JPH04110787U - 抄紙機ヘツドボツクスの整流装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抄紙機ヘッドボックスにおいて、製紙原料を
送る曲管に連結される直管部の長さを著しく短くして
も、濃度分布、流速分布を均一にして高品質の紙を製造
できるようにする。 【構成】 抄紙機用ヘッドボックスに製紙原料を供給す
る原料導入曲管４及びそれに接続する導入直管を設け、
同導入曲管４部内に整流板１７を設けてなるものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は抄紙機のヘッドボックスに接続する製紙原料搬送パイプに適用する整 流装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６は従来の一般的な抄紙機ヘッドボックスの配管フローを示す。図において スラリータンクのパルプスラリー１は、ポンプ２で昇圧され、バルブ３で流量制 御される。更に導入曲管４及び導入直管５を通過後、流入管６を経てテーパヘッ ダー７に送られる。この場合１０ｗｔ％は再循環バルブ８側に、約９０ｗｔ％は 多孔板９、分散部１０及びリップ１１を経てロール１３で駆動されるワイヤ１２ 上に噴出される。このワイヤ１２で脱水された白水は、戻り配管１４を経てタン ク１に戻る。

【０００３】 タンク１からポンプへの配管ラインには高濃度のパルプスラリー１５の配管ラ インが接続され、一定濃度になる様制御されている。またワイヤ１２上に噴出さ れたスラリーは、主にパルプがワイヤ１２に残り、次工程のプレスで脱水され、 乾燥された後、リールに巻き取られて紙が製造される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のヘッドボックスでは、バルブ３で流量制御されたパルプスラリー１ は、流入管６を経て多孔板９から分割板１０、更にリップ１１を経てワイヤ１２ 上に噴出される。この時ワイヤ１２上に紙巾方向に均一にパルプスラリーが噴出 されないと、紙の坪量ムラが発生して紙品質を低下させてしまう。また良好な紙 品質を得るには、流入管に入るまでの導入曲管及び直管部で濃度分布の均一なパ ルプスラリーを通過させねばならない。従来はバルブ通過後の導入直管部で濃度 分布の均一なパルプスラリー１が次に入る導入曲管４部内で旋回流となり、渦を 巻いて濃度分布が不均一になると、更に遠心力で導入曲管４の外側でパルプスラ リー１が加速される為、導入曲管４を通過した後はパルプスラリー１の均質なも のが得られない。このため従来は導入曲管４後の導入直管５の長さをＬ＝Ｄ×５ 〜７（Ｄ＝５００φ〜１０００φ）と長く取る必要があり、いたずらに装置が大 型化するなどの問題があった。

【０００５】 本考案は前記従来の課題を解決しようとするもので、導入直管を短くしても、 流入管に入るパルプスラリーの濃度分布の均一なものを得て、紙品質の向上を計 ることが出来るヘッドボックスの整流装置を提供せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、抄紙機用ヘッドボックスに製紙原料を供給する原料導入曲 管、及びそれに接続する導入直管を設け、同導入曲管部内に整流板を設けてなる もので、これを課題解決のための手段とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案は導入曲管部内に整流板を設けることにより、整流板内各室でのそれぞ れが濃度不均一となるが、それは極小さな範囲であり、全体的には平均化された ものとなる為、均一なパルプスラリーが得られる。よって導入直管を短くする事 が可能である。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を図面の実施例について説明すると、図１は本考案の実施例を示し 、導入曲管４に整流板１７を取付けた状態を示す。図１において製紙原料導入曲 管４と、流入管６を接続する導入直短管１６の長さを従来に比べて短くするため に、同曲管４内に整流板１７を取付ける。図２は整流板１７の正面図を示したも ので、同整流板１７は複数の整流用板１７′を組合せたものであり、その断面は 図３に示す様に、反ヘッドボックス側がＲとなっていて、製紙原料中の繊維の堆 積を防止する構造となっている。また整流用板１７′の板厚ｔは、繊維長の２倍 とするが、これも繊維の堆積防止のためである。

【０００９】 次に作用を説明する。図５において従来の導入曲管４の直後のパルプスラリー の濃度、流速分布を説明すると、Ｃは濃度分布、Ｖは流速分布を示す。そしてこ れらの曲線は旋回流及び遠心力のために曲管の外側が大きく、内側が小さくなっ ている（実験結果による）。しかし従来は、曲管４の後流の導入直管５で自然整 流させているため、直管５の長さは直径の５〜７倍（５ｍ〜７ｍ）を要していた が、図４に示す本考案の実施例の如く整流板１７を入れると、整流板直後で殆ど 均一な濃度分布Ｃ′、整流分布Ｖ′となり製紙原料導入直短管１６を短くする事 が出来る。

【００１０】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如く本考案は、製紙原料導入曲管部内に整流板を設けたの で、パルプスラリーの濃度分布、流速分布を均一にすることができ、流入管まで の長さを従来に比べて著しく短く（例えば１／２）しても十分効果が発揮出来、 装置のコンパクト化を図ることができると共に、紙巾方向の紙坪量ムラを無くす ことができ、高品質の紙を製造出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る抄紙機ヘッドボックスの
整流装置の側面図である。

【図２】図１のＡ〜Ａ断面図である。

【図３】図２のＢ〜Ｂ断面図である。

【図４】図１の要部の拡大断面図である。

【図５】従来の曲管直後の濃度及び流速分布を示す説明
図である。

【図６】従来のヘッドボックスを示す斜視図である。

【符号の説明】

４ 原料導入曲管 ６ 流入管 １６ 導入直短管 １７ 整流板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 抄紙機用ヘッドボックスに製紙原料を供
   給する原料導入曲管、及びそれに接続する導入直管を設
   け、同導入曲管部内に整流板を設けたことを特徴とする
   抄紙機ヘッドボックスの整流装置。