JPH04134138U - ３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ３相電源に複数の単相負荷を接続する際、特
定の相間に集中して接続されることを自動的に阻止でき
る３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置を得る
ことを目的とする。 【構成】 ３相電源用ソケットに挿入される単相用電源
プラグに３相電源の各相に接続される３本のラインを設
け、この３本のラインと単相負荷からの２本のライン間
に相切替手段を介挿し、３相電源の相電圧の最も高い
相、または、最も電流の少ない相を検出してこの検出し
て得た相に上記相切替手段を介して単相負荷を自動的に
接続するようにした３相電源に対する単相負荷の自動切
替接続装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置、特に衣類プレス機の ボイラー加熱装置等の単相負荷を３相電源に接続するための自動切替接続装置に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６は従来の３相電源から単相負荷を取り出す一般的な回路を示し、１ａ〜１ ｃは夫々３相電源の各相ライン、２は単相負荷である。この単相負荷２は例えば 衣類プレス機のボイラー加熱装置であり、このボイラー加熱装置は受水タンクか ら給水ポンプで缶体に送られた水をヒータで加熱して蒸気を発生し、この蒸気を 蒸気ポートからアイロンに送るようにしたものである。この場合には図６に示す ようにボイラー内の圧力検出回路３と、圧力スイッチ４と、制御回路５と、ヒー タ６とより成る。

【０００３】 一般に上記３相電源の各相ラインは使用現場に設けたソケットの３個の端子に 夫々接続されており、衣類プレス機のボイラー加熱装置等の単相負荷の２つのラ インは上記ソケットに差し込まれる同じく３個の端子を有する電源プラグの特定 の２個の端子に接続されているため上記単相負荷の複数を３相電源に接続した場 合には総て同一の２つの相ラインにのみ接続されることになり、また電源プラグ の３個のうちの任意の２個の端子に単相負荷が接続されている電源プラグを用い たとしても３相電源の特定の２つの相ラインに単相負荷が集中して接続される可 能性がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような場合には、この特定の２つの相ラインに対応する容量の３相電源設 備を用意する必要があり極めて不経済となる。また、単相負荷を必要とするため 単相の電圧降下が発生し、３相電源設備にアンバランス負荷となる等の欠点があ った。

【０００５】 本考案は上記の欠点を除くようにしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置は３相電源に接続され 、３相の相間電圧または相電流を判定する手段と、３相ラインに単相負荷の２つ のラインを選択的に切替接続するための切替手段と、上記相電圧の最も高い相ま たは相電流の最も少ない相に上記単相負荷の２つのラインを接続するため上記相 電圧または相電流判定手段からの出力に応じて上記切替手段を自動制御する自動 制御手段とより成ることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置においては単相負荷が 接続される際、切替手段によって自動的に相電圧の最も高い相、または相電流の 最も少ない相に自動的に接続されるようになる。

【０００８】

【実施例】

以下図面によって、従来例と同一箇所には同一符号を付し、重複説明は省略し て、本考案の実施例を説明する。

【０００９】 本考案においては図１に示すように３相電源のソケットに差し込まれる電源プ ラグの３個の端子には３本のリード線７ａ〜７ｃを夫々接続し、この３相用の３ 本のリード線７ａ〜７ｃと単相負荷に接続した単相用の２本のリード線８ａ，８ ｂ間に相切替手段９を介挿し、上記電源プラグの各ライン７ａ〜７ｃを介して相 間電圧を検出する相間電圧検出手段１０を設け、この相間電圧検出手段１０から の出力に応じて上記相切替手段９を制御して上記単相用の２本のリード線８ａ， ８ｂを上記３本の３相用リード線７ａ〜７ｃのうちの最も相間電圧の高いものに 自動的に切替接続せしめる。なお、１７は従来の衣類プレス機のボイラー加熱装 置を改良して、新たに相切替手段９と相間電圧検出手段１０とを付加したボイラ ー加熱装置である。

【００１０】 本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置の具体例においては図 ２に示すように３相電源のｕ，ｖ，ｗ相の２つの相間に夫々減圧用トランスＴＲ ａ〜ＴＲｃを介してダイオードＤと、ＲＣより成る平滑フィルターと、電圧検出 抵抗Ｚとより成る３個の整流回路１１ａ〜１１ｃを接続し、この３個の整流回路 １１ａ〜１１ｃからの出力電圧を夫々３個のコンパレータ１２ａ〜１２ｃを介し てデコーダ１３に加え、デコーダ１３の出力をラッチ回路１４を介して３個のオ アゲート１５ａ〜１５ｃに加え、この３個のオアゲート１５ａ〜１５ｃによりト ランジスタＱａ〜Ｑｃを介して各相に対応するリレーＲＬａ〜ＲＬｃを附勢する ようにする。なお、減圧用トランスＴＲａ〜ＴＲｃ・整流回路１１ａ〜１１ｃ・ コンパレータ１２ａ〜１２ｃとにより相間電圧検出手段１０を形成しており、デ コーダ１３・ラッチ１４・オアゲート１５ａ〜１５ｃ・トランジスタＱａ〜Ｑｃ ・リレーＲＬａ〜ＲＬｃとにより相切替手段９を形成している。

【００１１】 また上記リレーＲＬａ〜ＲＬｃの各リレーの常閉接点と常開接点１６ａ〜１６ ｃを３相電源の各相に接続した３相用の３本のリード線７ａ〜７ｃと単相用の２ 本のリード線８ａ，８ｂ間に介挿し、上記圧力検出回路３に出力が生じた都度上 記単相負荷２の制御回路（自動制御手段）５を介して上記ラッチ回路１４を附勢 し、その時の相電圧の最も高い相に単相負荷が接続されるようにする。

【００１２】 なおＱは電源Ｖｃｃと各リレーＲＬａ〜ＲＬｃ間に接続したパワートランジス タ、Ｒ_{1 ,} Ｃ₁ はこのパワートランジスタＱのベースと制御回路５間に接続した 遅延フィルタ用の抵抗とコンデンサを示す。

【００１３】 本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置は上記のような構成で あるからｕ−ｖ相間の相電圧をＡ、ｖ−ｗ相間の相電圧をＢ、ｗ−ｕ相間の相電 圧をＣとし、コンパレータ１２ａ〜１２ｃの出力レベルをＨまたはＬとすれば相 電圧Ａ〜Ｃの電圧順位、コンパレータ１２ａ〜１２ｃの出力レベル及びデコーダ １３の出力順位は全体として図３のテーブルに示すようになり、そのフローチャ ートは図４に示すようになる。

【００１４】 電源がＯＮされると各相電圧がコンパレータ１２ａ〜１２ｃで比較され、図３ のテーブルに従って最高電圧が判断される。即ちリレーＲＬａがＯＮ時に単相負 荷２はＡ相に接続され、ＲＬｂがＯＮ時にＢ相に接続され、ＲＬｃがＯＮ時にＣ 相に接続される。

【００１５】 なお、ボイラーのヒータがＯＮしていなければＱがＯＮせず、どのリレーもＯ Ｎしない。またヒータがＯＮした時、ラッチ回路１４の状態をラッチし、トラン ジスタＱａ〜ＱｃのどれかがＯＮし、抵抗Ｒ₁ ，コンデンサＣ₁ による時定数だ け遅れてからトランジスタＱがＯＮし、リレーＲＬａ〜ＲＬｃのいずれかがトラ ンジスタＱａ〜ＱｃによりＯＮし、最高電圧の相を選ぶことができヒータが圧力 スイッチによりＯＦＦするまで同一の相が使用される。

【００１６】 上記実施例では、３相電源のｕ，ｖ，ｗ相の２つの相間に相間電圧検出手段１ ０を設け、この相間電圧検出手段１０からの出力に応じて相切替手段９を制御し て単相用の２本のリード線８ａ，８ｂを３本の３相用リード線７ａ〜７ｃのうち 最も相間電圧の高いものに自動的に切替接続するようにしたが、図５に示すよう に使用者の電源設備の負荷側に相電流検出手段（例えば各相のラインにコイルを 捲装して微少電流を検出するようなもの）２０によって微少電流を検出して各相 の電流値に応じた電圧を３個のコンパレータに印加し、その出力に応じて相切替 手段９を制御して、単相用の２本のリード線８ａ，８ｂを上記相間電流検出手段 ２０の３本のリード線２０ａ，２０ｂ，２０ｃのうち最も相電流の少ないものに 自動的に切替接続するようにしても、上記実施例と同等の効果を奏する。なお、 ２１は従来の衣類プレス機のボイラー装置を改良して新たに相切替手段９を付加 したボイラー加熱装置である。なお、この実施例によれば図３のテーブル中の電 圧順位は電流順位になり、図４におけるＡ相電圧はＡ相電流に、Ｂ相電圧はＢ相 電流に、Ｃ相電圧はＣ相電流に、最高電圧判断は最少電流判断に夫々変わること になる。

【００１７】

【考案の効果】

上記のように本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置によれば 単相負荷が自動的に最も相電圧の高い３相ラインに接続されるようになり、また は、単相負荷が自動的に最も電流の少ない３相ラインに接続されるから、３相電 源アンバランスが良くなるためにその利用率が向上し、また電源設備を小さくで きる大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替
接続装置の説明図である。

【図２】本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替
接続装置の具体例を示す回路図である。

【図３】本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替
接続装置の説明用テーブルである。

【図４】本考案の３相電源に対する単相負荷の自動切替
接続装置のフローチャートである。

【図５】本考案の他の実施例を示す単相負荷の自動切替
接続装置の説明図である。

【図６】従来の３相電源に対する単相負荷の自動切替接
続装置の説明図である。

【符号の説明】

１ａ 相ライン １ｂ 相ライン １ｃ 相ライン ２ 単相負荷 ３ 圧力検出回路 ４ 圧力スイッチ ５ 制御回路（自動制御手段） ６ ヒータ ７ａ ３相用のリード線 ７ｂ ３相用のリード線 ７ｃ ３相用のリード線 ８ａ 単相用のリード線 ８ｂ 単相用のリード線 ９ 相切替手段 １０ 相間電圧検出手段 １１ａ 整流回路 １１ｂ 整流回路 １１ｃ 整流回路 １２ａ コンパレータ １２ｂ コンパレータ １２ｃ コンパレータ １３ デコーダ １４ ラッチ回路 １５ａ オアゲート １５ｂ オアゲート １５ｃ オアゲート １６ａ 常閉接点と常開接点 １６ｂ 常閉接点と常開接点 １６ｃ 常閉接点と常開接点 １７ ボイラー加熱装置 ２０ 相電流検出手段 ２０ａ リード線 ２０ｂ リード線 ２０ｃ リード線 ２１ ボイラー加熱装置 Ａ ｕ−ｖ相間の相電圧 Ｂ ｖ−ｗ相間の相電圧 Ｃ ｗ−ｕ相間の相電圧 Ｃ₁ コンデンサ Ｄ ダイオード Ｑ パワートランジスタ Ｑａ トランジスタ Ｑｂ トランジスタ Ｑｃ トランジスタ Ｒ₁ 抵抗 ＲＬａ リレー ＲＬｂ リレー ＲＬｃ リレー ＴＲａ 減圧用トランス ＴＲｂ 減圧用トランス ＴＲｃ 減圧用トランス Ｖｃｃ 電源 Ｚ 電圧検出抵抗

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ３相電源に接続され、３相の相間電圧ま
   たは相電流を判定する手段と、３相ラインに単相負荷の
   ２つのラインを選択的に切替接続するための切替手段
   と、上記相電圧の最も高い相または相電流の最も少ない
   相に上記単相負荷の２つのラインを接続するため上記相
   電圧または相電流判定手段からの出力に応じて上記切替
   手段を自動制御する自動制御手段とより成ることを特徴
   とする３相電源に対する単相負荷の自動切替接続装置。