JPH0376418B2 - - Google Patents
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- JPH0376418B2 JPH0376418B2 JP58058368A JP5836883A JPH0376418B2 JP H0376418 B2 JPH0376418 B2 JP H0376418B2 JP 58058368 A JP58058368 A JP 58058368A JP 5836883 A JP5836883 A JP 5836883A JP H0376418 B2 JPH0376418 B2 JP H0376418B2
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N29/00—Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
- G01N29/04—Analysing solids
- G01N29/06—Visualisation of the interior, e.g. acoustic microscopy
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- Physics & Mathematics (AREA)
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明はフーリエ変換等の波形解析手法を用い
て、被検査物体の音響特性を計測する超音波顕微
鏡装置に関するものである。
て、被検査物体の音響特性を計測する超音波顕微
鏡装置に関するものである。
近年、集束した超音波ビームを用いて物体の微
視的あるいは巨視的な構造および音響特性を観
察・測定する機械走査型超音波顕微鏡が開発され
た。この超音波顕微鏡は、原理的には円錐状に集
束された超音波ビームを被検査体に照射し、超音
波ビームの焦点の位置を被検査体面内で移動させ
たり、あるいは被検査体面に垂直方向に移動させ
たりして、被検査体内の各点における弾性的性質
の差異等によつて生ずる超音波の反射波あるいは
透過波を超音波トランスジユーサで検出して、電
気信号に変換し、その信号を陰極線管面上に二次
元的に表示して超音波顕微鏡像を得たり、あるい
はX−Yレコーダー等に記録したりするものであ
る。集束超音波ビームを形成するための変換器と
しては、代表的にはレンズ方式によるもの、凹面
あるいは凸面の球面上に超音波変換器を構成した
方式によるもの等がある。また、超音波トランス
ジユーサの配置により透過型と反射型の超音波顕
微鏡に分類される。
視的あるいは巨視的な構造および音響特性を観
察・測定する機械走査型超音波顕微鏡が開発され
た。この超音波顕微鏡は、原理的には円錐状に集
束された超音波ビームを被検査体に照射し、超音
波ビームの焦点の位置を被検査体面内で移動させ
たり、あるいは被検査体面に垂直方向に移動させ
たりして、被検査体内の各点における弾性的性質
の差異等によつて生ずる超音波の反射波あるいは
透過波を超音波トランスジユーサで検出して、電
気信号に変換し、その信号を陰極線管面上に二次
元的に表示して超音波顕微鏡像を得たり、あるい
はX−Yレコーダー等に記録したりするものであ
る。集束超音波ビームを形成するための変換器と
しては、代表的にはレンズ方式によるもの、凹面
あるいは凸面の球面上に超音波変換器を構成した
方式によるもの等がある。また、超音波トランス
ジユーサの配置により透過型と反射型の超音波顕
微鏡に分類される。
第1図は反射型の超音波顕微鏡のブロツク図
で、高周波パルス発振器1からの電気信号は、方
向性結合器2を経て、前記のような集束用超音波
トランスジユーサ3により集束超音波ビームとな
り、液体音場媒体4を介して、被検査体保持板5
上に固定され、ほぼ焦点近傍に配置された被検査
体6に照射される。保持板5は走査装置7によつ
てX及びY方向に移動される。もちろん、保持板
5を移動させる代わりに超音波トランスジユーサ
3をX及びY方向に移動させてもよい。走査装置
7は走査制御回路8によつて制御される。被検査
体6より反射された反射波は再び超音波トランス
ジユーサ3で集音され、電気信号に変換され、前
記方向性結合器2を経て表示装置9へ供給され超
音波顕微鏡像が得られる。
で、高周波パルス発振器1からの電気信号は、方
向性結合器2を経て、前記のような集束用超音波
トランスジユーサ3により集束超音波ビームとな
り、液体音場媒体4を介して、被検査体保持板5
上に固定され、ほぼ焦点近傍に配置された被検査
体6に照射される。保持板5は走査装置7によつ
てX及びY方向に移動される。もちろん、保持板
5を移動させる代わりに超音波トランスジユーサ
3をX及びY方向に移動させてもよい。走査装置
7は走査制御回路8によつて制御される。被検査
体6より反射された反射波は再び超音波トランス
ジユーサ3で集音され、電気信号に変換され、前
記方向性結合器2を経て表示装置9へ供給され超
音波顕微鏡像が得られる。
一方、前述の超音波顕微鏡を改良して被検査体
の音速を測定する音速測定装置が開発されてい
る。これは、超音波顕微鏡において、X及びY方
向に走査させず、第2図に示されるようにZ軸方
向移動装置11上に配置された被検査体10(例
えば、固体物質)を、移動制御装置12によつ
て、ビーム軸(Z軸)に沿つて超音波トランスジ
ユーサ3方向に近づくように移動させながらトラ
ンスジユーサ出力を観察するようにした装置であ
る。トランスジユーサの出力はb図に示されるよ
うな周期的に変化する曲線となつて記録装置13
に描かれる。この曲線はV(z)曲線あるいは音
響特性化曲線と呼ばれている。その周期性は物質
に依存し、これは被検査体10に照射される集束
超音波ビームのうちのZ軸近傍からの反射波と、
臨界角近傍のビームによつて励起された漏洩弾性
波の再放射した波との干渉によるものであること
が知られている。したがつて、第2図b中の周期
ΔZから、漏洩弾性波の速度を計算により求める
ことができる。この周期ΔZと音速の関係は近似
的に次式で与えられる。
の音速を測定する音速測定装置が開発されてい
る。これは、超音波顕微鏡において、X及びY方
向に走査させず、第2図に示されるようにZ軸方
向移動装置11上に配置された被検査体10(例
えば、固体物質)を、移動制御装置12によつ
て、ビーム軸(Z軸)に沿つて超音波トランスジ
ユーサ3方向に近づくように移動させながらトラ
ンスジユーサ出力を観察するようにした装置であ
る。トランスジユーサの出力はb図に示されるよ
うな周期的に変化する曲線となつて記録装置13
に描かれる。この曲線はV(z)曲線あるいは音
響特性化曲線と呼ばれている。その周期性は物質
に依存し、これは被検査体10に照射される集束
超音波ビームのうちのZ軸近傍からの反射波と、
臨界角近傍のビームによつて励起された漏洩弾性
波の再放射した波との干渉によるものであること
が知られている。したがつて、第2図b中の周期
ΔZから、漏洩弾性波の速度を計算により求める
ことができる。この周期ΔZと音速の関係は近似
的に次式で与えられる。
ΔZ=Vl/{2(1−cosθs)}
θs=Sin-1(Vl/Vs)
ここで、θs;臨界角、Vl;液体音場媒体4の縦
波速度、Vs;漏洩弾性波速度、;使用超音波
周波数である。したがつて、この音速測定装置で
は周期ΔZを実測することによつて、固体の音速
を求めるのである。その一例が1979年2月1日発
行の応用物理レター(APPLIED PHYSICS
LETTERS)34巻3号の179頁から181頁にウエ
グライン(Weglein)の論文で“A model for
predicting acoustic material signatures”があ
り、上記のような測定装置と測定方法によれば、
この方法が固体の音響特性の定量的測定に有用で
あることを実験的に明らかにしている。
波速度、Vs;漏洩弾性波速度、;使用超音波
周波数である。したがつて、この音速測定装置で
は周期ΔZを実測することによつて、固体の音速
を求めるのである。その一例が1979年2月1日発
行の応用物理レター(APPLIED PHYSICS
LETTERS)34巻3号の179頁から181頁にウエ
グライン(Weglein)の論文で“A model for
predicting acoustic material signatures”があ
り、上記のような測定装置と測定方法によれば、
この方法が固体の音響特性の定量的測定に有用で
あることを実験的に明らかにしている。
上述のV(Z)曲線にもとづく音速測定におい
て、前記の円錐状に集束された超音波ビームを用
いると、微小部分に対しての音響特性を検出でき
るという特徴をもつているが、そのビーム形状の
対称性により、ビームの成分はビーム軸のまわり
の全方向に広がつているために、被検査体がZ軸
のまわりに異方向をもつている場合には、方向に
依存した異方性の検出はできず、音速は平均値と
して測定される。そこで、異方性をも含めて定量
的に精密な計測を行うため、直線状に集束された
超音波ビーム(直線状集束超音波ビーム)を用い
る超音波顕微鏡が提案されている(特願昭56−
107402号参照)。
て、前記の円錐状に集束された超音波ビームを用
いると、微小部分に対しての音響特性を検出でき
るという特徴をもつているが、そのビーム形状の
対称性により、ビームの成分はビーム軸のまわり
の全方向に広がつているために、被検査体がZ軸
のまわりに異方向をもつている場合には、方向に
依存した異方性の検出はできず、音速は平均値と
して測定される。そこで、異方性をも含めて定量
的に精密な計測を行うため、直線状に集束された
超音波ビーム(直線状集束超音波ビーム)を用い
る超音波顕微鏡が提案されている(特願昭56−
107402号参照)。
第3図は直線状集束超音波ビームを用いて、固
体の音響特性のZ軸のまわりの異方性を検出測定
する方法を示す説明図である。直線状集束超音波
ビーム15は液体音場媒体(同図中には示されて
いない)を介して、被検査体16に照射され、上
述の円錐状に集束された超音波ビームを用いた場
合と同様に、Z軸方向に被検査体16を移動しな
がらV(z)曲線を記録する。デイツプの周期ΔZ
と固体の漏洩弾性波速度との関係式は円錐状に集
束された超音波ビームを用いた場合において説明
したものと全く同様である。第3図では、X方向
だけ漏洩弾性波を励振できるため、X方向の伝搬
速度を測定できる。順次、被検査体16をZ軸の
まわりに角度θ回転して同様な測定を繰り返すこ
とによつてZ軸のまわりの異方性を漏洩弾性波速
度値の差異として測定することができる。すなわ
ち、上記直線状集束超音波ビームを使用した場合
には、結晶の異方性を角度θと音速の関係で表わ
すことができる。
体の音響特性のZ軸のまわりの異方性を検出測定
する方法を示す説明図である。直線状集束超音波
ビーム15は液体音場媒体(同図中には示されて
いない)を介して、被検査体16に照射され、上
述の円錐状に集束された超音波ビームを用いた場
合と同様に、Z軸方向に被検査体16を移動しな
がらV(z)曲線を記録する。デイツプの周期ΔZ
と固体の漏洩弾性波速度との関係式は円錐状に集
束された超音波ビームを用いた場合において説明
したものと全く同様である。第3図では、X方向
だけ漏洩弾性波を励振できるため、X方向の伝搬
速度を測定できる。順次、被検査体16をZ軸の
まわりに角度θ回転して同様な測定を繰り返すこ
とによつてZ軸のまわりの異方性を漏洩弾性波速
度値の差異として測定することができる。すなわ
ち、上記直線状集束超音波ビームを使用した場合
には、結晶の異方性を角度θと音速の関係で表わ
すことができる。
以上のような測定法に基づいて音速決定を行う
ためには、V(z)曲線中のデイツプ周期が規則
的にあらわれることが必要である。しかしなが
ら、一般に観測されるV(z)曲線は、第4図の
実験例に示すように、デイツプ周期も形状もかな
り乱れる場合が多い。この現象は、被検査体が異
方性をもつ場合、あるいは層状構造(拡散層も含
む)の場合、および使用超音波の波長に比較して
あまり大きくない厚さの被検査体の場合等によく
みられる。この原因として、これらの被検査体に
おいては、一般に複数個の漏洩弾性波モードが存
在し、それぞれのモードの波捌からの再放射波が
複雑に干渉し合うために、V(z)曲線のデイツ
プ周期および波形に乱れが誘起されるからであ
る。したがつて、これらの場合にはデイツプ周期
ΔZが正確に求められない。すなわち、従来の音
速測定装置及び音速測定法は、基本的には被検査
体と液体音場媒体との境界に存在・伝搬する漏洩
弾性波が唯一のモードである場合、あるいは他の
漏洩弾性波モードが存在しても、その影響が無視
できて、V(z)曲線におけるデイツプ周期およ
び形状に及ぼす影響が小さいとみなせる場合に対
してしか適用できず、一般的に複数個の漏洩弾性
波モードが存在する被検査体については、従来の
音速測定装置と方法では音速および異方性を計測
することは不可能であるという重大な欠点があつ
た。
ためには、V(z)曲線中のデイツプ周期が規則
的にあらわれることが必要である。しかしなが
ら、一般に観測されるV(z)曲線は、第4図の
実験例に示すように、デイツプ周期も形状もかな
り乱れる場合が多い。この現象は、被検査体が異
方性をもつ場合、あるいは層状構造(拡散層も含
む)の場合、および使用超音波の波長に比較して
あまり大きくない厚さの被検査体の場合等によく
みられる。この原因として、これらの被検査体に
おいては、一般に複数個の漏洩弾性波モードが存
在し、それぞれのモードの波捌からの再放射波が
複雑に干渉し合うために、V(z)曲線のデイツ
プ周期および波形に乱れが誘起されるからであ
る。したがつて、これらの場合にはデイツプ周期
ΔZが正確に求められない。すなわち、従来の音
速測定装置及び音速測定法は、基本的には被検査
体と液体音場媒体との境界に存在・伝搬する漏洩
弾性波が唯一のモードである場合、あるいは他の
漏洩弾性波モードが存在しても、その影響が無視
できて、V(z)曲線におけるデイツプ周期およ
び形状に及ぼす影響が小さいとみなせる場合に対
してしか適用できず、一般的に複数個の漏洩弾性
波モードが存在する被検査体については、従来の
音速測定装置と方法では音速および異方性を計測
することは不可能であるという重大な欠点があつ
た。
本発明は上記従来例の欠点を解消するものであ
り、フーリエ変換等の波形解析手法を用いて解析
する機能を有する超音波顕微鏡装置に関するもの
である。本発明は、「複数の漏洩弾性波モードが
存在する被検査体に対して得られる複雑なV(z)
曲線は、各々のモードだけが存在すると仮定した
場合に得られるV(z)曲線の重ね合わせとして
考えることができる」という本発明者らの着想に
もとづくものである。すなわち、本発明は、測定
されたV(z)曲線に波形解析手法として、フー
リエ変換等の操作をとりいれて、周波数領域で、
各々のモードをそれぞれに対応した周波数スペク
トラムとして他のモードから分離し、各々のモー
ドに対して対応するデイツプ周期ΔZを算出し、
前述したデイツプ周期ΔZと漏洩弾性波速度Vsと
の関係式にもとづいて、各々のモードの漏洩弾性
波速度を決定することができるようにした装置で
ある。ここで波形解析手法としては、通信情報処
理技術でよく知られているフイルター、周波数分
析器、アナログ又はデイジタルフーリエ変換器、
その他最大エントロピー法によるデイジタル解析
器など種々の方法をとりいれることができる。以
下、図面により実施例を詳細に説明する。
り、フーリエ変換等の波形解析手法を用いて解析
する機能を有する超音波顕微鏡装置に関するもの
である。本発明は、「複数の漏洩弾性波モードが
存在する被検査体に対して得られる複雑なV(z)
曲線は、各々のモードだけが存在すると仮定した
場合に得られるV(z)曲線の重ね合わせとして
考えることができる」という本発明者らの着想に
もとづくものである。すなわち、本発明は、測定
されたV(z)曲線に波形解析手法として、フー
リエ変換等の操作をとりいれて、周波数領域で、
各々のモードをそれぞれに対応した周波数スペク
トラムとして他のモードから分離し、各々のモー
ドに対して対応するデイツプ周期ΔZを算出し、
前述したデイツプ周期ΔZと漏洩弾性波速度Vsと
の関係式にもとづいて、各々のモードの漏洩弾性
波速度を決定することができるようにした装置で
ある。ここで波形解析手法としては、通信情報処
理技術でよく知られているフイルター、周波数分
析器、アナログ又はデイジタルフーリエ変換器、
その他最大エントロピー法によるデイジタル解析
器など種々の方法をとりいれることができる。以
下、図面により実施例を詳細に説明する。
第5図は本発明の一実施例として、波形解析手
法に高速フーリエ変換解析器を用いた場合の超音
波顕微鏡装置のブロツク図を示したものである。
被検査体10に対してのV(z)曲線を記録装置
13に記録し、高速フーリエ変換解析器17で波
形解析を行い、漏洩弾性波のモード分離を行い、
それぞれのモードに対応した音速が得られる。
法に高速フーリエ変換解析器を用いた場合の超音
波顕微鏡装置のブロツク図を示したものである。
被検査体10に対してのV(z)曲線を記録装置
13に記録し、高速フーリエ変換解析器17で波
形解析を行い、漏洩弾性波のモード分離を行い、
それぞれのモードに対応した音速が得られる。
ここでは直線状集束超音波ビームを使用した音
速測定装置によつて、被検査体として(111)Ge
(結晶系m3m)について行つた実施例を示す。液
体音場媒体(ここでは水を使用する)とこの
(111)Ge被検査体との境界面に存在・伝搬でき
る漏洩弾性波としては2つのモード、即ち、漏洩
弾性表面波と、(111)Ge被検査体中にも音響エ
ネルギーをわずかながら放射しながら伝搬する漏
洩擬似弾性表面波とがある。第6図は(111)Ge
被検査体のZ軸のまわりの異方性に起因する漏洩
弾性波の伝搬方向(θ)依存性を示したものであ
る。この場合、異方性は結晶の対称性に存在し、
θ=0°から30°までの間の角度の音速との関係で
すべての方向の特性が決定されることを示してい
る。θ=30°及びその角度伝搬方向と等価な方向
への音波伝搬に関しては、純粋な漏洩レイリー波
だけとなり、漏洩擬似弾性表面波は消滅する。い
ま、本発明をこの(111)Ge被検査体のθ=0°と
30°の方向に対して得られるV(z)曲線に対して
適用してみる。第7図aとbはそれぞれθ=0°と
30°に対してのV(z)曲線である。θ=0°方向に
対してのV(z)曲線は、2つの漏洩弾性波が存
在するためにa図に示されるように、漏洩弾性波
モードが1つだけのθ=30°の場合(b図)に比
較して、V(z)曲線の波形が歪み、従来の音速
測定法を適用するのが困難であることが容易に理
解できる。第8図はこれら2つのV(z)曲線に
対して高速フーリエ変換を施した結果を示すもの
である。ここでは高速フーリエ変換は、8192ポイ
ントのサンプリング・データに対して行なわれ、
そのポイント数のうち551のサンプリング・ポイ
ントが第8図のそれぞれのV(z)曲線波形に対
して配分され、残りのサンプリング・ポイント数
は、充分な漏洩弾性波速度分解能を得るために、
ダミー・ポイントとして配分した。a図において
は、漏洩弾性表面波に対してP(LSAW)=51.64
Hz、漏洩擬似弾性表面波に対してP(LPSAW)=
30.03Hzの周波数で極大のスペクトルが得られて
いる。この周波数より次式で表わされる関係式か
ら、各々のモードに対してのデイツプ周期ΔZが
求められる。
速測定装置によつて、被検査体として(111)Ge
(結晶系m3m)について行つた実施例を示す。液
体音場媒体(ここでは水を使用する)とこの
(111)Ge被検査体との境界面に存在・伝搬でき
る漏洩弾性波としては2つのモード、即ち、漏洩
弾性表面波と、(111)Ge被検査体中にも音響エ
ネルギーをわずかながら放射しながら伝搬する漏
洩擬似弾性表面波とがある。第6図は(111)Ge
被検査体のZ軸のまわりの異方性に起因する漏洩
弾性波の伝搬方向(θ)依存性を示したものであ
る。この場合、異方性は結晶の対称性に存在し、
θ=0°から30°までの間の角度の音速との関係で
すべての方向の特性が決定されることを示してい
る。θ=30°及びその角度伝搬方向と等価な方向
への音波伝搬に関しては、純粋な漏洩レイリー波
だけとなり、漏洩擬似弾性表面波は消滅する。い
ま、本発明をこの(111)Ge被検査体のθ=0°と
30°の方向に対して得られるV(z)曲線に対して
適用してみる。第7図aとbはそれぞれθ=0°と
30°に対してのV(z)曲線である。θ=0°方向に
対してのV(z)曲線は、2つの漏洩弾性波が存
在するためにa図に示されるように、漏洩弾性波
モードが1つだけのθ=30°の場合(b図)に比
較して、V(z)曲線の波形が歪み、従来の音速
測定法を適用するのが困難であることが容易に理
解できる。第8図はこれら2つのV(z)曲線に
対して高速フーリエ変換を施した結果を示すもの
である。ここでは高速フーリエ変換は、8192ポイ
ントのサンプリング・データに対して行なわれ、
そのポイント数のうち551のサンプリング・ポイ
ントが第8図のそれぞれのV(z)曲線波形に対
して配分され、残りのサンプリング・ポイント数
は、充分な漏洩弾性波速度分解能を得るために、
ダミー・ポイントとして配分した。a図において
は、漏洩弾性表面波に対してP(LSAW)=51.64
Hz、漏洩擬似弾性表面波に対してP(LPSAW)=
30.03Hzの周波数で極大のスペクトルが得られて
いる。この周波数より次式で表わされる関係式か
ら、各々のモードに対してのデイツプ周期ΔZが
求められる。
ΔZ=(ΔZs/Δt)・(1/P)
ここではΔZs=1μm、Δt=0.001secを用いてい
る。前記デイツプ周期ΔZと音速Vsとの関係式を
用いると、それぞれ漏洩弾性表面波速度Vs
(LSAW)=2670m/s、漏洩擬似弾性表面波速
度Vs(LPSAW)=3435m/sと算出される。一
方、b図のθ=30°に対しては、ただ1つの純粋
な漏洩レイリー波に対して極大を示す周波数がP
(LSAW)=46.14Hzと得られ、その速度がVs
(LSAW)=2810m/sと決定できる。
る。前記デイツプ周期ΔZと音速Vsとの関係式を
用いると、それぞれ漏洩弾性表面波速度Vs
(LSAW)=2670m/s、漏洩擬似弾性表面波速
度Vs(LPSAW)=3435m/sと算出される。一
方、b図のθ=30°に対しては、ただ1つの純粋
な漏洩レイリー波に対して極大を示す周波数がP
(LSAW)=46.14Hzと得られ、その速度がVs
(LSAW)=2810m/sと決定できる。
以上、本発明は、被検査体の音響特性を集束超
音波ビームを用いて計測する高速フーリエ変換機
能を備えた超音波顕微鏡装置であつて、V(z)
曲線における波形の乱れがある場合でも、V(z)
曲線に寄与する複数個の漏洩弾性波モードを分離
して、それぞれのモードに対する音響特性を測定
できることを述べた。本発明による超音波顕微鏡
装置は等方性被検査体に対しての音響特性測定に
対して適用してもよいこともちろんである。ま
た、上記実施例においては直線状集束超音波ビー
ムを使用した場合について説明したが、円錐状に
集束された超音波ビームを使用した場合について
も適用できる。また、被検査体からの種々の弾性
的情報を含むV(z)曲線に対して、本説明では、
干渉のデイツプ周期だけに注目した音速測定に関
して説明を行つたが、高速フーリエ変換を用いた
本超音波顕微鏡によるV(z)曲線解析法では、
V(z)曲線に含まれる全音響情報を解析してお
り、他の弾性的パラメータ、例えば、漏洩弾性波
の伝搬に伴う伝搬減衰の測定も可能である。漏洩
弾性波の伝搬減衰の測定は被検査体の表面状態、
表面下の構造あるいは欠陥等の情報を漏洩弾情波
の伝搬特性に反映して検出できる。
音波ビームを用いて計測する高速フーリエ変換機
能を備えた超音波顕微鏡装置であつて、V(z)
曲線における波形の乱れがある場合でも、V(z)
曲線に寄与する複数個の漏洩弾性波モードを分離
して、それぞれのモードに対する音響特性を測定
できることを述べた。本発明による超音波顕微鏡
装置は等方性被検査体に対しての音響特性測定に
対して適用してもよいこともちろんである。ま
た、上記実施例においては直線状集束超音波ビー
ムを使用した場合について説明したが、円錐状に
集束された超音波ビームを使用した場合について
も適用できる。また、被検査体からの種々の弾性
的情報を含むV(z)曲線に対して、本説明では、
干渉のデイツプ周期だけに注目した音速測定に関
して説明を行つたが、高速フーリエ変換を用いた
本超音波顕微鏡によるV(z)曲線解析法では、
V(z)曲線に含まれる全音響情報を解析してお
り、他の弾性的パラメータ、例えば、漏洩弾性波
の伝搬に伴う伝搬減衰の測定も可能である。漏洩
弾性波の伝搬減衰の測定は被検査体の表面状態、
表面下の構造あるいは欠陥等の情報を漏洩弾情波
の伝搬特性に反映して検出できる。
以上のように、本発明の集束超音波ビームを用
いて被検査体の音響特性を計測するために高速フ
ーリエ変換等の波形解析手法をとりいれた超音波
顕微鏡装置は、V(z)曲線から音響特性を測定
することを目的とする測定に対して、あるいは、
集束超音波ビーム照射によつて得られる信号波形
の中に明白に存在あるいはうずもれた周期的信号
を検出することを目的とする測定に対して、すべ
てに使用できるという利点をもつている。
いて被検査体の音響特性を計測するために高速フ
ーリエ変換等の波形解析手法をとりいれた超音波
顕微鏡装置は、V(z)曲線から音響特性を測定
することを目的とする測定に対して、あるいは、
集束超音波ビーム照射によつて得られる信号波形
の中に明白に存在あるいはうずもれた周期的信号
を検出することを目的とする測定に対して、すべ
てに使用できるという利点をもつている。
第1図は反射型超音波顕微鏡の原理を示す図、
第2図は反射型超音波顕微鏡による音速測定の原
理を示す図、第3図は直線状集束超音波ビームに
よる固体の異方性検出の原理を示す説明図、第4
図はV(z)曲線中のデイツプの周期性が乱れた
場合を例示する図、第5図は本発明の一実施例と
して波形解析手法に高速フーリエ変換解析器を用
いた場合の超音波顕微鏡装置のブロツク図、第6
図は実験用被検査体として(111)GeのZ軸のま
わりの異方性を示す漏洩弾性波伝搬特性の理論曲
線図、第7図は(111)Ge被検査体のθ=0°とθ
=30°の方向に対して得られるV(z)曲線図、第
8図は第7図の2つのV(z)曲線のそれぞれに
対して高速フーリエ変換を施した結果を示す図で
ある。 1……高周波パルス発振器、2……方向性結合
器、3……集束用超音波トランスジユーサ、4…
…液体音場媒体、5……保持板、6,10,16
……被検査体、7……走査装置、8……走査制御
回路、9……表示装置、11……Z軸方向移動装
置、12……移動制御装置、13……記録装置、
14……圧電型超音波トランスジユーサ、15…
…直線状集束超音波ビーム、17……高速フーリ
エ変換解析器。
第2図は反射型超音波顕微鏡による音速測定の原
理を示す図、第3図は直線状集束超音波ビームに
よる固体の異方性検出の原理を示す説明図、第4
図はV(z)曲線中のデイツプの周期性が乱れた
場合を例示する図、第5図は本発明の一実施例と
して波形解析手法に高速フーリエ変換解析器を用
いた場合の超音波顕微鏡装置のブロツク図、第6
図は実験用被検査体として(111)GeのZ軸のま
わりの異方性を示す漏洩弾性波伝搬特性の理論曲
線図、第7図は(111)Ge被検査体のθ=0°とθ
=30°の方向に対して得られるV(z)曲線図、第
8図は第7図の2つのV(z)曲線のそれぞれに
対して高速フーリエ変換を施した結果を示す図で
ある。 1……高周波パルス発振器、2……方向性結合
器、3……集束用超音波トランスジユーサ、4…
…液体音場媒体、5……保持板、6,10,16
……被検査体、7……走査装置、8……走査制御
回路、9……表示装置、11……Z軸方向移動装
置、12……移動制御装置、13……記録装置、
14……圧電型超音波トランスジユーサ、15…
…直線状集束超音波ビーム、17……高速フーリ
エ変換解析器。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 集束超音波ビームを被検査物体に照射し、そ
の反射波をトランスジユーサで受波し、上記集束
超音波ビームの軸心方向に沿つてその集束超音波
ビームと上記被検査物体とを相対的に移動させ
て、上記トランスジユーサから音響特性化曲線V
(z)を得る超音波顕微鏡装置において、 上記音響特性化曲線V(z)を波形解析手法に
より各周波数成分に分解する手段と、 その各周波数成分の周期から漏洩弾性速度を求
める手段とを設けたことを特徴とする超音波顕微
鏡装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58058368A JPS59183364A (ja) | 1983-04-03 | 1983-04-03 | 超音波顕微鏡装置 |
US06/595,865 US4541281A (en) | 1983-04-03 | 1984-04-02 | Ultrasonic microscope system |
DE8484103640T DE3479922D1 (en) | 1983-04-03 | 1984-04-03 | Ultrasonic microscope system |
EP84103640A EP0121890B1 (en) | 1983-04-03 | 1984-04-03 | Ultrasonic microscope system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58058368A JPS59183364A (ja) | 1983-04-03 | 1983-04-03 | 超音波顕微鏡装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59183364A JPS59183364A (ja) | 1984-10-18 |
JPH0376418B2 true JPH0376418B2 (ja) | 1991-12-05 |
Family
ID=13082379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58058368A Granted JPS59183364A (ja) | 1983-04-03 | 1983-04-03 | 超音波顕微鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59183364A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3574621D1 (de) * | 1984-07-08 | 1990-01-11 | Noriyoshi Chubachi | Oberflaechen-ultraschall-interferenz-mikroskop. |
JPS6196452A (ja) * | 1984-10-18 | 1986-05-15 | Agency Of Ind Science & Technol | 表面弾性波の音速・減衰測定方法 |
-
1983
- 1983-04-03 JP JP58058368A patent/JPS59183364A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59183364A (ja) | 1984-10-18 |
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