JPH037209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は自動車に最適なワイパ付サンルーフ
装置に関するものである。

〔従来技術〕

一般に自動車の屋根に取付けられるサンルーフ
装置は、固定ルーフパネルの開口部に、可動ルー
フパネルが設けられている。可動ルーフパネル
は、該パネルの後端側が開口部の開口縁より上方
へ突出して傾斜したチルトアツプ機能と、ルーフ
パネル天井空間部内へ移動するスライド機能とを
有し、可動ルーフパネルをルーフパネル天井空間
部内へ収納することで開口部の解放が行なえる構
造となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 かかるサンルーフ装置にあつては、雨上がり直
後に開放すると可動ルーフパネルに付着した水滴
が車室内に落下する不具合があることと、また、
可動ルーフパネルがガラス等の透明タイプにあつ
ては走行中に車室内から外側表面の汚れを落して
視界を確保する手段がなかつた。

そこで、この考案は可動ルーフパネルのパネル
表面に付着した水滴や汚れを車室内より簡単に払
拭し得るようにし、しかも、開口部からの走行風
の巻き込みを防ぐと共に不使用時のワイパが見え
ないようにしたワイパ付サンルーフ装置を提供す
ることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、この考案にあつて
は、固定ルーフパネルの開口部に、該開口部の開
閉を図る可動ルーフパネルを設けると共に前記開
口部の前端縁に、走行時の走行風を上方へガイド
する傾斜した整流面を有し前記開口部の両端縁に
沿つて形設され、前後に長いガイド部へ続く格納
部を設け、該格納部内に、前記ガイド部に摺動自
在に両端支持されると共に駆動部によつて前後に
往復動可能なワイパアームを有するワイパを設け
てある。

〔作用〕

かかるワイパ付サンルーフ装置によれば、高速
走行時において、走行風は、格納部の整流面によ
つて上方へガイドされ開口部からの走行風の巻き
込みは起きない。一方駆動部の作動で、ワイパア
ームはガイド部に両端支持された状態で可動ルー
フパネルのパネル面上を前後に往復動し、可動ル
ーフパネルに付着した水滴や汚れを払拭するよう
になる。払拭完了後のワイパアームは格納部内に
格納されるため車室内から直接見えることはな
い。

〔実施例〕

以下、第１図乃至第４図の図面を参照しながら
この考案の一実施例を詳細に説明する。

図中１は固定ルーフパネル３に形成された開口
部を示しており、該開口部１には可動ルーフパネ
ル５が設けられている。

可動ルーフパネル５は前記開口部１の両側方
（第１図上下）に設けられた案内レール７（反対
側は図示されていない）に沿つて後方（第２図矢
印イ）へ移動することでルーフパネル後方の天井
空間部９へ収納されるスライド機能と、可動ルー
フパネル５の後端部５ａが前記開口部１より上方
へ突出して傾斜したチルトアツプ機能とを有し、
チルトアツプ時又は開口部１に臨む閉塞姿勢時の
可動ルーフパネル５は位置決め機構（図示してい
ない）によつて拘束されている。

一方、開口部１の前端縁から両側縁に沿つて平
面コ字状の格納ケース１１が設けられている。

格納ケース１１は合成樹脂製で形成され、前方
格納部１３と左右両側の案内誘導部１５，１５と
から成つている。格納部１３の前面は固定ルーフ
パネル３から上方へ向けて上昇する整流面１３ａ
となつており、固定ルーフパネル３に沿つて流れ
る走行風を上方へ整流して誘導を行なうデフレク
タ機能を備えた形状となつている。また、格納部
１３の内部空間１７にはワイパ１９が設けられて
いる。

ワイパ１９は車巾方向に長いワイパアーム２１
と、該ワイパアーム２１に装着されたワイパブレ
ード２３と、前記ワイパアーム２１を前後方向
（第１図矢印）へ往復動させる駆動部２５と、該
駆動部２５を作動制御する手動の操作部２７とか
ら成つている。

ワイパアーム２１の両端部２１ａ，２１ａは前
記案内誘導部１５，１５に設けられたガイド部２
９，２９に沿つて摺動可能なギヤードワイヤ３
１，３１に連結されている。ギヤードワイヤ３
１，３１の自由端側は前記ガイド部２９，２９と
連通し前記格納部１３の内部空間１７へ続くガイ
ド部２９ａ，２９ａに沿つて延長され、前記駆動
部２５の駆動ギヤ３３と対向し合う状態で噛み合
つている。これにより駆動部２５の構造を簡潔に
すると共に占領スペースＬが最小となるよう設定
されている。

駆動ギヤ３３はギヤ軸３５を中心として正転・
逆転自在に支持され、該ギヤ３３と一体に形成さ
れたドラム３７には案内プーリ３９を介して前記
操作部２７に連結された操作ワイヤ４１が巻回さ
れている。

操作部２７はレバー軸２７ａを支点として回動
可能な手動のレバータイプとなつており、操作部
２７の回動（矢印）で前記駆動ギヤ３３は正転又
は逆転するようになる。これにより、ギヤードワ
イヤ３１はガイド部２９，２９に沿つて摺動する
ことでワイパアーム２１は往復動するようにな
る。なお、ワイパアーム２１の復動時は、前記ド
ラム３７の内部に介装されたばね等の助勢機構４
３によつて円滑に復帰するようになつている。

このように構成されたワイパ付サンルーフ装置
において、不使用時のワイパアーム２１は格納ケ
ース１１の格納部１３内に格納されている。

次に使用する場合、手動の操作部２７の操作
（矢印）で駆動ギヤ３３を正転又は逆転させる。
これによりギヤードワイヤ３１，３１は前後に摺
動し、ワイパアーム２１を往復動させる。往復動
時のワイパアーム２１の両端部２１ａ，２１ａは
ガイド部２９，２９によつて正しく前後方向に誘
導される。この時、可動ルーフパネル５のパネル
面５ｂの水滴や汚れが払拭される。

したがつて、可動ルーフパネル５をルーフパネ
ル天井空間部９へ移動させて開口部１の開放を図
る際に、水滴が車室内へ落下することがない。ま
た、ガラス等の透明タイプの可動ルーフパネル５
にあつては上方の視界が良好に確保されると共に
ワイパアーム２１が直接見えることがないため、
見栄えの面でも大変好ましいものとなる。

なお、本実施例において駆動部は手動タイプと
したが、モータ等を使用し、適宜の操作スイツチ
により、電気的に作動させてもよいものである。

〔考案の効果〕

以上、説明したように、この考案のワイパ付サ
ンルーフ装置によれば、格納部の整流面によつて
高速走行時の走行風の巻き込みを防ぐことができ
ると共に、また、可動ルーフパネルのパネル面の
払拭ができるため雨上り直後に開口部を開放して
も水滴が車室内へ落下することがない。しかも、
使用しない時は、格納部内に格納されるため車室
内からワイパアームが見えることがなくなり、見
栄えの向上が図れるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のワイパ付サンルーフ装置の
概要平面図、第２図は第１図の−線断面図、
第３図は第１図の−線断面図、第４図はこの
考案を実施した自動車の斜視図である。 主要な図面符号の説明、１……開口部、３……
固定ルーフパネル、５……可動ルーフパネル、２
１……ワイパアーム、２９……ガイド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定ルーフパネルの開口部に、該開口部の開閉
   を図る可動ルーフパネルを設けると共に前記開口
   部の前端縁に、走行時の走行風を上方へガイドす
   る傾斜した整流面を有し前記開口部の両側縁に沿
   つて形設された前後に長いガイド部へ続く格納部
   を設け、該格納部内に、前記ガイド部に摺動自在
   に両端支持されると共に駆動部によつて前後に往
   復動可能なワイパアームを有するワイパを設けた
   ことを特徴とするワイパ付サンルーフ装置。