JPH0416093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は、空気調和機の室外ユニツトに関す
る。

［考案の技術的背景とその問題点］ スプリツト形空気調和機の室外ユニツトにあつ
ては、従来から第６図および第７図に示すような
１台当たりの据付スペースを小さくしたものが用
いられている。

詳しくは、室外ユニツトのユニツト本体ａ内の
長手方向一側に機械室ｂを設け、また他側の周側
にＬ字状の室外側熱交換器ｃを上下垂直方向に沿
つて設置して室外側熱交換器ｃの周囲を吸込口と
し、さらに室外側熱交換器ｃと対向するユニツト
本体ａの前面に吹出口ｄを設ける他、その吹出口
ｄの内側に送風機ｅを設けて、ユニツト本体ａの
据付面積を小さくする構造が用いられていた。

ところが、こうした室外ユニツトは、確かに単
独で据付けるきは小さな据付スペースですむもの
の、後面から吸込んで前面から吹出すために、複
数台を横に並べて集中して据付けようとすると、
第８図に示すようにサービススペースｔ、吹出し
に必要なスペースｕならびに吸込みに必要なスペ
ースｖの他に、各隣接する室外ユニツト間上に、
熱交換した風が相互に干渉しないだけのスペース
ｗを余分に取らなければならない。このため、集
中して据付ける場合、実据付スペース（Ａ距離×
Ｂ距離）が大きくなつてしまう欠点があつた。

［考案の目的］ この考案はこのような問題に着目してなされた
もので、その目的とするところは、少ない実据付
スペースで、複数台のユニツト本体を集中的に据
付けることができる空気調和機の室外ユニツトを
提供することにある。

［考案の構成および作用］ この考案は、幅寸法に対し奥行き寸法および高
さ寸法を長く構成された箱形のユニツト本体と、
このユニツト本体上面部に形成された吹出口と、
このユニツト本体に形成された上部が前記吹出口
と連通する通風路と、ユニツト本体内の通風路上
部に前記吹出口に対向して設置された送風機と、
ユニツト本体内の床面より所定寸法高い通風路中
段部にこの通風路を上下方向に遮りかつ奥行き方
向に断面Ｖ字状となるよう配設された室外側熱交
換器と、このユニツト本体内の奥行き方向一側端
に前記室外側熱交換器を収容する通風路と仕切板
を介して前後に区画して配設された圧縮機、電気
部品箱などを収容した機械室と、ユニツト本体の
奥行き方向左右両側面と、機械室が設置されたユ
ニツト本体と反対側の側面の下段部分にそれぞれ
形成された前記室外側熱交換器の空気吸込側の通
風路に連通する吸込口とを設けて空気調和機の室
外ユニツトを構成させたことにある。

これにより、複数台の室内ユニツトを集中して
据付けるときは、機械室が同一位置で並ぶよう、
幅方向に複数の室外ユニツトをユニツト本体同志
が密接するように横方向に連続して据付けるとい
う、ユニツト間のスペースをなくした据付けがで
きる。しかも、室外ユニツト本体が幅寸法に対し
奥行き寸法および高さ寸法を大きく構成された箱
形であるため、幅方向へ複数台並設しても全体の
幅寸法を小さく押さえることができコンパクトな
据付けが可能となる。さらに、こうして並べて据
付けることにより、各ユニツト本体の機械室は同
一位置で横一列に並ぶので、各室外ユニツト本体
の機械室に対する電気配線、室内ユニツトとの配
管接続等の処理が配列にならつて施行工事を行な
えばよく、据付けに必要な作業を合理的に行なう
ことができ、据付作業が容易となる。そのうえ、
据付け後のメンテナンス作業が効率良く行なえ
る。また、室外側熱交換器には、ユニツト本体の
奥行き方向左右両側面と、機械室が設置されたユ
ニツト本体と反対側の側面の下段部分にそれぞれ
形成された前記室外側熱交換器の空気吸込側の通
風路に連通する吸込口から空気が取り入れられる
ため、並べて据付けられても、各室内ユニツトの
通風路の吸込空気量は、十分確保できる。

［考案の実施例］ 以下、本考案を第１図ないし第５図に示す一実
施例に基づいて説明する。第１図はこの考案を適
用した室外ユニツトの全体を示し、第２図はその
室外ユニツトの側面図を示し、第３図は、その室
外ユニツトの通風路側の背面断面図を示してお
り、１は箱形のユニツト本体であり、この箱形ユ
ニツト本体１は、寸法が幅寸法に対し奥行き寸法
および高さ寸法を長く構成された形状としてい
る。このユニツト本体１内は、仕切板２により奥
行き方向から見て前後に２つの区画した空間を形
成し、このうち一側端（以下前面という）側の空
間を機械室３として構成させている。

この機械室３内には圧縮機４、電気部品箱５、
四方弁６などの機器が収容されている。また、ユ
ニツト本体１の上面部には、２つの吹出口７，７
が設けられている。

一方、ユニツト本体１の機械室３と隣接する奥
行き方向の面（以下側面という）もう一方の区画
された空間に対応するユニツト本体の左右の両側
面には、中段部分から下段までに渡る開口を形成
する吸込口８ａ，８ａ（第１の吸込口）がそれぞ
れ設けられている。また、機械室が設置されたユ
ニツト本体と反対側の側面（以下背面という）の
下段にも、開口を形成する吸込口８ｂ（第２の吸
込口）が設けられている。

こうしてユニツト本体内部には、前記機械室３
と仕切板２を介して区画され、ユニツト本体１の
側面および背面に形成する各吸込口８ａ，８ａ，
８ｂ、およびユニツト本体１の上面に形成する吹
出口７とそれぞれ連通する通風路９を構成させて
いる。

この通風路９には、Ｖ字状の室外熱交換器１０
が設けられている。この室外側熱交換器１０は、
２つの平板形の空気熱交換器をＶ字状に組み立て
て構成される。この室外側熱交換器は、ユニツト
本体内の床面より所定寸法高い通風路中段部にこ
の通風路を上下方向に遮りかつ奥行き方向に断面
Ｖ字状となるよう、各端部が配設吸込口８ｂの上
段となる背面側板面部分と、これに対向する仕切
板２の板面部分とに当接するように取りつけられ
ている。これにより、室外側熱交換器は、空気吸
込側の通風路９に各吸込口８ａ，８ａ，８ｂが連
通するように構成され、また、空気吹出側の通風
路９に吹出口７が連通するよう構成される。つま
り、室外側熱交換器１０は、吸込口８ａ，８ａか
ら吸込まれる外気および吸込口８ｂから吸込まれ
る外気で、熱交換が行われるようになつている。
なお、室外側熱交換器１０の上端部は各吸込口８
ａ，８ａの上端部のユニツト本体１の側面板に密
着的に接合し、両端部は、仕切板２およびユニツ
ト本体１の背面板に密着的に接合し吸込まれた空
気が、熱交換器を介して上方へ導かれるように構
成させている。

また、吹出口７，７と室外側熱交換器１０との
間の通風路９には、たとえばプロペラフアン１１
ａをフアンモータ１１ｂの回転軸に連結してなる
送風機１１が設けられている。これにより、通風
路９への外気を強制的に取入れて、室外側熱交換
器１０に外気を当てるようにしてある。

一方、室外側熱交換器１０の下端部を構成する
密接部の直下には、室外側熱交換器１０で生じる
ドレン水を受けるためのドレン皿１２が室外側熱
交換器１０の長手方向に設けられている。また、
この高い位置に配したドレン皿１２の下面部に
は、Ｌ字状管のドレンパイプ１３が回転自在に連
結されていて、ユニツト本体１の底部床面との高
さで生じるヘツド差でもつて、水平方向の任意
（自由）な位置へドレン水を排出することができ
る構造としている。なお、図示はしないがドレン
皿１２はドレン水がドレンパイプ１３側へ導かれ
るように若干傾斜いている。

そして、こうした構造にて１台当りの据付スペ
ースが小さい室外ユニツトを構成させている。

しかして、このように構成された室外ユニツト
は、送風機１１，１１を作動させることにより、
ユニツト本体１の下部から外気が吸込口８ａ，８
ａ，８ｂを通じて吸込まれる。この空気が室外側
熱交換器１０を通過しながら流通路９を流れ、室
外側熱交換器１０と熱交換する。そして、熱交換
後の空気が吹出口７からユニツト本体１の上方へ
吹出される。

しかして、複数台の室外ユニツトを集中して据
付けるときは、第４図および出し５図に示される
ように各ユニツト本体１を、機械室３が同一位置
で並ぶように、吸込口８ａがある側の側面同志を
密接させて幅方向に連接させて据付けを行なう。

このようにして複数台の室外ユニツトを据付け
ると、従来、必要であつたユニツト本体間におけ
る風の相互干渉を防ぐためのスペースが全くいら
なくなる。

つまり、据付スペースとしては、第５図に示す
ように、ユニツト本体１……の大きさに両側にお
ける吸込みに必要なスペースｖにサービススペー
スｔを加えただけの従来に比べて格段に小さい据
付スペース（Ｃ距離×Ｄ距離）ですむ。

したがつて、複数台の室外ユニツトを、少ない
実据付スペースで、集中的に据付けることができ
る。

しかも、各室外ユニツトの機械室３は同一位置
で横一列に並ぶので、各室外ユニツトの機械室３
……に対する電気配線、配管接続などは、配列に
ならつて施工工事を行えばよく、据付けに必要な
作業を合理的に行なうことができる。つまり、室
外ユニツトを据付ける際の作業も容易である。

また、通常、複数台の室外ユニツトを据付ける
場合、その分、機械室３におけるメンテナンスが
面倒になりやすいが、上記のようにして室外ユニ
ツトを据付けると、各機械室３……は横一列に並
ぶのでメンテナンスがしやすい。

この他、ドレンの配管も簡単になる。すなわ
ち、室外側熱交換器１０の下部にドレン皿１２を
設けるとともに、ドレン皿１２に回転自在なドレ
ンパイプ１３を設ける構造の採用により、第４図
に示すように、たとえば各室外ユニツトの側方に
１本のドレン排水用ヘツダーパイプ１４を配管
し、これに対して室外ユニツトの各ドレンパイプ
１３……の方向を定めて接続さえすれば、室外ユ
ニツトの集中的な据付けに応じた、余分な配管を
必要としない配管工事でもつてドレン水を集中し
て排水させることができる。特に、通常の室外ユ
ニツトではユニツト本体１の底部床面をドレン皿
を兼ねているために、ドレン水を排出するのに必
要なヘツドが取り難いが、先に述べたように中段
に配置した室外側熱交換器１０の下部空間（室外
側熱交換器１０とユニツト本体１の底部床面との
間）にドレン皿１２を設けて、ドレン皿１２を高
い位置に定めているために、容易にかつ充分なヘ
ツド差を取ることができる。このため、配管工事
が簡単でありながら、排出性は極めてよい。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、複数台
の室内ユニツトを集中して据付けるときは、機械
室が同一位置で並ぶよう、幅方向に複数の室外ユ
ニツトをユニツト本体同志が密接するように横方
向に連続して据付けるという、ユニツト間のスペ
ースをなくした据付けができる。しかも、室外ユ
ニツト本体が幅寸法に対し奥行き寸法および高さ
寸法を大きく構成された箱形であるため、幅方向
へ複数台並設しても全体の幅寸法を小さく押さえ
ることができ全体的にコンパクトな据付けが可能
となる。さらに、こうして並べて据付けることに
より、各ユニツト本体の機械室は同一位置で横一
列に並ぶので、各室外ユニツト本体の機械室に対
する電気配線、室内ユニツトとの配管接続等の処
理が配列にならつて施行工事を行なえばよく、据
付けに必要な作業を合理的に行なうことができ、
据付作業が容易となる。そのうえ、据付け後のメ
ンテナンス作業も効率良く行なえる。また、室外
側熱交換器には、ユニツト本体の奥行き方向左右
両側面と、機械室が設置されたユニツト本体と反
対側の側面の下段部分にそれぞれ形成された前記
室外側熱交換器の空気吸込側の通風路に連通する
吸込口から空気が取り入れられるため、並べて据
付けられても、各室内ユニツトの通風路の吸込空
気風量は、十分確保できるといつた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
し、第１図は室外ユニツトの全体を示す斜視図、
第２図はその側面図、第３図は第１図Ａ〜Ａ線に
沿う背面図、第４図は室外ユニツトを集中的に据
付けた状態を示す斜視図、第５図はその据付けに
必要な実据付スペースを示す平面図、第６図は従
来の室外ユニツトを示す斜視図、第７図はその側
断面図、第８図はその据付に必要な実据付スペー
スを示す平面図である。 １……ユニツト本体、３……機械室、７……吹
出口、８ａ……吸込口、８ｂ……吸込口、９……
通風路、１０……室外側熱交換器、１１……送風
機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幅寸法に対し奥行き寸法および高さ寸法を長く
   構成された箱形のユニツト本体と、このユニツト
   本体上面部に形成された吹出口と、このユニツト
   本体に形成された上部が前記吹出口と連通する通
   風路と、ユニツト本体内の通風路上部に前記吹出
   口に対向して設置された送風機と、ユニツト本体
   内の床面より所定寸法高い通風路中段部にこの通
   風路を上下方向に遮りかつ奥行き方向に断面Ｖ字
   状となるよう配設された室外側熱交換器と、この
   ユニツト本体内の奥行き方向一側端に前記室外側
   熱交換器を収容する通風路と仕切板を介して前後
   に区画して配設された圧縮機、電気部品箱などを
   収容した機械室と、ユニツト本体の奥行き方向左
   右両側面と、機械室が設置されたユニツト本体と
   反対側の側面の下段部分にそれぞれ形成された前
   記室外側熱交換器の空気吸込側の通風路に連通す
   る吸込口とを具備してなることを特徴とする空気
   調和機の室外ユニツト。