JPH0420051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は印刷機におけるインキ着けローラ装置
に関するものである。

印刷機において、版胴とインキ着けローラの接
触圧は版の耐刷力、印刷品質等に多大の影響を及
ぼすのでこれを調整するための接触圧調整装置が
設けられている。又、版は外部の版曲げ機で円弧
状に形成したのち版胴に取付けられるが、このと
き版がねじれて曲げられたり、あるいは版胴に取
付ける際左右がねじれて取付けられることがあ
り、その場合に版胴をゴム胴に対してひねつて両
胴の軸線をわずかにずらすことにより修正するひ
ねり調整が行なわれる。これは版胴の一端を偏心
軸受で支持し、同偏心軸受を回動して版胴の一端
を円周方向に移動して行なわれるのが普通であ
る。従来の印刷機では上記した接触圧調整置とひ
ねり調整機構がそれぞれ独立して設けられてお
り、接触圧を調整した後試し刷りをして版にひね
りがある場合にはひねり調整を行なうが、このひ
ねり調整によつて版胴が動くので版胴とインキ着
けローラの接触圧が変化し、再度接触圧の調整を
し直す必要が起る。これを繰り返すことにより印
刷作業の準備時間が多くなり、印刷機の稼働率が
低下する。

本考案は版胴の一端を偏心軸受で支持し、同偏
心軸受を回動して版胴周面の一端部を円周方向に
移動するひねり調整機構を具備する印刷機のイン
キ着けローラ装置において、振りローラの軸端部
に回動自在に支持されたブラケツト、同ブラケツ
トの先端部分にで軸支され前記版胴と振りローラ
に対接するインキ着けローラ、同インキ着けロー
ラの軸端部に回動自在に設けられた腕長が調整可
能なレバーの先端に支持されたカムコロ、同カム
コロの接する面が円弧状で版胴と同心に連動すべ
く版胴側に設けられたカム、前記インキ着けロー
ラを版胴に押し付ける方向に前記ブラケツトを常
時付勢する押付機構、前記レバーの腕長を調整す
る調整機構及び前記カムコロをほぼインキ着けロ
ーラと版胴の軸心を結ぶ線上に位置させるよう案
内する案内機構を具備したことを特徴とし、その
目的とする処は前記従来の欠点を解消して、全体
構造が簡単で、従つてインキ着けローラと版胴間
の圧調整が容易でかつ圧調整を行なつた後におい
て版胴のひねり調整（以下コツキングと記す）を
行なつても、インキ着ローラと版胴との中心間距
離が変化しない（圧が変わらない）構造にして操
作及び調整の簡便化をはかつた印刷機におけるイ
ンキ着けローラ装置を提供しようとするものであ
る。

本考案は前記のように構成されており、インキ
着けローラと版胴の接触圧調整は、インキ着けロ
ーラを版胴に接する状態として、前記カムに接触
している前記カムコロを支持するレバーの腕長を
前記調整機構により調整することに行なう。そし
て、コツキングして版胴が動いた時はカムが版胴
と同心に連動して動き、それに接触しているカム
コロが動き、更にレバーを介してインキ着けロー
ラが移動するが、このときカムコロは案内機構に
よりインキ着けローラと版胴の軸心を結ぶ線上に
位置するよう案内されているのでインキ着けロー
ラと版胴間の距離は変化せず両者の接触圧は変化
しない。

このように本考案は、カムとカムコロにインキ
着けローラと版胴の位置関係を代用させ、インキ
着けローラとカムコロの距離を変えることにより
インキ着けローラと版胴の接触圧を調整し、コツ
キング時には版胴の動きをカム、カムコロを介し
てインキ着けローラに伝えインキ着けローラと版
胴間の接触圧が変化しないようにしているので、
全体の構成が非常に簡単で、確実かつ経済的なイ
ンキ着けローラ装置となつている。更に、インキ
着けローラと版胴の接触圧を一度調整すれば、そ
の後コツキング時版胴が動いても、インキ着けロ
ーラと版胴間の接触圧が、変化しないので、接触
圧調整は一回でよく、印刷準備時間が短縮される
し、操作及び調整作業が簡単となる。

以下、本考案を第１図ないし第５図に示す最も
好ましい図示実施例により詳細に説明する。第１
図は全体のローラ配列を示す概略説明図である。
第２図ないし第５図は一本のインキ着ローラに関
して構造を詳細に示したものである。振りローラ
３２とインキ着ローラ３１とのローラ圧調整は偏
芯軸受４７を回動して偏芯ε_X１により行なう。圧
調整後はロツクねじ４８によつて固定している。
インキ着ローラ３１と版胴間の圧調整はインキ着
ローラの着脱用のカム３８を矢印Ｓ方向に図示し
ないエアシリンダ及びリンク機構等を用いて作動
させて、インキ着ローラを着の状態にして行な
う。このとき振りローラ３２を軸にしてインキ着
ローラ３１を支持しているブラケツト４０に設置
してある、インキ着ローラを脱にするためのカム
コロ３５がカム３８より接離している。

ブラケツト４０は圧縮ばね３３のばね力が常
時、Ｐ方向に作用しているので、振りローラ３２
を中心に矢印Ｐ方向に回転し、インキ着けローラ
３１を版胴に接触させる。他方インキ着ローラ３
１に軸支されているローラ圧調整用のレバー４１
の先端に支持されているカムコロ３６が、版胴軸
心と同芯のカム３７と接触している。よつてイン
キ着ローラ３１と版胴１との圧調整するにはカム
コロ３６とカム３７の接触圧を調整することによ
り行なえる。そこでこのカムコロ３６の圧調整す
る為にカムコロ３６を支持しているレバー４１の
インキ着ローラ３１とカムコロ３６の中心距離ｌ
を変えることにより可能となる。それぞれねじピ
ツチが異なる作動ねじ３４Ａ，３４Ｂを具備する
調整軸３４を回転して、作動ねじ３４Ａ，３４Ｂ
のねじピツチ差分だけ、ピンねじ４４，４３間の
長さlcを変化させて偏芯軸レバー４２を回動させ
る。よつて偏芯軸レバー４２の偏芯ε_X２によりレ
バー４１の中心距離ｌは変化する。なお、この場
合にカムコロ３６の中心がインキ着ローラの中心
と版胴の中心とを結ぶ線上にほぼなるようにブラ
ケツト４０に小判形穴４５を設けてカムコロ３６
の中心位置を規制している。作動ねじ３４Ａ，３
４Ｂは微調整を目的として、この実施例では用い
ているが、作動ネジでなくても、適宜な手段を採
り得る。

以上のごとく振りローラ３２とインキ着ローラ
３１及びインキ着ローラ３１と版胴１との間の圧
調整を行なつた後に版胴をコツキングすると第５
図の鎖線状態となる。版胴の軸芯に追従して動く
カム３７にカムコロ３６が追従して動き且つイン
キ着ローラ３１も同様な動きをすることにより、
振りローラ３２、インキ着ローラ３１、版胴１の
各中心間距離は変化しない。

インキ着ローラ５１，５２、振りローラ５３に
おいても前述のインキ着ローラ３１、振りローラ
３２と同様である。

なお、インキ着ローラ３１，５１，５２を脱に
するにはカム３８を矢印Ｓ方向に移動すれば、カ
ムコロ３５がカム３８と接触してブラケツト４０
を持上げてインキ着ローラ３１，５１，５２が版
胴１より離れる。

このように本実施例によると、一度インキ着ロ
ーラの接触圧調整をすれば、その後運転中にコツ
キングしても、版胴とインキ着ローラ及びインキ
着ローラと振りローラ間の中心間距離が変化せ
ず、調整した接触圧が変化しないので、従来のよ
うに繰り返し接触圧調整する必要がなく、印刷準
備が簡単になりかつ準備時間が短縮され、印刷機
の稼働率が上がる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示
し、第１図は全体の概略構成を示す説明図、第２
図は第１図の１部を詳細に示す側面図、第３図は
第２図の−断面図、第４図は第２図の−
断面図、第５図は本実施例の作用を説明する側面
説明図である。 １……版胴、３１，５１，５２……着ローラ、
３２，５３……振りローラ、３３……ばね、３６
……カムコロ、３７……カム、４０……ブラケツ
ト、４１……レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 版胴の一端を偏心軸受で支持し、同偏心軸受を
   回動して版胴周面の一端部を円周方向に移動する
   ひねり調整機構を具備する印刷機のインキ着けロ
   ーラ装置において、振りローラの軸端部に回動自
   在に支持されたブラケツト、同ブラケツトの先端
   部分にで軸支され前記版胴と振りローラに対接す
   るインキ着けローラ、同インキ着けローラの軸端
   部に回動自在に設けられた腕長が調整可能なレバ
   ーの先端に支持されたカムコロ、同カムコロの接
   する面が円弧状で版胴と同心に連動すべく版胴側
   に設けられたカム、前記インキ着けローラを版胴
   に押し付ける方向に前記ブラケツトを常時付勢す
   る押付機構、前記レバーの腕長を調整する調整機
   構及び前記カムコロをほぼインキ着けローラと版
   胴の軸心を結ぶ線上に位置させるよう案内する案
   内機構を具備したことを特徴とする印刷機におけ
   るインキ着けローラ装置。