JPH03966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は永久磁石型の静磁界発生装置を有する
核磁気共鳴撮像装置（NMR−CTを称す）に関
する。

(ロ) 従来の技術 本考案の前提となる装置は互いに間隔を存して
対向配置される一対の永久磁石及び該磁石を磁気
的に結合すると共に内部に略密閉空間を形成した
磁気ヨークとから構成される静磁界発生装置であ
る。

この装置では良好な画質を得る為の磁場におけ
る約10ppmの均一性を実現するには密閉空間内に
磁場補正用のシムコイルを設けなければならな
い。又、NMR信号を発生させるには勾配磁場形
成用のグラデイエントコイルを設けなければなら
ない。そして、これ等コイルは点検や調整の為に
ヨークに設けた挿入口から挿脱自在としなければ
ならない。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上記の要請に答えるに際し、次の技術的課題が
存在する。即ち、シムコイル及びグラデイエント
コイルをヨークに取付ける場合、取付構造如何で
は構造が複雑となると共に、両コイルを一体的に
形成した場合にはコイル挿入用の挿入口の上下幅
が広くなり、磁気的性能が低下するという欠点が
あつた。

本考案は上記欠点を解決しようとするものであ
る。

(ニ) 問題点を解決する為の手段 本考案は永久磁石をその周縁部にて磁気ヨーク
内面に固着する非磁性体製固定部材と、前記挿入
口から磁気ヨーク内に挿入され前記固定部材に非
磁性体製螺子により共締めされて重合固定される
互いに別体のシムコイル板及びグラデイエントコ
イル板とを有することにより上記問題点を解決し
たのである。

(ホ) 作用 上記手段により、シムコイル板及びグラデイエ
ントコイル板は別々に挿入口からヨーク内に挿入
された後永久磁石固定用の固定部材に螺子にて重
合固定される。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を第１図〜第４図に従い説明
する。１はNMR−CTの静磁場発生装置である。
２，２は希土類磁石材料から成る一対の円板状永
久磁石、３，４は該永久磁石の各々の一面を接し
て配される磁性材料から成る円板状の上部ヨーク
及び下部ヨーク、５は該上部ヨーク及び下部ヨー
クと電磁気的に接続される磁性材料から成る円筒
状のサイドヨークで、この上下端開口を密閉する
ように上部ヨーク３及び下部ヨーク４が配される
ことによつて、これらの各ヨークにて磁気回路を
構成し、一対の永久磁石２，２の対向間に約
3000Gaussの静磁界が形成される。また、サイド
ヨーク５は、上記静磁界中への被験体（例えば人
体）挿入用に対向配置で設けられた一対の円形開
口６，６を有する。８，８は永久磁石２，２の
各々の他面に対向配置で設けられ、上記静磁界の
均一度を向上させる一対のポールピース、９，９
はサイドヨーク５の上部内面に突出して設けら
れ、上部ヨーク３及び下部ヨーク４を支持する受
座リング、１０，１０は一端が各ポールピース８
の側面に接して配され、例えば上部ヨーク３及び
下部ヨーク４に非磁性体製螺子１１…によりねじ
止めされる断面Ｌ字状のサイドリングで、各永久
磁石２，２は各サイドリング１０により位置決め
されると共に、上部ヨーク３もしくは下部ヨーク
４と各サイドリング１０とによつて挾持固定され
る。ポールピース８，８は磁石２，２に吸着さ
れ、サイドリング１０によつて位置決めされる。

第２図を参照して、１２は種々の形状のシムコ
イル１３ａ，１３ｂ…１３ｄ…を装着したシムコ
イル板で、各シムコイル１３ａ…に種々の定電流
を流すことでヨーク内の磁場の不均一を補正し、
磁場の均一性を向上させる。前記シムコイル１３
ａ…の取付は例えば非磁性体、例えば合成樹脂製
の板体のコイル形状に沿つた溝を形成しこの溝に
コイルを巻き付け、接着剤にて接着して行なわれ
る。

第３図を参照して、１４は勾配磁場発生用のグ
ラデイエントコイル１５をシムコイルと同様にし
て取付けたグラデイエントコイル板である。

上記の両コイル板１２，１４には予め固定穴１
６…，１７…が形成され、一方サイドリング１０
にはこれら固定穴に合致する如く螺子穴１８…が
形成され、両コイル板１２，１４は第１図の如く
重合されて非磁性体製螺子１９…により共締され
てサイドリング１０に固定される。上記の固定穴
１６…，１７…及び螺子穴１８…の位置は両コイ
ル板１２，１４の第２図及び第３図に示すＸ，
Ｙ，Ｚ軸方向（Ｚ軸方向は紙面に対して垂直方
向）と第１図に示す静磁場発生装置１のＸ，Ｙ，
Ｚ軸方向（Ｚ方向は紙面に対して垂直方向）とが
合致する如く設定される。

又、２０，２０は両コイル板１２，１４をヨー
ク内に挿入或いは取出用のコイル挿入口で、開口
６，６の両側端にスリツト２０ａ，２０ａを連設
し、開口６，６の一部とスリツト２０ａ，２０ａ
とで左右幅Ｌ、上下幅Ｈに形成される。この上下
幅Ｈは各コイル板１２，１４の厚みより広く、両
コイル板１２，１４の厚みの合計よりも狭い。従
つて、両コイル板１２，１４は別個にヨーク５内
に挿入された後、上記の如く固定される。

(ト) 効果 上記の如く構成される本考案に依れば、永久磁
石固定用の固定部材を利用してシムコイル板及び
グラデイエントコイル板を固定でき固定構造を簡
単化できると共に固定部材が非磁性体製である為
これにコイル板固定穴を形成することによつて何
ら磁気的性能に変化がない。又、シムコイル板と
グラデイエントコイル板とを別体としてコイル挿
入口から挿入するので、コイル挿入口の上下幅を
狭くでき、磁気的性能を良好にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はいずれも本考案の一実施例を
示し、第１図は縦断面図、第２図及び第３図は要
部平面図、第４図は外観斜視図である。 １……静磁場発生手段、２……永久磁石、３，
４，５……ヨーク、１０……サイドリング（固定
部材）、１２……シムコイル板、１４……グラデ
イエントコイル板、１９……螺子、２０……コイ
ル挿入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに間隔を存して対向配置される一対の永久
   磁石及び該磁石を磁気的に結合すると共に内部に
   略密閉空間を形成し側面に挿入口を形成した磁気
   ヨークとから構成される静磁場発生装置を備える
   ものにおいて、前記永久磁石をその周縁部にて磁
   気ヨーク内面に固着する非磁性体製固定部材と、
   前記挿入口から磁気ヨーク内に挿入され前記固定
   部材に非磁性体製螺子により共締めされて重合固
   定される互いに別体のシスコイル板及びグラデイ
   エントコイル板とを有することを特徴とする核磁
   気共鳴撮像装置。