JPH0418579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

（産業上の利用分野） この考案は、家庭、病院等で寝具として使用
し、環境を衛生的にするための脱臭・除湿パツド
に関する。 （従来技術） 長期にわたつて療養を要する病臥患者は発汗や
臭気により寝具を汚染し易く、そのため環境を著
しく悪化させる。特に寝たきり老人が汚染した寝
具を長期間用い続けた場合は、湿気と皮膚の圧迫
によつて、患者の表皮が剥離して皮下組織が露出
し、褥瘡といわれる症状に悩まされることが多
い。 従来そのような患者が環境改善に利用できるも
のは生理用ナプキン、紙おむつ等、局所的、短期
的に使用される吸収物品に限られており、長期
的、継続的に使用して有効な脱臭・除湿性寝具は
なかつた。 （考案が解決しようとする問題点） 本考案の目的は、優れた脱臭・除湿性、クツシ
ヨン性、保温性を備えた寝具用パツドを提供する
ことである。また本考案の別の目的は、シーツに
重ねて使用してズレのない、また使用前の長期保
管で脱臭・除湿の効果の低下しないパツドを提供
することである。 （問題点を解決するための手段と作用） この考案の脱臭・除湿パツドは、脱臭・除湿機
能をもつたシート状脱臭除湿体の上層に、通気
性、通水性の良いクツシヨン材シートを置き、脱
臭除湿体の下層には、脱臭除湿体及びクツシヨン
材シートよりひとまわり大きい形状面積をもつと
ともに金属光沢により熱線を反射するアルミ蒸着
プラスチツクフイルムを、蒸着面に形成した貼着
剤層を介して貼り合わせ、一方クツシヨン材シー
トの上の最上層にはアルミ蒸着プラスチツクフイ
ルムとほぼ同じ形状面積の包装用プラスチツクフ
イルムを重ね、アルミ蒸着プラスチツクフイルム
の周辺端部に露出している粘着剤層で脱臭除湿体
及びクツシヨン材シートを包み込んで包装してな
るものである。 この考案の脱臭・除湿パツドの使用時には、最
上層の包装用プラスチツクフイルムを剥がしたパ
ツド本体をベツド又は床に置き、その上面に通常
のシーツを敷き、寝具として使用する。この際、
アルミ蒸着プラスチツクシートの周辺端部に露出
した粘着剤はシーツをしつかり固定してズレを防
止する。また最下層のアルミ蒸着プラスチツクフ
イルムは身体からの熱輻射を反射し、寝具の保温
に効果がある。なお、この考案の脱臭・除湿パツ
ドの保管時には、最上層の包装用プラスチツクフ
イルムは周辺端部の粘着剤を介して最下層のアル
ミ蒸着フイルムと共に袋状を形成し、脱臭除湿体
を外気から遮断し、脱臭・除湿機能の低下を防止
する。 （実施例） 次に図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。 第１図はこの実施例の脱臭・除湿パツドの断面
を示すもので、１は不織布（例えばFSK社製、
不織布WP−40）に脱臭剤（例えば大日精化社
製、ダイムシユーＷ−100）および除湿剤（例え
ば三洋化成社製、サンウエツトIM−1000）を含
浸・充填した脱臭除湿体である。 第２図ａの部分平面図および第２図ｂの断面図
は、シート状脱臭除湿体１の細部を示すもので、
液状の脱臭剤（例えば大日精化社製、ダイムシユ
ーＷ−100）を含浸させた不織布６（例えばFSK
社製、レーヨン−ポリエステル不織布WP−40）
で袋を作り、内部に粉体の吸湿樹脂７（例えば三
洋化成社製、澱粉−ポリアクリル酸グラフト重合
体サンウエツトIM−1000）を充填する。この場
合、粉体の吸湿樹脂７のズレ、偏在を防ぐため
に、吸湿樹脂を入れた不織布袋を適当な小面積に
接着剤８で区切り、あるいはキルテイング加工し
たものである。 なお、シート状脱臭除湿体１にはこの他、脱臭
剤及び吸湿樹脂をそれぞれ含浸させた２枚の不織
布を貼り合わせるか、脱臭剤を含浸させた不織布
に吸湿樹脂のフイルムを直接貼り合わせたものも
使用できる。 シート状脱臭除湿体１の上層には、第１図に示
すように、通気性、通水性の良いクツシヨン材シ
ート２を、下層には粘着剤３（例えばFSK社製、
アクリル系PA−T1）を介してアルミ蒸着プラス
チツクフイルム４（例えばFSK社製、FNSツヤ
25μ）を貼り合わせ、この上面に包装用のプラス
チツクフイルム５（例えばFSK社製、ポリプロ
ピレンPP−20）を貼り合わせる。 本考案の脱臭・除湿パツドを使用する時は、上
面の包装用プラスチツクフイルム５を剥がし、プ
ラスチツクフイルム５を除いた脱臭・除湿パツド
本体をシーツの下に敷き使用する。この際、パツ
ド本体の周辺端部に露出した粘着剤３はシーツの
滑り止めになる。また保管、不使用、または廃棄
時には包装用プラスチツクフイルム５を上面にか
ぶせ、粘着剤層３で貼り合わせれば良い。 使用前、この包装用プラスチツクフイルム５を
剥がすまでは、本考案による脱臭・除湿パツドの
脱臭・除湿機能が維持される。 脱臭試験 長期病臥患者の発生する臭気の主なるものは、
アンモニア、トリエチルアミン、硫化水素等と考
えられるが、本実施例による脱臭・除湿パツドの
脱臭効果ついて第１表のごとき結果が得られた。 即ち、300c.c.の三角フラスコに50mm×200mmサイ
ズの脱臭・除湿パツド片をいれたフラスコと、対
照として何も入れないフラスコを用意し、その中
にそれぞれ28％のアンモニア水を10μ入れ、２
時間にわたつてフラスコ中のアンモニア濃度
（ppm）を北川式検知管で測定した。その脱臭結
果を第１表に示した。

【表】 第１表の結果から本考案による脱臭・除湿パツ
ドはアンモニア水投入後直に脱臭機能を発揮し、
優れた効果があることが確認された。またトリエ
チルアミン、硫化水素についても同様の測定をし
たところ同じ効果があることも確認された。 除湿試験 発汗により寝具の湿度が上昇するが、本実施例
による脱臭・除湿パツドと対照例の不織布WP−
40のパツドとの除湿効果について第２表のごとき
結果が得られた。 即ちパツドと同面積に裁断したガーゼに水を
0.02ｇ／cm²の割合に浸み込ませたものを、脱臭・
除湿パツド上に載せ、全面に0.2ｇ／cm²の荷重を
かけ、23℃、65％RHにしたデシケーターの中で
２時間にわたってガーゼの残留水分（％）を測定
した。その結果を第２表に示した。

【表】 第２表にみるように本考案の脱臭・除湿パツドは
水分の除去についても優れた効果があることが判
明した。 （考案の効果） 本考案による脱臭・除湿パツドは包装用プラス
チツクフイルムを除き、代わりにシーツを被せれ
ば寝具として使用できる。そして脱臭除湿体が長
期的かつ継続的に脱臭・除湿効果を発揮する。 また最下面に敷いたアルミ蒸着プラスチツクフ
イルムは熱輻射を防ぎ保温の効果がある。 さらに保管、不使用時には包装用プラスチツク
フイルムを粘着剤で貼り合わせ、外気との遮断を
することにより脱臭・除湿機能が長期間維持され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の脱臭・除湿パツドの断面図、
第２図ａは本考案における脱臭除湿体の一例の部
分平面図、第２図ｂは第２図ａのＢ−Ｂ線に沿う
断面図である。 １……脱臭除湿体、２……クツシヨン材シー
ト、３……粘着剤、４……アルミ蒸着プラスチツ
クフイルム、５……包装用プラスチツクフイル
ム、６……脱臭剤を含浸させた不織布、７……吸
湿樹脂、８……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上層から順次、プラスチツクフイルムと、該プ
   ラスチツクフイルムの外周形状よりひとまわり小
   さい外周形状をもつクツシヨン材シートと、該ク
   ツシヨン材シートの外周形状とほぼ同一の外周形
   状をもつとともに不織布に脱臭剤及び／又は除湿
   剤を含浸又は充填したシート状脱臭除湿体と、該
   プラスチツクフイルムの外周形状とほぼ同一の外
   周形状をもつとともにアルミ蒸着面に粘着剤層を
   形成したアルミ蒸着プラスチツクフイルムとを、
   積層したことを特徴とする脱臭・除湿パツド。