JPH039305B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、円筒形室を画成するカツプ形状部
分および閉鎖部分とから成る本体と、装着機関に
前記カツプ形状部分に回転可能に保持され一端が
前記円筒形室内に延びるカツプ状部分を有する回
転式駆動軸と、使用時に調時関係をもつて前記駆
動軸を介して回転駆動され、かつ前記閉鎖部分に
よつて軸方向に可動に保持された分配部材と、前
記円筒形室内に位置しかつ前記カツプ状部分と軸
方向移動可能に係合する該分配部材の大径頭部分
に直径方向に形成されかつプランジヤを往復運動
可能に内部に収容する内孔と、該内孔と連通しか
つ前記分配部材の周縁に開口する燃料通路と、前
記分配部材の大径頭部分を囲繞し、且つ該分配部
材が回転するとき前記プランジヤに内向き運動を
付与するカム山部を内周面に配設した環状カムリ
ングと、分配部材の回転にともなつて前記燃料通
路と整合するように前記閉鎖部分に位置付けられ
た流出ポートと、プランジヤ内向き運動の終了に
呼応して該プランジヤに外向き運動を付与するた
めに低圧の燃料を前記内孔に給送するところの回
転部材に穿設された縦方向溝孔と、該溝大に整合
するように前記閉鎖部分に位置付けられた流入ポ
ートと、前記回転部材の軸方向位置に応じて変化
する前記プランジヤの外向き運動範囲を制限する
ために、前記カム山部と前記プランジヤ外端部と
の間において前記カツプ状部分に穿設された軸方
向スロツトに部分的に嵌合すると同時に該カツプ
状部分の傾斜した内表面と相補的に当接する半径
方向外側面を有する前記大径頭部分に半径方向移
動可能に取付けられたカム従動子とを含む形式の
燃料噴射ポンプ装置に関する。

英国特許第2037365A号に記載の上記形式のポ
ンプ装置において、機関に供給される燃料量を減
少するように分配部材が移動されると、機関へ燃
料が送出される間の分配部材の回転角度範囲を換
算した送出時間は減少される。従つて、この間の
燃料の送出速度は実質的に同一に保たれる。その
結果、機関に送出される少量の燃料の送出時間は
短く、従つて燃焼時間も短くまた着火時期も遅
れ、未燃焼の燃料と共に一時に爆発を起こし燃焼
室内の圧力の急激な増大をもたらし、所謂「ジー
ゼルノツク」を生じ、この状態は特にアイドリン
グ時において顕著に現れる。

この発明の目的は、機関への少量の燃料送出が
機関が低回転速度にある状態において実施され、
かつその送出時間を長くするための上記形式の装
置を提供する事にある。

上記目的を達成するために、この発明によれば
上記形式の燃料噴射ポンプ装置は、前記分配部材
が燃料通路を介して前記内孔に連通しかつ該分配
部材の周縁に開口する付加通路を備えており、該
付加通路に整合すると共に前記円筒形室内へ延び
る長溝孔が前記流出ポートと同じ数および角度位
置を以て前記閉鎖部分に配設されており、前記内
孔からの燃料量が増加されて分配部材が所定の軸
方向位置を越えると、前記付加通路が長溝孔から
外れるように該長溝孔の長さが設定されており、
前記付加通路の径が前記燃料通路に比べて小さく
設定されており、更に前記環状カムリングが流体
圧力作動装置により角回動可能である事を特徴と
している。

この発明の他の態様によれば、前記環状カムリ
ングが、プランジヤの内向き運動を生ずる分配部
材の角度位置を調節するために、該分配部材の回
転速度に従つて角度調節可能であり、該分配部材
の回転速度が所定の値を超えると該分配部材の所
定の軸方向位置を越え、付加通路を介して長溝孔
へ流れる燃料流が止められるように構成されてい
る。

以下添付図面を参照しつつ実施例についてこの
発明を説明する。

第１図において、この発明による装置は、全体
を１０で示す本体を含み、一般にカツプ形状部分
１によつて形成され、その開口端は閉鎖部分１２
によつて閉鎖されている。本体部分１０は、孔付
き突出部１３を有し、これを用いて、使用時に、
この装置をそれが装着する機関に取り付けられ
る。

カツプ形状部分１１は、回転式駆動軸１４を取
り付け、該軸は使用時に、装着機関の駆動部材に
結合されるから、駆動軸は機関と同期しつつ回転
される。回転式駆動軸１４は、２つの本体部分に
よつて形成された一般に円筒形室１５内に延びか
つ該室内に大径のカツプ状部分１４ａをもつ。こ
のカツプ状部分には一対の直径上に配置された軸
方向スロツト１６が設けられている。駆動軸のカ
ツプ状部分は、中空状で、かつ軸の小径部分から
遠い方の末端すなわち本体内の端部において、そ
の内側面は直円筒形をなしかつ閉鎖部分１２に環
状に突出して形成された差込部分１７の外周に当
接する。駆動軸のカツプ状部分の内側面の残部は
後述する目的のために傾斜している。さらに、駆
動軸は、カツプ状部分の底の中央部に穿設された
座ぐり内孔１８をもつ。オイルシール１９が駆動
軸１４と係合するため本体部分１０の外端に設け
られ、かつスリーブ軸受２０がこの軸を回転支持
し、該軸は差込部分１７によつてさらに支持され
ている。この軸は、軸のカツプ状部分の末端表面
と係合するスラスト表面によつてその軸方向運動
が押えられる。或る場合には、スラスト表面は直
接に閉鎖部分１２によつて形成されるが、他の場
合には、スラスト表面は駆動軸を囲みかつさらに
低圧供給ポンプ２２用の末端閉鎖部として用いら
れる環状板２１によつて形成される。供給ポンプ
のロータ２２ａは回転式駆動軸１４によつて担持
され、かつロータは次にカツプ形状部分１１内に
担持されたステータリング２２ｂ上の偏心配置さ
れた表面と協働する羽根を担持する。低圧ポンプ
はカツプ形状部分１１に穿設された燃料流入部２
３および燃料流出部２４をもつ。さらに、ポンプ
の吐出圧力を所望限度内に維持保証するために逃
し弁２５が設けられ、該弁は燃料流入部と燃料流
出部との間に接続される。

円筒形内孔２６が閉鎖部分１２に形成され、こ
の中にスリーブ２７が固定される。勿論このスリ
ーブ２７は閉鎖部分の一部と見做すことが出来
る。スリーブ２７は回転可能にかつ軸方向移動可
能に分配部材２８を収容し、該分配部材はその一
端を室１５内に突出しかつこの突出した部分を大
径頭部分として形成されている。横方向に延びる
内孔２９が分配部材の大径頭部分の直径上位置に
おいて形成され、内孔２９内に一対のポンププラ
ンジヤ３０が往復運動可能に配設される。内孔２
９は、分配部材内にその軸線に沿つて形成された
燃料通路３１と連通し、かつ燃料通路３１は大径
頭部分内の一端において栓によつて密封される。
第２，３および４図からさらに明らかなように、
燃料通路３１は分配部材の周縁に形成されかつ単
一または複数の接続通路によつて燃料通路３１と
連通する一対の直径上に配置された縦方向溝孔３
２と連通する。通路３１はまた、分配部材の周縁
に形成された別の縦方向溝孔３３と連通し、かつ
この溝孔は次にスリーブ２７に形成された複数の
流出ポート３４と連通し、かつ第２図に示すよう
に、流出ポート３４はそれぞれ閉鎖部分１２の流
出部３５と連通する。各流出部は便宜形状の送出
弁３６を有する。縦方向溝孔３２は次にスリーブ
２７に形成されかつスリーブの周縁に形成された
円周方向溝３８と連通する流入ポート３７と整合
する。第１図に示すように、溝３８は、電磁装置
４０によつて好適に制御されオン・オフ弁３９に
よつて低圧供給ポンプ２２の燃料流出部２４と連
通する。もし望むならば、単一の縦方向溝孔３２
が流出部と同数の流入ポートをもつことができ
る。

環状カムリング４１が分配部材２８の大径頭部
分を囲撓しており、その内周面に直径上に配置さ
れたカム山部対が形成されている。この特定の実
施例において、この装置は６気筒機関に燃料を供
給するのに用いられるから３対のカム山部が設け
られている。さらに、環状カムリング４１は全体
を４２で示しかつ半径方向に配置された突起４３
によつて該カムリングに結合された流体圧力作動
装置の回転軸線まわりに角回動可能である。装置
４２はシリンダ内に収容された弾性的に負荷され
たピストンを適宜に含み、その一端に圧力液体が
作用されてピストンをその弾性負荷の作用に抗し
て押動する。

一対のカム従動子がプランジヤの外方端に配置
され、その各々シユー４５内に担持されたローラ
４４を含む。これらのカム従動子は、分配部材の
頭部分の側面に取り付けられた一対の側板４６，
４７によつて分配部材に対し軸方向に沿つて保持
される。第５図に示すように、側板は環状でかつ
一対の外方へ延びる舌状部４８をもつことが好適
で、これら舌状部は駆動軸に大径部分に形成され
た軸方向スロツト１６内に嵌入している。この事
によつて、これらの板は駆動軸から分配部材に回
転運動を伝達するように作用する。前述したカム
従動子を構成するシユー４５は、上述の軸方向ス
ロツト１６内に部分的に嵌合しており、回転運動
は駆動軸によつて直接にシユーに伝達される。さ
らに、シユーの円周方向側面は、円周方向に延び
る突出部４９を具備し、それらの半径方向外側面
は傾斜を有し駆動軸１４のカツプ状部分１４ａの
内表面に形成された傾斜面と協働する。

使用に際し、燃料が内孔２９に供給されると
き、軸方向溝孔３２が流入ポート３７と整合する
と、プランジヤ３０は燃料圧力によつて外向きに
移動され、これによつてシユー４５およびローラ
ー４４に外向き運動を与える。この外向き運動の
範囲は、シユーの半径方向外側面およびカツプ状
部分の傾斜面の相補的な当接、および分配部材の
軸方向移動によつて制限される。よつて、内孔２
９内に供給された燃料は制御され、これによつ
て、プランジヤ３０が一対のカム山部によつて互
いに内向きに移動されることにより流出部を通つ
て送出される燃料量が決定される。

分配部材の軸方向位置は、機械的或は液圧的に
変化させることができる。上記の装置において、
閉鎖部分１２内の円筒形内孔２６の末端によつて
形成された室５０内の圧力を変化させることによ
つてその変動ができる。円筒形内孔２６の末端は
閉鎖部材によつて閉鎖でき、かつ圧旅燃料はスリ
ーブ２７によつて担持された制限オリフイス５１
によつて室５０に供給される。オリフイス５１
は、ポンプ２２の流出部２４と連通する。燃料は
室５０から流出できるから、室内の圧力は電磁式
に制御される弁５２を用いて制御できる。さら
に、分配部材は回転式駆動軸１４に形成された座
ぐり内孔１８内に収納された圧縮コイルばね５３
によつて偏倚される。ばね５３は駆動軸と分配部
材との間に作用して分配部材に作用する室５０内
の圧力燃料の作用に抗して分配部材の押動する。

弁５２を用いて室５０内の圧力を変化させるこ
とによつて、分配部材の軸方向位置が変えられる
から、プランジヤが内向きに移動するたびに送出
される燃料量が変えられる。

この実施例において記述したように、分配部材
の所与の設定位置に対しかつ漏洩を無視すれば、
プランジヤによつて送出される燃料量は、装着機
関の全速度範囲にわたつて同一に保たれ、かつ分
配部材の軸方向設定位置の一つの指示は、内孔２
６の末端閉鎖部分に担持されかつ校正のために該
部に調節可能に取り付けられる位置変換器５４に
よつて提供される。位置変換器は分配部材によつ
て担持される一部分をもつことが好適である。位
置変換器によつて提供された信号は、分配部材の
回転速度をあらわす信号およびその軸方向位置に
従つてこの装置によつて送出される燃料量をあら
わす信号を提供するのに用いられる。使用時に、
これらの信号は電子式制御システムに提供され、
このシステムはさらに種々の機関因子および所望
の機関速度をあらわす信号を提供する。この制御
システムは弁５２の動作を制御して、正規量の燃
料が装着機関に提供されるのを保証する。

上述のようにこの装置は、一つの一定速度に対
してカム山部の前方縁部の形状によつて定められ
た速度およびタイミングで燃料を送出する。この
装置によつて供給される燃料量が少なくかつ装着
機関の速度が低いときは、機関クランク軸の回転
角度が換算された燃料が供給される機間を延ばす
ことによつて燃料が送出される速度を減少するこ
とが望ましい。これは本発明により、機関に供給
される燃料量を減らすように分配部材の軸方向移
動によりプランジヤを作動させかつプランジヤか
ら送出される多量の加圧燃料を途中で排除し、こ
の排除された燃料の若干量をドレンに流出させる
ことによつて達成される。分配部材の軸方向移動
がプランジヤをして一層多量に燃料を送出させる
ことによつて上述した期間が延長されることが理
解されるであろう。

第１図に示すように、分配部材は付加通路５５
を有し、該通路は通路３１と連通しかつ分配部材
の周縁上に開口する。通路５５の径のサイズは、
これが燃料の流量制限を提供するよう燃料通路３
１に比べて小さくなつている。第１図において、
分配部材は低燃料位置で示され、かつ通路５５の
末端は閉鎖部分側のスリーブ２７内の内孔壁によ
つて覆われていることが判る。しかし、この内孔
面には所定の軸方向長さをもつ一連の長溝孔５６
が形成され、一端がスリーブ端にまで延びてい
る。その数および角度位置は流出ポート３４と同
じである。

これらの長溝孔は、カツプ状部分１４ａに隣接
するスリーブの末端から軸方向に向いて内方へ延
び、これにより分配部材が右方向へ移動されてこ
の装置によつて提供される燃料量が増大すると、
付加通路５５の末端が完全に覆われて燃料の送出
中にプランジヤから排除されるすべての燃料が装
着機関に送出される一つの位置に達する。この位
置に分配部材が到達する前に、分配部材は一つの
一方の端が所定の軸方向位置によつて規定される
運動範囲をもち、この範囲の間、分配部材は所定
の軸方向位置に向け右方へ移動されるから付加通
路の末端は長溝孔５６の端壁によつて漸次に塞が
れる。さらに、この閉塞が起る前に分配部材の運
動範囲が存在し、この範囲の間、付加通路５５を
通つて長溝孔５６に流入する燃料流量はこの付加
通路の制限機能によつてのみ決定される。少時、
分配部材が回転しているという事実を無視すれ
ば、燃料流量が付加通路５５を通流するという事
実は、機関に供給された所与の燃料量に対し付加
通路５５および長溝孔５６を含めて改変されたこ
の装置は、機関ランク軸回転角度範囲から換算さ
れる時間を超過して機関に燃料を送出するであろ
う。

長溝孔５６の軸方向長さは、例えば小型自動車
用機関のほぼ1000r.p.mの場合のような、機関の
アイドル速度よりわずかに高い速度において燃料
の付加通路５５を介した溢流を無効にさせるよう
な位置に定められる。カムリング４１の角度位置
は機関速度をあらわすものであり、カムリングが
角回動すると、プランジヤによつて燃料が送出さ
れる時期が、縦方向溝孔３３が流出部３４と連通
されている期間内で変化する。長溝孔５６は、付
加通路５５の末端と、縦方向溝孔３３が一つの流
出部と連通状態にある期間中、上記期間速度にお
いて整合せずスリーブに覆われるように位置決め
される。さらに、付加通路５５の末端は速度が減
少すると、長溝孔５６に対して整合する。

ゆえに、この効果は、機関の低速度において、
付加通路の末端は、燃料送出期間全体に対し開口
され、かつ速度が増大すると、付加通路の末端は
燃料送出動作の終末に向つて塞がれるように長溝
孔の端壁が軸線に対して斜めに切られており、閉
塞程度は速度の増大とともに増加する。大部分の
運転中、通路５５はスリーブによつて覆われる。

以上の説明から判るように、本発明に依る燃料
噴射ポンプ装置は閉塞部分１２あるいはスリーブ
２７にある程度の軸方向長さを有している長溝孔
５６が穿設されているため比較的高い機関回転数
における分配部材の軸方向位置で付加通路５５を
介した加圧燃料の漏出が始まるようになつてお
り、この事は機関に供給される燃料量は少ないに
も拘らず送出時間は長いという状態を生起する。
従つて、ジーゼルノツクを生ずる条件の１つと考
えられる燃料を短時間で送出すると言う事態は回
避され、燃料はシリンダ内に緩徐に噴射されるの
で着火以前にシリンダ内に多くの未燃焼燃料が溜
まるという事態が避けられ着火遅れが生じにくく
なり、アイドリング回転時のような機関の低速回
転時において上記したジーゼルノツクが回避出来
るという効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明による装置の一実施例の側
方断面図、第２図は、第１図の装置を別の半径方
向の面から見た部分断面図、第３図および第４図
は、第１図および第２図に示す装置の部分断面
図、第５図は、第１図の装置の部分断面図であ
る。 図中の符号、１０……本体、１１……カツブ形
状部、１０……閉鎖部分、１３……孔付き突出
部、１４……回転式駆動軸、１４ａ……カツプ状
部分、１５……円筒形室、１６……軸方向スロツ
ト、１７……差込部、１８……座ぐり内孔、１９
……オイルシール、２０……スリーブ軸受、２１
……環状板、２２……低圧供給ポンプ、２３……
燃料流入部、２４……燃料流出部、２５……逃し
弁、２６……円筒形内孔、２７……スリーブ、２
８……分配部材、２９……内孔、３０……プラン
ジヤ、３１……燃料通路、３２……縦方向溝孔、
３３……縦方向溝孔、３４……流出ポート、３５
……流出部、３６……送出弁、３７……流入ポー
ト、３８……円周方向溝、３９……オン・オフ
弁、４０……電磁装置、４１……環状カムリン
グ、４２……流体圧力作動装置、４３……突起
部、４４……ローラ、４５……シユー、５０……
室、５１……制限オリフイス、５２……弁、５３
……圧縮コイルばね、５４……位置変換器、５５
……付加通路、５６……長溝孔、を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒形室１５を画成するカツプ形状部分１１
   および閉鎖部分１２，２７とから成る本体１０
   と、装着機関に前記カツプ形状部分に回転可能に
   保持され一端が前記円筒形室内に延びるカツプ状
   部分１４ａを有する回転式駆動軸１４と、使用時
   に調時関係をもつて前記駆動軸を介して回転駆動
   され、かつ前記閉鎖部分によつて軸方向に可動に
   保持された分配部材２８と、前記円筒形室内に位
   置しかつ前記カツプ状部分と軸方向移動可能に係
   合する該分配部材の大径頭部分に直径方向に形成
   されかつプランジヤ３０を往復運動可能に内部に
   収容する内孔２９と、該内孔と連通しかつ前記分
   配部材の周縁に開口する燃料通路３１と、前記分
   配部材の大径頭部分を囲繞し、且つ該分配部材が
   回転するとき前記プランジヤに内向き運動を付与
   するカム山部を内周面に配設した環状カムリング
   ４１と、分配部材の回転にともなつて前記燃料通
   路と整合するように前記閉鎖部分に位置付けられ
   た流出ポート３４と、プランジヤの内向き運動の
   終了に呼応して該プランジヤに外向き運動を付与
   するために低圧の燃料を前記内孔に給送するとこ
   ろの回転部材に穿設された縦方向溝孔３２と、該
   溝孔に整合するように前記閉鎖部分に位置付けら
   れた流入ポート３７と、前記回転部材の軸方向位
   置に応じて変化する前記プランジヤの外向き運動
   範囲を制限するために、前記カム山部と前記プラ
   ンジヤ外端部との間において前記カツプ状部分１
   ４ａに穿設された軸方向スロツト１６に部分的に
   嵌合すると同時に該カツプ状部分の傾斜した内表
   面と相補的に当接する半径方向外側面を有する前
   記大径頭部分に半径方向移動可能に取付けられた
   カム従動子とを含む燃料噴射ポンプ装置におい
   て、前記分配部材が燃料通路３１を介して前記内
   孔２９に連通しかつ該分配部材の周縁に開口する
   付加通路５５を備えており、該付加通路に整合す
   ると共に前記円筒形室１５内へ延びる長溝孔５６
   が前記流出ポート３４と同じ数および角度位置を
   以て前記閉鎖部分に配設されており、前記内孔２
   ９からの燃料量が増加されて分配部材が所定の軸
   方向位置を越えると、前記付加通路５５が長溝孔
   ５６から外れるように該長溝孔の長さが設定され
   ており、前記付加通路５５の径が前記燃料通路３
   １に比べて小さく設定されており、更に前記環状
   カムリング４１が流体圧力作動装置４２により角
   回転可能である事を特徴とする燃料噴射ポンプ装
   置。 ２ 前記環状カムリング４１が、プランジヤ３０
   の内向き運動を生ずる分配部材２８の角度位置を
   調節するために、該分配部材の回転速度に従つて
   角度調節可能であり、該分配部材の回転速度が所
   定の値を超えると該分配部材の所定の軸方向位置
   を超え、付加通路５５を介して長溝孔５６へ流れ
   る燃料流が止められるように成した事を特徴とす
   る前記特許請求の範囲第１項に記載の燃料噴射ポ
   ンプ装置。 ３ 前記分配部材２８が前記閉鎖部分１２に穿設
   された円筒形内孔２６内に固定されたスリーブ２
   ７によつて軸方向移動および回転可能に保持され
   ており、更に前記長溝孔５６が該スリーブの内面
   に軸方向に沿つて穿設されている事を特徴とする
   前記特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   燃料噴射ポンプ装置。 ４ 前記長溝孔５６が前記スリーブ２７の端面ま
   で延びている事を特徴とする前記特許請求の範囲
   第１項から第３項までのいづれか１項に記載の燃
   料噴射ポンプ装置。