JPH04152861A - 栄養補給用栄養組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 り粟上皇肌里公國 本発明は、外科的手術の前後、或いは内科的疾患のさい
等において、栄養補給を必要とする対象者に補給する薬
剤的活性を有する栄養組成物に関する。

肢１１℃１量 従来、種々の栄養組成物が外科的領域及び内科的領域で
使用されている。この栄養組成物中には、脂質や蛋白質
等多くの栄養成分が含まれている。

そのうち、脂質は、極めて速やかに消化・吸収される中
鎖脂肪酸トリグリセリドやリノール酸含量の高い大豆油
、コーン油、サフラワー油等より構成されている。脂質
の必須脂肪酸はリノール酸が主体であり、リノール酸と
同様にヒト体内で生合成されない必須脂肪酸であるα−
リルイン酸はごく少量しか含まれていない。α−リルイ
ン酸のヒトにおける欠乏症としては知覚異常等の神経症
状や皮膚炎が報告され、さらに、近年ω３系列（α−リ
ルイン酸系）の脂肪酸とその代謝産物の生理機能が解明
され、ω−３系列代謝の出発物質であるα−リルイン酸
の役割の重要性が認識されてきた。すなわち、α−リル
イン酸やその代謝産物であるエイコサペンクエン酸及び
ドコサヘキサエン酸は血清脂質の改善や抗血栓作用、抗
炎症作用、降圧作用、免疫抑制作用、腫瘍転移の抑制傾
向等を示し、各種疾患の防止・改善効果に期待が寄せら
れている。

上述の如く、現在、市販の栄養組成物ではα−リルイン
酸含量が少なく、リノール酸のみに重点がおかれて設計
されているため、バランスがとれた組成物であるとは認
めがたい、また、経管栄養法の進歩に伴い、外科手術早
期から栄養組成物の使用が可能となり、さらに在宅経管
栄養法の普及とともに、経管栄養剤の使用期間も長期化
してきており、ω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸比のバラン
スの良い栄養組成物が望まれている。

たん白質はアミノ酸組成やたん０価、吸収性等を考慮し
、乳たん白質、大豆たん白質、卵たん白質等が用いられ
ている。あるいは、これらの分解物またはアミノ酸もし
くはこれらの組合せも用いられている。大豆たん白質も
しくはその分解物或いは大豆たん白質と乳たん白質との
組合せによる窒素源は血清脂質の改善作用、降圧作用等
が報告されている。また、血清脂質はリノール酸やαリ
ルン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等
の多価不飽和脂肪酸により改善されることは周知の通り
であり、たん白質など各種の窒素源と脂質との組合せに
より、薬理的活性を有する栄養組成物への期待が寄せら
れている。

他方、経口及び経管栄養において最も頻度の高い副作用
は下痢であり、特に手術施行後の施行例においては２０
％前後に経験され、下痢は予セ、外に患者および医療従
事者を悩ませている大きな問題となっている。このこと
から、これまでの経口及び経管栄養組成物の開発目標は
、常に下痢発生の防止にあったと言っても過言ではない
。

栄養施行時に下痢が発生すれば、栄養組成物の注入速度
をおとす処置がとられ、最悪の場合には投与を中止せざ
るを得ない。この場合、患者に必要充分な熱量を与えら
れないために、非生理的とされる静脈栄養補給を行わざ
るを得ない。従って、下痢の発生を抑える栄養組成物の
開発は早急に解決しなければならない課題である。

が”　しよ゛と　る 本発明者らは、下痢の発生頻度が低く、かつ薬剤的活性
を有する栄養組成物について鋭意検討を進めた結果、栄
養組成物中の脂質の脂肪酸とじて６−リルイン酸、エイ
コサペンクエン酸、ドコサヘキサエン酸なとのω３系脂
肪酸とリノール酸なとωθ系脂肪酸とを含む組成の脂肪
を用い、その比率をω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸１７６
以上とすると、血清脂肪酸のω３系脂肪酸／ω６系脂肪
酸比の低下を抑制し、下痢の発生を防止するなど多くの
薬剤的活性を有することを見出し、さらに、この活性が
たん白質として乳たん白質と大豆たん白質とを特定の比
率、すなわち乳たん白質／大豆たん白質１７３〜３／１
とするといちじるしく高まることを見出した０本発明は
、これらの知見に基づいてなされたものである。

すなわち、本発明は、外科的領域及び内科的領域等で使
用される薬剤的活性を有する経口経管栄養組成物を従供
することを課題とする。

ｉ　　　゛　るための 本発明に係る栄養組成物は、特定の脂質及びたん白質を
一定の割合で組合せることを特徴とする。

すなわち、脂質として、中鎖脂肪酸０〜６０％、ω３系
脂肪酸３〜２０％及びω６系脂肪酸１０〜４０％を含み
、ω３系脂肪酸とωθ系脂肪酸との比率がω３系脂肪酸
／ω６系脂肪酸１７６以上である脂肪酸組成の脂質を使
用する。また、たん白質として、乳たん白質と大豆たん
白質とよりなり、両者の比率が乳たん白質／大豆たん白
質１７３〜３／１のたん白質を使用する。

脂質は適応患者、特に、消化器外科手術後の患者は消化
吸収が著しく低下していることから、極めて速やかに消
化・吸収される中鎖脂肪酸トリグリセリドを用い、好適
には脂肪酸組成中力プリル酸を０〜６０重量％含有させ
、さらに好ましくは２０〜６０重量％含有させる。これ
と共に、ω３系脂肪酸、特に好ましくはα−リルイン酸
３〜２０％及びω６系脂肪酸、特に好ましくはリノール
酸を脂肪酸組成中１０〜４０重量％を有し、ω３系脂肪
酸／ω６系脂肪酸の比率が１／６以上、好ましくは２７
１〜１１５とする。ω３系脂肪酸はα−リノレン酸、エ
イコサンペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸より選ばれ
るものであり、ω６系脂肪酸はリノール酸である。本発
明ではこれらの脂肪酸を含有する動植物油脂を使用する
。ω３系脂肪酸及びω６系脂肪酸を含有する油としては
、シソ油、エゴマ油、アマニ油、キリ油、魚油、サフラ
ワー油、コーン油、大豆油、ナタネ油などの食用油を例
示し得る。

また所望のω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸比を得るために
は、これらの２種又はそれ以上の組合せより構成し得る
。

たん白質（窒素源）としては乳たん白質、大豆たん白質
、卯たん白質等及びその分解物、脂肪族アミノ酸、オキ
シアミノ酸、含硫アミノ酸、芳香族アミノ酸などの中性
、酸性及び塩基性アミノ酸を例示し得る。好ましくは、
消化・吸収がよく良質である乳たん白質及び大豆たん白
質を用い、下痢の発生防止、信性の改善、薬理的活性、
循環器系疾患、慢性疾患の立場から、乳たん白質と大豆
たん白質の混合比率は１：３〜３：１とする。

なお、本発明の組成物を構成するＩＮ質としては、浸透
圧等をあげないためにデキストリン、蔗糖、グルコース
、ガラクトース、マルトース等を例示することができ、
その他ミネラルとしはＮａ、　ＫＣａ、　Ｍｇ、　Ｐ、
　Ｃ１，Ｆｅ、　Ｚｎ、　Ｃｕ、　Ｍｎ、　１等を、ま
た、ビタミンとしてはＡ、　Ｄ、　Ｅ、　Ｋなどの脂溶
性ビタミンやＢ、、　Ｂ２．　Ｂ、、　Ｂ、□、Ｃ１パ
ントテン酸、ニアシン、ビオチン、葉酸等の水溶性ビタ
ミンを例示し得る。

本発明の栄養組成物は、粉末状、或いは液状であり、状
況に応して経口又は経管で処方することができる。

以下に実施例及び試験例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。

（実施例） 実施例１ 下記配合組成の液状組成物を調製した。

成分組成　　　　　　　　　　ｇ／１００ｍ酸カゼイン
　　　　　　　　　　３．８５分離大豆たん白質　　　
　　　　　１．２９デキストリン　　　　　　　　　　
１６．１６大豆油　　　　　　　　　　　　　０．８２
エゴマ油　　　　　　　　　　　　０．１６中鎖脂肪酸
トリグリセリド（ＭＣＴ）　　１．０２高純度大豆リン
脂質　　　　　　　０．１６ミふシル類　　　　　　　
　　　　０．６０ビタミン類　　　　　　　　　　　　
０．０６精製水　　　　　　　　　　　　８２．６　ｇ
この脂質の脂肪酸組成は、カプリル酸４２．５％、α−
リノレン酸７．６％、リノール酸２５．８％よりなり、
ω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸は０，２９であった。

また、酸カゼインと分離大豆たん白質との比率は３．０
であった。

実施例２ 下記配合組成の粉末組成物を調製した。

成分組成　　　　　　　　　　重量％ 酸カゼイン　　　　　　　　　　　　５．３９分離大豆
たん白質　　　　　　　１６．１７メチオニン　　　　
　　　　　　０．３１デキストリン　　　　　　　　　
　６６．１４大豆油　　　　　　　　　　　　２．４３
魚油′ａ縮物　　　　　　　　　　２．５３パーム油　
　　　　　　　　　　２．８８高純度大豆リン脂質　　
　　　　１．０３ミネラル類　　　　　　　　　　　３
．００ビタミン類　　　　　　　　　　　　０．１２こ
の脂質の脂肪酸組成は、カプリル酸６５％、α−リノレ
ン酸３．２％、リノール酸２５．７％よりなり、ω３系
脂肪酸／ω６系脂肪酸は０．６であった。また酸カゼイ
ン／分離大豆たん白質は０．３３であった。

（試験例） 次に、本発明の栄養組成物の効果を試験例を用いて説明
する。

Ｗｉｓｔａｒ系雄ラット　（体重２００ｇ程度）を−晩
絶食させ、全身麻酔下で開腹し、小腸の約６０％を切除
した小腸切除モデルを作成した。このラットに対して、
試験栄養組成物をＩＫｃａ　１２　／ｌａｔ濃度で１３
日間経口投与して効果を試験した。

試験に用いた組成物の１００Ｋｃａ　ｌ　７１００ｄに
おける組成を表１に示した。栄養組成物（Ａ）は本発明
の実施例１の組成物であり、ω３系脂肪酸／ω６系脂肪
酸比は１０／３３．９５である。栄養組成物（Ｂ）は、
脂質が中鎖脂肪酸トリグリセリドと大豆油より構成され
、ω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸の比率が０．１４であり
、窒素源は乳たん白質、乳清たん白質、大豆たん白質で
ある市販栄養剤である。栄養組成物（Ｃ）は脂質がコー
ン油のみにより構成され、ω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸
の比率が０．０４であり、窒素源はカゼインと、大豆た
ん白質よりなる市販栄養剤である。なお、各試験栄養剤
投与のラット四散はそれぞれ８匹ずつとした。

上記試験の結果図１〜図３に示した。

図１は、各栄養組成物の投与終了後の血清中の脂肪酸分
画におけるω３系脂肪酸（α−リルイン酸、エイコサペ
ンタエン酸及びドコサヘキサエン酸）とω６系脂肪酸（
リノール酸及びアラキドン酸）の比を示したものである
。本発明の栄養組成物である（Ａ）が、他の市販栄養組
成物（Ｂ）及び（Ｃ）に比較して、ω３系脂肪酸／ω６
系脂肪酸比が高値となった。これは、本発明の栄養組成
物（Ａ）が血清中の脂肪のω３系の脂肪酸／ω６系脂肪
酸比率の低下を抑制する効果を示すものである。

図２は栄養状態の指標として一般的に用いられている血
清中のアルブミン値を示したものである。

本発明の栄養組成物（Ａ）を投与した場合が他の栄養組
成物（Ｂ）及び（Ｃ）を投与した場合に比較して高値で
あり、これは本発明の栄養組成物（Ａ）が最も栄養価が
高いことを示すものである。

図３は血清総コレステロールを示したものである。

血清コレステロールの上昇は動脈硬化などの循環器系疾
患の発現因子の１つであると言われているが、今回、栄
養組成物（Ｃ）の投与によりコレステロール値は著明に
上昇した。一方、本発明の栄養組成物（Ａ）では上昇は
みられず、生理的範囲を維持し、上昇の抑制効果が認め
られた。

表２及び図４は各試験栄養組成物投与時における各日の
信性状の累積値を示したものである。本発明の栄養組成
物（Ａ）は、他の栄養剤（Ｂ）及び（Ｃ）に比較して投
与期間を通じて下痢の発生を抑制して便の性状が良好で
あることが示された。

表２　各試験栄養組成物投与中の信性状投与期間中の延
べ発生回数 （回） 上述の動物試験の結果から認められるように、外科手術
後を代表とする患者などに本発明の栄養組成物を投与す
ると、血清中脂肪酸のω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸比の
低下を防止し、さらに治療上、医療従事者が難渋する下
痢の発生を抑制し、栄養状態を良好に保つことが可能と
なる。

なお、実施例（２）の栄養組成物も同様な薬理的活性を
有することが確かめられた。

【図面の簡単な説明】

図１は本発明（Ａ）並びに比較例（Ｂ）及び（Ｃ）の各
栄養組成物を投与した場合の血清中脂肪酸のω３系脂肪
酸／ω６系脂肪酸の比を示し、図２は同じく血清中アル
ブミン値、図３は血清コレステロール値を示したもので
ある。 図４は各栄養組成物の投与各日の信性の述べ累積パター
ンを示したものである。 図中、＊＊はｐ＜０．０１　、牢はｐ＜０．０５を示す
。 組成物 組成物 組成物 （＾） （Ｂ） （Ｃ） ＊＊：ｐ＜００１ ＊ ｐ＜０．０５ 第１図 組成物　組成物　組成物 （Ａ）　　　（Ｂ）　　　（Ｃ） ＊　：　ｐ＜０．０５ （Ａ）　　　　（’Ｂ）　　　　（Ｃ）＊＊：有意差あ
りｐ＜０．０１

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）脂肪酸の組成中、中鎖脂肪酸０〜６０％、ω３系
   脂肪酸３〜２０％及びω６系脂肪酸１０〜４０％を含み
   、かつω３系脂肪酸／ω６系脂肪酸の比率が１／６以上
   である脂質、たん白質もしくはその分解物或いはアミノ
   酸、糖質、ミネラル及びビタミンを主成分とする栄養補
   給用栄養組成物。
2. （２）たん白質が乳たん白質と大豆たん白質とよりなり
   、両者の比率が乳たん白質／大豆たん白質１／３〜３／
   １である請求項（１）記載の栄養補給用栄養組成物。
3. （３）中鎖脂肪酸がカプリル酸であり、ω３系脂肪酸が
   α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサ
   エン酸よりなる群から選択される少なくとも１種の脂肪
   酸であり、ω６系脂肪酸がリノール酸である請求項（１
   ）または（２）に記載の栄養補給用栄養組成物。
4. （４）ω３系脂肪酸がα−リノレン酸、ω６系脂肪酸が
   リノール酸である請求項（１）〜（３）のいずれかに記
   載の栄養補給用栄養組成物。
5. （５）ω３系脂肪酸とω６系脂肪酸との比率がω３系脂
   肪酸／ω６系脂肪酸２／１〜１／５である請求項（１）
   〜（４）のいずれかに記載の栄養補給用栄養組成物。