JPH0416711B2 - - Google Patents

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JPH0416711B2
JPH0416711B2 JP60094281A JP9428185A JPH0416711B2 JP H0416711 B2 JPH0416711 B2 JP H0416711B2 JP 60094281 A JP60094281 A JP 60094281A JP 9428185 A JP9428185 A JP 9428185A JP H0416711 B2 JPH0416711 B2 JP H0416711B2
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JP
Japan
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hydrophilic
odor
film
acid
water
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JP60094281A
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Katsumi Tanaka
Masaaki Mizoguchi
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Altemira Co Ltd
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Showa Aluminum Corp
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明は、親水性皮膜を有する熱交換器用ア
ルミニウムフイン材の表面処理法に関する。 この明細書において、アルミニウムとは、アル
ミニウムおよびアルミニウム合金を含むものとす
る。 従来の技術 従来、熱交換器用アルムニウムフイン材の表面
に親水性皮膜を形成して、フイン表面の水のヌレ
性を良くし、水滴の付着による通風抵抗の増大を
防止して、熱交換効率の向上を図ることが行なわ
れている。 発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記親水性皮膜としてアルカリ
ケイ酸塩(水ガラス)、シリカゾル、アルミナゾ
ル等より形成される親水性無機材料の皮膜を用い
た場合には、これにいわゆるセメント臭やカビ臭
に似た微弱な異臭が生じ、従つてこの親水性皮膜
を有するアルミニウムフイン材を備えた熱交換器
をルームエアコンに組み込んだ場合には、居住環
境を悪化させるおそれがあるという問題があつ
た。 この発明の目的は、上記の問題を解決し、親水
性無機材料を含みかつセメント臭やカビ臭に似た
微弱な異臭が生じる親水性皮膜を有する熱交換器
用アルミニウムフイン材について、異臭をを完全
に除去することができ、これによつてルームエア
コン等の運転のさいにおける居住環境の悪化を有
効に防止し得る親水性皮膜を有する熱交換器用ア
ルミニウムフイン材の表面処理法を提供しようと
するにある。 課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、親
水性無機材料を含みかつ異臭が生じる親水性皮膜
を有するアルミニウムフイン材の表面を、非イオ
ン系界面活性剤水溶液で洗浄することにより、上
記親水性皮膜の異臭の発生を阻止することを特徴
とする、親水性皮膜を有する熱交換器用アルミニ
ウムフイン材の表面処理法を要旨としている。 上記親水性無機材料を含む親水性皮膜とは、ア
ルカリケイ酸塩、シリカゾルおよびアルミナゾル
等の親水性無機材料自体あるいはこれと他の特定
の親水性物質とによつて得られる親水性皮膜であ
つて、親水性無機材料を含むがゆえに、セメント
臭およびカビ臭に似た微弱な異臭が生じるもので
ある。この親水性皮膜には多くのものがあるの
で、これについては後に詳述する。 つぎに、上記非イオン系界面活性剤としては、
例えば一般に知られている高級アルコールのエチ
レンオキサイド付加物、アルキルフエノールのエ
チレンオキサイド付加物などを使用する。 また、上記非イオン系界面活性剤水溶液の非イ
オン系界面活性剤濃度は、0.1〜10重量%である
のが望ましい。ここで、水溶液の非イオン系界面
活性剤濃度が0.1重量%未満であれば、フイン材
表面のアルカリケイ酸塩を含む親水性皮膜自体か
ら生じる特有のセメント臭やカビ臭に似た微弱な
異臭を除去できない。また非イオン系界面活性剤
の濃度が10重量%を越えると、泡の発生が激しく
なり、また廃水処理に問題があるので好ましくな
い。 前述のアルミニウムフイン材の表面に形成され
る親水性無機材料を含む親水性皮膜には、つぎの
(イ)〜(ハ)のものがあげられる。 (イ) 親水性無機材料単独よりなる皮膜。 (ロ) 親水性無機材料、特定の親水性物質との混合
物よりなる皮膜。 (ハ) 親水性無機材料がアルカリケイ酸塩よりなる
ものである場合に、このアルカリケイ酸塩(A)
と、カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)
と、場合によつては水溶性有機高分子化合物(C)
との混合物よりなる皮膜。 上記親水性皮膜は、いずれも親水性無機材料を
含むものであるがゆえに、セメント臭やカビ臭に
似た微弱な異臭を生じるものである。 またアルミニウムの耐食性と上記親水性皮膜に
対する密着性を増大させるために、アルミニウム
の表面に予め親水性と耐食性を有する下地皮膜を
形成しておくのが望ましい。このような下地皮膜
としては、つぎの(a)〜(c)のものがあげられる。 (a) 陽極酸化皮膜 (b) 化学皮膜 (c) 親水性合成樹脂よりなる皮膜 これらの下地皮膜については、後述する。 そこでまず、上記親水性皮膜について述べる。 (イ) 上記親水性皮膜が、親水性無機材料単独より
なるものである場合には、親水性無機材料とし
てアルカリケイ酸塩、シリカゾルおよびアルミ
ナゾルを使用する。またアルカリケイ酸塩とし
ては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよ
び水ガラスが一般的である。 (ロ) つぎに、親水性皮膜が、上記親水性無機材料
と、特定の親水性物質との混合物よりなるもの
である場合には、親水性物質として具体的には
つぎの(i)〜(v)のものを使用する。 (i) ビニルスルホン酸およびエチレン性不飽和
カルボン酸の単独重合体、並びにこれらの共
重合体。 ここで、エチレン性不飽和カルボン酸とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸および桂皮膜などのように、炭
素数3〜9を有するものを使用するのが好ま
しい。 (ii) 上記(i)の単独重合体および共重合体の塩も
しくはエステル。 ここで、塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩等があげられる。 (iii) ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸およ
びエチレン性不飽和カルボン酸と、アリルア
ルコールもしくはビニルアルコール等の不飽
和低級アルコールとの共重合体。 (iv) ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸およ
びエチレン性不飽和カルボン酸と、上記不飽
和低級アルコールの硫酸エステルもしくはリ
ン酸エステルとの共重合体。 (v) 没食子酸、アラビアゴム、フツ化ジルコン
酸。 上記(i)〜(v)の親水性物質は、1種もしくは2種
以上混合して使用される。 このような親水性皮膜を形成するには、つぎ
の2つの方法がある。 (1) 親水性無機材料と上記特定の親水性物質の
混合溶液中にて処理する方法。 (2) 先に親水性無機材料の皮膜を形成し、つい
でこれの表面上に上記特定の親水性物質の皮
膜を形成するように、2段階で処理する方
法。 親水性被覆層を形成する処理は、上記いずれ
の方法の場合にも浸漬、噴霧または塗布によつ
て行なわれる。 (ハ) また親水性皮膜が、アルカリケイ酸塩(A)と、
カルボニル基を有する低分子有機化合物(B)と、
場合によつては水溶性有機高分子化合物(C)との
混合物よりなるものである場合には、つぎのも
のを使用する。 すなわち、まずアルカリケイ酸塩(A)は、フイン
材に親水性を与えるための主成分を構成するもの
であり、SiO2/M2O(式中Mはリチウム、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属を意味する)で
表わされる比が1以上のものを使用する必要があ
る。とくに、SiO2/M2Oが2〜5のアルカリケイ
酸塩を用いるのが好ましい。ここで、SiO2/M2O
の比が1未満である場合には、アルカリ成分に対
してSiO2が少ないため、アルカリ成分によるア
ルミニウムの侵食作用が大きくなる。 また上記低分子有機化合物(B)は、分子内にカル
ボニル基(>C=O)を有する低分子有機化合物
であつて、これはアルカリケイ酸塩(A)による皮膜
を安定化させて、より親水性を向上させ、かつ皮
膜に柔軟性を与えるものである。 このような低分子有機化合物(B)としては、具体
的にはアルデヒド類、エステル類、およびアミド
類などがあげられる。 ここで、アルデヒド類としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール、マロ
ンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタ
ルジアルデヒドおよびフルフラールジアルデヒド
などを使用する。 またエステル類としては、ギ酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プ
ロピオン酸メチルなどの1価アルコールの脂肪酸
エステル、またエチレングリコールジ酢酸エステ
ル、グリセリントリ酢酸エステル、エチレングリ
コールジプロピオン酸エステルなどの多価アルコ
ールの脂肪酸エステル、またγ−ブチロラクト
ン、ε−カプロラクトンなどの分子内エステル、
またエチレングリコールモノギ酸エステル、エチ
レングリコールモノ酢酸エステル、エチレングリ
コールモノプロピオン酸エステル、グリセリンモ
ノギ酸エステル、グリセリンモノ酢酸エステル、
グリセリンモノプロピオン酸エステル、グリセリ
ンジギ酸エステル、グリセリンジ酢酸エステル、
ソルビトールモノギ酸エステル、ソルビトールモ
ノ酢酸エステル、およびグリコース酸モノ酢酸エ
ステルなどの多価アルコール部分エステル、また
コハク酸ジメチル、マイレン酸ジメチルなどの多
塩基酸の1価アルコールエステル、またエチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、グリセ
リンカーボネートなどの環状カーボネートなどを
使用する。 またアミド類としては、ホルムアミド、ジメチ
ルホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセト
アミド、プロピオンアミド、ブチルアミド、アク
リルアミド、マロンジアミド、ピロリドンおよび
カプロラタムなどを使用する。 上記低分子有機化合物(B)のうちでは、均一な処
理を行なうために水溶性の化合物を使用するのが
好ましく、とくにアルデヒド類およびエステル類
を使用するのが好ましい。さらに親水性の高い皮
膜が形成される点でグリオキサールを使用するの
が望ましい。 つぎに、アルカリケイ酸塩(A)とカルボニル基を
有する低分子有機化合物(B)とよりなる第2皮膜の
親水性をさらに向上させるとともに、柔軟性を向
上させるために、水溶性有機高分子化合物(C)を添
加する場合もある。 このような水溶性有機高分子化合物(C)として
は、具体的には、多糖類系天然高分子、水溶性蛋
白系天然高分子、アニオン、非イオンあるいはカ
チオン性付加重合系水溶性合成高分子、および重
縮合系水溶性高分子などがあげられる。 ここで、多糖類天然高分子としては、可溶性デ
ンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、グアーガム、トラガカント
ゴム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダなどを
使用する。水溶性蛋白系天然高分子としては、ゼ
ラチンなどを使用する。 アニオンあるいは非イオン性付加重合系水溶性
高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリアクリルアミド、これの部分加水
分解物、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシ
エチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸共重合体、マレイン酸共重合体およびこ
れらのアルカリ金属、有機アミンおよびアンモニ
ウムの塩などを使用する。 また、上記の付加重合系水溶性合成高分子のカ
ルボキシメチル化あるいはスルホン化などによる
変性水溶性合成高分子も使用できる。 カチオン性付加重合系水溶性合成高分子として
は、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドの
マンニツヒ変性化合物、ジアクリルジメチルアル
ミニウムクロライド、ポリビニルイミダゾリン、
ジメチルアミノエチルアクリレート重合体などの
ポリアルキルアミノ(メタ)アクリレートなどを
使用する。 重縮合系水溶性合成高分子としては、ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオキシエチレンオキ
シプロピレングリコールなどのポアルキレンポリ
オール、エチレンジアミンまたはヘキサメチルジ
アミンなどのポリアミンとエピクロルヒドリンと
の重縮合物、水溶性ポリエーテルとポリイソシア
ネートの重縮合された水溶性ポリウレタン樹脂、
ポリヒドロキシメチル尿素樹脂、ポリヒドロキシ
メチルメラミン樹脂などを使用する。 上記水溶性有機高分子化合物(C)のうちでは、カ
ルボン酸あるいはカルボン酸塩基を有するアニオ
ン性付加重合系水溶性高分子を使用するのが好ま
しく、とくにポリアクリル酸、アクリル酸共重合
体、マレイン酸共重合体およびこれらのアルカリ
金属塩を使用するのがよい。ここで、アクリル酸
共重合体とマレイン酸共重合体としては、アクリ
ル酸とマレイン酸同志の共重合体、並びにアクリ
ル酸またはマレイン酸と、メタアクリル酸、メチ
ルメタアクリエート、エチルメタアクリエート、
ヒドロキシエチルメタアクリレート、イタコン
酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドとの共重
合体を使用するのが好ましい。 上記において、アルカリケイ酸塩(A)と、カルボ
ニル基を有する低分子有機化合物(B)と、水溶性有
機高分子化合物(C)との配合比は、つぎのとおりで
ある。 まず(A)+(B)の場合は、、アルカリケイ酸塩(A)1
重量部に対して、カルボニル基を有する低分子有
機化合物(B)を0.1〜5重量部の割合で配合する。 つぎに(A)+(B)+(C)の場合には、アルカリケイ酸
塩(A)1重量部に対して、カルボニル基を有する低
分子有機化合物(B)を0.1〜5重量部、および水溶
性有機高分子化合物を0.01〜5重量部の割合で配
合する。 つぎに、アルミニウムフイン材の表面に予め親
水性と耐食性を有する不地皮膜を形成する場合に
ついて述べる。 (a) 上記下地皮膜が陽極酸化皮膜である場合に
は、アルミニウムフイン材を陽極として種々の
電解液中で酸化し常法によつて陽極酸化皮膜を
形成する。 (b) つぎに下地皮膜が化学皮膜である場合には、
アルミニウム板の表面にこのような化学皮膜を
形成するには、常法によればよいが、なかでも
酸系溶液若しくは40℃〜沸騰温度の脱イオン水
による浸漬ないし噴霧処理または水蒸気処理に
よるのが適当である。 酸系溶液としては、クロム酸、クロム酸塩、
重クロム酸塩、クロム酸・リン酸、リン酸、リ
ン酸塩、チタン酸塩またはタンニン酸−チタン
酸を含む溶液が好ましい。酸系溶液による処理
時間は、一般的に5秒ないし20分間である。 脱イオン水としては蒸溜水も使用可能である
し、また処理液中における金属酸化物の沈澱防
止のために、脱イオン水にトリエタノールアミ
ンのようなアミン類を含有させておくのが好ま
しい。脱イオン水のPHは、6〜13が好ましい。
この範囲外では化学皮膜の形成よりもアルミニ
ウムの溶解の方が進行する。脱イオン水または
水蒸気による処理時間は、通常1〜60分であ
る。 上記のようにしてアルミニウム板の表面に形
成された化学皮膜は、つぎの親水性被覆層の形
成に良好な下地を提供するうえに、親水性と優
れた耐食性を付与するが、酸系溶液による処理
の方が脱イオン水によるそれよりも一層優れた
耐食性を付与する。 (c) さらに下地皮膜が親水性合成樹脂よりなる皮
膜である場合には、親水性合成樹脂としては、
水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂
およびその共重合体、水溶性アルキツド樹脂、
水溶性ポリエステル樹脂、並びに水溶性アミノ
樹脂の少なくとも1種を使用する。ここで、ア
ミノ樹脂は、アミノ基を含む化合物とアルデヒ
ドとの縮合反応によつて得られる樹脂をいい、
具体的にはメラミン樹脂、尿素樹脂およびアニ
リンアミノ樹脂等が含まれる。 上記水溶性合成樹脂は、水に完全に溶解して溶
液となるものおよび水に一部溶解して分散状の溶
液となるものが含まれる。 板状アルミニウム材の表面に、親水性合成樹脂
よりなる皮膜を形成する処理は、上記親水性合成
樹脂を含む水溶液を用いて、浸漬、噴霧または塗
布により行なう。このようにして形成された皮膜
は、親水性とともにすぐれた耐食性を有してい
る。 上記のような下地皮膜の厚みは、たとえば1〜
50μmであるのが好ましい。ここで下地皮膜の厚
みが1μmより薄い場合には耐食性に問題があり、
逆に50μmを越えるとアルミニウム製フイン材の
熱伝導が阻害されるとともに、成形性が悪くな
る。 なお、上記無機材料を含む親水性皮膜は、下地
皮膜の表面に0.1〜10g/m2、好ましくは0.5〜3
g/m2の割合で形成する。ここで、親水性皮膜が
0.1g/m2以上であれば初期の親水性は良好である
が、さらに良好な親水性を維持するためには、
0.5g/m2以上の親水性皮膜を形成するのが好まし
い。また親水性皮膜が10g/m2を越えると、乾燥
に長時間を要するとともに、プレス成形性に悪影
響を与えるので好ましくない。 また場合によつては、上記下地皮膜と親水性皮
膜の密着性の向上と両皮膜の親水性の向上を図る
ために、必要に応じて、下地皮膜を形成するため
の水溶液にシランカツプリング剤やチタンカツプ
リング剤を添加したり、あるいは親水性皮膜を形
成するための水溶液に界面活性剤を添加してもよ
い。ここで、界面活性剤としては、非イオン系界
面活性剤が好適に使用し得る。 また親水性皮膜を形成するための水溶液中に
は、従来より公知の添加剤、たとえば亜硝酸ナト
リウム、ポリリン酸ナトリウム、メタホウ酸ナト
リウムなどの無機系防錆剤、安息香酸およびその
塩、パラニトロ安息香酸およびその塩、シクロヘ
キシルアミン炭酸塩、ベンゾトリアゾールなどの
有機系防錆剤を配合してもよい。 なお、アルミニウム板の表面に上記下地皮膜と
親水性皮膜を形成する処理は、熱交換器に組み立
てる前のコイル状のアルミニウム板に対して行な
つてもよいし、あるいはアルミニウム板よりなる
フインを熱交換器に組み立てた後に、この熱交換
器全体を所定の処理溶液に浸漬することにより行
なつてもよい。 実施例 つぎに、この発明の実施例を比較例とともに説
明する。 実施例 1 アルミニウム板として、厚さ1mm、幅50mmおよ
び長さ100mmのJIS A−1100H24アルミニウム板
を用い、これの表面を2重量%のクロム酸(日本
ペイント社製アロジン)を含む溶液を用いて、30
℃で3分間処理し、アルミニウム板の表面にクロ
メート皮膜を形成した。 つぎにアルカリケイ酸塩2重量%およびグリオ
キサール0.8%を含む水溶液を塗布し、160℃で10
分間、加熱乾燥して、クロメート皮膜の表面に親
水性皮膜を形成し、熱交換器用フイン材を製造し
た。 なお、親水性皮膜の成分においてアルカリケイ
酸塩としては、SiO2/Na2O比が3のものを用い
た。 このようにして得られたアルカリケイ酸塩を含
む親水性皮膜付きアルミニウムフイン材には、そ
の製造直後の段階において既にセメント臭やカビ
臭に似た微弱な特有の異臭が生じていた。 ついで、上記のようにして得られたフイン材の
表面を、非イオン系界面活性剤(高級アルコール
のエチレンオキサイド付加物、およびアルキルフ
エノールのエチレンオキサイド付加物)の0.5重
量%水溶液を用いてシヤワー洗浄することにより
脱臭処理を行なつた。また比較のために、水道水
と、希硝酸水溶液とを用いてそれぞれ同様に脱臭
処理を行なつた。なお参考のために、アニオン系
界面活性剤(高級アルコールの硫酸エステル塩、
およびアルキルベンゼンスルホン酸塩)の1重量
%水溶液と、両性界面活性剤(アミノ酸型両性洗
剤、およびベタイン型両性洗剤)の0.5重量%水
溶液を用いてそれぞれ同様に脱臭処理を行なつ
た。 つぎに、これらのフイン材をプレス成形するこ
とにより所定形状のフインを製作し、さらにこれ
らのフインを用いて熱交換器を組み立て、脱脂処
理をしてプレス油を除去した後に、各熱交換器を
ルームエアコンに組み込んで冷房運転を行ない、
セメント臭やカビ臭に似た異臭が生じるか、否
か、を測定した。得られた結果を下記の表にま
とめて示した。 なお、臭いの評価として、つぎのように記載し
た。 異臭無し:◎異臭全く無し ○異臭無し(若干異臭残る) 異臭有り:×処理前と同じ異臭が有る
【表】 異臭有り:×処理前と同じ異臭が有る
実施例 2 上記実施例1の場合と同じアルミニウム板をプ
レス成形して所定形状のフインを製作し、ついで
このフインを用いて先に熱交換換器を組み立て、
脱脂処理を行なつた。そしてこの熱交換器の表面
に、上記実施例1の場合と同様にしてクロメート
皮膜を形成したのち、アルカリケイ酸塩2重量
%、グリオキサール0.8重量%およびアクリル酸
−アクリルアミド共重合体のナトリウム塩2重量
%を含む水溶液を塗布し、160℃で10分間、加熱
乾燥して、クロメート皮膜の表面に親水性皮膜を
形成した。このようにして得られたアルカリケイ
酸塩を含む親水性皮膜付きアルミニウム製熱交換
器には、やはりその製造直後の段階において既に
セメント臭やカビ臭に似た微弱な特有の異臭が生
じていた。 つぎに、この熱交換器の表面を、非イオン系界
面活性剤水溶液(高級アルコールのエチレンオサ
イド付加物)を用いて浸漬処理することにより脱
臭処理を行なつた。また比較のためにメタノール
水溶液と、オルトケイ酸ソーダ水溶液を用いてそ
れぞれ同様に脱臭処理を行なつた。 その後、各熱交換器をルームエアコンに組み込
んで冷房運転を行ない、セメント臭やカビ臭に似
た異臭が生じるか、否か、を同様に測定し、得ら
れた結果を下記の表にまとめて示した。
【表】 上記表および表から明らかなように、この
発明の方法において、親水性無機材料を含みかつ
異臭が生じる親水性皮膜を有するアルミニウムフ
イン材の表面を、非イオン系界面活性剤水溶液で
洗浄すれば、アルミニウムフイン材の表面に形成
された親水性無機材料を含む親水性皮膜特有のセ
メント臭やカビ臭に似た異臭を完全に除去するこ
とができる。これに対し、参考例のように、同ア
ルミニウムフイン材の表面を、アニオン系界面活
性剤水溶液あるいは両性界面活性剤水溶液で洗浄
すれば、セメント臭やカビ臭に似た異臭をほとん
ど除去することができるが、完全ではなく、若干
異臭が残る。また比較例のように、水道水や希硝
酸水溶液、あるいはまたメタノール水溶液やオル
トケイ酸ソーダ水溶液を用いた場合には、異臭が
ほとんど除去されず、処理前と同じ異臭がある。 これは、つぎのような理由によるものと考えら
れる。 すなわち、アルカリケイ酸塩等の親水性無機材
料を含む親水性皮膜から生じるセメント臭やカビ
臭に似た微弱な異臭は、フイン材表面に付着した
汚れによるものではなく、上記実施例に示すよう
に、アルカリケイ酸塩を含む親水性皮膜付きアル
ミニウムフイン材の製造直後の段階において既に
セメント臭やカビ臭に似た微弱な異臭が生じてい
ることから、アルカリケイ酸塩を含む親水性皮膜
自体から生じる特有の臭いであり、とくにアルカ
リケイ酸塩を含む親水性皮膜は多孔質であること
から、この親水性皮膜の内部に存在する異物によ
るものであると考えられる。 もし、この異臭がフイン材表面に付着した汚れ
によるものであれば、上記比較例に示す水や硝酸
による洗浄によつて、汚れが除去され、同時に異
臭が除去できるはずである。 しかし実際には、比較例の水や硝酸水溶液によ
る洗浄では、アルカリケイ酸塩を含む親水性皮膜
から生じるセメント臭やカビ臭に似た微弱な特有
の異臭は除去できなかつた。 また、界面活性剤水溶液のうち、とくに非イオ
ン系界面活性剤水溶液を選択して用いたのは、つ
ぎの理由による。 すなわち、非イオン系界面活性剤は極性基を有
していないため、金属(アルミニウム)との反応
性がなく、また水すすぎ性(乳化除去性)が良好
であり、従つて親水性皮膜中の皮膜成分以外の異
物を効率良く除去することができるものであり、
しかも洗浄によつて非イオン系界面活性剤水溶液
が皮膜中に残存することが非常に少ない。 これに対し、アニオン系界面活性剤水溶液ある
いは両性界面活性剤水溶液の場合には、アニオン
系界面活性剤および両性界面活性剤は、極性基が
分子の端に位置しているため、金属(アルミニウ
ム)との反応性があり、また非イオン系界面活性
剤の場合と比較して、水すすぎ性(乳化除去性)
が劣るため、水洗後に、親水性皮膜内にこれらの
界面活性剤が残る可能性があり、同時に、異臭の
原因である皮膜成分以外の異物も乳化除去され
ず、わずかに残留する可能性がある。アニオン系
界面活性剤および両性界面活性剤がわずかでも皮
膜内に残留すると、極性基のために、皮膜表面が
活性な状態となり、後工程での汚染物の吸着が起
こりやすいと考えられる。なお、非イオン系界面
活性剤水溶液で洗浄した場合には、非イオン系界
面活性剤水溶液が皮膜中に残存しないため、この
ような汚染物の吸着は起こり難いものと考えられ
る。 発明の効果 この発明による熱交換器用アルミニウムフイン
材の表面処理法は、上述のように、親水性無機材
料を含みかつ異臭が生じる親水性皮膜を有するア
ルミニウムフイン材の表面を、非イオン系界面活
性剤水溶液で洗浄することにより、上記親水性皮
膜の異臭の発生を阻止することを特徴とするもの
で、この発明の方法によれば、親水性無機材料を
含む親水性皮膜付きアルミニウムフイン材特有の
セメント臭やカビ臭に似た微弱な異臭を完全に除
去することができ、これによつてルームエアコン
等の運転のさいにおける居住環境の悪化を有効に
防止し得るという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 親水性無機材料を含みかつ異臭が生じる親水
    性皮膜を有するアルミニウムフイン材の表面を、
    非イオン系界面活性剤水溶液で洗浄することによ
    り、上記親水性皮膜の異臭の発生を阻止すること
    を特徴とする、親水性皮膜を有する熱交換器用ア
    ルミニウムフイン材の表面処理法。
JP9428185A 1985-04-30 1985-04-30 親水性皮膜を有する熱交換器用アルミニウムフイン材の表面処理法 Granted JPS61253390A (ja)

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