JPH037318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、チツプ電子部品等の部品のテーピン
グ包装に関するものである。

〔従来の技術〕

近時、電気製品の製造においては、プリント基
板に部品を自動的に実装することがさかんに行わ
れるようになつている。そして、かかる自動実装
にあつては、部品を供給するために、長尺の帯状
体に一定間隔で設けられた孔や凹所などの開口部
の内部に部品を収納する、所謂テーピング包装が
なされている。

第３図は従来のテーピング包装の一例を示すも
のである。同図において、部品の厚みより厚い紙
からなる長尺の帯状体１には、一定間隔で角孔２
と送り穴３とが形成されており、この帯状体１の
下面にはホツトメルト接着部材４を介して、ポリ
エチレンや紙等からなるフイルム体５が貼着さ
れ、これにより前記角孔２の下部開口が蓋閉され
ている。また、角孔２の内部にはチツプ状電子部
品等の部品６が収納されており、ホツトメルト接
着部材７を介して、前記フイルム体５と同様の材
質からなるフイルム体８を帯状体１の上面に貼着
することにより、部品６を収納した前記角孔２の
上部開口が蓋閉されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、かかる従来のテーピング包装に
あつては、帯状体１にフイルム体５あるいは８を
貼着する際に、これらフイルム体の一部が送り穴
３を塞いでしまつたり、帯状体１の側端面からは
み出して貼着されてしまうことがあつた。その結
果、帯状体１の移送に支承をきたしたり、作業中
にフイルム体がはみ出し部分から剥離しやすくな
つてしまい、作業性を著しく損なう要因となつて
いた。

したがつて本考案の目的とするところは、部品
収納用の開口部を蓋閉するためのフイルム体が所
定位置に確実に配設できるテーピング包装を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、帯状体
に一定間隔で設けられた開口部の内部に部品が収
納され、この開口部がフイルム体で蓋閉されるテ
ーピング包装において、前記帯状体に、この帯状
体の長手方向に延びて前記フイルム体と略同幅の
凹溝を設け、この凹溝内に前記フイルム体を配設
する構造とした。

〔作用〕

すなわち、上記構造のテーピング包装は、凹溝
によつてフイルム体の位置決めを行い、これによ
り該フイルム体の位置ずれに起因するトラブルを
回避しようというものである。

〔実施例〕

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
ものであつて、第１図は斜視図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線断面図であり、第３図と対応する部分
には同一符号を付けてある。

第１図、第２図において、部品の厚みより厚
い、例えば紙等からなる長尺の帯状体１には、一
定間隔で角孔２と送り穴３とが穿孔形成されてお
り、この帯状体１の下面には低重合ポリエチレン
等からなるホツトメルト接着部材４を介して、例
えばポリエチレンや紙等からなるフイルム体５が
貼着され、これにより前記角孔２の下部開口が蓋
閉されている。また、前記帯状体１の上面側に
は、後述するフイルム体８と略同幅で該帯状体１
の長手方向に延びる凹溝９が、例えばプレス成形
等により予め形成されている。帯状体１に対する
この凹溝９の幅方向の位置は、少なくとも前記角
孔２の上部開口を包含し、かつ前記送り穴３にか
かることのない範囲に設定されており、角孔２の
内部にチツプ状電子部品等の部品６を収納した
後、凹溝９上にホツトメルト接着部材７を介して
フイルム体８を貼着することによつて、該角孔２
の上部開口が蓋閉されている。なお、ホツトメル
ト接着部材７は前記ホツトメルト接着部材４と、
またフイルム体８は前記フイルム体５と、それぞ
れ同様の材質からなるものである。

このように、帯状体１に予め位置決め用の凹溝
９を形成しておき、この凹溝９内にフイルム体８
を配設してあるので、フイルム体８を貼着する際
にこれが送り穴３を塞いでしまつたり、あるいは
帯状体１の側端面からはみ出てしまうといつた不
所望な事態が起こる心配がなく、フイルム体８の
位置ずれに起因するトラブルを確実に防止するこ
とができる。また、フイルム体８は凹溝９の段差
により位置規制されているので、該フイルム体８
の一部に接着不良の個所があつたとしても作業中
の剥離は起きにくく、これにより、作業性が良好
で確実性の高いテーピング包装が実現されてい
る。

そして、こうしてテーピング包装された部品６
を自動実装する際には、角孔２の上部開口を蓋閉
しているフイルム体８を剥して部品６を露出させ
た後、この部品６をバキユーム吸着してプリント
基板上の所定位置にマウントしていく。

なお、上記実施例では、角孔２の上部開口を蓋
閉するためのフイルム体８に対して位置決め用の
凹溝９を設けた場合について説明したが、角孔２
の下部開口を蓋閉するためのフイルム体５に対し
て同様の凹溝を設けても良い。

また、上記実施例では帯状体１としては紙を紹
介したが、帯状体は紙に限定されるものではな
く、例えば塩化ビニールやポリエステル等の合成
樹脂、あるいは発泡体などからなる長尺の薄板に
エンボス加工を施して、凹溝や一定間隔の凹状開
口部を形成したものでも良く、この場合、部品収
納用の該凹状開口部は上側のみが開口しているの
で、フイルム体も帯状体の上面側のみに貼着すれ
ば良いことになる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、帯状体に
一定間隔で設けられた開口部の内部に部品が収納
され、この開口部がフイルム体で蓋閉されるテー
ピング包装において、前記帯状体に、この帯状体
の長手方向に延びて前記フイルム体と略同幅の凹
溝を設け、この凹溝内に前記フイルム体を配設す
る構造としたので、フイルム体の位置決めが確実
に行え、よつてフイルム体が送り穴を塞いでしま
つたり、あるいはフイルム体が帯状体の側端面か
らはみ出して剥離しやすくなるといつた不所望な
事態が起こる心配がない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は斜視図、第２図は第１図のＡ−
Ａ線断面図、第３図は従来例を示す斜視図であ
る。 １……帯状体、２……角孔（開口部）、３……
送り穴、５，８……フイルム体、６……部品、９
……凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状体に一定間隔で設けられた開口部の内部に
   部品が収納され、この開口部がフイルム体で蓋閉
   されるテーピング包装において、前記帯状体に、
   この帯状体の長手方向に延びて前記フイルム体と
   略同幅の凹溝を設け、この凹溝内に前記フイルム
   体を配設したことを特徴とするテーピング包装。