JPH0356299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、外殻体内に円筒体の外周に螺旋羽根
を巻回した揚穀螺旋体と、該揚穀螺旋体を同心に
内挿し、多数の小孔が設けられた選別網体とを収
納し、揚穀螺旋体の基部に未選別穀類を供給して
揚穀しながら選別する縦型穀類選別機に関する。

「従来の技術」 従来の縦型穀類選別機では選別網体を通過して
落下する小穀粒は、選別網体の裾部に配設された
複数個の下部掻出羽根によつて掻き出されてい
た。

また、供給ホツパに供給される未選別穀類に混
入している塵埃を排除する手段がなかつた。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来の縦型穀類選別
機では選別網体の裾部にかかる軸直角方向の力が
大きく、選別網体の網体駆動軸に無理が掛かり、
また動力損失も大きいものであつた。

一方、供給ホツパに供給される未選別穀類には
先工程である籾摺工程などで相当の塵埃が混入し
ており、従来は選別工程の後に塵埃除去工程を必
要としていた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、選別網体の裾部に無理な力が掛
からず、動力損失も少ない小穀粒排出手段を有す
ると同時に、供給された未選別穀類から塵埃を除
去できる縦型穀類選別機を提供することを目的と
している。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 (1) 未選別穀類を供給する供給ホツパと、精選さ
れた穀粒を貯留する貯留タンクとを体外に備え
た外殻体の内部に、円筒体の外周に螺旋羽根を
巻回した揚穀螺旋体と、該揚穀螺旋体を同心に
挿通させ、多数の小孔が設けられて成る選別網
体と、これら揚穀螺旋体と選別網体とを相対回
転させる駆動手段とを備え、揚穀螺旋体の基部
に設けられ、前記供給ホツパから未選別穀類を
受ける受粒筒から未選別穀類を掻き揚げて選別
する縦型穀類選別機において、 前記揚穀螺旋体は高速に回転する選別域螺旋
体と、低速に回転する供給域螺旋体とから成
り、 前記選別域螺旋体の基部に複数個の旋風羽根
を受粒筒外周に沿つて配設し、 前記旋風羽根の周回する近傍の外殻体に、小
穀粒ならびに塵埃の排出管を設けたことを特徴
とする縦型穀類選別機。

(2) 前記受粒筒の前記旋風羽根が周回する領域
に、小穀粒ならびに塵埃を通過させる多数の小
孔を設けたことを特徴とする実用新案登録請求
の範囲第１項記載の縦型穀類選別機に存する。

「作用」 供給ホツパに供給された未選別穀類は、揚穀螺
旋体の基部に設けられている受粒筒に入り、該部
において低速に回転する揚穀螺旋体の供給域螺旋
体によつて掻き揚げられていく。そして続く高速
に回転する選別域螺旋体によつて強い遠心力によ
り、外方に飛散させられ、選別網体によつて選別
作用を受け、選別網体の小孔を通過した小穀粒は
選別網体の外周に沿つて落下してくる。

選別網体の小孔を通過しないような良殻は、上
方に揚げられ、貯留タンクに一時貯留される。

選別網体の外周に沿つて落下してきた前記小穀
粒は、高速に回転する選別域螺旋体の基部に配設
されてともに高速に回転している旋風羽根によつ
て排風とともに外部に排出管から排出される。

旋風羽根は、受粒筒の外周に沿つて高速に回転
しているから、外殻体内壁に向う気流を生起して
おり、排出管から強く吹き出している。そしてこ
の排出気流によつて上方から落下してくる小穀粒
とともに、浮遊している塵埃も同時に体外に排出
される。

受粒筒の前記旋風羽根の周回領域に多数の小孔
を有するものでは、該小孔を通して受粒筒から気
流を吸引しており、該気流に誘引されて受粒筒内
からも一部小穀粒を含んだ塵埃を外部に排出す
る。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の各種実施例を説明
する。

縦型穀類選別機１０は、第１図に一部省略して
示されるように、外殻体１１内に回転自在に立設
され、同心にかつ相反方向に回転する選別網体１
７ならびに揚穀螺旋体２０と、揚穀螺旋体２０の
基部に設けられた受粒筒４０と、外殻体１１外に
設けられ、未選別穀類を受ける供給ホツパ１２
と、受粒筒４０の基底をなす基台板１４の背面に
取付けられた選別網体１７ならびに揚穀螺旋体２
０の駆動手段５０と、外殻体１１の体外頭部側方
に設けられ、精穀を一時貯留する図示省略の貯留
タンクとから成つている。

揚穀螺旋体２０は、ほぼ受粒筒４０内にあり、
ゆつくり回転して受粒筒４０の底部から未選別穀
類を掻き揚げる供給域螺旋体２５と、この供給域
螺旋体２５に縦列して高速に回転する選別域螺旋
体３０とから成つている。

選別域螺旋体３０の下端部には第１図に示すよ
うに、外方に張り出され、受粒筒４０の外周に沿
つて曲折された複数個のアーム部材３１が設けら
れており、先端に旋風羽根３２が固設されてい
る。

旋風羽根３２は第２図に示すように、矢印の回
転方向に対して中心部から空気を吸引する方向に
角度をもつて取付けられている。

そして、前記旋風羽根３２の旋回する羽根室Ａ
が大気圧以上となつて、塵埃などとともに排出さ
れるように、上方は羽根室上板１５に、下方は羽
根室下板１６によつて囲まれている。

羽根室上板１５は漏斗状に強い傾斜をもつて上
方に開いており、羽根室下板１６には小穀粒や塵
埃を外部に導く排出管１８が設けられている。こ
の排出管１８は下方に折り曲げられており、管端
にはバグフイルタが取付けられる。

駆動手段５０は、第４図に示すように、モータ
５１の出力軸５２に固着されている駆動歯車５
３，５４にそれぞれ噛合する従動歯車群によつて
供給域螺旋体２５の駆動軸５５、選別域螺旋体３
０の駆動軸５６、選別網体１７の駆動軸５７が駆
動される。

次に作用を説明する。

供給ホツパ１２に供給された未選別穀類は、連
通管１３を通つて受粒筒４０に供給される。

受粒筒４０内では緩速に回転する供給域螺旋体
２５によつて未選別穀類はゆつくり上方に送られ
ていく。そして高速に回転する選別域螺旋体３０
に送られた穀類は、強い遠心力によつて半径方向
に跳ねだされ、選別網体１７によつて分別され
る。

選別網体１７を通過した小穀粒は、外殻体１１
の内壁に沿つて下方に落下し、羽根室Ａ内に入
る。

羽根室Ａ内では、旋風羽根３２が高速に回転し
て排出管１８から強い排気流を発生しているか
ら、小穀粒は浮遊している多量の塵埃とともに、
この気流に乗つて排出され、排出管１８の管口に
取付けられたバグフイルタに集められる。

旋風羽根３２は堆積している穀粒を掻き出すの
ではないから、不規則な機械的力を受けず、選別
網体１７の裾部に横向きの力を与えない。

次に、第２実施例を説明する。

本実施例では、受粒筒４０は、第３図に示すよ
うに前記旋風羽根３２がその表面を周回する領域
では、小穀粒以下の塵埃を通過させる多数の受粒
筒の小孔４１が穿設されている。

次にその作用を説明する。

旋風羽根３２は受粒筒４０内から常に空気を吸
い出しており、この流出する気流によつて選別域
螺旋体３０による掻き混ぜ作用を受けて大量に浮
遊している塵埃を羽根室Ａ内に吸い出し、選別さ
れて落下してくる小穀粒などとともに排出管１８
から排出する。

「考案の効果」 本考案に係る縦型穀類選別機によれば、高速に
回転する揚穀螺旋体の一部に中心から強い吸い出
し気流を発生し、選別された小穀粒とともに外部
に排出する旋風羽根を配設したから、穀粒中に含
まれる多量の塵埃をも同時に吸引して排出するこ
とが出来、選別後の精穀から塵埃を除去する次工
程を不要とし、また選別網体の裾部に横向きの力
が掛からず、網体駆動軸の軸受部の耐久性を高め
ることができる。

さらに、受粒筒に旋風羽根の周回領域に小穀粒
以下の大きさの多数の小孔を設けたものでは、供
給されて掻き揚げ中の未選別穀類からも多量の塵
埃を吸引して排出することが出来て、前記効果を
一層高めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示してお
り、第１図は縦型穀類選別機の一部を省略した縦
断面図、第２図は第１図における揚穀螺旋体を省
略した−線断面図、第３図は受粒筒の斜視
図、第４図は駆動手段の構成図である。 Ａ……羽根室、１０……縦型穀類選別機、１１
……外殻体、１２……供給ホツパ、１４……基台
板、１５……羽根室上板、１６……羽根室下板、
１７……選別網体、１８……排出管、２０……揚
穀螺旋体、２５……供給域螺旋体、３０……選別
域螺旋体、３１……アーム部材、３２……旋風羽
根、４０……受粒筒、４１……受粒筒の小孔、５
０……駆動手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 未選別穀類を供給する供給ホツパと、精選さ
   れた穀粒を貯留する貯留タンクとを体外に備え
   た外殻体の内部に、円筒体の外周に螺旋羽根を
   巻回した揚穀螺旋体と、該揚穀螺旋体を同心に
   挿通させ、多数の小孔が設けられて成る選別網
   体と、これら揚穀螺旋体と選別網体とを相対回
   転させる駆動手段とを備え、揚穀螺旋体の基部
   に設けられ、前記供給ホツパから未選別穀類を
   受ける受粒筒から未選別穀類を掻き揚げて選別
   する縦型穀類選別機において、 前記揚穀螺旋体は高速に回転する選別域螺旋
   体と、低速に回転する供給域螺旋体とから成
   り、 前記選別域螺旋体の基部に複数個の旋風羽根
   を受粒筒外周に沿つて配設し、 前記旋風羽根の周回する近傍の外殻体に、小
   穀粒ならびに塵埃の排出管を設けたことを特徴
   とする縦型穀類選別機。 (2) 前記受粒筒の前記旋風羽根が周回する領域
   に、小穀粒ならびに塵埃を通過させる多数の小
   孔を設けたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の縦型穀類選別機。