JPH0412294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ プラントや発電所等に用いる長大な配管を振動
から防護するばね式制振器に関するもので、取付
の際現場での溶接作業を不要とすることを目的と
する。

［従来の技術］ 公知のものを第３図について述べる。外管５１
は両端に鍔５１ａを備え、中央部に直径線上長孔
５１ｂを軸線方向に穿つてある。引止管５２は一
端が外管へ摺動自在に挿入され、他端は引止端と
なつている。内管５３は外管の他端へ摺動自在に
挿入され、外端は引止端になつている。また内端
には長孔５１ｂを貫通突出するピン５４が固着さ
れ、ピンの外端にはばね受輪５５が係止してあ
る。ばね受輪と鍔の間には夫々ばね５６が挿入し
てある。

この装置の取付は運転中の配管、即ちホツト管
に対して行う。まず両引止端を夫々構築物と配管
に係止する。外管が引止管を出入して、両引止端
の距離に対応自在である。次に引止管を外管に溶
着して、第３図の状態とする。溶着によつてはじ
めて制振機能をそなえる。

この間ばね受輪は始終長孔の中央に位置し、配
管はホツト状態時にばねによる影響を受けない。
従つて配管の振動に対し、正逆両方向均等に制振
作用をする。配管がコールド状態になると、配管
は偏位し、ばね力の均衡は破れ、配管には常時一
方向圧力が加わる。これは配管にとつて好ましい
ことではない。しかし一般に配管は24時間連続操
業が普通で、コールド状態は定期点検時だけであ
るので大きな支障とはならない。

［解決しようとする問題点］ ホツト状態の配管に対し取付作業を行うには、
足場の確保その他多くの困難があるが、中でも運
転中の配管振動は溶接作業を著しく困難にする。
溶接なしの取付作業が待望されていた。

［解決の手段］ 配管技術の進歩により、コールド管とホツト管
の間の偏位長さは図上計算でかなり精密に算出で
きるようになつた。この進歩を足場に取付工事は
コールド管に対して行い、配管の温度変化が進行
し、ある程度に達したとき、摺動する内外管が自
動ロツクするよう、一方に環状溝、他方にこれと
係合可能なはさみ輪を設けることとした。

［実施例］ 第１図について述べる。外管１は両端に鍔１ａ
を備え、長孔１ｂを直径線上軸線方向に設けてあ
る。引止管２は一端が外管端に固着され、他端は
引止端２ａを形成する。内管３は外管へ摺動自在
に挿入され、内端に長孔１ｂを貫通するピン４が
固着され、中央部に対称１対切線方向切欠窓３ａ
があけてある。

ばね受輪５は外管へ摺動自在に被挿されピン４
に係止される。１対のばね６はばね受輪の両側で
鍔１ａとの管に挿入されている。はさみ輪７は一
端が蝶番結合された１対の半円クランプから成
り、附設ばね８で閉塞を附勢され、切欠窓３ａへ
はめこまれている。引止管９は内管の開口端へ摺
動自在に挿入され、中央部にはさみ輪と係合可能
な環状溝９ａを備え、外端を引止端９ｂとしてい
る。この装置は引止端の一方を構築物のブラケツ
トＢに、他方をパイプクランプＣに係止して用い
る。

この装置の取付はコールド管を対象にして行
う。第１図はそのときの状態を示す。配管は温度
上昇により図の右方へＬの長さだけ偏位するもの
とする。Ｌの数字は予め計算で求める。環状溝９
ａとはさみ輪７との間にはこのＬの長さを設定し
ておく。従つて配管Ｐが所定温度まで上昇したと
き、環状溝とはさみ輪は係合し、内管と引止管９
とはロツクされる。

［効果］ コールド管に対し溶接なしで取付けできる。ホ
ツト管では左右ばね圧が均衡していて、振動に対
し最も効果的に制振作用を行う。

【図面の簡単な説明】

第１図は制振器の正面図、第２図ははさみ輪の
側面図、第３図は公知の制振器の正面図である。 １……外管、１ａ……鍔、１ｂ……長孔、２…
…引止管、３……内管、３ａ……切欠窓、４……
ピン、５……ばね受輪、６……ばね、７……はさ
み輪、８……ばね、９……引止管、９ａ……環状
溝、Ｂ……ブラケツト、Ｃ……クランプ、Ｐ……
配管、５１……外管、５１ａ……鍔、５１ｂ……
長孔、５２……引止管、５３……内管、５４……
ピン、５５……ばね受輪、５６……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に鍔を備え直径線上長孔を軸線方向に設け
   た外管と、一端は外管端に固着され他端を引止端
   とした引止管と、外管へ摺動自在に挿入され内端
   に前記長孔を貫通するピンが固着され中央部に対
   称１対切線方向切欠窓を有する内管と、外管へ摺
   動可能に被挿され上記ピンに係止されたばね受輪
   と、外管の鍔とばね受輪の間へ挿入された１対の
   ばねと、一端が蝶番結合された１対の半円クラン
   プ片から成り附設ばねで閉塞を附勢され前記切欠
   窓へはめこまれたはさみ輪と、内管の開放端へ摺
   動自在に挿入され中央部にはさみ輪と係合可能な
   環状溝を備え外端を引止端とした他の引止管とか
   ら構成され、両引止端の一方を被制振体に他方を
   構築物に夫々係止するようにしたばね式制振器。