JPH035621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は張付床用目地材、特には建造物の床仕
上げとして用いられる張付床材の張付目地に適用
される目地材に関する。

（従来の技術） 建造物の床、特にコンクリート床の仕上げ方法
の一つとして、オフイス等ではたとえば塩化ビニ
ル樹脂の如き合成樹脂製のタイルをモザイク状に
張付けることが一般に行われている。この場合、
床材としての該タイルの張付施工においては、タ
イルを順次一方側から隣接する端縁を当接せしめ
ながら敷詰め、接着剤で床下地に張付けただけの
ものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従つて、上述の如き単に下地に接着剤を塗布し
て接着固定したものにあつては、比較的容易に剥
れが生じ易く、タイルの周縁がまくれ上る等の障
害が起きるという問題があつた。

本考案は上述問題点に鑑み、張付床材の張付目
地に該床材の周縁を機械的に安定的に押えつけて
固定すると共に、外観的にも好ましい目地材を提
供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は適宜大き
さの合成樹脂製タイルの如き床材を張付けてなる
張付床の目地に嵌合しうると共に、該床材の板厚
と略等しい高さの脚部となる嵌合部に対し、該嵌
合部の上部には該嵌合部の幅方向両側に所定幅で
延出し端縁に向けて順次薄肉となつた延出部を有
する頭部が一体に形成され、断面を略Ｔ字形とな
すように形成して目地材としたものである。

上記目地材の頭部は、できるだけ扁平に薄く形
成し、床材と接して境界となる延出部端縁は、段
差が生じない程度の薄さとしておくのが好まし
く、従つて、目地材としては強度的に十分なアル
ミニウム合金、真鍮等の金属、硬質塩化ビニル樹
脂等の合成樹脂で形成しておくのがよい。

（作用） 斯くして上記目地材によれば、床材を床下地に
予め所定の相互間隙をもつて接着固定して配設し
ておき、該間隙部に嵌合部を嵌合するようにして
目地材を接着固定するか、或は順次床材を床下地
に接着配設する際に、床材相互の端縁間に目地材
を配設していくようにすれば、配設された各床材
の目地には全て目地材が配設されて、その頭部の
延出部で各床材の縁部を機械的に押えつけるの
で、その配設状態が安定し床材は縁部が浮き上つ
て剥離するようなことがない。又頭部は扁平に形
成されていることにより、歩行等に何ら支障を来
たすことなく、又目地材を床材との関連で適宜着
色等しておくことにより、床デザイン上極めて好
ましいものとすることができる。

（実施例） 以下、図示した実施例に基き本考案をさらに詳
述するが、第１図は本考案に係る目地材の一例の
部分斜視図、第２図は第１図実施例を張付床に適
用した場合の一例を示す部分斜視図、第３図は第
２図−線部分拡大断面図である。

各図において、１は目地材であり、適宜着色し
たアルミニウム合金乃至は真鍮等の金属、或は適
宜着色した硬質塩化ビニル樹脂等の合成樹脂等に
よる長尺のものから成つており、後述する目地８
部分に嵌合固定される嵌合部２、及びその上部に
幅方向両外方に延出する延出部３，３を有する頭
部４が一体に形成され、全体として断面がＴ字形
を成している。嵌合部２の底部５は、好ましくは
長手方向に凹凸条乃至は多数の凹凸部分を形成し
ており、高さａは敷詰められる後述の床材６の板
厚と等しいか、やや小さ目に形成されている。頭
部４は、断面において上面が全体に大径の円弧で
形成されるか、或は中央部が水平に平坦で端縁に
かけて円弧乃至は傾斜面で形成される一方、延出
部３，３の下面は水平の平坦面乃至は端縁にかけ
てやや下方に傾斜した面で形成され、全体として
扁平で先細り状をなしている。

斯くして、上記の如き目地材１によれば、第
２，３図に示すようにたとえば30×30cm、45×45
cm、60×60cmの大きさの床材としての合成樹脂製
タイル６を、床下地７に接着剤を介して敷詰めて
配設するに際し、予め目地材１の嵌合部２の幅分
だけあけて、タイル６を所要部分全体に接着配設
して後、該間隙を有する目地８部分に該嵌合部２
を挿入し、底部５を接着剤により固定する。或
は、敷詰める所要部分の一端部から、タイル６を
接着配設する毎に目地材１を介在せしめて、同時
に全体を敷詰固定する。この場合、目地材１はタ
イル６の縦列方向には全体を通して連通した目地
材１Ａを用い、横列方向は各タイル６の一辺の長
さに相当する目地材１Ｂを用いるのが好ましい
が、縦、横列共タイル６の一辺の長さのものを用
いるか、或は縦、横列に適宜長短組合せて用いる
ことも可能である。

斯かる如き張付床によれば、床材としての各タ
イル６の各縁は、目地材１の延出部３，３によつ
て確実に押えつけられるので、安定的に接着固定
され、縁部から剥れる等のことがなく、特に長尺
床材を適宜の長さに切断して敷詰めるような場合
には、床材の各種の長さのものを組合せて配設す
ることも可能で、床デザイン上変化が得られて極
めて好ましいものとなり、巻ぐせによる縁部の剥
離化力も押えられるので、接着固定が確実で安定
的となる。又、目地材１の頭部４は扁平で、長手
方向に沿つた端縁は先細り状となつて、タイル６
の上面との境界部分が段状となることもないの
で、歩行や物の載置に特別支障を来たすというこ
ともない。さらに目地材１をタイル６の色に合わ
せて適宜着色しておくことにより、床をデザイン
的に極めて好ましいものとすることができる。
又、目地材１は簡単に切断可能なので、現場での
所要の長さの調整が容易に行い得、施工が簡単で
ある。

尚、本考案は上述実施例に限定されるものでは
なく、たとえば目地材の嵌合部は長手方向に断続
的であつてもよく、断面形状は必ずしも矩形であ
る必要はなく、頭部上面には長手方向に筋目を設
けてもよい等のほか、床材の大きさは任意のもの
を用いることができる等、本考案はその要旨内で
種々変形可能なのは勿論である。

（考案の効果） 以上の如く、本考案の目地材によれば、モザイ
ク状に敷詰め配設された張付床材の周縁を、機械
的に安定的に押えつけて固定するので、床材は縁
部がまくれ上る等のこともなく剥離することがな
い上、歩行等にも支障はなく、床デザインにおい
て外観上極めてすぐれたものとすることができ、
施工も容易である等の特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る目地材の一例の部分斜視
図、第２図は第１図実施例を張付床に適用した場
合の一例を示す部分斜視図、第３図は第２図−
線部分拡大断面図である。 １，１Ａ，１Ｂ……目地材、２……嵌合部、３
……延出部、４……頭部、６……タイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜大きさの床材を張付けてなる張付床の目地
   に嵌合しうると共に該床材の板厚と略等しい高さ
   の嵌合部に対し該嵌合部の上部には該嵌合部の幅
   方向両側に所定幅で延出し端縁に向けて順次薄肉
   となつた延出部を有する頭部が一体に形成されて
   なる張付床用目地材。