JPH04101885U - 離脱防止管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常は水圧による抜け出し力に耐え、地震時
には耐震機能を発揮する離脱防止管継手を提供する。 【構成】 受口１の開口端部内周と挿口２外周の間にシ
ール材３を介装し、このシール材３を受口１奥側に向か
って押圧する押輪９を設け、挿口２の先端部外周に突部
８を突設し、受口１内周のシール材配置位置よりも奥側
にロックリング溝５を形成し、このロックリング溝５に
周方向に複数分割されたロックリング６を装着し、受口
１の外周から貫通してロックリング６の外周に係合する
押しボルト１２を設け、ロックリング６は、ロックリン
グ溝５内で管軸方向に揺動可能でかつ内周部が受口１開
口に向かう方向に揺動すると内周の尖突部１７が挿口２
外周に食い込むような断面形状に形成したもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は離脱防止管継手に関し、特に共同溝や隧道内での露出配管における屈 曲部等に好適に適用できる離脱防止管継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、地震時に受口、挿口間で一定量の抜き差し動作を許容しながら最終 的な離脱は防止するようにした耐震機能を備えた離脱防止管継手は知られている 。

【０００３】 ところで、埋設管路においては、管路の屈曲部において水圧や水流による動圧 のために抜け出し力が作用しても周囲の土壌にて支持されるため、管路の屈曲部 に対してこのような耐震機能を備えた離脱防止管継手をそのまま適用することが できるが、図４に示すような共同溝３０内における露出配管３１や隧道内の露出 配管では、水圧による不平均力や抜け出し力を支持するために、共同溝や隧道の 壁面に固定したアンカーブロック３４等に配管３１の屈曲部３２を固定する必要 があった。尚、図４中、３３は配管３１を支持する可動管受台である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、配管３１の屈曲部３２を共同溝３０の壁面等に固定していると、共 同溝３０に抜け出し力が作用して好ましくなく、かつ地震等によって地盤変動が 発生して共同溝３０等の接合部が大きく移動すると、配管３１の屈曲部３２がそ れと共に移動して配管自体の耐震機能が損なわれてしまい、それ以上に移動する と、離脱防止部に過大な力が作用して抜け出してしまう危険性があるという問題 があった。

【０００５】 本考案は上記問題を解決するもので、通常は水圧による抜け出し力に耐え、地 震時には耐震機能を発揮する離脱防止管継手を提供することを目的とするもので ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記問題を解決するために本考案は、受口の開口端部内周と挿口外周の間にシ ール材を介装し、このシール材を受口奥側に向かって押圧する押輪を設け、挿口 の先端部外周に突部を突設し、受口内周のシール材配置位置よりも奥側にロック リング溝を形成し、このロックリング溝に周方向に複数分割されたロックリング を装着し、受口の外周から貫通してロックリングの外周に係合する押しボルトを 設け、ロックリングは、ロックリング溝内で管軸方向に揺動可能でかつ内周部が 受口開口に向かう方向に揺動すると内周の尖突部が挿口外周に食い込むような断 面形状に形成したものである。

【０００７】

【作用】

上記構成の離脱防止管継手を管路の屈曲部に適用すると、常時作用する水圧に よって受口から挿口が抜け出そうとすると、ロックリングの内周部が受口開口に 向かう方向に揺動してその内周の尖突部が挿口の外周に食い込むために、挿口は この尖突部を介して受口にて支持され、受口と挿口の抜け出しが防止される。一 方、地震時等に大きな外力が作用すると、ロックリングの内周の尖突部に過大な 力が作用して係止不能となり、受口と挿口はロックリングと挿口先端部の突部が 係合する位置まで管軸方向に相対移動可能となり、耐震機能を発揮する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図３を参照しながら説明する。 図１において、１は受口、２は受口１内に挿入された挿口であり、受口１の内 周面の開口端部にはシール材３が圧入配置されるテーパ状シール面４が形成され 、その奥部にロックリング溝５が形成されている。このロックリング溝５には周 方向に複数に分割されたロックリング６が装着されている。７はシール材３とロ ックリング６の間に介装されたバックアップリングである。挿口２の先端部外周 には、ロックリング６に管軸方向に係合可能な環状の突部８が溶接にて固着され ている。９は、受口１の開口端面に対向して配置された押輪であり、受口１の開 口端面に植立された締結ボルト１０とナットにて締結されることによってシール 材３を受口１の奥部に向かって押圧する。この押輪９は、挿口２の先端部の突部 ８を通過できるように、シール材３に接する複数分割された第１リング９ａと、 この第１リング９ａの外周部に係合する環状の第２リング９ｂにて構成されてい る。

【０００９】 受口１のロックリング溝５を形成した位置の外周からこのロックリング溝５に 貫通するねじ穴１１が周方向に複数箇所、具体的にはロックリング６の各分割片 の両端又は３箇所以上に対応する箇所に形成され、それぞれに押しボルト１２が 螺合されている。各押しボルト１２はその先端をロックリング６の外周に当接さ せてこのロックリング６を挿口２の外周に押し付けている。押しボルト１２の受 口１の外周から突出した部分にシールキャップ１３が螺合され、このシールキャ ップ１３の端面に装着したシール材１４を受口１の外周に圧接させてねじ穴１１ と押しボルト１２の間の隙間から管内流体が漏れるのを防止している。そして、 ロックリング６は、ロックリング溝５内で管軸方向に一定量だけ揺動可能でかつ その内周部が受口１の開口に向かう方向に揺動すると内周の尖突部１７が挿口２ の外周に食い込むような断面形状に形成されている。

【００１０】 以上の構成の離脱防止管継手によると、挿口２の先端部の突部８がロックリン グ６と受口１の内奥端１ａの両方に対して中間に位置している状態で、押しボル ト１２にてロックリング６を挿口２の外周に押し付けておく。すると、管内の水 圧によって受口１から挿口２が抜け出そうとすると、図２に示すように、挿口２ の移動に伴ってロックリング６の内周部がロックリング６の外周の押しボルト１ ２先端との接触点を支点として受口１の開口に向かう方向に揺動し、その結果ロ ックリング６の内周の尖突部１７が挿口２の外周に食い込んで係止するために、 挿口２はロックリング６の尖突部１７を介して受口１にて支持され、受口１と挿 口２の抜け出しが防止される。この尖突部１７による係止力は、水圧による抜け 出し力に十分に耐えるように設定されている。一方、地震時等に大きな外力が作 用すると、ロックリング６の内周の尖突部１７に過大な力が作用して係止不能と なり、今度はロックリング６に突部８が係合する位置まで受口１と挿口２が管軸 方向に相対移動可能となり、耐震機能を発揮する。

【００１１】 かくして、以上の構成の離脱防止管継手を、図３に示すような共同溝３０内の 露出配管３１に適用すると、屈曲部３２を含めて配管３１全体を可動式管受台３ ３上に配管することができ、アンカーブロック等を設けて共同溝３０の壁面等に 固定する必要はない。

【００１２】 本考案は、上記実施例以外にも請求の範囲の記載の範囲内で種々に改変した状 態で実施することができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、本考案の離脱防止管継手によれば、常時作用する水圧によって 受口から挿口が抜け出そうとすると、ロックリングの内周部が受口開口に向かう 方向に揺動してその内周の尖突部が挿口の外周に食い込むために、挿口はこの尖 突部を介して受口にて支持され、受口と挿口の抜け出しが防止され、一方地震時 等に大きな外力が作用すると、ロックリングの内周の尖突部に過大な力が作用し て係止不能となり、受口と挿口はロックリングと挿口先端部の突部が係合する位 置まで管軸方向に相対移動可能となり、所定の耐震機能を発揮するため、露出配 管の屈曲部に効果的に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における離脱防止管継手の断
面図である。

【図２】同離脱防止管継手の動作状態における断面図で
ある。

【図３】同離脱防止管継手が用いられている露出配管状
態を示す平面図である。

【図４】従来例の露出配管状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 受口 ２ 挿口 ３ シール材 ５ ロックリング溝 ６ ロックリング ８ 突部 ９ 押輪 １２ 押しボルト １７ 尖突部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 稲田 均 兵庫県尼崎市大浜町２丁目26番地株式会社 クボタ武庫川製造所内 (72)考案者 鉛山 敦一 兵庫県尼崎市大浜町２丁目26番地株式会社 クボタ武庫川製造所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 受口の開口端部内周と挿口外周の間にシ
   ール材を介装し、このシール材を受口奥側に向かって押
   圧する押輪を設け、挿口の先端部外周に突部を突設し、
   受口内周のシール材配置位置よりも奥側にロックリング
   溝を形成し、このロックリング溝に周方向に複数分割さ
   れたロックリングを装着し、受口の外周から貫通してロ
   ックリングの外周に係合する押しボルトを設け、ロック
   リングは、ロックリング溝内で管軸方向に揺動可能でか
   つ内周部が受口開口に向かう方向に揺動すると内周の尖
   突部が挿口外周に食い込むような断面形状に形成したこ
   とを特徴とする離脱防止管継手。