するに際してオペレータにより初
期条件が入力された時には、初期運転条件演算テーブル
33の内容を参照して、前記した各成形運転条件項目の
設定値を自動算出し、これを前記マシン制御用マイコン
4の成形条件記憶部16に転送し得るようになっている
。また条件値演算処理部32は、後述する試ショットに
よって得られた実測データをマシン制御用マイコン4、
後記画像認識処理部40並びに後記電子秤50から受け
て判定処理する判定処理部33の判定結果に基づき、補
正運転条件演算テーブル34の内容を参照して、より好
適値に近づくように各成形運転条件項目の補正設定値を
自動算出し、これを同様に、前記マシン制御用マイコン
4の成形条件記憶部16に転送し得るようになっている
。 [0022]すなわち、前記キー人力装置35を操作し
て条件値演算用マイコン30を初期条件の入力設定モー
ドにおくと、前記表示装置36には例えば図2に示した
如き入力設定モード画面が表示され、オペレータはこの
表示画面を見て対話式に初期条件たる樹脂材料データ、
金型に関するデータ (キャビティ、スプルー ランナ
、ゲートに関するデータや製品個数)を、カーソル移動
キー、数値キー、ファンクションキー、確認キー等を用
いて入力するようになっている。前記初期運転条件演算
テーブル33には、上記した樹脂材料データ、金型に関
するデータから各成形運転条件項目の設定値を推論・算
出するための変換表、演算式等が予めケーススタデイし
て格納されており、条件値演算処理部32は、オペレー
タにより入力されたこの初期条件データと初期運転条件
演算テーブル33の内容とを照らし合わせて、前記した
ような多数の運転条件値を順次算出するようになってい
る。この算出された運転条件値は、前記表示装置36に
おいて、例えば図3に示したような形態で表示され、オ
ペレータがこれを確認してリターンキーをブツシュする
と、算出された各運転条件値は、マシン制御用マイコン
4の前記成形条件記憶部16に転送・格納されるように
なっている。 [0023]一方、初期設定された各運転条件値に基づ
き前記マシン制御用マイコン4が所定回数の試ショット
を実行すると、この試ショットにおいてマシン制御用マ
イコン4の前記実測値記憶部18に取り込まれた前記し
た各モニタ項目の実測データ、後記画像認識処理部40
で画像認識処理された試ショットによる製品外観実測デ
ータ、及び後記電子秤50によって計測された試ショッ
トによる製品の重量実測データが、条件値演算用マイコ
ン30の前記判定処理部31に送出される。該判定処理
部31は送出されてくる全データを総合判断して、実測
運転値データが設定値に対して許容範囲にあるか否かを
判定すると共に製品の良/不良判定を行い、不良である
場合には、その不良種別、不良のブレイド、発生箇所等
を図示せぬ良/不良判定テーブルの内容を参照して判定
処理する。この判定処理部31の判定結果は条件値演算
処理部32に出力されて、不良である場合には上記不良
種別、不良のブレイド、発生箇所等に関するデータが条
件値演算処理部32に認知される。前記補正運転条件演
算テーブル34には、各種の不良を良にするために各成
形運転条件設定値を推論・補正演算するための補正対称
表や演算式等が予めケーススタデイして格納されており
、条件値演算処理部32は、不良に関するデータと補正
運転条件演算テーブル34の内容とを照らし合わせて、
各成形運転条件項目の設定値をより好適値に近づくよう
に自動算出し、これを同様に、前記マシン制御用マイコ
ン4の成形条件記憶部16に転送して書替え格納させる
ようになっている。そして、斯様な処理は、全実測デー
タが許容範囲に入って良品が成形されると確認される時
点まで繰返し実行され、最終的に好適運転条件値がマシ
ン制御用マイコン4の成形条件記憶部16に確定して格
納される。 [0024140は、試ショットで成形された製品の外
観画像データを判別処理するための画像認識処理部で、
製品を撮像するためのテレビカメラ41.画像処理用マ
イコン42、キー人力装置43、表示装置44等を具備
している。また、画像処理用マイコン42は、フレーム
メモリ45、特徴抽出部46、画像判定部47を具備し
ていると共に、前記条件値演算用マイコン30と通信可
能に接続されている。 [0025]上記テレビカメラ41は、試ショットで成
形された製品の複数の所定面を順次撮像するようになっ
ており、この撮像画像データはA/D変換されて画像処
理用マイコン42のフレームメモリ45に順次−時格納
される。このフレームメモリ45内の画像データは、特
徴抽出部46において画像データ内の図形、輝度分布等
の形状的もしくは輝度分布的な特徴量を公知手法で抽出
されるようになっており、図形、輝度分布の場合には例
えばスケルトン、ヒストグラム等の特徴量が抽出される
ようになっている。この特徴抽出部46において抽出さ
れた特徴量は、画像判定部47において予め与えられた
良品の特徴量データと対比されると共に不良判定テーブ
ルの内容を参照して、製品の外観画像データに不良があ
るか否かと、不良がある場合にはその種別及び発生箇所
が判別される。そして、この画像判定部47による画像
判別結果(成形品外観実測データ)は、前記条件値演算
用マイコン30の判定処理部31に送出されて認知され
る。 [0026]上記した画像判定部47によって判別され
る製品外観不良種別としては、バリ、ヒケ、カケ(ショ
ート)、フローマーク、シルバーストリーク、ウェルド
ライン、気泡、焼け、割れ等々が挙げられ、これ等を総
べて判定することも可能であるが、本実施例では画像処
理時間との兼ね合いで、製品品質判定に必要充分なバリ
、ヒケ、カケを含む3〜6程度の項目に絞っである。 そして、例えばバリが発生しているとその発生箇所がラ
ンナー付近か、ゲート付近か、製品末端部か、成形品全
体かが判定され、また、ヒケが発生しているとその発生
箇所がゲート付近か、ゲートから離間した箇所か、全体
的かが判定され、さらにはまた、カケが発生している場
合には、そのカケ(ショート)割合が判定される。なお
、本実施例においては、画像処理の高速化のために画像
処理用マイコン42を、前記条件値演算用マイコン30
とは別個に設けであるが、画像処理用マイコン42の機
能は条件値演算用マイコン30に持たせるようにするこ
とも可能である。 [0027] 50は、試ショットで成形された製品の
重量を計測する通信機能を具備する電子秤で、計測され
た製品の重量データが前記条件値演算用マイコン30の
判定処理部31に送出されて認知され、予め与えられた
良品の重量データと対比されるようになっている。以上
の構成に基づく本実施例の動作を次に説明する。先ず金
型が交換され新たな製品を成形するに際しては、オペレ
ータが図2に示した如き前記表示装置36の入力設定モ
ード画面を見て、前記キー人力装置35により対話式に
初期条件値を、順次前記条件値演算用マイコン30に入
力する。この初期条件値としては、前記したように樹脂
材料データ、金型に関するデータが挙げられる。そして
、樹脂材料データとしては、樹脂名(図2ではコードと
して記載している)、商品名、グレード、メーカ名がオ
ペし一夕により入力される。また、金型に関するデータ
としては、キャビティ、スプルー、ランナー、ゲートに
関するデータが挙げられ、キャビティに関するデータと
しては形状種別、最大肉厚、最小肉厚、容積7個数(取
り数)、流動性(ゲートからキャビティ末端までの流動
距離りとその間の平均肉厚で定まるL/T値で表現され
る)が入力され、ゲートに関するデータとしては形状種
別4ゲート数、ゲート断面積が入力され、ランナーに関
するデータとしては方式種別、形状種別、ランナー長さ
、断面積が入力され、スプルーに関するデータとしては
方式種別、長さ、スプルー径が入力される。なお、製品
重量データは初期入力項目として設定されていないが、
上記した樹脂材料データ並びに金型関連データに基づき
、必要に応じ算出可能であることは当業者には自明であ
る。 [00’28]上記したように初期条件値(樹脂材料デ
ータ、金型に関するデータ)が入力されると、条件値演
算用マイコン30の前記条件値演算処理部32は、これ
に基づき前記初期運転条件演算テーブル33の内容を参
照して、前記した如くマシンの自動運転に必要な多数の
運転条件値(ヒータ温度、チャージ条件、1次射出条件
、保圧条件、型開閉条件等々)を算出する。この演算結
果は、図3に示し前記したように表示装置36上に表示
されると共に、オペレータの指示もしくは自動データ送
出によ−2)で、前記マシン制御用マイコン4の成形条
件記憶部16に転送されて格納される。 [0029]斯様にすることにより、初心のオペレータ
によって容易・確実に入力可能な初期条件値(樹脂材料
データ、金型に関するデータ)に基づき、マシンの自動
運転に必要な多数の運転条件値が自動算出されてマシン
制御用マイコン4の成形条件記憶部16に格納・設定さ
れるので、オペレータの経験度の如何にかかわらず試シ
ョットが可能となる。特にオペレータにとっては、複雑
な因子が関係し経験則に基づく煩雑な推論・算出が必要
であった各運転条件値の設定作業が省かれるので、その
負担軽減効果は大きく、且つ、運転条件値の設定時間も
大幅に短縮可能となる。なお、初期運転条件演算テーブ
ル33の内容が充実していると、相当に高精度(相当に
好適である)の初期運転条件の設定が可能となるので、
本実施例においては初期運転条件演算テーブル33の内
容が、後述する補正運転条件値の算出結果等を反映させ
て学習・充実できるようにシステムを構築しである。 [00301この後オペレータが、マシンが試ショット
可能な準備態勢にあることを確認し、マシン制御用マイ
コン30に対し試ショット開始の指令信号を入力すると
、マシン制御用マイコン30は、上述した1次設定さね
た成形運転条件値と予め作成された成形プロセス制御プ
ログラムに従い、マシン各部に配設された各種センサか
らの計測データ等を参照して自動運転を実行し、製品を
所定ショツト数だけ連続的に成形する。また、この際マ
シン制御用マイコン4の前記実測値記憶部18は、試シ
ョット時における前記した多数の運転実測データ等を取
り込み・格納し、この実測値記憶部18に保持された内
容は、条件値演算用マイコン30からの転送要求指令に
よって該マイコン30側へ転送される。 [00311一方、試ショットで成形された製品は、製
品の外観形状を画像認識処理する前記画像認識処理部4
0において、前記した如くしてバリ、ヒケ、カケ(ショ
ート)等の外観不良の有無や発生箇所などに関する情報
が抽出処理され、この製品外観実測データが条件値演算
用マイコン30に適宜タイミングで転送される。さらに
、試ショットで成形された製品は、前記電子秤50にお
いて製品重量が計測され、この製品重量実測データも条
件値演算用マイコン30に転送される。 [0032]条件値演算用マイコン30は、前記判定処
理部31において、転送されてきた上述したすべての実
測データを総合判断して、実測運転値データが設定値に
対して許容範囲にあるか否かを判定すると共に製品の良
/不良判定を行い、不良である場合には、その不良種別
、不良のブレイド、発生箇所等に関する情報を前記条件
値演算処理部32に出力する。そして、不良と判定され
た場合には、条件値演算処理部32は、不良に関するデ
ータと前記した補正運転条件演算テーブル34の内容と
を照らし合わせて、各成形運転条件項目の設定値をより
好適値に近づくように自動算出し、これを前記マシン制
御用マイコン4の成形条件記憶部16に転送して書替え
格納させる。 [0033]なおこの際、補正運転条件設定値を、条件
値演算用マイコン30からマシン制御用マイコン4に自
動転送するのではなく、例えば不良内容とこれに対処す
るための補正運転条件設定値とを併せて前記表示装置3
6に表示させ、オペレータがこれを確認してから補正運
転条件設定値を転送させるようにすることも可能である
。このような表示画面対話式の補正設定値入力手法を採
ると、オペレータが不良内容とその対処手法を確認する
ことができて好便であると共に、要求される製品品質に
対してシビア過ぎる不良判定がなされている場合には、
転送を中止して直ちに実稼働を行わせ、運転条件設定時
間を短縮することも場合によっては可能となる。 [0034]ここで、不良内容とこれに対処するための
補正運転条件値の算出手法の数例を説明する。例えば、
バリがランナー付近に発生していると判定されると、こ
れは1次射出行程の、初速が速や過ぎると考えられるの
で、バリの程度に応じて1次射出行程の初速を落すよう
にされる。また、バリがゲート付近に発生していると判
断されると、これは1次射出行程の終域の速度が速や過
ぎると考えられるので、バリの程度に応じて1次射出行
程の終域の速度を落すようにされる。また、バリが製品
末端部に発生していると判定されると、これは1次射出
行程全体の射出速度が速すぎると考えられるので、バリ
の程度に応じて1次射出行程全体の射出速度を落すよう
にされる。また、バリが全体的に発生していると判定さ
れると、これは型締トン数の不足、あるいは計量が多過
ぎる、あるいは樹脂圧力が高過ぎると考えられるので、
これらを適宜補正するようになされる。 [0035]また例えば、ヒケがゲート付近に発生して
いると判断されると、これは保圧圧力が低過ぎると考え
られるので、ヒケの程度に応じて保圧圧力を高めるよう
にされる。また、ヒケがゲートから離間した部位に発生
していると判断されると、これは充填圧力が低過ぎると
考えられるので、ヒケの程度に応じて充填圧力を高める
ようにされる。また、ヒケが全体的に発生していると判
定されると、これは全体的な圧力不足もしくは充填・保
圧時間不足と考えられるので、これらを適宜補正するよ
うになされる。 [0036]また、例えばカケが発生し且つ製品重量が
不足していると判定されると、これは計量不足もしくは
保圧切替点が後ろ過ぎると考えられるので、重量(樹脂
)不足が多い場合にはその程度に応じて計量を多回に補
正し、重量(樹脂)不足が少ない場合にはクツション量
がOKであることを確認した上でその程度に応じて保圧
切替点を前進させるような補正が行われる。 [0037]上述の如くして、不良品と判定された場合
には、その要因となった運転条件項目の設定値を補正演
算する処理が実行され、この補正された運転条件値に基
づきマシン制御用マイコン4が再び同様の試ショットを
行い、この試ショットによる前記した実測データ(製品
外観データや重量データを含む)取りが再び実行される
。そして、条件値演算用マイコン30は、転送されてき
たすべての実測データによって再び製品品質の判定処理
を行い、全実測データが許容範囲に入って良品が成形さ
れると確認される時点まで上述した運転条件値を補正演
算する処理を繰返し実行して、この間マシン制御用マイ
コン4に試ショットを行わせ、最終的に好適運転条件値
を確定してマシン制御用マイコン4の成形条件記憶部1
6に確定設定させる。 [0038]斯様にすることにより、不良の症状に応じ
て条件値演算用マイコン30が、補正運転条件値を自動
算出するので、従前は豊かな経験と知識をもつオペレー
タが試行錯誤で補正値を求めていた熟練と時間を要する
作業を自動化し得、オペレータへの負担は可及的に軽減
する。しかも、運転条件項目に対応する実測データ以外
で成形品品質に密接に関連する製品外観データなどをも
参考にして、運転条件項目の設定値を補正演算するよう
にしているので、好適な運転条件値の設定が信頼性高く
行えることとなる。なお、前記補正運転条件演算テーブ
ル34の知識ベース内容も、多数の補正運転条件値の算
出経験を反映させて学習・充実できるようにシステムを
構築しである。 [0039]前述したように条件値演算用マイコン30
で確定設定された運転条件値は、従来不馴れなオペレー
タ自身が行っていたものに比すと、格段に精度の高い好
適値である。しかし、外乱の程度にもよるが外乱によっ
て設定値が許容範囲から外れる虞が無いとは言い切れな
い。このような事態に対処するには、好適運転条件とな
るように算出した速度もしくは圧力等に関する運転条件
項目の運転条件値を、ストローク軸もしくは時間軸等に
沿って変化する許容範囲領域の略中央部に位置するよう
に決定すれば良い。図4は斯様な成形運転条件値の設定
手法を示す説明図である。同図において、ハツチングで
示したのが非許容範囲領域で、この非許容範囲領域に挾
まれて許容範囲領域が存在しており、許容範囲領域の上
下限値はストローク軸もしくは時間軸に沿って変化して
いる。この許容範囲領域を確定するため、前記した条件
値演算用マイコン30は、ストローク軸もしくは時間軸
を細分化して、各ストローク区分点もしくは時間区分点
において設定値を段階的に変化させて試ショットを行う
と共に、製品の良/不良判定を行い、この結果に基づき
許容範囲領域を認知する。そして、この許容範囲領域の
認知結果に基づき、設定値(運転条件値)を図4で点線
で示すよう(−許容範囲領域の略中央部に位置するに確
定する。斯様にすることにより、多少の外乱程度では製
品品質に影響を及ぼすことのない自動成形運転を達成す
ることが可能となる。 [0040]なお、運転条件値の確定設定後には、条件
値演算用マイコン30は対応するマシンから切り離され
て、新たに運転条件設定を行うマシンのマシン制御用マ
イコンに通信可能に接続されるようにされる。斯様にす
ることにより、マシン制御用マイコンの負担を軽減する
ことができる。 [0041]
【発明の効果】以上のように本発明によれば、各運転条
件項目毎の好適運転条件値を自動的に設定可能な射出成
形機が実現でき、その価値は多大である。
件項目毎の好適運転条件値を自動的に設定可能な射出成
形機が実現でき、その価値は多大である。
【図1】本発明の実施例による射出成形システムの概略
説明図である。
説明図である。
【図2】本発明の実施例による初期条件の設定入力モー
ド画面の1例を示す説明図である。
ド画面の1例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例において設定される運転条件値
の表示画面の1例を示す説明図である。
の表示画面の1例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例における成形運転条件値の設定
手法を示す説明図である。
手法を示す説明図である。
1 射出成形機
2 型開閉メカニズム部
3 射出メカニズム部
4 マシン制御用マイクロコンピュータ16 成形条件
記憶部 17 成形プロセス制御部 18 実測値記憶部 30 運転条件値演算用マイクロコンピュータ31 判
定処理部 32 条件値演算処理部 33 初期運転条件演算用テーブル 34 補正運転条件演算用テーブル 40 画像認識処理部 50 電子秤
記憶部 17 成形プロセス制御部 18 実測値記憶部 30 運転条件値演算用マイクロコンピュータ31 判
定処理部 32 条件値演算処理部 33 初期運転条件演算用テーブル 34 補正運転条件演算用テーブル 40 画像認識処理部 50 電子秤
【図3】
Claims (8)
- 【請求項1】可変設定可能な多数の運転条件値を格納し
、この格納された多数の運転条件値に従いマシンの各部
を駆動制御するマシン制御用マイクロコンピュータと、
該マシン制御用マイクロコンピュータと通信可能とされ
前記運転条件値を算出処理可能とされた運転条件値演算
用マイクロコンピュータとを少なくとも具備した射出成
形機の制御方法であって、前記運転条件値演算用マイク
ロコンピュータは初期入力される少なくとも樹脂材料デ
ータ、金型形状データによって初期の各運転条件値を算
出処理し、前記マシン制御用マイクロコンピュータはこ
の初期運転条件値に従い初期成形運転を実行し、この初
期成形運転時に計測される運転条件の実測データ、並び
に前記設定された運転条件項目以外の成形品品質に密接
に関連する項目の実測データを前記運転条件値演算用マ
イクロコンピュータが取り込み、この実測データが不適
当と判断された場合には、予め定められた成形条件補正
演算プログラムに従い運転条件値を補正演算し、全実測
データが許容範囲に入って良品が成形されると確認され
る時点まで前記した運転条件値を補正演算する処理を実
行して、好適運転条件を決定するようにしたことを特徴
とする射出成形機の制御方法。 - 【請求項2】請求項1記載において、前記運転条件項目
以外の成形品品質に密接に関連する項目には、少なくと
も、成形された製品の外観形状を画像認識処理する画像
認識処理手段からの製品外観データが含まれていること
を特徴とする射出成形機の制御方法。 - 【請求項3】請求項2記載において、前記成形品外観デ
ータは製品のバリ情報であることを特徴とする射出成形
機の制御方法。 - 【請求項4】請求項2記載において、前記成形品外観デ
ータは製品のヒケ情報であることを特徴とする射出成形
機の制御方法。 - 【請求項5】請求項2記載において、前記成形品外観デ
ータは製品のカケ情報であることを特徴とする射出成形
機の制御方法。 - 【請求項6】請求項1または2記載において、前記運転
条件項目以外の成形品品質に密接に関与する項目には、
成形された製品の重量を計測する製品重量計測手段から
の製品重量データが含まれていることを特徴とする射出
成形機の制御方法。 - 【請求項7】請求項1記載において、前記運転条件値演
算用マイクロコンピュータは、前記好適運転条件となる
ように算出した所定の運転条件項目の運転条件値を、許
容範囲領域の略中央部に位置するように決定することを
特徴とする射出成形機の制御方法。 - 【請求項8】請求項7記載において、前記運転条件値演
算用マイクロコンピュータは、前記好適運転条件となる
ように算出した速度または圧力に関する運転条件項目の
運転条件値を、ストローク軸もしくは時間軸に沿って変
化する許容範囲領域の中央部に常に位置するように決定
することを特徴とする射出成形機の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40343190A JPH04209004A (ja) | 1990-12-03 | 1990-12-03 | 射出成形機の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40343190A JPH04209004A (ja) | 1990-12-03 | 1990-12-03 | 射出成形機の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04209004A true JPH04209004A (ja) | 1992-07-30 |
Family
ID=18513168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP40343190A Pending JPH04209004A (ja) | 1990-12-03 | 1990-12-03 | 射出成形機の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04209004A (ja) |
Cited By (5)
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