JPH04104922U - サツク歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成型が容易でコストも安い、というサック歯
ブラシを提供することを目的とする。 【構成】 熱収縮性のある不織布２０を熱収縮させるこ
とによって手指にはめるのに適した袋形状に形成した袋
本体１０を有することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、サック歯ブラシ、更に詳しくは、サック状に形成された歯ブラシ であって、指にはめて使用する歯ブラシに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、虫歯及び歯槽膿漏の予防のための手段としては、「歯磨き」が最も普通 に行われてきた。 一般に行われている「歯磨き」とは、棒状の柄の植毛部に柄と直角に植毛され たブラシ毛からなる歯ブラシと、人体に無害な研磨剤を混入した練り歯磨きとを 用いて、歯をブラッシングし、食べ物のカスを口内から除去することである。

【０００３】 しかし、上記の「歯磨き」では、歯茎を傷つけずに歯茎のマッサージ効果を得 るのが困難である、等の問題があった。 そこで、実用新案登録出願６３−５８０２０に示されるような考案に係る「サ ック歯ブラシ」が提供されるに至った。 その出願に係る考案は、「指にはめるのに適した可撓性の袋体の外表面の一部 又は全部に突起を設けたことを特徴とするサック歯ブラシ」を提供する。

【０００４】 また、この考案に係るサック歯ブラシを形成する具体的な材料としては、「天 然ゴム及び合成ゴム、或いは合成ゴムに似た性質を持つポリエチレン系エラスト マーやポリオレフィン系エラストマー等のプラスチック、等が好ましく用いられ る」こととなっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した従来のサック歯ブラシでは、成型が困難であること、成型用 の型材を含めて成型コストが高いこと、といった問題点があった。 そこで請求項１記載の考案が解決しようとする課題は、容易でコストも安い成 型が行える、というサック歯ブラシを提供することにある。

【０００６】 請求項２乃至６記載の考案は、更に以下のような課題を解決しようとするもの である。 請求項２記載の考案が解決しようとする課題は、容易でコストも安い成型が行 え、唾液等で濡れないサック歯ブラシを提供することにある。 請求項３記載及び請求項４記載の考案が解決しようとする課題は、容易でコス トも安い成型が行え、唾液等で濡れず、歯磨き及び歯茎のマッサージに適したサ ック歯ブラシを提供することにある。

【０００７】 請求項５記載及び請求項６記載の考案が解決しようとする課題は、容易でコス トも安い成型が行え、唾液等で濡れず、歯磨き及び歯茎のマッサージに適し、更 に装着した際にずれやよれを防止できるサック歯ブラシを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１乃至請求項６記載の考案に係るサック歯ブラシは、上記した課題を解 決するための手段として提供されたものである。 請求項１記載の考案は、熱収縮性のある不織布を熱収縮させることによって手 指にはめるのに適した袋形状に形成した袋本体を有することを特徴とする。

【０００９】 請求項２記載の考案は、請求項１記載のサック歯ブラシの袋本体の内周表面に 防水処理を施したことを特徴とする。 請求項３記載の考案は、請求項１または２記載のサック歯ブラシの袋本体に歯 磨き剤を含浸させたことを特徴とする。 請求項４記載の考案は、請求項１、２、または３記載のサック歯ブラシの袋本 体の外周表面の一部または全部に突起を設けたことを特徴とする。

【００１０】 請求項５記載の考案は、請求項１、２、３、または４記載のサック歯ブラシの 袋本体の開口部から延長して設けられた舌片を有して形成されたことを特徴とす る。 請求項６記載の考案は、請求項５記載のサック歯ブラシの舌片の内側面に粘着 体を設けたことを特徴とする。

【００１１】

【作 用】

請求項１記載のサック歯ブラシは、袋本体に手指を挿入し、その袋本体によっ て歯磨きを行うものである。 請求項２記載のサック歯ブラシは、袋本体に手指を挿入し、その袋本体によっ て歯磨きを行うものである。すると、袋本体に唾液等の液体が付着するが、袋本 体の内周表面には防水処理を施してあるので、袋本体に挿入した手指に唾液等が 付着することはない。

【００１２】 請求項３記載のサック歯ブラシは、袋本体に手指を挿入し、その袋本体によっ て歯磨きを行う。すると、袋本体に含浸された歯磨き剤が口の中で拡散する。す ると、口の中で拡散した歯磨き剤によって、効果的な歯磨きを行える。 請求項４記載のサック歯ブラシは、袋本体に手指を挿入し、その袋本体の外周 表面に設けられた突起を用いて歯磨きを行うものである。その突起は、歯につい た食べ物のカスを落とし、また歯茎のマッサージに役立つ。

【００１３】 請求項５記載のサック歯ブラシは、袋本体に手指を挿入し、続いて舌片を他の 指に巻き付けるなどする。すると、サック歯ブラシをしっかり装着することがで きる。 請求項６記載のサック歯ブラシは、袋本体に手指を挿入し、続いて舌片を他の 指に絡みつけるなどする。このとき、舌片の内側面に設けられた粘着体を用いて 手のひら等に張り付ける。すると、サック歯ブラシを効果的に装着することがで きる。

【００１４】

【実施例】

図１は本考案のサック歯ブラシ１０の一実施例を示す斜視図であり、図２は本 考案のサック歯ブラシ１０の断面図である。 ここに示すサック歯ブラシ１０は、本実施例の熱収縮性のある不織布２０を、 一旦熱収縮しない温度域にて延伸させ、それを手指に類した形状の型材に巻き付 けてから、熱収縮する温度域にて熱収縮させ、手指にはめるのに適した袋形状に 形成した袋本体１１を有して形成されている。このように形成することによって 、請求項１記載の考案に係る実施例となるものである。

【００１５】 本実施例に使用した不織布２０は、旭化成工業株式会社製の不織布（登録商標 名「スマッシュ」）であって、縦方向及び横方向とも熱収縮するエンボス不織布 、またはフェルト状不織布である。これらの不織布の１２０℃における収縮率は 、縦方向が４０乃至５５％、横方向が４０乃至５０％である。 また、このサック歯ブラシ１０は、その袋本体１１の開口部から不織布２０を 延長して設けられた舌片１５とを形成することによってなる。このように形成す るによって、本実施例は請求項５記載の考案に係る実施例となるものである。

【００１６】 その袋本体１１の外周表面の一部に、突起部１２を設けている。このように形 成することによって、本実施例は請求項４記載の考案に係る実施例となるもので ある。この突起部１２は、袋本体１１の外周の一部に位置する周突起１３と、袋 本体１１の先端に位置する先端突起１４である。 ここにいう突起部１２を袋本体１１に設ける手段としては、不織布２０自体に 予め凹凸を設けておく方法、融解した熱可塑性樹脂を吹き付けて細かな突起を付 着させる方法、エンボス加工による方法、等にて行う。

【００１７】 袋本体１１には、歯磨き剤を含浸させている。このように形成することによっ て、本実施例は請求項３記載の考案に係る実施例となるものである。 ここにいう歯磨き剤とは、口内細菌の殺菌剤、歯の研磨剤、歯茎の炎症を抑え る薬剤、香料等の歯磨きを行うのに適したものを単数、または複数組み合わせた もの、いずれであってもよい。

【００１８】 袋本体１１の内周表面には、防水地２１を貼付させることによって防水処理を 施すこととしている。このように形成するによって、本実施例は請求項２記載の 考案に係る実施例となるものである。 舌片１５の内側面には、粘着体２２を設けている。このように形成するによっ て、本実施例は請求項６記載の考案に係る実施例となるものである。

【００１９】 この粘着体２２は、いわゆる両面テープにて形成され片面を防水地２１に貼付 させた粘着シート２３と、その粘着シート２３の内側に位置する剥離シート２４ とから形成されている。 本実施例のサック歯ブラシ１０の作用について説明する。 本実施例にかかるサック歯ブラシ１０を使用するには、利き手の人差指或いは 中指に本実施例に示すサック歯ブラシ１０を挿着する。このとき、舌片１５は、 手のひら側に位置するようにする。

【００２０】 続いて、舌片１５の内側に位置する粘着体２２の剥離シート２３を剥して粘着 シート２３を用いて手のひらに張り付けるか、サック歯ブラシ１０を挿着した以 外の指に巻き付けるかして、サック歯ブラシ１０のずれやよれを防止する。 サック歯ブラシ１０の外表面に設けられた突起部１２を巧みに用いて歯磨き及 び歯茎のマッサージを行う。このとき、不織布２０に含浸された歯磨き剤が口内 に染み出て、歯磨きを有効なものとする。

【００２１】 歯磨きを行っている最中に唾液が分泌されたり、口をすすぐために水を含んだ りするが、防水地２１があるので、それらの液体が指につくことはない。 歯磨き及び歯茎のマッサージを終えたら、サック歯ブラシ１０を挿着した指か ら外して終了する。 本実施例の効果について説明する。

【００２２】 本実施例のサック歯ブラシは、不織布を材料としたので、容易でコストも安い 成型が行え、唾液等で濡れず、歯磨き及び歯茎のマッサージに適し、更に装着し た際にずれやよれを防止できる、というサック歯ブラシを提供することができた 、という効果がある。 更に、以下のような効果もある。即ち、 ・可撓性を有する材料によって形成されているので歯茎を傷つけずに歯磨きが行 え、歯茎のマッサージ効果が得られる。 ・歯磨き或いは歯茎のマッサージを行うに際しては、指先に挿着しているので、 所定の歯のみを磨くことができるだけでなく、微妙な力加減を直接歯茎に伝える ことができる。これによって、磨けたかどうかは触覚で判るので、視覚によって 確認する必要がなくなり、鏡のついた洗面台に向かわなくとも歯磨き或いは歯茎 のマッサージを行える。 ・従来の歯ブラシのように柄の部分がないので小型に形成できるので、携帯に便 利である。 という効果がある。

【００２３】 実施例のバリエーションについて説明する。 本実施例の不織布は、「旭化成工業株式会社製の不織布（登録商標名「スマッ シュ」）であって、縦方向及び横方向とも熱収縮するエンボス不織布、またはフ ェルト状不織布である。これらの不織布の１２０℃における収縮率は、縦方向が ４０乃至５５％、横方向が４０乃至５０％である。」として説明したが、これに 限られるものではなく、熱収縮性のある不織布であればよい。

【００２４】 また、本実施例のサック歯ブラシ１０は安価に製造できるので、いわゆる使い 捨てとすることも可能であり、その場合、きわめて衛生的である。 更に、図示は省略するが、本実施例のサック歯ブラシ１０を衛生及び携帯性の 見地から、ひとつひとつ個別に包装することにより、衛生面、及び携帯性に優れ たサック歯ブラシを提供することができる。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は、以下のような効果を奏する。 請求項１から６に記載した考案はすべて不織布を材料としたので、容易でコス トも安い成型が行える、というサック歯ブラシを提供することができた、という 効果がある。

【００２６】 加えて、請求項２から６に記載した考案は、上記の効果に加え、以下のような 効果もある。 請求項２記載の考案によれば、袋本体の内周表面には防水処理を施しているの で、歯磨き及び歯茎のマッサージの際に、サック歯ブラシを挿入した手指が唾液 等で濡れないサック歯ブラシを提供することができるという効果がある。

【００２７】 請求項３記載の考案によれば、袋本体に歯磨き剤を含浸させているので、請求 項２記載の考案の効果に加え、歯磨き及び歯茎のマッサージに効果的なサック歯 ブラシを提供することができるという効果がある。 請求項４記載の考案によれば、袋本体の外周表面の一部または全部に突起を設 けているので、請求項３記載の考案の効果に加え、歯磨き及び歯茎のマッサージ に適したサック歯ブラシを提供することができるという効果がある。

【００２８】 請求項５記載の考案によれば、袋本体の開口部から延長して設けられた舌片を 有して形成されているので、請求項４記載の考案の効果に加え、その舌片をサッ ク歯ブラシを挿着した以外の指に巻き付ける等により、サック歯ブラシのずれや よれを防止するサック歯ブラシを提供することができるという効果がある。 請求項６記載の考案によれば、袋本体の開口部から延長して設けられた舌片を 有し、更にその舌片の内側面に粘着体を設けて形成されているので、請求項５記 載の考案の効果に加え、その舌片の粘着体を手のひら等に張り付けることより、 サック歯ブラシのずれやよれを効果的に防止するサック歯ブラシを提供すること ができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の一実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ サック歯ブラシ １１ 袋本体 １２ 突起部 １３ 先端突起 １４ 周突起 １５ 舌片 ２０ 不織布 ２１ 防水地 ２２ 粘着体 ２３ 粘着シート ２４ 剥離シート

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱収縮性のある不織布を熱収縮させるこ
   とによって手指にはめるのに適した袋形状に形成した袋
   本体を有することを特徴とするサック歯ブラシ。
2. 【請求項２】 袋本体の内周表面には防水処理を施した
   ことを特徴とする請求項１記載のサック歯ブラシ。
3. 【請求項３】 袋本体に歯磨き剤を含浸させたことを特
   徴とする請求項１または２記載のサック歯ブラシ。
4. 【請求項４】 袋本体の外周表面の一部または全部に突
   起を設けたことを特徴とする請求項１、２、または３記
   載のサック歯ブラシ。
5. 【請求項５】 袋本体の開口部から舌片を延長して設け
   て形成されたことを特徴とする請求項１、２、３、また
   は４記載のサック歯ブラシ。
6. 【請求項６】 舌片の内側面に粘着体を設けたことを特
   徴とする請求項５記載のサック歯ブラシ。