JPH0419007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、新聞の輪転機、商業オフセツト輪転
機、コルゲートマシン、コータ等に用いられる各
種巻取紙の外皮をとり、紙継ぎのための粘着テー
プなどを施して仕立る巻取紙仕立用ベルト装置に
関するものである。

（従来の技術） 先に開発して提案した巻取紙仕立用ベルト装置
によつて説明すると、正、逆転される巻取紙の表
面に、並設されている１対のローラ間に配設され
た広幅駆動ベルトを接触させて、前記駆動ベルト
の正転駆動により巻取紙表面の外皮を作業台上に
巻き戻して外し、さらに、巻取紙の端部を作業台
上に巻き戻し同端部に紙継用の粘着テープなどを
付着したのち、逆転駆動して巻取紙に前記端部を
巻取つて紙継準備をする仕立装置の構造になつて
いる。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の前記巻取紙仕立用ベルト装置は、並設さ
れている１対のローラ間に配設された広幅の正逆
転駆動ベルトが巻取紙のほぼ全幅に接触し、かつ
巻戻し、巻戻りの全行程にわたつて接触されるた
め、前記ローラの幅方向径の加工公差や巻取紙の
湿気による表面の不均一な膨潤等により、紙幅方
向の送出し速度が不揃いになり皺発生を避けるこ
とができず、また、広幅に形成された前記ベルト
が粘着テープの全面に接触して粘着力が低下され
ベルトの蛇行が生じ易い、巻取紙上への巻取り時
に、巻取紙の巻取速度よりもベルトの駆動速度が
早くなつて再び巻取られた紙材に垂みが生じるな
どの問題点がある。

（考案の目的、問題点の解決手段） 本考案は、前記のような問題点に対処するため
の考案であつて、並設されている正逆転駆動ロー
ラと巻取紙表面への接触ローラ間に複数の細幅駆
動バルトを配設するとともに、前記接触側ローラ
に前記巻取紙表面に接触する非粘着性ローラを設
け、前記接触側ローラに前記巻取紙表面への接離
用駆動機構を連接した構成に特徴を有し、正逆転
駆動ローラと巻取紙表面への接触側ローラ間に複
数の細幅駆動ベルトを配設するとともに、接触側
ローラに巻取紙表面への非粘着性ローラを設けた
ことにより、巻戻し、巻取られる紙端部の皺など
の発生および粘着性の低下を防止するとともに、
駆動機構による接触側ローラの巻取紙表面への接
離操作により、巻取紙に巻取られた紙材の垂みな
どを防止して、巻取紙の仕立性能、信頼性を著し
く向上させて前記のような問題点を解消した巻取
紙仕立用ベルト装置を提供するにある。

（実施例） 第１図および第２図に本考案の一実施例を示し
ており、第１図においてａは仕立てられる巻取
紙、ｂは台車Ｃのよつて搬送された前記巻取紙ａ
を回転可能に支持して仕立位置に配置する支持ア
ーム、b′は支持アームｂの枢着部であつて、支柱
１，１の上部に固設されている機械フレーム２，
２間に、ベアリングユニツト３，３を介して正逆
転駆動される駆動ローラ４を設けるとともに、駆
動ローラ４の両側部分にベアリングユニツト５，
５を介して不６，６を突設し、不６，６の先端部
間にベアリングユニツト７，７を介して巻取紙ａ
表面への接触側ローラ８を装架し、並設されてい
る正逆転駆動ローラ４と接触側ローラ８間に、複
数の細幅駆動ベルト１０が配設されている。図中
９は前記駆動ローラ４、接触側ローラ８にそれぞ
れ軸方向間隔をおいて固設され細幅駆動ベルト１
０が掛渡し案内されているベルトプーリ、１１は
前記各駆動ベルト１０のテンシヨンローラであ
る。

さらに、前記接触側ローラ８には、非粘着の加
工処理が施された複数の非粘着性ローラ１２が適
宜の軸方向間隔をおいて嵌合、固定され、該非粘
着性ローラ１２は、ベルトプーリ９に案内されて
いるベルト部分よりも少し大径に形成されて巻取
紙ａ表面に接触するようになつている。

前記正逆転駆動ローラ４の一端側はトルクリミ
ツタ１５、ベルト１６を介して支持フレーム２上
の正逆転モータ１７に連設されて、前記のータ１
７によつてベルト１６、トルクリミツタ１５を介
し正逆転駆動ローラ４が正、逆転駆動され、各細
幅駆動ベルト１０、接触側ローラ８、各非粘着性
ローラ１２も正、逆転駆動される。

さらにまた、機械フレーム２上のブラケツト１
８とフレーム６の先端部間にエアシリンダ１９を
枢着、連結して、エアシリンダの伸縮操作によつ
て接触側ローラ８を各細幅駆動ベルト１０、各非
粘着性ローラ１２とともに巻取紙ａ表面に接離操
作する接離用駆動気候１９に構成し、支柱１，１
間には作業台２０が斜設されている。

（作用） 本考案の実施例は、前記のような構成になつて
おり、台車ｃ上の巻取紙ａを支持アームｂで回転
自在に支持して仕立位置に配置し、正逆転モータ
１７によりベルト１６、トルクリミツタ１５を介
して駆動ローラ４を正逆転駆動し各細幅駆動ベル
ト１０を矢示方向イ（第１図参照）に駆動して接
触側ローラ８を同方向に回転するとともに、エア
シリンダ１９を伸長して接触側ローラ８側を巻取
紙ａ表面に接触させると、巻取紙ａが回転され切
断された外皮が巻戻されて作業台２０上に送出さ
れ巻取紙ａから取り外されるとともに、さらに、
巻取紙ａの端部が巻戻しにより作業台２０上に送
出され、エアシリンダ１９の短縮により接触側ロ
ーラ８が巻取紙ａから離れ、巻取紙ａの回転が停
止されて、作業台２０上の巻取紙ａの端部に粘着
テープなどを貼着して糊付け処理したのち、正逆
転モータ１７を逆転して各細幅駆動ベルト１０を
矢示方向ロ（第１図参照）に逆転駆動し接触側ロ
ーラ８も逆転駆動して、エアシリンダ１９の伸長
により接触側ローラ８を巻取紙ａ表面に接触させ
ると、巻取紙ａの逆回転により作業台２０上の粘
着テープ付き端部が巻取紙ａ上に巻取られて仕立
が完了し、輪転機に供給されている原紙（図示省
略）に前記粘着テープを貼着させて前記巻取紙ａ
を紙継ぎし連続供給することが可能となる。

巻取紙ａ端部の作業台上への巻戻し送出しは、
紙幅方向間隔をおいて配設された複数の細幅駆動
ベルト１０と非粘着性ロール１２の接触で行わ
れ、巻取紙ａ側への巻取りも同様に行われるた
め、紙幅方向の送出し速度差や皺発生が防止され
る。また、巻取紙ａに巻取られる粘着テープ付き
端部は細幅駆動ベルトと非粘着性ローラによる部
分接触で行われるため、粘着力の低下が局部のみ
にとどまり紙継の際に必要な粘着力が確保され
る。

また、エアシリンダ１９によつて接触側ローラ
８を所望時のみ巻取紙ａ表面に接触させることに
より、巻取紙ａ上への巻取り時期を適正に操作で
き、巻取紙ａ上の紙垂みが生じるのを防止でき
る。

前記実施例では細幅駆動ベルトを巻取紙表面に
接触させる構成について説明したが、該細幅駆動
ベルトは単に動力伝達用とし同ベルト間の接触側
ローラの局部周面を巻取紙表面に接触させるよう
にすることもできる。

（考案の効果） 前述のように本考案は、並設されている正逆転
駆動ローラ４と巻取紙ａ表面への接触側ローラ８
間に複数の細幅駆動ベルト１０を配設するととも
に、接触側ローラ８に巻取紙ａ表面に接触する非
粘着性ローラ１２を設け、接触側ローラ８に巻取
紙ａ表面への接離用駆動機構１９を連設している
ので、巻戻し、巻取られる紙材端部の皺発生およ
び粘着性の低下が防止され、さらに接離用駆動機
構による巻取紙表面への接触側ローラの接離操作
により前記巻戻し、巻取りが円滑に遂行され巻取
紙上の紙垂みが防止されるなど巻取紙の仕立性
能、信頼性が著しく向上されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す装置全体の側
面図、第２図は第１図の上面図である。 ａ……巻取紙、４……正逆転駆動ローラ、８…
…接触側ローラ、１０……細幅駆動ベルト、１２
……非粘着性ローラ、１９……接離用駆動機構
（エアシリンダ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並設されている正逆転駆動ローラと巻取紙表面
   への接触側ローラ間に複数の細幅駆動ベルトを配
   設するとともに、前記接触側ローラに前記巻取紙
   表面に接触する非粘着性ローラを設け、前記接触
   側ローラに前記巻取紙表面への接離用駆動機構を
   連設したことを特徴とする巻取紙仕立用ベルト装
   置。