JPH0374730B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この発明は、主として高層、超高層建物の排水
立管システムにおける二層立管システムに対して
排水横枝管を接続するための排水経路および通気
経路を兼ねた二層管用中間排水継手に関する。

【従来の技術】

この種の配管は、立管と横枝管をＹ字管やＴ字
管等の中間排水継手で接続し、できるだけ排水が
立管へスムーズに流れるように排水配管を行い、
排水のための空気層の増減に対して空気を補完
し、常に大気圧に近い状態を保持して横枝管に接
続されている各器具の排水トラツプの破壊を防止
し、排水の流れを円滑にさせる目的から通気管を
併設した配管システムを採用していた。 特に、中高層以上の建物においては、その目的
から雑用水立層、便所等の汚水用立管、通気管の
分流式三管方式、さらに、通気管にあつては、排
水立管と通気立管を最上階部分で接続して伸頂通
気管および途中階の要所で接続する結合通気管、
排水横枝管と通気立管とでは回路通気管および回
路通気管の機能を高めるための逃し通気管等があ
るが、施工・コストの面から通気立管、結合通気
管および逃し通気管を採用した排水・通気配管シ
ステムで対応しているのが普通である。 また、この他に、いずれも主として集合住宅の
住戸あるいはホテル等の客室を対象とするもの
で、排水立管と器具排水管あるいは排水横枝管の
接合部にいわゆる特殊排水継手を使用し、通気立
管を不要とした種々の合流式一管方式もある。 これらの従来例によれば、第１３図に示すよう
に、排水立管１および排水横枝管３が大気に開放
された伸頂通気管６やその伸頂通気管６に接続さ
れている通気用立管５、結合通気管７、回路通気
管８に接続されているので、これらの排水立管１
および排水横枝管３内を流下する排水により生じ
たこれらの内部の加圧空気および負圧空気は、通
気用立管５および伸頂通気管６を経て大気に通じ
ることができ、この結果、排水による管内加圧空
気の逆流、および吸引、トラツプ封水の破封の問
題が回避される。 従つて、各階の排水用器具２から発生した排水
を、各排水横枝管３で集め、排水立管１を通じて
下部の排水横主管９を経て下水道に排出する際、
排水立管１内に気圧差が発生し難く、この排水立
管１内の排水を安全かつ速やかに行うことができ
ると共に、各排水用器具２の各トラツプの封水確
保を行うことができるものである。

【発明が解決しようとする問題点】

しかしながら、これらの従来例による三管方
式、二管方式による排水用立管システムでは、排
水が排水横枝管から排水立管に流入する際に該排
水立管の内壁に衝突するため、流れが乱流となつ
て流下し管内気圧を変動させて管内の通気の流れ
を阻害するばかりでなく、排水がスムーズに行え
ない上に、排水音等の騒音を発生する。また、排
水立管とは別に通気立管を配管しなければならな
い上に、結合用通気管および回路通気管等による
接続構造が複雑である。 さらに、満水テスト等のテスト作業および排水
中に含まれる油脂の堆積や夾雑物の詰り等に対し
ては、専用の継手あるいは掃除金物等を配管に組
み込むほか、そのテスト作業も相当な時間と手間
がかかつていた。 従つて、配管施工作業の時間及び費用を相当に
要するばかりでなく、大きな配管スペースを要す
るので、狭い場所での施工、設置が非常に困難で
あつた。 また、第１３図における排水立管１や横枝管継
手４の外部に結露が発生しないように、これらを
外周から防露する必要があり、従来は、これらの
排水立管１や横枝管継手４の外周を保温材で被覆
する面倒な付帯作業を行うのが普通であつた。 なお、従来、排水立管への排水横枝管の継手内
に邪魔板や羽根等の特殊構造部を設け、排水横枝
管から排水立管内への排水の流れに旋回流を与え
るように構成した特殊継手を用いることにより、
通気用立管を省略できるようにした一管方式の掛
水用立管システムも考案されてはいる。 しかしながら、特殊継手内の特殊構造部が障害
物となつて、固形物等の詰りが発生したり、回路
通気管方式を採用できないため排水横枝管が長い
一般建物の便所等には適用できなかつた。 また、階数等の建築物の規模が大きくなると、
通気機能を十分満足させることができなくなると
言つた問題があつた。 この発明は上記問題点を解決すべくなされたも
ので、実質的に一管方式の排水用竪管システムで
採用する継手構造であつて、排水の乱流防止、そ
れに伴う騒音軽減が確実に図れると共に、通気用
スリツトによつて、従来の配管システムではコス
ト的に採用が頗る困難な逃し通気機能を持ち、か
つ、回路通気機能を高める使用と結合通気管を省
略しながら結合通気機能を併せ持ち、排水立管お
よび排水横枝管での通気機能を充分に満足させる
ことができ、テスト作業、保守、点検作業が容易
に行える二層管用中間排水継手を提供することを
目的とする。

【問題点を解決するための手段】

この発明の二層管用中間排水継手は、排水立管
と各階の排水横枝管を接続するものであつて、外
管と内管の二層管からなる継手構造とし、その内
管の内部を排水経路として排水を行う一方、内管
主要部には通気用スリツト及び外管で内管に連通
する点検兼用開孔部を設けて外管と内管との間に
形成した通気経路で排水経路の通気の連通を行う
と共に、テスト作業および保守・点検が行えるよ
うに構成したものである。

【作用】

この発明の二層管用中間排水継手は、上述のよ
うに二層管構成となつているので、排水立管に組
込んで、実質的には一管方式の排水立管システム
を構成している。 それでいて、排水立管および排水横管の継手部
分では排水経路により、また、該排水経路内は外
周に形成されている通気経路によつて、充分な通
気が行われる。 しかも、回路通気機能を高める作用と結合通気
配管を省略しながら結合通気機能を併せ持ち、テ
スト作業と保守点検作業を容易にして、かつ、通
気経路が排水経路の遮音および防露のための遮断
空間となる。

【実施例】

以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。第１図に示す二層立管システムにおい
て、１０は上流側の排水立管、１１は下流側の排
水立管であり、これらの排水立管１０，１１は、
管内で排水経路Ａを形成する内管１２と、この内
管１２の外周面との間で通気経路Ｂを形成する外
管１３とからなる二層管構造となつている。１４
は上記上流側と下流側の排水立管１０，１１を相
互接続し、かつ、排水横枝管２１を接続するため
の二層管用中間排水継手である。 この二層管用中間排水継手１４は、継手内管１
５と継手外管１６とからなつて、上記排水立管１
０，１１に対応した二層管構造になつている。 前記継手内管１５および継手外管１６は、前記
上下の排水立管１０，１１の管芯に関して、排水
立管１０，１１とほぼ同心的に配置される。継手
外管１６および継手内管１５は、これらの上端開
口部よりも、これらの下部開口部が次第に先細り
で小径となるほぼホツパー形の形状を有してい
る。すなわち、この実施例では、継手内管１５
が、これの上端開口部につながる円筒状の主管部
１９と、この主管部１９の下端部から、継手内管
１５の下端部まで、滑らかに且つ次第に先細りと
なるホツパー部とを有している。これに対応し
て、継手外管１６も、継手内管１５とほぼ相似形
の形状を有している。継手外管１６は、この実施
例では、継手内管１５の主管部１９に対応する筒
部と、この筒部から下方に続く先細り形の下流側
接続管部３３を有している。 継手外管１６の上端開口部の口径は、上流側排
水立管１０の外管１３の外径よりも大きく形成さ
れている。継手外管１６の上端開口部は、少なく
とも上流側排水立管１０の外径よりも外側へ延在
する部分が、環状の上端閉塞壁により閉鎖され
る。この上端閉塞壁は、内側に立上がり筒部３２
を有し、継手外管１６の内部と、上流側排水立管
１０における外管１３の内部とを外部から密閉す
る。 前記継手内管１５の上端開口部の口径は上流側
排水立管１０の内管１２の外径よりも大きく、か
つ継手内管１５の上端開口部は、上流側排水立管
１０内の通気経路Ｂを二層管用中間排水継手１４
内の通気経路に連通させるために、継手外管１６
の上端開口部よりも下方に位置されている。これ
により、継手内管１５内の排水経路が、上流側排
水立管１０の排水経路Ａおよび通気経路Ｂの両方
に連通している。 また、継手外管１６の下端部すなわち下流側接
続管部３３は下流側排水立管１１の外管１３ａ
に、かつ継手内管１５の下端部は、下流側排水立
管１１の内管１２ａの上端部にそれぞれ接合さ
れ、これにより、二層管用中間排水継手１４内の
排水経路および通気経路が、それぞれ、下流側排
水立管１１の排水経路Ａおよび通気経路Ｂに連通
されている。 また、継手内管１５の特に主管部１９の内壁面
のうちの上端寄りの個所には、継手外管１６を貫
通して外部の排水横枝管２１につながる少なくと
も１本の分岐管２０の先端が貫通開口している。
この分岐管２０の管芯は、この分岐管２０から継
手内管１５内に流入した排水が、継手内管１５の
内面に沿つて渦を巻きながら流下するように、継
手内管１５の管芯から偏心した位置に延在する構
成となつている。この実施例では、分岐管２０の
管芯が、継手内管１５における主管部１９の円周
上の接線に平行になつている。 この発明の主要特徴によると、前記継手内管１
５内には、上流側排水立管１０の内管１２の下部
が入り、この結果、上流側排水立管１０の内管１
２の下端開口部が、継手内管１５の上端開口部よ
りも下方に位置し、したがつて、上流側排水立管
１０の排水経路Ａから継手内管１５内に流下する
排水は、継手内管１５の上端開口部から外部へ飛
散することがほぼなくなる。 継手内管１５の上端開口部は、スリツト状の通
気中継口２２を有する環状の上端閉塞壁により閉
鎖される。この継手内管１５用の上端閉塞壁の中
央部には、上流側接合開口部１７が設けられ、こ
れには、上流側排水立管１０の内管１２の下部が
貫通し、かつパツキンＰを嵌合させてある。継手
内管１５用の上端閉塞壁は、継手内管１５内の排
水が通気経路内へ飛散するのを確実に防止する。 上記のように、上流側排水立管１０および排水
用横枝管２１から継手内管１５内に、排水と一緒
に流入した加圧空気は、継手内管１５内で排水か
ら分離して、通気中継口（スリツト）２２を通
り、上下の排水立管１０，１１内の通気経路Ｂ内
へ逃げることができる。同じように、排水立管１
０，１１および排水横枝管２１内の負圧も、継手
内管１５を介して大気に通じることができる。 上記継手内管１５と上記継手外管１６の各上端
閉塞壁には、継手本体外部から内部点検および排
水横枝管２１の経路の満水テスト等を実施するた
めの点検兼用開口部２３，２４が設けられてい
る。 この点検兼用開口部２３，２４には、点検蓋２
５が設けられている。 この点検蓋２５は、上記継手外管１６側の点検
兼用開口部２３の口径より径大で、かつ裏側に掛
止凹部２６が設けられたパツキン付の外蓋２７と
上記継手内管１５側の点検兼用開口部２４の口径
より径大で、かつ、中心部に立上りロツド２８を
一体に有するパツキン付の内蓋２９とからなる二
重蓋構成になつている。 立上りロツド２８の上端には上記掛止凹部２６
に掛止される掛止片部３０が、かつ、上記外蓋２
７の表側には把手３１がそれぞれ設けられてい
る。 そして、この追手３１で外蓋２７を押し廻すこ
とにより、該外蓋２７と上記内蓋２９とで上記各
点検兼用開口部２３，２４に気密性を持たせ、そ
れらの外蓋２７と内蓋２９を一体的に着脱可能と
している。 上記継手外管１６の中途には上記分岐管２０が
貫通しており、この分岐管２０は、その取出位置
を管芯に対して90゜以上、即ち、第１図〜第１０
図では一本の分岐管２０が、また、第１１図では
90゜の間隔で４本の分岐管２０が接続されており、
その何れであつてもよい。 上記分岐管２０の先端は、第９図および第１０
図に示すように、閉塞壁を有し、この先端閉塞壁
に各種異径の上記排水横枝管２１の各管径に対応
する複数の管径別円形切溝３４〜３６が設けられ
た分岐継手３７が装着されている。 この分岐継手３７は、接続すべき排水横枝管２
１の管径に該当した径の円形切溝を切除して開孔
し、該開孔部にパツキンを介して嵌込み係合でき
るようになつている。 また、上記分岐継手３７には、上記分岐管２０
の先端閉鎖壁に圧接させるストツパ片部３８が設
けられている。 尚、上記管径別円形切溝３４〜３６は、図示例
において、各円形切溝の円周上の一部が集合一致
する偏心円状に形成されているが、各円形切溝が
同心円状に形成されたものであつてもよい。 そして、上記二層管用中間排水継手１４におけ
る継手内管１５で上流側内管１２と下流側内管１
２ａが、かつ、継手外管１６で上流側外管１３と
下流側外管１３ａがそれぞれ接続され、また、上
記分岐管２０によつて排水横枝管２１が接続され
ている。 次に作用を説明する。上流側の排水立管１０か
ら二層管用中間排水継手１４の継手内管１５内に
排水が流入する一方、この継手内管１５内には排
水横枝管２１からも排水が流入する。この時、排
水横枝管２１からの排水が上記継手内管１５の内
周面に沿つた接線方向に送り込まれることによ
り、上記継手内管１５内では排水の旋回流が発生
する。 そして、上記継手内管１５内の上部空気層がス
リツト２２によつて、上記通気経路Ｂ内に通じて
いることにより、排水経路Ａ内は充分な通気性能
が得られ、上記排水は乱流を起こすことなく円滑
に流下して系外に排出される。 このため、実質的には一管方式の排水システム
でありながら、円滑で高機能な排水効果が得ら
れ、しかも、回路通気機能を高める作用と結合通
気配管を省略しながら結合通気機能を併せ持ち、
テスト作業と保守点検作業を容易にして、かつ通
気経路が排水経路の遮音および防露のための遮断
空間を形成した配管システムにできる。 尚、この発明の二層管用中間排水継手による配
管システムの実験結果を第１２図に示しておく。 この図において、縦軸に床の階数を、横軸に排
水を流すことにより排水負荷を与えた場合の管内
の気圧の変動量（mmAq）をそれぞれとり、排水
立管に210、240、270、300、330及び360／min
の排水を流したときの１、２及び３階における気
圧の変動をプロツトしたものである。図中、左側
と中央の列の図は最上階から、そして右側の列の
図は途中の階からも、それぞれ排水を供給した場
合について示したもので、管内気圧の変動による
トラツプ封水の破封もなく、許容排水量も既存の
排水システムに比べて大きく、この発明のものが
高い性能を有していることを示すものである。

【発明の効果】

以上のように、この発明の二層管用中間排水継
手によれば、実質的に一管方式の配管システムが
実現でき、しかも、排水横枝管からの排水が強制
的に遠心力を与えられて内管主管部内壁に沿いつ
つ流下することにより、水と空気の分離が確実に
図られ、立管の内管部を流下する排水中に、上端
部の伸張通気管に連通する空気コアを形成して、
管内空気の循環を促進するとともに、排水横枝管
の取付部にあつては通気スリツトが、管内気圧が
負圧時には通気経路より空気を取り込み、正圧時
には加圧空気を排出して管内気圧を略大気圧に保
持する効果を大にし、よつて、器具トラツプの封
水の吹出しや吸入作用あるいは管内気圧の変動に
伴う封水の運動による慣性等を保護して通気効果
を最大に生かせると共に、二管方式、三管方式あ
るいは特殊継手を用いた一管方式よりも付価の高
い高機能な排水システムを提供できる。特に、排
水時に起こる不快な発生音を防止し、管内気圧を
大気圧に保つことで封水を保護してトラツプ封水
の破壊による臭気の発散や放出が生じず、その上
洗剤排水に対しても影響がなく、排水を速やかに
スムーズに搬送することによつて集合住宅等にお
ける低位層居住者のクレームにも完全に対処でき
る。 そのほか、総合的な機能においても、遮音性が
高く、保温も不要で、施工性および保守管理性を
向上させ、さらに、防火区画の貫通が可能な上に
温排水による管の伸縮の吸収ができ、それによる
伸縮音の発生もなく、かつ、経済性にも優れたシ
ステムである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る二層立管シ
ステムの概略的断面図、第２図および第３図は同
要部の拡大断面図、第４図は二層管用中間排水継
手の拡大断面図、第５図は同平面図、第６図は第
４図の−線断面図、第７図は第４図の作用説
明図、第８図は第７図の平面図、第９図は排水横
枝管接続状態の断面図、第１０図は排水横枝管接
続用分岐継手の正面図、第１１図は他の実施例に
よる二層管用中間排水継手の平面図、第１２図は
実験データを示す表図、第１３図は従来の一管式
排水立管システムの配管図である。 図において、１０，１１は排水立管、１２は上
流側内管、１２ａは下流側内管、１３は外管、１
３ａは下流側外管、１４は二層管用中間排水継
手、１５は継手内管、１６は継手外管、１７は上
流側接合開口部、１８は下流側接合開口部、１９
は主管部、２０は分岐管、Ａは排水経路、Ｂは通
気経路である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 縦に１列に配置される上流側の排水立管１０
   および下流側の排水立管１１を相互接続する二層
   管用中間排水継手１４であつて、前記上流および
   下流側の排水立管１０，１１は、内側に排水経路
   Ａを形成する内管１２と、この内管１２を包囲
   し、かつ内管１２の外周面および自らの内面間に
   通気経路Ｂを形成する外管１３とで構成される二
   層管構造を有し、前記二層管用中間排水継手１４
   は、内側に排水経路を形成する継手内管１５と、
   この継手内管１５を包囲し、かつ継手内管１５の
   外周面および自らの内面間に通気経路を形成する
   継手外管１６とで構成される二層管構造を有し、
   継手内管１５および継手外管１６は、前記上下の
   排水立管１０，１１の管芯に関して、排水立管１
   ０，１１とほぼ同心的に配置され、継手外管１６
   および継手内管１５は、これらの上端開口部より
   も、これらの下部開口部が次第に先細りで小径と
   なるほぼホツパー形の形状を有し、かつ、継手外
   管１６の上端開口部の口径は、上流側排水立管１
   ０の外管１３の外径よりも大きく、継手外管１６
   の上端開口部は、少なくとも上流側立管１０の外
   径よりも外側へ延在する部分が、環状の上端閉塞
   部材により閉鎖され、この上端閉塞部材は、継手
   外管１６の内部と、上流側排水立管１０の内部と
   を外部から密閉し、前記継手内管１５の上端開口
   部の口径は上流側排水立管１０の内管１２の外径
   よりも大きく、かつ継手内管１５の上端開口部
   は、上流側排水立管１０内の通気経路Ｂを二層管
   用中間排水継手１４内の通気経路に連通させるた
   めに、継手外管１６の上端開口部よりも下方に位
   置され、これにより、継手内管１５内の排水経路
   が、上流側排水立管１０の排水経路Ａおよび通気
   経路Ｂの両方に連通し、また継手外管１６の下端
   部は下流側排水立管１１の外管１３ａに、かつ継
   手内管１５の下端部が、下流側排水立管１１の内
   管１２ａの上端部にそれぞれ接合され、これによ
   り、二層管用中間排水継手１４内の排水経路およ
   び通気経路が、それぞれ下流側排水立管１１の排
   水経路Ａおよび通気経路Ｂに連通され、また継手
   内管１５の内壁のうちの上端寄りの個所には、継
   手外管１６を貫通して外部の排水横枝管２１につ
   ながる少なくとも１本の分岐管２０の先端が貫通
   開口し、この分岐管２０の管芯は、この分岐管２
   ０から継手内管１５内に流入した排水が、継手内
   管１５の内面に沿つて渦を巻きながら流下するよ
   うに、継手内管１５の管芯から偏心した位置に延
   在する構成となつている二層管用中間排水継手１
   ４において、前記継手内管１５内に、上流側排水
   立管１０の内管１２の下部が入り、この結果、上
   流側排水立管１０の内管１２の下端開口部が、継
   手内管１５の上端開口部よりも下方に位置し、継
   手内管１５の上端開口部は、スリツト状の通気中
   継口２２を有する環状の上端閉塞部材により閉鎖
   され、この継手内管１５用の上端閉塞部材の中央
   部には、上流側排水立管１０の内管１２の下部が
   貫通し、かつパツキンＰを嵌合させるための上流
   側接合開口部１７が設けられ、継手内管１５およ
   び継手外管１６の各上端閉塞部材には、内部点検
   および排水横枝管２１の経路の満水テスト等を実
   施するための点検兼用開口部２４，２３がそれぞ
   れ設けられ、これらの点検兼用開口部２４，２３
   は、共通の点検蓋２５により同時に開閉されるこ
   とを特徴とする二層管用中間排水継手。 ２ 前記点検蓋２５は、継手外管１６側の点検兼
   用開口部２３の口径よりも径大で、かつ裏側に掛
   止凹部２６が設けられて点検兼用開口部２３を開
   閉するパツキン付の外蓋２７と、継手内管１５側
   の点検兼用開口部２４の口径よりも径大で、立上
   りロツド２８を一体に有して継手内管１５側の点
   検兼用開口部２４を閉鎖するパツキン付の内蓋２
   ９とからなる二重蓋構成とされ、立上りロツド２
   ８の上端には、前記掛止凹部２６に掛止される掛
   止片部３０が、かつ前記外蓋２７の表側には把手
   ３１がそれぞれ設けられ、この把手３１で外蓋２
   ７を押し回すことにより、外蓋２７と内蓋２９と
   で各点検兼用開口部２３，２４に気密性を持た
   せ、それらの外蓋２７と内蓋２９を一体的に着脱
   可能としたことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の二層管用中間排水継手。 ３ 前記分岐管２０の外部側先端には、分岐継手
   ３７を装着して設け、この分岐継手３７は閉塞壁
   を有し、この閉塞壁には、各種異径の排水横枝管
   ２１の各管径に対応する複数の管径別円形切溝３
   ４〜３６が設けられ、この分岐継手３７には、接
   続すべき排水横枝管２１の管径に該当した径の円
   形切溝を切除して開孔し、この開孔部にパツキン
   を介して前記該当した排水横枝管２１を嵌合させ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項または
   第２項記載の二層管用中間排水継手。 ４ 前記管径別円形切溝３４〜３６は、各円形切
   溝３４〜３６の円周上の一部が集合一致する偏心
   円状に形成されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第３項記載の二層管用中間排水継手。