JPH0368492B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は台風、煤煙、季節風等により汚損さ
れた碍子を洗浄して設計絶縁強度を維持し、碍子
汚損による災害を未然に防止するための碍子洗浄
機に係り、電気所、送電線路で使用中の碍子を活
線状態で洗浄するための碍子洗浄機に関するもの
である。

（従来の技術） 電気所、送電線路等で使用中の碍子は台風、煤
煙、季節風等により汚損されると絶縁強度が低下
し、その強度が所定値以下になるとフラツシオー
バー事故となる。このため、本願出願人は特開昭
62−217814号公報において第７図に示すような碍
子洗浄機を提案している。この碍子洗浄機は絶縁
材よりなる操作ロツド２の先端部に噴射ノズル７
を設けるとともに、操作ロツド２の操作部２ａと
噴射ノズル７との間には水タンク８を設け、この
水タンク８と前記噴射ノズル７とを送水管１０に
より連通し、圧縮気体供給源からの圧縮気体を前
記噴射ノズル７に供給するための送気用ホース４
を設けている。そして、前記操作部２ａ側に設け
たバルブ１１を開放して圧縮空気を前記噴射ノズ
ル７から噴射させて水タンク８内の水を霧状にし
て懸垂碍子１３の内面に噴射させることにより、
碍子汚損面を洗浄するようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、上記従来の碍子洗浄機は、操作ロツ
ド２の先端部寄り位置に、懸垂碍子１３に支持さ
れる部材が無かつたので、操作ロツド２の操作部
２ａを作業者が把持して懸垂碍子の洗浄を行う
際、水タンク８及び操作ロツド２の荷重が操作部
２ａの作業者に全て掛かるため、洗浄作業に多大
な労力を要するという問題があつた。これを解消
するため、別途設けた絶縁材よりなる補正ロツド
３１を使用して、別の作業者が上方から操作ロツ
ド２の先端部を吊り上げる必要があつた。従つ
て、碍子洗浄機が非常に面倒であるという新たな
問題が生じた。

本発明の第１の目的は碍子洗浄機を碍子上で容
易に移動することができるとともに、碍子の洗浄
作業中に操作ロツドの操作部に作用する荷重を軽
減して、碍子の洗浄作業を容易に行うことができ
る碍子洗浄機を提供することにある。

又、本発明の第２の目的は、第１の目的に加え
て、運搬作業及び碍子上での移動がさらに容易な
碍子洗浄機を提供することにある。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明は前記第１の目的を達成するため、絶
縁材よりなる操作ロツドの先端部に噴射ノズルを
設けるとともに、該操作ロツドの基端部側に操作
部を備えてなる碍子洗浄機において、前記操作ロ
ツドの先端部寄り位置に設けた取付部に対し碍子
の表面を走行する絶縁材よりなる受台を回動可能
に連結支持するという手段をとつている。

又、本発明は第２の目的を達成するため、第１
の発明の構成に加えて、操作ロツドの支え位置よ
りも基端部例にバランス用の重錘を設けるという
手段をとつている。

（作用） 第１発明では、碍子の洗浄作業に際し、まず基
端部側の支え位置にて把持した操作ロツドを傾斜
させ、該操作ロツドの先端部寄り位置の受台を碍
子の表面に当接させる。すると、該受台を通じて
操作ロツド等の荷重が碍子の表面に作用し、碍子
洗浄機の全荷重が前記支え位置と受台との間で分
担される。そして、受台を碍子の表面に当接状態
として操作ロツドを動かすと該受台は碍子の表面
上を移動し、これに伴い、噴射ノズルの位置も移
動される。また、受台は取付部に対して回動可能
に連結支持されているため、碍子の表面に受台を
当接状態としたままで操作ロツドの傾斜角度を変
えると、噴射ノズルの噴射方向が変更され、碍子
の表面はあらゆる角度から洗浄される。

又、第２発明では操作ロツドの支え位置よりも
基端部側に重錘が設けてあるので、前記第１の発
明の作用に加えて、操作ロツドの操作部を持ち上
げた状態で、操作ロツド等の荷重と、重錘とがバ
ランスするため、碍子洗浄機の運搬作業及び碍子
上での移動がさらに容易となる。

（実施例） 以下、この発明を具体化した一実施例を第１〜
６図について説明する。

第１図において符号１は本発明の碍子洗浄機全
体を示し、該洗浄機１を構成する絶縁パイプより
なる操作ロツド２の基端部には、継手３を介して
地上に設置した圧縮気体供給源（図示略）に接続
される可撓性の送気用ホース４が相対回転可能に
接続されている。

第１，２図に示すように、前記操作ロツド２の
先端部には該操作ロツド２と直交するように取付
管５が連結され、該取付管５の先端部には可動取
付部材６を介して噴射ノズル７が取着されてい
る。又、前記操作ロツド２の先端寄り位置には、
第６図に示す正面円環状の水タンク８が相対回動
可能（最大角は約20度）に嵌装されている。この
水タンク８の上部には図示しない逆止弁を設けた
給水口を兼用する空気取入管９が設けられてい
る。前記水タンク８と噴射ノズル７とは可撓性の
送水管１０により連通されており、水タンク８か
ら噴射ノズル７に送られた水は前記送気用ホース
４及び操作ロツド２内部を通して取付管５に送ら
れた圧縮気体により噴射ノズル７のベンチユリー
効果により吸引、混合されて霧状に噴射されるよ
うになつている。

前記操作ロツド２の操作部２ａ側には噴射ノズ
ル７への空気の供給、遮断を行うためのバルブ１
１が設けられている。又、該操作部２ａには肩掛
け用のベルト１２が止着され、第１図に示すよう
に該ベルト１２上には操作ロツド２の持上げ時に
おける支え位置としての肩掛け点Ｐが設けられて
いる。

前記操作ロツド２の先端寄り位置には、該ロツ
ド２及び水タンク８等の荷重を、耐張鉄塔用の懸
垂碍子１３を直列に連結してなる懸垂碍子連１４
の上部に支承するための絶縁材よりなる第１発明
の要部である受台１５が装着されている。この受
台１５は、第２，３図に示すように懸垂碍子１３
の表面に接触する複数の接触凸部１５ａを所定間
隔をおいて二条に備え、その接触凸部１５ａが設
けられた面と反対側には左右一対のブラケツト１
５ｂが一体に立設されている。そして、前記操作
ロツド２に嵌合固定した取付筒体１６の外周面に
一体形成した取付部としての取付板部１６ａを前
記ブラケツト１５ｂに係合した状態で、連結ピン
１７により該連結ピン１７を支点として回動可能
に連結支持されている。このようにしたことによ
り、懸垂碍子連１４の傾斜角が異なる場合あるい
は懸垂碍子連１４が長くて中間で弛んでいるよう
な場合においても、碍子洗浄作業中に受台１５の
接触凸部１５ａを懸垂碍子１３の表面に当接状態
としたままで噴射ノズル７の噴射方向を変更する
ことが可能となる。

前記接触凸部１５ａを多数形成したのは、受台
１５が隣接する懸垂碍子１３にブリツジ状に載置
された場合に、沿面絶縁距離を充分確保するため
である。

一方、前記操作ロツド２の操作部２ａ側におい
て前記肩掛け点Ｐよりも基端部側には第１図及び
第４図に示すように第２発明の要部である重錘１
８が装着されている。この重錘１８は操作ロツド
２の長手方向へ移動可能にロツド２上に嵌合して
ボルト１９により止着した取付筒体２０に対し、
取り外し可能に、かつ重量の変更可能に複数に分
割して装着されている。

前記のように構成した碍子洗浄機１による懸垂
碍子１３の洗浄について説明する。

まず、前記ベルト１２を肩に掛けると、操作ロ
ツド２の操作部２ａ基端に重錘１８が装着されて
いるので、肩掛け点Ｐよりも先端部側の部材、つ
まり操作ロツド２、水タンク８及び受台１５等を
合わせた荷重Ｗ１（第１図参照）と前記肩掛け点
Ｐよりも基端部側に位置する前記重錘１８の荷重
Ｗ２とがほぼ均衡するので、碍子洗浄機全体を容
易に目的の場所へ運搬することができ、操作ロツ
ド２の先端部の噴射ノズル７を目的の懸垂碍子１
３上に容易に載置することができる。

又、前記受台１５の下面に形成した接触凸部１
５ａを懸垂碍子１３の上面に接触して滑動させる
ことにより、押圧力のみで噴射ノズル７を目的の
懸垂碍子１３まで容易に移動させることができ
る。

次に、操作ロツド２を回動させて、隣接する懸
垂碍子１３間に噴射ノズル７を進入させ、操作部
２ａのバルブ１１を開放すると、圧縮気体供給源
からの圧縮気体が送気用ホース４及び操作ロツド
２を介して取付管５に供給され、この圧縮気体に
より水タンク８の水が噴射ノズル７で吸引混合さ
れ、噴射ノズル７から噴霧放出され、この結果懸
垂碍子１３の内面が清掃される。

なお、作業者は操作ロツド２の操作部２ａを第
５図に示すように矢印方向に回動操作することに
より、水の噴射領域は二点鎖線で示すように円弧
状に広がり、水が全方向に噴射され、懸垂碍子１
３が隅々まで洗浄される。

ある懸垂碍子１３の洗浄を終えたら、操作ロツ
ド２を操作して、次の懸垂碍子１３へ移動する
が、この際前記受台１５の接触凸部１５ａを懸垂
碍子１３の表面で滑動させることにより、押圧力
のみで容易に移動することができる。

上記実施例は送電線鉄塔用の碍子の中で懸垂碍
子の洗浄作業について説明しているが、これが他
の碍子、例えば長幹碍子、電気所で用いられる碍
管、支持碍子等を洗浄対象とする場合にも基本的
に同様である。

又、この発明は次のように実施してもよい。

前記実施例では受台１５を操作ロツド２に嵌合
固定した取付筒体１６の取付板部１６ａに装着し
たが、水タンク８の側面に取付部を設けてこれに
受台１５を装着すること。

発明の効果 以上詳述したように、第１発明は碍子洗浄機の
全荷重を受台と支え位置との間で分担できるとと
もに、その受台を碍子の表面に沿つて走行させれ
ば噴射ノズルの噴射位置を容易に移動させること
ができ、しかもその受台は操作ロツド先端部より
の取付部に対し回動可能に連結支持されているの
で、操作ロツドを傾斜させれば噴射ノズルの噴射
方向を簡単に変更でき、碍子の表面をあらゆる角
度から迅速に洗浄することができる効果がある。

又、第２発明は前記第１発明の効果に加えて、
操作ロツドの支え位置より基端部側に重錘が設け
られているので、操作ロツド等の荷重と前記重錘
とがバランスして碍子洗浄機の碍子上での移動及
び運搬を一層容易に行うことができる優れた効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した一実施例を示す
正面図、第２図は要部の拡大正面図、第３図は受
台のみの斜視図、第４図は重錘の取付構造を示す
拡大断面図、第５図は噴射ノズルを示す拡大正面
図、第６図は水タンクを示す断面図、第７図は従
来の碍子洗浄機を示す正面図である。 １……碍子洗浄機、２……操作ロツド、２ａ…
…操作部、３……継手、４……送気用ホース、５
……取付管、６……可動取付部材、７……噴射ノ
ズル、８……水タンク、９……空気取入管、１０
……送水管、１１……バルブ、１２……ベルト、
１３……懸垂碍子、１５……受台、１５ａ……接
触凸部、１５ｂ……ブラケツト、１６……取付筒
体、１６……取付部としての取付板部、１７……
連結ピン、１８……重錘、１９……ボルト、２０
……取付筒体、Ｐ……支え位置としての肩掛け
点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁材よりなる操作ロツド２の先端部に噴射
   ノズル７を設けるとともに、該操作ロツド２の基
   端部側に操作部２ａを備えてなる碍子洗浄機にお
   いて、 前記操作ロツド２の先端部寄り位置に設けた取
   付部１６ａに対し、碍子の表面を走行する絶縁材
   よりなる受台１５を回動可能に連結支持したこと
   を特徴とする碍子洗浄機。 ２ 前記受台１５は操作ロツド２に嵌合固定され
   る嵌合筒体１６の取付板部１６ａに対し連結ピン
   １７により同連結ピン１７を支軸として回動可能
   に連結されている特許請求の範囲第１項に記載の
   碍子洗浄機。 ３ 前記受台１５の碍子表面と対向する側には、
   多数の接触凸部１５ａが所定間隔をおいて直列
   に、かつ、二条平行状に形成されている特許請求
   の範囲第１項に記載の碍子洗浄機。 ４ 絶縁材よりなる操作ロツド２の先端部に噴射
   ノズル７を設けるとともに、該操作ロツド２の基
   端部側に操作部２ａを備えてなる碍子洗浄機にお
   いて、 前記操作ロツド２の先端部寄り位置に設けた取
   付部１６ａに対し、碍子の表面を走行する絶縁材
   よりなる受台１５を回動可能に連結支持するとと
   もに、操作ロツド２の支え位置Ｐよりも基端部側
   にバランス用の重錘１８を設けたことを特徴とす
   る碍子洗浄機。 ５ 前記重錘１８は操作ロツド２の長手方向に位
   置調節可能である特許請求の範囲第４項に記載の
   碍子洗浄機。